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2023年冬アニメ簡易感想 その8

 

 

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 女性漫画家の中でも伝説の1人とされる竹宮惠子。氏の代表作である『地球(テラ)へ…』を皆様ご存じでしょうか。巨大なコンピュータによって管理された人類と、超能力を備えた新人類「ミュウ」の2つを主軸に様々な物語が展開されるSF漫画です。「異なる種族との争い・共存」「“マザー”と呼ばれる人工的存在からの解放」といった要素を1977年の時点で取り入れている点が驚くべきところです。

 そんな地球へ…ですが、僕は2007年に放送されたテレビアニメ版でその存在を知りました。(母が持っている原作漫画と合わせてテレビアニメをチェックしていた思い出)今思えばアニメ版は原作では短い出番で終わってしまったキャラが意外な形で再登場するなどアレンジが効いており、原作をより見やすく魅力的に仕上げていたように感じます。あれから15年以上経って長らく忘れかけていたのですが、上のOP&ED映像をたまたま見つけたおかげでようやく思い出せました。どうやらBlu-rayで発売されるようですが、個人的には配信などで見返しておきたいですね。AmazonPrimeVideoでは1話を無料配信しているので、興味のある方は是非見てほしいです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第4話「王家勲章の行方」

 前回ラストで波乱を呼んだジョナスの裏切りを乗り越え、見事彼への打倒を果たしたアン。冒頭こそ諦めて自暴自棄になっていたアンを見るのが辛かったのですが、羽を返されても彼女の元に残ったシャルが再起のきっかけになっていく展開から一気に物語の明るさを取り戻していきました。ミスリルの機転やヒューのフォローもあってジョナスに打ち勝つ流れは特に爽快感に満ちています。(ジョナスが盗んだアンの砂糖菓子と同じ細工を両者に作らせることで、あちらの虚偽を明らかにする辺りがわかりやすくスカッとしました)最後にアンがジョナスをビンタで吹っ飛ばすシーンなどもあってカタルシスが大きかったです。

 何よりアンの砂糖菓子を作る理由がはっきりしてきたのが素敵でしたね。前回までは自分と母のためだった砂糖菓子が、シャルとの約束を果たすために作るものに変化していく様子は目に見えるほどのポジティブさに溢れていました。シャルの想いに応えようとする姿勢が、母の模倣ではない自分だけの作品に昇華されるという話は、予想していただけにグッとくるものがあります。品評会こそ選ばれずに終わってしまいましたが、アンにとってその栄光以上に重要なものを手にしたことが伝わってくる内容でした。

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ2

第4話「お店番と不審者」「グッドマザー・グッドバイサマー」「続・グッドマザー・グッドバイサマー」

 ギルドマスター「ゴウセツ」の娘「コユキ」ちゃんが主役だった序盤のエピソード。野球拳大好きをプロレス技とメシマズの連続コンボで相手を追い詰めていく様子に大いに笑わせてもらいました。ウキウキしている可愛らしい見た目とは裏腹に、野球拳大好きの方がツッコミに回ってしまうほどの暴走特急ぶりが何とも面白おかしいです。また最終的にコユキちゃんはジャンケンがめちゃくちゃ強かったという展開も予想していたものの、いざ見たら破壊力抜群でしたね。

 そして中盤からはまさかのシリアス前後編に突入。突然子どもになってしまいながらも調子に乗るドラルクに爆笑していたのも束の間、彼が母親の「ミラ」に連れ去られてしまう展開には呆然となりました。親子の時間を過ごせなかったからという動機は理解出来るものの、わざわざ子どもに戻してしまうのは少々怖いですね。この辺りの描写は吸血鬼故の感覚のズレか、それともミラさん自身のキャラのズレなのか気になるところ。(まぁ本作の吸血鬼は意外と常識的だから後者かな……

 体に引っ張られて記憶まで失ったしまったドラルクに当初はショックを受けたものの、無意識にロナルドに送信していた写真が発見の手掛かりになる展開にはテンションが上がりました。忘れてしまってもドラルクの心の奥底では、彼との友情をしっかりと残されていることが伝わってきます。同時にドラルクが母のことをキチンと尊敬していたことがわかるなど、感動出来るポイントも多かったです。不意打ち気味だったからこそちょっと素敵に感じられたエピソードでしたね。

 

 

あやかしトライアングル

第4話「妖巫女の憂鬱」

 祭里の友人関係の乏しさにちょっと涙……女子になってから友達になった「鳥羽弥生(とば・やよい)」と「月丘ルーシー(つきおか・ルーシー)」に対する素っ気ない態度を取る祭里に最初こそ色々思いましたが、祓忍としての任務の忙しさで友達が作れなかった過去を知ってからは途端にお労しくなってきました。同年代の子たちと仲良く出来なかった幼少期からああなってしまったと思うと中々に可哀想です。(まともに遊んだことがないからゲームばかりするようになったのが嫌に生々しい……

 しかしすずの後押しや妖の騒動もあって、祭里が不器用なりに距離を縮めようとしていく様子にほっこりさせられました。弥生とルーシーも変わっているものの基本いい子で、大きな軋轢も生まずにあっさりと仲良くなっていったので実に微笑ましかったです。男だった頃はまともに遅れなかった青春を、女になってからは少しずつ手にしているようでしたね。でも要所要所に入るシロガネ規制が笑いを誘うんですよね……

 そして後半はすずの妖巫女としてのルーツが少しずつ明かされていく内容でしたが、祭里とすずのキスシーンで全ての余韻が吹っ飛ばされてしまいました。突然食欲だけでなく性欲まで発揮し始めたのか!?と焦ってしまいましたよえぇ。二ノ曲先輩曰く妖巫女は人間であり妖でもあるということですが、妖の方の力が暴走しているとかなのでしょうか。

 

 

転生王女と天才令嬢の魔法革命

第5話「魔薬と魔剣の魔竜討伐 」

 危ない薬、ダメ。ゼッタイ。いよいよ始まった対スタンピード及びドラゴン戦ですが、アニスが序盤から謎の薬を服用し始めたのでいきなりギョッとさせられました。最高にハイになって言動も乱雑になるなど、明らかにヤバいものだと一目で確信してしまうほどです。目的のためなら自分の体も平気で酷使する、アニス自身の危険性がここにきて発露してきたように感じます。

 しかし彼女なりに「正しい魔法使い」を目指していることがわかったのは良かったですね。前回こそ素材だけが目的で戦うつもりなのかと若干呆れてしまいましたが、「みんなを笑顔にするのが私の目指す魔法使い」というしっかりとした考えが存在してことに一安心。スタンピードを食い止めている仲間たちを気遣う描写もあり、アニスが彼らに慕われている理由がわかったのは大きな収穫です。

 またそんなアニスのそばに立つユフィリアがまた素晴らしかったです。自分を大事にしないアニスのやり方に異を唱えつつ、正しくあろうとする彼女を支える覚悟を決めた表情は非常に勇ましかったです。力を合わせてドラゴンを撃退したことで、2人は良き相棒になれたことが伝わってくる良き回でした。(でもドラゴンに何かしらの呪いを与えられたのがちょい心配)

 

 

にじよん あにめーしょん

第4話「果林と栞子と将来」

 いつものラブライブみたいな話だったことに驚いた第4話。何と言っても果林の過去が明かされたのが大きな衝撃で、元々は田舎暮らしのやんちゃ少女だったという話に顔が綻びましたね。幼少期のキラキラしたものへの憧れなども描かれ、そこから今の彼女になるまで惜しみない努力があったことが読み取れます。自身に満ち溢れた果林の夢へと邁進する姿勢には今まで以上に好感が持てました。

 そんな果林の過去を知り、多くの人の夢を後押ししてあげたいと改めて思った栞子にこれまた感動。本編で自分が貰った夢に向かって進む喜びを、他の人たちにも与えようとする生真面目さと純粋さは見ているだけで心が浄化されますね。「夢を応援する」という点で侑との共感を深める場面も含めて、互いに支え合う優しい世界に終始元気づけられる内容でした。

 

 

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

第3話「ランナウェイ」

 前回ラストでMS(モビルスーツ)の襲撃が始まりましたが、そこから応戦してきた連邦側の機体との戦闘になってから悲惨さに開いた口が塞がりませんでした。ハサウェイを含めた避難者が落ちてくる機体などに巻き込まれる光景には思わず絶句してしまいます。あまりの状況に泣きわめくギギを抱えたハサウェイが見た火花は、さながら些細なことで人の命が燃えて消えていくことを表しているかのようでした。巨大な人型兵器が戦いを繰り広げることがどれほどまでに恐ろしいことかが、この前半に凝縮されていたと思います。

 このように色々あったものの、その後はケネスに保護されたりそこから無事マフティの仲間たちの元に戻るなど、ハサウェイの激動もこれでひと段落。残りは上述の戦いでメッサーを駆った「ガウマン・ノビル」を助けるだけというところで、自分で助けようとするハサウェイの生真面目さが垣間見えたのが印象的でした。今回登場した連邦の新型ガンダムペーネロペーとそれに乗る「レーン・エイム」と戦い仲間を救うため、いよいよ次回ハサウェイのガンダムが出撃すると思うとワクワクしてきますね。

 

 

 地球へ…の話をしていたらアニメを見たくなったのはもちろん、原作漫画の方も読みたくなってきた今日この頃。やはり原作も読みごたえがあって面白いです。

 そして漫画の方も是非多くの人たちに読んでほしいのですが、まずこれほど昔の漫画をどこで手に入れるかでちょっと悩んでしまいますね。最近は名作漫画をネットで一挙無料公開していることが多いので、せっかくだから地球へ…もそうなってほしいなぁ、とついそんなことを考えてしまいます。というわけでどうですか竹宮先生?

 

 

 ではまた、次の機会に。