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デュエル・マスターズ WIN 第14話「怒りと闇」感想

最初の激突

ピリピリした空気にボウイくんの優しさがスーッと効く……

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  • 怒りを知り止める者、知らずに進ませる者

 パパリンの敗北、そしてカイザの横暴にウィンがかつてない怒りを見せるところから始まった今回のデュエマWIN。パパリンを家に運ぶまでは良かったものの(ボウイとカレンが一緒にいるが、いつ頃合流したのだろうか)、直後に大会で手にした挑戦権でカイザに挑もうとする様子には危機感を覚えました。仲良くしていた相手にも心なしか厳しい物言いをしている辺り、ウィンが復讐で頭がいっぱいになっているのが伺えます。険しく影を残している表情がこれまた悲痛に思えてきました。普段の明るいウィンを知っているだけに、このギャップにはショックを受けてしまいますね。

 ただパパリンによるとウィンがカイザを許せないのは「ある思い出」が起因しているとのこと。劇中ではそれをボウイに語るシーンがカットされたのでどういったものなのかはわかりませんが、ウィンが家族のことを想っているが故の怒りだということは何となく読み取れます。そのためパパリンの意思を汲んでウィンを止めるボウイの姿が輝いていましたね。事情を知ったからこそ、ウィンに冷静になってほしいボウイの理性的な面は個人的にもかなり好ましいです。だから事情を知らないのに「敵討ちいいやん!」と発破かけるのはやめろいいやん!

 一方でウィンの怒りに応えていたのは意外にも邪神くん。彼の怒りからくる闇のエネルギーを利用して、邪神の眷属であるマーダン=ロウを復活させる流れには少々驚かされました。(このマーダン=ロウ、主の前で舌打ちしたり*1かましかったりとこれまた濃いアビスです)その後新しい戦力を手にしたウィンに発破をかけていくなどいつになくノリノリです。これに関してはウィンに共感したからとかでは一切なく、自分たちの封印の開放に都合がいいから協力しているのでしょうね。上述のボウイと比べると、ウィン自身のことはどうでもいいと考えていそうな点が性悪に思えてなりません。事情を知らないが故に少年の感情を利用する、邪神くんの悪魔のような一面が垣間見えた気がします。

 

 

  • 王者の余裕とデュエル・マスターの謎

 怒りに燃えるウィンに対し、復讐の対象であるカイザは割と飄々としている印象を受けました。というかパパリンだけでなくウィンさえも罵倒してくるのがひどかったです。父親が弱かったからと言って息子もゴミクズ呼ばわりはちょっとどうかと思いますね。以前から物言いに問題があるとは思っていましたが、元から煽り気味な性格だったのでしょうか。自分が認めない相手にはとにかく辛辣なカイザのどこか精神的な幼さを感じさせる一面でした。(ボウイに対しての厳格なキャラはどこに……)

 一方でデュエマ中ではウィンを侮らず、その動向を静かに観察しつつ対応してくる姿を見せてきました。こちらは強者としての余裕が感じられますね。あれほど馬鹿にした相手であろうと油断しない点は流石といったところです。またウィンの方も怒りに呑まれながらもじっくり考えながらカイザの手の内を読んで動いており、両者のデュエマに対する冷静かつ真摯な姿勢が感じ取れました。*2

 他にもカイザに関して気になったのが内心で「デュエル・マスター」の単語を発したシーン。この世界にもデュエル・マスターが存在しているかもしれないという事実には衝撃を受けました。カイザがそのデュエル・マスターを探しているとして、何故ウィンにその可能性を見出したのも気になりますね。カギはカイザにかかってきた電話に在りそうですが、その電話の主は果たして何者なのか……?これまではリアル志向の趣が強かった本作に突如として出てきた謎のデュエル・マスター要素、果たしてこれがどのような展開をもたらすのか注目が止まりません。

 

 

  • 龍の鉄拳と熱鎖で歯向かうものをぶっ潰す!

ボルシャック・テイル・ドラゴン 火文明 (4)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン
パワー5000+
▪️S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
▪️このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。
▪️シビルカウント3:自分の火のクリーチャーまたは火のタマシードが合計3つ以上あれば、このクリーチャーのパワーを+2000し、「W・ブレイカー」を与える。(「W・ブレイカー」を持つクリーチャーはシールドを2つブレイクする)

 プリンス・カイザが度々使用しているカードで、《ボルシャック》の名前を持ったドラゴンの1体です。体の至るところに鎖が巻かれている点が特徴的で、かつボルシャック特有の巨大な拳と相まってステゴロで戦いそうな雰囲気を醸し出しています。

 カードとしてコスト4のパワー5000とそこそこのサイズ。ボルシャックとしては《ボルシャック・栄光・ルピア》に次いで軽量ですが、それ以上にS・トリガーを持っていることがポイント。トリガーを持っていながら手打ちしやすいコストと少しだけ高いパワーを有しているのはかなり珍しく、トリガークリーチャーとしてかなり優良な部類に入ります。

 能力もcipで効果バトルを発生させる《熱血龍 バトクロス・バトル》と同タイプのもので、実質5000火力による単体除去として扱うことが可能です。パワー5000という範囲は狭いようにも感じますが、小型ウィニー相手には十分。加えてシビルカウント3を満たせばパワー7000にまで上昇するので、相手取れる範囲がより拡大します。cipを使った後は、革命チェンジに使うほか《超竜キング・ボルシャック》に進化させるのもいいでしょう。

 効果バトルを持ったトリガードラゴンとしては上述のバトクロスをはじめとしたライバルが数多く存在しますが、コストの軽さという点で差別化は可能。手打ちしやすいというのは他にはない利点で、手札から厄介なメタクリーチャーを破壊出来るというのはとても魅力的です。シビルカウント達成でW・ブレイカーも得るので、コスト以上の働きを狙えるかもしれません。(ただ自前でスピードアタッカーを持っていない点には注意)例によって【赤緑ボルシャック】はもちろんのこと、赤単の並べるデッキの防御札としての採用が見込めます。除去範囲の使いどころさえ見誤ることがなければ、十二分に活躍してくれるでしょう。

 

 

 そして次回はウィンVSカイザ後編。ウィンがマーダン=ロウを早速使おうとする中、カイザはアビスロイヤルを把握しているかのような態度を見せてくるようです。やはりカイザは本作のデュエマの裏側事情について何か知っているのでしょうか。せっかく手にした新カードも、あっさりやられてしまいそうなフラグが立ってきました。しかしウィンとカイザ、どちらが勝つかはまだわかりません。どっちが勝ってもおかしくない展開なだけに、次回が非常に気になりますね。

 また上述のウィンの過去についても触れられる模様。今回チラリと見せていた寂しそうなウィンの表情、そして予告映像のパパリンの明るい姿に胸打たれます。微笑ましい光景である反面、この家族にはどんな闇が隠されているのか不安になって仕方ありません。というかエリザ先生らしき女性の写真について触れてくれるんですかね……?)早く続きが見たいものです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:舌打ちするキャラについては、マーダン=ロウのモチーフである「暖炉の火がパチパチなっている音」を意識しているのだろうか。

*2:またこの辺りのシーンはデュエマアニメでは珍しく1ターン目からの展開を丁寧に描いており、ウィンとカイザのデュエマの力の入れようが伺える。