先々月にYouTubeのバンダイ公式チャンネルにて配信が開始された『ウルトラソフビワールド』。プラズマスパークタワーの不思議な力によって命が宿ったソフビたちが様々な日々を過ごしていくミニアニメーションドラマシリーズとして毎週様々なエピソードを配信していました。
↑1話から4話までの感想は上の記事を参照。
僕もそんなソフビワールドを毎週楽しく見ていましたが、本作はつい先週最終回を迎えました。全8話であることは以前から告知されていたのですが、いざ終わってみると寂しさを覚えますね。何てことないソフビの日常に癒されていたということでしょうか。そういうこともあるので最後に後半の感想を書きつつ、本作への想いを綴っていきたいと思います。
というわけで以下、今回の簡易感想です。
第5話「ティガの探し物」
第4話はティガとゴルザ、メルバの3体が主役。ハルトくんが遊んでいる最中にキングジョーセブンガーの硬芯鉄拳弾(右腕のパーツ)を失くしてしまったとのことで、彼らで亡くした腕を探してあげるという始まりに何ともほっこりさせられます。他にもカーミラ&ダーラム&ヒュドラの闇の3巨人も手伝う(机の引き出しからひょっこり出てきたので面食らいました)など、『ティガ』本編で戦ったことを戦っていた面々が力を合わせて探していることにどこか感動させられますね。
そんな腕のパーツ探しはウルトラの父のおかげであっさり解決するのですが、発見後パーツをティガに託して自分は後ろで彼らを見守る父が実に渋かったです。同時にハルトくんパートではハルトくんのお父さんも印象的で、パーツを失くしたハルトくんを笑いつつも見守りつつ、その後は一緒に遊んであげるなどとても優しいお父さんとして描かれていました。ソフビたちの父親ポジションと持ち主の父親、それぞれの広い優しさに包まれているかのような爽やかな回でしたね。
第6話「最強は誰だ!?」
悪役の魅力に惹かれ始めたハルトくんを見たウルトラマンベリアルの視線にビビらされた回。最近のハルトくんのお気に入りであるアブソリュートタルタロスに挑戦し、深夜のソフビ対決が勃発するという念願のバトル回となりました。戦いは持ち主との遊びの時だけだったソフビたちが、本格的に争うというのは結構新鮮です。他のソフビたちもリングを作ったり応援したりと、割とノリノリなのが微笑ましいですね。(ベリアル側にジードが付いているのはわかる一方、何故ゼロはタルタロス側にいるのだろうか……?)
そうしてついにベリアルVSタルタロスの激戦……という名のペチペチ合戦が始まった時は思わず爆笑してしまいました。ソフビである以上こうなるだろうとは予想していたものの、いざショボい光景を見せられた際の破壊力は抜群の一言。当人たちの気迫と実際のシーンを交互に見せてくるので、ギャップも凄まじかったです。結局引き分けで終わったっぽい点と最後にはほとんどの観客が去ってしまったオチも相まってどこかシュールな幕引きでした。
第7話「ふしぎなクッキング」
ハルトくんのお母さんが風邪を引いて寝込んでしまったということで、ソフビたちがお母さんの看病をしてあげようとする回。この回における注目ポイントは何と言ってもブルトンで、スパークタワーが彼に同じワープ能力を授けるとんでも展開が待っていました。そのためソフビたちに命を宿らせるだけでなく、元ネタの怪獣と同じ能力を与えることも出来るこのタワーは一体何なのか?という疑問がさらに深まることに……
それはともかく、ソフビたちがお母さんのためのおかゆを作る様子は何とも可愛らしかったです。これまでのお話はハルトくんの部屋の中で完結していたので、ソフビが真っ白なキッチンに立つ珍しさもあってワクワクさせられましたね。ブルトンが冷蔵庫を開けたりねぎをみじん切りにするなど大活躍していたもののもう全部あいつ一人でいいんじゃないかな、それ以外はみんなで力を合わせて作っているのがとても素敵な光景だったと思います。
第8話(最終話)「ようこそおもちゃ箱へ」
最終回はハルトくんがお父さんとサッカーをしに外に出ていくシーンからスタート。部屋に誰もいなくなったということで、ここぞとばかりにみんなで遊ぶソフビたちの様子が見られました。わずか数秒の間ですが、様々なソフビがそれぞれ違うことで遊んでいる一枚絵は小ネタ満載で何度も見返したくなりましたね。(個人的にはギンガが『スパークドールズ劇場』の面々と一緒にいるのがここすきポイント)その後お母さんが入ってくる際、すぐに動かなくなるなどおもちゃらしいシーンも挿入されているのがグッド。
一方で彼らが次第にハルトくんが帰ってこないことに寂しさを覚えていく過程が印象に残りましたね。「その日ハルトくんがソフビたちと遊んでくれることはありませんでした」という無慈悲なナレーションに加え、夜サッカーボールを抱きしめ眠るハルトくんの見て静かにおもちゃ箱を閉じるティガたちに哀愁を覚えずにはいられません。おもちゃである以上、持ち主が遊んでくれなくなる日が来ることを予感させる切ない前半でした。
しかし翌日にはハルトくんが「新しい仲間」としてウルトラマンデッカーのソフビを持ってきたことで一気に不安が解消されました。お昼にはハルトくんがデッカーにソフビたちを紹介してあげて、夜には動き出したことに戸惑うデッカーをみんなで優しく出迎えることで終わったことにかつてないほどの安心感を覚えましたね。いつかハルトくんが大人になってしまうとしても、その日までは仲良く遊んでいたい……そんなソフビたちの想いが感じられる最終回でした。
というわけで最終回までの感想でした。最後まで変わり映えのしない日常を映していましたが、そんなシンプルさがどこか素敵で、自分の家のソフビを引っ張り出したくなる魅力に溢れていた作品だったと改めて思います。(スパークタワーの正体について全く明かされないまま終わってしまったものの、その分ソフビたちの描写に力を入れていたのは大正解でしたね)おもちゃが動き出す不思議な光景というものは、かつてそれで遊んでいた者としては惹かれるものがありますね。
そして上でも語りましたが、本作が終わってしまったのはかなり寂しいです。ストップモーションにどれだけの手間がかかるのかは理解しています(Twitterで公開された撮影風景だけでもその大変さが伝わってきます)が、もっとやってほしかったという気持ちがやはり出てしまいますね。
とはいえこういった作品を今の時代に魅せてくれたへの感謝はしておきたいです。ネット上のウルトラマンファンの間ではあまり話題にならなかったようですが、今の子どもたちが少しでもこの作品を同じように楽しんでくれたかもしれません。願わくは再び彼らの物語をもう1度見られる日を願って、今回はここで筆を置きたいと思います。
ではまた、次の機会に。