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デュエル・マスターズ WIN 第23話「闇に光る眼 シノビの掟」感想

たとえシノビであろうとも

ジェンドル「いやぁいたいけな少年の怒りを引き出すためにあくどいことをするとは悪い奴らがいたものですねぇ」

アバク「自己紹介でもしてんのか?」

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  • カレンの正体、ウィンとの友情

 2週間ぶりに本編に戻ったデュエマWIN。今回はジャブラッドを手に入れることが出来たウィンが意気揚々と仲間とのデュエマを楽しみにしている中、謎の黒服に誘拐されるというショッキングな展開から始まりました。その誘拐もカイザが仕組んだものだったわけですが、ウィンからしたらカイザにリベンジする手間が省けたのである意味でラッキーだったかもしれません。(そもそもウィン本人がさらわれたことをあんまり気にしていませんし)

 問題はカイザが差し向けてきた刺客、タコのようなひょっとこのような謎のお面を被ったシノビ。中盤このシノビの正体がカレンだと明らかになった瞬間は中々に衝撃的でしたね。また彼女こそカイザに情報を教えた裏切り者だった事実も同様で、以前から裏切り者の筆頭候補として予想していた身としてもいざ見せられた時の驚きは大きかったです。そもそも単純なスパイではなく、変な忍者だったことにもびっくりしたりしなかったり。そもそも何で忍者なんだろうか……?

 

 恐らくは当初からカイザの命でウィンのことを見張っていたであろうカレン。彼女が何故カイザの元にいるのかは今のところは不明のままです。ただ「プリンス・カイザとの契約」「主のために命を懸けるのがシノビの運命(さだめ)」といった言葉からある程度察しがつきますね。「主」が何者なのかはわからずとも、カレンが大切な人のために戦っていることは伝わってきました。そしてシノビの姿では冷徹な態度こそ取っていますが、ウィンへの後ろめたさを少なからず見せているのも印象的です。カレンにとっても今の行為が負い目に感じるほど、ウィンとの関係が深くなっているのがわかります。

 そんなカレンの想いを察してか、ウィンも彼女への理解を寄せていくのか素敵でしたね。最初こそカレンが裏切っていたことを信じず困惑してばかりでしたが、徐々に目の前のデュエマに集中していき、カレンを信じようとする流れにはグッときました。誰が何と言おうと、目の前の事実がどうであろうと、自分にとってカレンは大切な友達だという意志をはっきり示してくれるウィンのカッコよさには惚れ惚れさせられます。これまで日常回で何度も描かれてきた、ウィンとカレンの友情を強さを見せてくれた回だったと言えます。

 

 

  • 怒りを利用せんとする者たち

 カレンとのデュエマ自体は比較的爽やかに進んだ一方で、非常に不穏だったのがウィンの精神的な曇らせ関連。中でも今回のカイザの所業は印象的で、徹底してウィンを怒らせようとしていたのが目につきました。誘拐の件だけでも世間的にヤバそうなのに、カレンを鉄仮面の男に始末させるなどドンドン悪辣な行動に身を染めていくのが恐ろしかったですね。どうやら邪神の力を我が物にしようと企んでいるようですが、それにしてもひどすぎて引いてしまいます。(ボウイに対して厳しくも優しかったカイザと今のカイザは果たして同一人物なのだろうか……

 しかし個人的にはそれ以上に残酷に映ったのが邪神くん。裏切り者の目星がついていたこと中、ウィンの不安を煽っていく様子にはこれまたドン引きさせられました。ウィンの闇を引き出さんがために敢えて黙っていたことを、ここぞとばかりに言いふらすのは中々に陰湿と言えます。上のカイザすらも利用しようとしている点では、あの場の誰よりも極悪だったかもしれません。今まではコミカルに済んでいた邪神くんの暗躍が、一気にシリアスになったことに動揺が止まらなかったですね。

 そんな前門のカイザ、後門の邪神くんとばかりに怒りや困惑を焚きつけられっぱなしのウィン。こうなると彼が気の毒に思えてなりません。倒すべき敵はともかく、そばにいる相棒すら味方ではないこの状況はあまりにも酷です。ウィンが怒り狂っているラストも、彼らの目論見通りに見えるのでいい気分ではありませんね。ある種の四面楚歌に追い込まれてウィンの運命や如何に。

 

 

 とまぁ突如シリアスになってきた23話でしたが、個人的にはそれ以上にシノビ衣装のカレンの可愛さが何よりも印象に残った回でもありました。歌舞伎役者のような隈取りが施された顔もまた魅力的で、目から光が消えて冷徹に見えるものの実にキュートだったと思います。極めつけはデュエマ決着後の目を伏せた表情!この辺りのカレンは上述の通りウィンへの申し訳なさもあって何とも色っぽいと感じましたね。普段のカレンとは異なるだけに、余計に彼女そのものの良さが見て取れました。カレンちゃん可愛いよカレンちゃん!!!

 閑話休題他にはデュエマパートでカレンが《裏斬隠蒼頭龍 バジリスク》をはじめとしたシノビ主体のデッキを使用していたのも面白かったです。ジャブラッドによって除去耐性を得たアビスロイヤルをバジリスクのプリン効果や《光牙忍ライデン》のタップで止める手段を用いたことには膝を打ちました。また《ウマキン☆プロジェクト》に《パーロックのミラクルフィーバー》といったカードでシノビに必要なマナと手札を確保するプレイングにも感心させられます。(対するウィンは《邪龍 ジャブラッド》4体を揃えるなど豪快な戦法を取ってきたのでこれまたびっくり)何だかんだで例によって見応えのあるデュエマ描写でしたね。

 

 

 そして次回はウィンVSカイザ再び!カレンを傷つけられて怒り心頭のウィンがリベンジを果たそうとする中、カイザと邪神くんは計画通りとばかりに内心ほくそ笑んでいるだろう状況に少々憤りを覚えてしまいます。このまま奴らの思い通りに激昂していいのかウィン!と思ってしまう一方、彼の憤りも痛いほど伝わってくるので少々複雑な気持ちにさせられますね。

 また次回予告の映像であの《フライパン・マウンテン》らしき光景が映ったことに衝撃を受けました。火文明の名所が映った辺り、つまりは火文明でデュエマを繰り広げるということでしょうか。サブタイに「2つの世界」とあることからも、クリーチャーワールドが出てくるのは間違いないですね。長いことぼかされていたクリーチャーワールド、そして本作におけるクリーチャーとは何なのかがいよいよ明かされそうで次回が楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。