闇と炎の大激突
あの腕輪そんな重要アイテムだったの!?
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- 野望か大義か、楽しむデュエマか
かつてないほど真剣な面持ちのウィンの様子から始まった今回のデュエマWIN。カレンに対する卑劣な行為に激昂するウィンと、そんな彼を前にして余裕のカイザのリベンジマッチがとうとう開始されることになったのが最大の見どころでした。そして自分の思惑通りに事が進んでいることを、カードの中でほくそ笑む邪神くんが個人的には目に焼き付きましたね。前回の感想でも書きましたが、彼は主人公の相棒とはいえ邪悪な存在であることに変わりはないことが伝わってきます。
そんな緊迫したデュエマパートでしたが、以前の対決と同じくウィンのカイザのデュエマに対するスタンスの違いが見られたのが面白かったです。ウィンは上述のように怒りに満ちたデュエマを繰り広げていたものの、14話の時と同じようにプレイングそのものは冷静だったのが特徴的。何より後述の鉄仮面の男の正体を前にして少しワクワクしている様子を見せていたのが微笑ましかったですね。カイザの横暴さに憤りながらも、デュエマ自体は楽しんでプレイするウィンのスタイルが見て取れます。
対してカイザはそんなウィンの姿勢に怒りを示していました。「それは私が最も嫌いな言葉だ」とデュエマを楽しむことに否定的な態度を取り、ウィンを支配下に置こうとしている姿が印象に残ります。パパリンの時もそうでしたが、カイザは楽しいデュエマに対して何かしらのトラウマがあるのでしょうか。鉄仮面の男と共に邪神の力を警戒し、管理しようと企んでいることからも、もしかしたらカイザにとってデュエマは彼らの言う大義を為すための「手段」なのかもしれません。
そうして2人の対比が描かれたところで、鉄仮面の男が《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》としての正体を現したことで状況が一変したのも興味深かったです。邪神ゾーンを《フライパン・マウンテン》が存在する火文明世界へと作り替え、絶対悪である邪神を討ち滅ぼそうとする使命感に燃えている様子は中々にカッコよかったですね。カイザと共に大義を果たそうとするボルシャック・カイザーと、デュエマを楽しもうとするウィンを利用するジャシン帝、相棒のクリーチャーたちの対比が同時に描かれた回だったと言えます。
- 魔の一皿が来客の横暴を止める
ディッシュ=ウィッシュ 闇文明 (2)
クリーチャー:アビスロイヤル
パワー5000
▪️S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
▪️ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
▪️このクリーチャーが攻撃する時またはブロックした時、その攻撃の後、このクリーチャーを破壊する。
ウィンがカイザ戦にて新たに繰り出してきたクリーチャー。新しいアビスロイヤルの1つなのですが、突然の登場だったので少々驚いてしまいましたね。細いシルエットとマスクの形状から《悪灯 トーチ=トートロット》と同じ女性アビスと予想していましたが、可愛らしい声だったのも意外です。*1また異様に大きなお皿を数枚装備している姿も特徴的です。
こちらをカードとして一言で表すならば、アビス版《ブラッディ・イヤリング》といったところでしょうか。2マナにしてパワー5000と高い基礎スペックと引き換えに、攻撃とブロックの後に自壊する能力を持っているという闇文明特有のデメリット持ちクリーチャーとなっています。しかし同系統のクリーチャーと比べてS・トリガーを保有しているほか、攻撃することも可能なので最低限の打点となるなど、全体的にスペックが高くなっているのが興味深いです。当時と比べてもカードパワー全体がインフレしていることを実感しますね。
このように手打ちにも使えるトリガーブロッカーとしては優秀な部類ですが、上のトーチ=トートロットなどの防御札と比べると除去能力を持っていない点でやや劣っています。《アビスベル=ジャシン帝》のアビスラッシュ付与の際に自壊能力を活かす際も、コストが1つ上の《レター=ジェンゲガー》というライバルがいるなど、競合相手が非常に多いです。同コストにも《ベル=ゲルエール》などがおりこのカードのみの特徴を活かすのは難しいところですが、山札やシールド、墓地を弄りたくないときに打点要員として用意しておくのがいいかもしれませんね。
そんなウィンとカイザの激闘が展開された回でしたが、個人的にはウィンの怒りと共に彼の腕輪が光を放っていたのも見逃せません。というかずっとただの装飾かと思われていた腕輪がいきなり重要アイテムの存在感を放ったことに驚いてしまいました。この腕輪がウィンの怒りと抑制しているのか、それとも促進しているのかまだ判断はつかないですね。そもそもウィンは何故これを付けているのかが気になります。ウィンに腕輪を付けた存在と、彼自身の過去に疑問が集まるところです。
ウィン以外にも、パパリンやランナーといった仲間たちやボウイたちD4メンバーなどが竜神コーポレーション本社に駆けつけていたシーンも印象に残りました。中でもボウイの成長が見られたのが素敵で、キツい物言いのファルゴに言い返したり「お前のデュエマでカイザさんに一泡吹かせてやれ」と内心ウィンを応援していたことに感動させられます。カイザに対する妄信も捨て去っており、彼への憧れを抱きつつも間違いを正そうとする辺りにかつてのボウイとは違うことが感じ取れます。(パパリンのためにわざとIDカードを落としたのもグッド)それぞれウィンとカイザの戦いを見届けようとしており、クライマックスが近いことを予感させるシーンでした。
そして次回はウィンVSカイザついに決着!それぞれ譲れぬ意志のために戦っている両者のどちらに軍配があがるのか非常に気になります。CGによるデュエマバトルも激化するようで、特にボルシャック・カイザーを中心に他のボルシャックたちが集結している光景に惹かれますね。(6体いることから《ボルシャック英雄譚》を唱えたのかもしれません)カイザの猛攻にウィンはどこまで喰いつけるのでしょうか。
またウィンの闇が深くなりつつある描写にもハラハラさせられます。今回光っていた腕輪が予告映像では崩壊寸前とばかりの状況になっており、彼の怒りと闇が最高潮に膨れ上がることが予想出来ますね。予告の通りウィンには勝ってほしいものの、彼の封じられたものが解き放たれそうなことに不安を覚えるばかりです。
ではまた、次の機会に。
*1:今回ディッシュ=ウィッシュを演じた京花優希(きょうか・ゆうき)さんは他にも本作で《桜風妖精ステップル》を演じており、また「デュエル・マスターズ プレイス」でも《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》などのクリーチャーの声を担当している。