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2023年冬アニメ簡易感想 その18

 

 

 

 春日部在住の5歳児こと『クレヨンしんちゃん』と今月の公開が控えている映画『シン・仮面ライダー』がまさかのコラボ。つい最近『仮面ライダーギーツ』ともコラボしたしんちゃんですが、さらに他のライダーとも共演するとは思ってもみませんでした。多くの人が見る一般的なライダーから映画限定のマニアックなライダーまで幅広く関われるクレしんの懐の深さを感じ取れた気分です。

 肝心のコラボ内容は本郷ライダーや一文字ライダー、ルリ子といった映画の主人公たちがクレしんアニメに出演するとのこと。(ライダーがアニメになって出演するのは『電王』や『フォーゼ』の時を思い出しますね)さらにクレしんを代表するヒーローであるアクション仮面とも共演するらしいのが興味深いです。パロディ元の1つにライダーを内包していそうなアクション仮面が、本家ライダーと共に戦うと思うと不思議をワクワクさせられます。敵怪人がクモオーグならぬ“雲”オーグというセンスにも笑いつつ、放送を心待ちにする所存です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第9話「ラドクリフ工房」

 次なる品評会出場のためにはりきるアンの周囲で巻き起こる苦難と事情が印象的だった今回。砂糖林檎の不作による派閥争いや優勝候補に対する嫉妬、女性軽視・差別といったハードな要素がいつにも増しててんこ盛りでした。最初はギョッとさせられたものの、本作はこういった主人公を取り巻く困難に溢れていることを思い出すことが出来ましたね。(モブ職人が男のキャットと女のアンとで態度がまるで違うシーンとか嫌に生々しい)

 肝心のアンはそんな状況でも気丈に振る舞うのが素敵の一言。その一方でラドクリフ工房所属の「キース・パウエル」の助力を受ける条件として、シャルと一旦離れ離れになることにいつになく落ち込む様子が不憫に見えました。職人として日々たくましく生きるアンと彼女を少女として見てくれるシャルの関係は既に十分描かれているので、以前の別離ほどではないもののアンに同情を覚えてしまいます。

 そしてシャルをモデルとして引き入れたキースの描写も目に留まりました。良くも悪くも本作の男性キャラはアクが強すぎるのもあって、キースの真摯な態度を魅せてくれる好青年ぶりが返って印象に残りますね。それでいてアンの母親との思い出や様々な事情に縛られてきた過去など、ただのいい人では終わらなさそうな仄暗さにも惹かれるものがあります。彼の心情なども交えた2度目の品評会は果たしてどうなることやら……

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ2

第9話「夢の国BBOLAND」「お父さんと不審者」「ハロー・ハワユー・いまおヒマ?」

 ヴァミマの店長とその息子「武々夫(ぶぶお)」という2人の久々の再登場に懐かしさを覚えた前半。武々夫が下級吸血鬼のせいで夢の世界に囚われたものの、思った以上にエンジョイしているので笑いが止まらなかったです。女子のディテールとその他のわやわや感の差の時点で面白いですし、夢の世界を満喫するためなら垂れ流す覚悟をする武々夫の絶妙な情けなさがツボにハマッてしまいましたよえぇ。ドラルクのファインプレーによって店長しか思い浮かべられなくなる形で彼を夢から解放するのがまたおかしかったです。

 中盤はまたもや登場野球拳大好きメインコユキちゃんの件で彼女の父・ゴウセツに殺される危険性を回避するために奮闘する様子が愉快でした。それでいて自分と被っている相手に立ち向かったり、バレてからは潔くまた野球拳に挑もうとする覚悟は天晴と言ったところ。野球拳の能力を使って拘束を抜けたり防御したりする裏技にも感心しましたね。

 そしてラストはまさかのドラルク祖父襲来でびっくりしました。電話越しのドラルクの慌てようがこのお爺ちゃんの登場で全て理解出来る流れは中々に秀逸です。お暇な相手に誰彼構わず絡んでくる台風のような怪物をY談おじさんに押し付けるオチにも笑ったものの、ラストのしんみりさせる発言にハッとさせられました。この老吸血鬼に隠された人間の親友との過去が気になって仕方がないです。

 

 

あやかしトライアングル

第5話「オモカゲ」

 1か月ぶりのあやトラが来たぜ!ということで前回画面の前の視聴者に衝撃を与えたキスシーンの続きからスタート。突如現れたすずのドッペルゲンガーは「モカ」という妖の仕業ということでしたが、モカゲと感覚が深く繋がっているせいですずが死ぬ可能性がある展開にハラハラさせられましたね。そのくせオモカゲは本体のすずを反映してか食欲に駆られているのがシュールで、シリアスとギャグの狭間に置かれた状況下に目が離せなかったです。というかシロガネが終始頼もしくて元々敵対しているはずなのに安心感を覚えてしまいますね

 その後は人と妖の共存について考えるすずが二ノ曲先輩に話を聞くことに。先輩が可愛らしい妖である「ポ之助(ポのすけ)」を連れていることは前から気になっていましたが、出会いの回想シーンの先輩のカッコよさに惚れ惚れしてしまいました。強面だけど心優しい先輩が、すずを妖巫女として警戒しつつも彼女個人を認めていく様子がまた微笑ましかったです。まぁその後すずを女神と呼ぶ辺りに先輩のチョロさを感じ取りましたが。ハレンチ扱いされるわ女神認定されるわせわしないなこのヒロイン……

 

 

転生王女と天才令嬢の魔法革命

第10話「諦観と激情の王位継承」

 今回は王位を継承することになったアニスのお労しさに胸打たれたと同時に、彼女を如何にして支えるべきか悩むユフィリアの姿が目に焼き付きました。ユフィリアは当初こそアニスが王になることに賛成していたものの、彼女個人の幸せについて失念していたことに気付いてからの苦悩ぶりが何とも悲しかったです。貴族としての責務を第一に考えていた中、アニスの想いに寄り添えていないことに理性と感情がごっちゃになっているのが読み取れます。

 同時に空元気に振る舞うアニスがまた痛々しかったですね。弟の追放の件で失意のどん底にあるはずなのに、王位を継ぐ者としての責任もあって無理をしているのが一目瞭然でした。王として生きていく以上は他のことにかまけてられないとばかりに魔学の研究を止めようとしている辺りからも、彼女の根っこの真面目さが感じ取れて辛かったです。

 そんなアニスを救おうとするユフィリア、かつて同じ悩みを抱えていた2人それぞれの父の話なども印象的でしたが、終盤に登場した「リュミエル」が全ての印象をかっさらっていきました。彼女が語る「精霊契約」とは如何なるものなのか?それはアニスとユフィリアにどんな影響をもたらすのか非常に気になります。

 

 

にじよん あにめーしょん

第9話「妹王決定戦」

 妹と言えば可愛い、可愛いと言えば妹!ということで始まった妹王決定戦。かすみをはじめとした1年生組がここぞとばかりに妹キャラをアピールしていく中、2期で甘えん坊な一面を見せた愛など他キャラの妹らしさを推しだしていく内容が素敵でしたね。そして「何でもイイネと言ってくれる侑ちゃん」と化した侑がまたシュール……

 結局妹王は圧倒的な甘え上手っぷりを見せた璃奈の優勝で終わりましたがまぁこれは予想通り。個人的にはその後敗北したかすみをみんなで激励する流れが意外かつ素晴らしいと思いました。1度や2度のつまずきでは決してめげないかすみの強さをみんな知っているからこそ、彼女を奮い立たせようとする構図にグッときます。

 

 

機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

第1話「やせっぽちのG」

 『閃光のハサウェイ』『サンダーボルト』も終わり、ついにラストである『NT(ナラティブ)』がスタート。ガンダムUC(ユニコーン)』の直後の物語にして実質的な続編である本作は、宇宙世紀ニュータイプ論にかなりユニークな解釈を出した作品として有名です。それはそれとして個人的には、今季放送されたガンダム3作品の中では特にストーリーが好きでお気に入りの作品だったりします。

 一年戦争勃発のきっかけとなったコロニー落し(最新作画で描かれたコロニー落しがめちゃくちゃ怖い)を事前に予知していた「奇蹟の子供たち」のうちの1人「リタ・ベルナル」。行方知れずになった彼女を追う主人公「ヨナ・バシュタ」の奮闘を描いており、ひねくれながらも幼馴染に会いたい一心で戦う彼の姿に心が震えます。ルオ商会の「ミシェル・ルオ」をはじめとした様々な勢力の思惑が入り乱れていますが、基本はヨナとリタの再会をメインとしているので彼らを中心として捉えるとかなり見やすいです。

 そしてMS(モビルスーツ)戦に関してはこちらも映画作品だけあって非常に見応えがあります。第3のユニコーンユニコーンガンダム3号機 フェネクス」と巨大なA装備を纏った「ナラティブガンダム」の壮大な追いかけっこは凄まじい迫力でした。元はフレーム剝き出しの「やせっぽち」なナラティブが、デンドロビウムを彷彿とさせるゴツい装備で縦横無尽に飛び回るギャップがたまりません。ありえない軌道とスピードで宇宙を飛び続けるフェネクスを追う物語の出だしとして、インパクトは十分だったと思います。

 

 

 以前こそ静かだったものの、公開直前になって広報が活発になってきたシン・仮面ライダー界隈。クレしんの他にキン肉マン』とのコラボもやっているのがまた衝撃的でした。

 

 

 キン肉マンに登場する悪魔超人の1人・ブラックホールがSHOCKER(ショッカー)のベルトを付けていますが、予想以上に似合っていて変な笑いが込み上げてきます。何よりかつてライダーやウルトラマンをネタにしてきたキン肉マンが本家ライダーと関わる構図がこれまた面白いですね。こういった微笑ましいコラボも積極的に魅せてくれるシン・仮面ライダー、公開が楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。