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ウルトラマンデッカー 第24話「夢の果て」感想

果てに残るは希望か

あるいは絶望か

最期に救われて良かったね、アガムス……!

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  • 諦めない想いが届く時

 約3週間ぶりとなるデッカー本編。今回は収縮を始めようとするスフィアのバリアを破壊するため、GUTS-SELECTら人間の最後の抵抗が見られました。ガッツファルコンもガッツホークも落とされた中、5話及び13話で使用されたメガアースを利用する作戦に出た時は思わず膝を打ちましたね。忘れたころに懐かしの設定を持ってくるのは中々に憎いです。他にもカナタたちが訓練生時代に親交を深めた仲間たちと再会し、共に作戦遂行に当たるなどグッとくる描写が多かったです。そうしてオベリスクの人柱を破壊する場面まで、カナタたちの諦めない姿勢がこれでもかと伝わってきました。

 

 そんなカナタの姿勢が、何度目かとなるアガムスとの決戦でついに結実することに。カナタの必死の想いがアガムスに届き、彼と和解する展開に感動しました。完全に意識をスフィアに乗っ取られていた中、カナタの言葉をきっかけにレリアとの記憶を思い出す流れにはウルウルさせられます。(「花……木々……空……」がレリアがアガムスに教わった地球の言葉だったという事実にも涙が溢れそうになります)デッカーを狙うと見せかけて、カナタと共にスフィアオベリスクを破壊した時の爽快感はかなりのものでしたね。許せなかったのは何よりも自分自身であること、レリアとの約束や地球との交流をずっと願っていたことを思い出し、ようやくカナタとわかり合えたアガムスに涙が止まりません。

 それだけに、アガムスが直後に出現したマザースフィアザウルスの攻撃からカナタを庇って死亡する最期には愕然となりました。悪役である以上こうなることは覚悟していたものの、カナタと和解出来た矢先にこれだったので本当に悲しかったです。ただ後悔と自責の念に駆られ、スフィアに侵食されながら終わるよりはずっと救いのある末路だったとも言えますね。これまでもどこか無理をして地球に牙を剥いていたアガムスが、自分の本心に気付いて行動出来たのなら十分にハッピーだったのかもしれません。レリアと交わした「宇宙中のたくさんの友達と明るい未来を創る」願いをカナタに託し、散っていったアガムスにひとまずは合掌したいと思います。

 

 

  • 若き心を侵食する脅威

 カナタのひた向きなところがようやく報われた点で希望が持てたものの、それ以上の絶望が見られたのも今回の特徴。何と言っても頭目覚めたカナタの体にスフィアが浮き上がっていたのが衝撃的でしたね。その後ただでさえ疲弊しているカナタが、スフィアの浸食によって苦しみながらそれを隠している様子は見ていて辛いものがありました。そんなときに限って不安がるイチカを励ますなど、その優しさと空元気からは無理をしていることが嫌でも読み取れてしまいます。

 デッカーに変身してからはわずか数秒でカラータイマーが点滅し始める異常事態にも目を剥きました。ダイナミックタイプになっても終始苦しそうで見ていられなかったです。それでも頑張って上述のアガムスとの和解に達成出来た点は素晴らしかったものの、本心を隠しがちなカナタの悪癖がチラホラ見られて不安にさせられる場面が非常に多かったように見えました。

 それにしても、カナタはいつスフィアに寄生されたのでしょうか。1話でスフィアに飲み込まれた時など考えられる要因はいくつかあるものの、ここにきていきなり侵食が始まるのはどうにも不自然に思えます。これまではデッカーの力でスフィアの浸食を食い止めていて、その力が弱まったからスフィアが表に出てきたという説もあります。ただ個人的にはデッカーの力の正体はやはり……といったことを考えてしまいますね。いずれにせよマザースフィアザウルスの攻撃でDフラッシャーを破壊され、スフィアの浸食が進むなどカナタが絶体絶命なのは明らか。果たして彼は次回どうなってしまうのでしょうか。

 

 

  • 全てを喰らい君臨する荘厳なる絶望

 前回のラストでその姿を現し、今回本格的に大暴れしたラスボス最強スフィア獣 マザースフィアザウルス」。全てのスフィアを統べる本体「マザースフィア」が怪獣の姿に変形した姿です。本作の元凶とも言える存在ながらその白いボディは美しさを感じさせるのが特徴的で、一方て不気味なようにも思える点はまさにそんな特徴を有するスフィアの親玉に相応しいものものだと思います。

 見た目としては氷山に手足が生えて怪獣化したかのようなイメージが強いです。また脚部が太く、それ以外の体の至るところが筋骨隆々であり非常に巨大。これだけで相当な力強さを感じます。胸にはスフィアのコアのようなものが確認出来、度々発光していることからもこれが本体にして弱点であるのは間違いなさそうです。ただそれを突いただけで勝てるとは思えないほど、この怪獣は圧倒的な存在感を放っています。

 そんな見た目に相応しく、戦闘では最初デッカー&トリガー&テラフェイザーの3体を腕っぷしだけでねじ伏せていました。デッカーたちの攻撃にはビクともせず、逆にマザー自身は腕や尻尾を軽く振るうだけで相手をなぎ倒すなど力の差は歴然。特殊能力を持っているもののそれを使わずとも強い辺り、これまでのスフィアの怪獣と比べても別格であることが伺えますね。(そもそも前回のラストで戦ったグリッタートリガーエタニティを地球に突き落とすまで追いつめているという……)

 さらに相手のエネルギーを吸収し、胸のコアから破壊光線を発射する技保有しています。こちらはデッカーのシールドカリバーを破壊するほどの威力だった他、それを3連発するという驚異的な連射性能を発揮していました。デッカーたちが満身創痍だったとはいえ、ここまでの完封勝利を見せつけてくる辺りこれまでの状況とはわけが違います。最終邸にエタニティコアを暴走させて自ら地球を喰らいつくそうとしているようですし、絶望感をたっぷり見せつけてくるまさにラスボスとして風格を兼ね備えた恐ろしさを存分に持っていたと思いました。

 

 

 というわけで24話の感想でした。地球人だけでも十分に頑張っていたり、それでも隊長や副隊長がやられたりと上述の件以外にもショッキングな内容が多かった回でもありました。(あとイチカがカナタではなくケンゴの正体の方を先に知ってしまったことにびっくり)こうした追い詰められた状況を見せつけられると、物語も終盤なんだな……ということを実感しますね。

 ケンゴですら完膚なきまでに打ちのめされてしまい、カナタはカナタでヤバいこの状況、もうどうすればいいのかわからないほど絶望的です。なのでそれでもアキトなら……アキトなら何とかしてくれるはず……とかつい考えてしまいますね。あとイグニスでもカルミラでもダイナでもいいから誰か助けに来てー!!

 

 

 そして次回はいよいよデッカー最終回!!スフィアによって地球消滅の危機が迫る中、生き残った面々だけで決戦に挑む模様です。予告映像ではナースデッセイ号やガッツファルコン&ホークはもちろんのこと、何とテラフェイザーも共に戦う様子が確認出来ます。アガムスの意志を継ぎ、テラフェイザーが再び地球の守護者として戦ってくれるのは非常に嬉しいですね。それだけでなく今回のように諦めずに戦うカナタたちの強さにも期待がかかります。果たしてどのように決着するのか、それを楽しみに待っていたいと思います。最終回も見るしかねぇ!見るしかねぇんだ!!

 

 

 ではまた、次の機会に。