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デュエル・マスターズ WIN 第20話「容疑者はX」感想

真実はいつもひとつ……かな?

不穏な要素を残していたけどカレンちゃんが可愛かったからヨシ!(現場デュエにゃんこ)

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  • 仲間たちの意外な一面

 いつも通りの平和なシラハマで、ボウイたちがバーベキューをしている光景から始まった今回のデュエマWIN。微笑ましい一幕の中で、カイザがマーダン=ロウのことを知っていたことに疑問を持ち始めているウィンの様子が描かれていました。以前の感想でも触れましたが、この辺りの謎をようやく本編で追及してくれるというのは嬉しいですね。あの場にいた仲間たちの中に裏切り者がいるかもしれない……という良い緊張感も走りそうです。

 …………などと思っていたのも束の間。うんちく主導の捜査が全体的にコミカルなのもあってそこまで深刻な話にはなりませんでした。というか終始うんちくの決めつけと妄想が激しく、場をひっかきまわしていただけのように見えます。(身内をアンドロイド呼ばわりする様には少々呆れてしまいました)そのため今回のうんちくは探偵らしく振る舞いたくて全力で滑ってしまった感がありました。とはいえそういった年相応なところが彼にあったと思うと可愛らしく思えますね。『TRICK』をはじめとした刑事もの・探偵もの作品のパロディセリフも多く、うんちくがこうしたことにノリノリだったというギャップも相まってちょっとクスっとさせられます。

 疑いを掛けられていた面々がことごとく空振りだったのも印象的ですが、それどころかいいやんとランナーが俳優デビューを狙っていたり、源さんがVチューバーみたいなことをやっているなど仲間の意外な一面が判明するのが面白かったです。(そんな中で例によってウィンとの試合を分析していた努力家ボウイが素敵……)上述の意外とノリノリだったうんちくも含め、仲間たちが普段見せない様子を知ることが出来た、興味深い回だったとも言えますね。

 

 

  • 非道な輩を討つ最強ヒロイン!

 今回のもう1つの見どころが何といってもカレンの活躍ですね。裏切り者探し中に奪われたマーダン=ロウを取り返すために、マイハマギャングのマズキ&ケンドラに立ち向かう流れには驚きつつも感動しました。初登場の時も子どもからカードを奪ったマズキたちに怯まず訴えていた彼女が、ついに1人で奴らと戦うことに感慨深いものを覚えます。

 こうして始まったデュエマパートでは度々描かれていたカレンの強さが遺憾なく発揮スノーフェアリーを駆使した大量展開の時点で感嘆していた中、それらをまとめて《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》の進化元にした時は思わず仰天してしまいました。相手がトリガー呪文多めのデッキだからこそのエクストラウィンで勝利してみせた彼女に、拍手を贈りたくなります。

 また対戦相手であるケンドラがまたもやイカサマを仕掛けてきたのもポイント。以前も使用したアホヤガイの香水を懲りずに使用してきた(しかも今度はドローン散布とより手が込んだものになっていた件)のもあって、それを正道な方法で打ちのめすカレンのカッコいい一面がより輝いていたと言えます。卑劣な相手にも正々堂々と勝つ、強くて可愛いカレンの魅力に惚れ惚れさせられる後半でしたね。

 

 

  • 全消去の命を受けし、滅殺の処刑人

電磁魔天(でんじまてん)イエスザナドゥ 光/水/闇文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド/サイバー・コマンド
パワー11500
▪️ブロッカー
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、または攻撃する時、「S・トリガー」を持つ呪文を1枚、自分の墓地からコストを支払わずに唱えてもよい。そうしたら、唱えた後、墓地に置くかわりに表向きのままシールド化する。
▪️自分が呪文を唱えた時、それよりコストが小さい相手のクリーチャーを1体破壊する。

 ケンドラが使用した切り札的クリーチャー。光、水、闇の3色または通称「ドロマー」カラーを持った新規クリーチャーでもあります。またその名前は勝舞編で登場した敵組織「ガルド」の幹部である「Y(イエスマン)」と「X(キサナドゥ)」を彷彿とさせます。恐らくはガルドの中でも最強クラスの2人をイメージしたカードということなのでしょう。デザインも各々の切り札である《聖鎧亜キング・アルカディア》と《サイバーX・ザナドゥ》を掛け合わせたかのようで妙にカッコいいです。

 カードとしての基礎スペックはコスト9のパワー11500のW・ブレイカー。コストのわりにパワーが低く、W・ブレイカー止まりなのが惜しいところです。それ故少々心許なく思えますが、その分能力が多くいずれも強力なので決して弱くはないと言えます。

 まず登場時と攻撃時に墓地のS・トリガー付き呪文を唱えられるという能力が魅力的ですね。呪文踏み倒しの強さは《龍素記号Sr スペルサイクリカ》や《龍風混成 ザーディクリカ》などのカードの活躍を見れば言わずもがな。中でもこのクリーチャーはトリガー以外の制限が存在しない点が優秀で、サイクリカやザーディクリカの対象ではない《アルカディア・スパーク》のような高コストの呪文も踏み倒せます。

 加えてこの能力で唱えた呪文を表向きシールドにして追加するのも面白いところ。大抵の墓地から呪文を踏み倒すカードは呪文を山札送りにする中、このカードはシールドとしての再利用が狙える点が優れています。トリガー故に相手は下手にブレイクすれば反撃に遭う可能性があり、防御の盤面を整える際にもちょうどいいよくて地味に便利ですね。

 最後は呪文を唱えた際、その呪文のコストより小さいコストの相手クリーチャーを破壊する能力。こちらは上述の呪文踏み倒しに限らず、手打ちでもトリガーからの呪文でも発動します。実質全ての呪文に除去効果を与えられるも同然なので、呪文をドンドン唱えれば容易く盤面をコントロールすることが出来るでしょう。

 これらの能力から呪文主体のデッキとの相性は抜群の1枚。ただ9という重いコストを如何にして出すかが課題となってきます。幸い《ヘブンズ・ゲート》や《クリスティ・ゲート》といった踏み倒しトリガー呪文に対応しており、それらで場に出した後に墓地に行ったカードを唱えることが可能です。*1他にも光のコスト9、という点から【九極侵略】とのシナジーも考えられます。

 またこのカードには手札補充の能力がないのも痛いところ。もしヘブンズ・ゲートでさらなる展開を狙うにしても手札が無ければどうしようもありません。劇中で使われたサイバー・ブレイン》のようなカードとの組み合わせを考えておくといいかもしれません。クセは強いですが、使いこなせたら間違いなく楽しいので是非使ってみたいですね。

 

 

 とまぁここ最近の話と同じく平和な回でしたが、ラストにカイザが何者かと電話をしているシーンで一気にシリアスに引き戻されたのも忘れてはいけません。今回の件でただの杞憂かと思われた裏切り者が本当に存在している事実にはゾッとなりました。果たしてウィンの仲間の中に入って情報を抜き出し、カイザに与する裏切り者は誰なのでしょうか?(個人的には「本命:カレン、対抗:ボウイ、大穴:いいやん」とあらかじめ予想しておこうと思います)今後の話の展開次第で明らかになっていくであろう裏切り者の正体が気になるところです。

 

 さて次回はアビスロイヤルの城が謎の襲撃にある模様。邪神くんたちを襲ってきた襲撃者はアビスですら恐れる「邪龍」とのことですが、果たして邪龍の目的とは如何に……?そしてウィンはその邪龍と出会い仲間にすることが出来るのでしょうか。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ただしこのクリーチャーの踏み倒し能力が発動するタイミングではこのクリーチャーの踏み倒しに使用した呪文は墓地に落ちていないため、あらかじめ墓地に別の呪文を用意しておく必要がある。