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2023年冬アニメ&特撮簡易感想 その23

 

 

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 言わずと知れたウルトラマンシリーズ、その中でも2013年の『ウルトラマンギンガ』から始まった「ニュージェネレーション」と称されるウルトラマン今年で10年目を迎えました。毎年新作ウルトラマンが見られるという夢のような時代が始まってから10年経ったと思うと感慨深いものを覚えます。

 そして2023年、新たなるウルトラマンの情報がついに解禁されました。(正確にはツブラヤイマジネーションで『デッカー最終章』の後に先に告知されていたようですが)CODE NAME:ULTRAMANと題された上の動画には新たなるウルトラマンのシルエット、そして世界観を感じさせるセリフや字幕の数々が確認出来ます。何と言ってもシリアスかつハードな雰囲気を匂わせているのがポイントで、「50メートル級の宇宙人」「未確認大型宇宙人」といったリアルSF的呼称は『ネクサス』や『シン・ウルトラマン』を彷彿とさせます。これは劇中で敵か味方かわからない、謎の巨人の正体を探る地球人たちの様子が描かれそうな予感がしますね。

 また動画内のウルトラマンのデザインも興味深いです。左の頭部だけにある光るツノのような意匠がまず目を引きますし、同時に左半身に寄って配置されている歪な形状のカラータイマーも特徴的。さらによく見ると胴体の骨が浮き出ている、あるいは外骨格ようなものも確認出来ます。デッカー以上に左右非対称で生物的なデザインからは、これまでのウルトラマンにはない得体の知れなさを感じさせますね。動画の最後に「Monitor 4.21 STANDBY」と表示されていることから4月21日に詳細が明かされる模様なので、それまでこの謎のウルトラマンの正体を心待ちにしたいと思います。(下に続く

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

※『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』最終回感想は個別に書く予定です。ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

スパイ教室

第11話「MISSION 《愛娘》Ⅳ」

 正体を明かしたオリヴィアとの戦いが描かれた今回。まずクラウスが残りの4人を連れて屍との戦いに向かっていた事実に驚かされましたね。リリィたちが選ばれたように見せかけて、実は選ばれなかった面々が本命というオチにはまんまと騙されました。同時に全てを知ったうえで仲間たちに隠し、1人で全てを背負っていたグレーテの心労がますます心配になってきます。

 しかしそんなグレーテもオリヴィアとの一騎打ちで見事相手を騙し勝利することに成功。素顔の傷を利用してウーヴェさんに撃たせる作戦には思わず膝を打ちました。何より屍から教えられたことをそのまま模倣しているだけのオリヴィアに対し、グレーテはクラウスの教えを発展させて勝ったことにスカッとさせられますね。愛する人から学んだことを活かす……まさに前回グレーテが言っていた「愛されるための努力」の差が起こした勝利と言えます。

 そしてクラウス側も無事任務をこなし合流し強敵っぽかった屍が敗北描写なくしれっとクラウスに倒されていたことには苦笑いしてしまいましたが……、グレーテとの恋の話も一応決着が付きました。グレーテがクラウスに惚れた理由には最初呆然としたものの、自分の努力を認めてくれた彼の言葉に感激したという想いは理解出来ますね。それだけにはっきりと断られたのは残念でしたが(ここで「家族愛」を主張するクラウスは少々卑怯な気がする)、グレーテ的には望んだ愛情を手に入れられたのではないかと思います。

 

 

お兄ちゃんはおしまい!

第12話(最終話) 「まひろとおしまいとこれから」 

 最終回を迎えることになりましたがひろたちはいつも通り、春休みを利用した旅行で変わらぬやり取りを繰り広げていました。温泉をはじめとした旅館での定番イベントの数々を、終始丁寧に描いていくので中々に安定感がありましたね。

 その一方でまひろのまひろが男に戻る展開が突然やってきたことにはびっくり。元の性別になるのはTSモノの定番であるものの、アソコだけが先に戻るというのはかなり攻めていると思います。入浴中のじゃれ合いで発覚しそうになるスリルも相まって、最近忘れつつあった本作のヤバさが帰ってきたような感覚を覚えました。特にみはりに触らせて事情を察してもらう絵面のギリギリ加減は凄まじかったですよえぇ。

 結局みはりの薬のおかげで何事もなく解決したため肩透かしを喰らいましたが、同時に安心もしましたね。まひろが男に戻れるチャンスよりも、今の友達たちとの日常を選んだことにどこかほっこりさせられます。最初こそ妹に無理やり女の子にさせられたものの、そうして得た日々がまひろにとってかけがえのないものになっていることが伝わってくる日常が描かれていました。

 

総評

 最初ヤベーアニメが始まった……と思い、最後にヤベーアニメだったことを再確認した本作。TS要素から始まりその後もロリのおもらしなど、原作者の性癖がこれでもかと詰め込まれた内容は本当にとんでもなかったです。他にもおねロリ要素や巨乳貧乳、入浴といった艶めかしいシーンが毎回の如く挿入されており、見ている最中は何とも言えないこそばゆさを覚えました。そんなオタクのエロティックな欲望がやたら美麗な作画で表現されていたので破壊力満点でしたね。

 その一方で兄の人生やり直し、兄妹の関係修復に焦点を当てたストーリーも印象に残りました。挫折してしまった主人公・まひろが人生をもう1度行うことで得る友人、そして青春を取り戻していく様子は切なくもあり、どこか微笑ましかったです。また引きこもりになってしまった兄と彼を更生させたい妹、歪な形で出力されてしまったものの本質は真っ当な兄妹愛が何度も描かれていた点にはどこか趣きの深さを感じました。ある意味では「家族愛」がこの作品のテーマの1つだったのではないか、と考えたほどに、この兄妹の物語としてみるとかなり面白かったです。

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン

第36話「メイド・イン・ヘブン その①」

 ついに完成してしまったプッチ神父のスタンドの最終形態「メイド・イン・ヘブン」。プッチ以外の生物を置き去りにして全世界の時間を加速させていくとんでもないスケールの能力と、それに翻弄される徐倫たちの戦いは実に手に汗握るものとなっていました。本来強力なはずであるスタープラチナの時止めがほとんど通用せず、承太郎が苦しめられる様子は見ているだけで衝撃を受けてしまいます。かつてはさほど問題視されていなかった停止時間や射程距離の短さがここにきて響いてしまう絵面は中々に重苦しかったですね。

 そんな激闘とは別ですが、アナスイが承太郎に結婚の「許し」を求めてくるシーンも印象的でした。切羽詰まった状況で突然言い出すため劇中の承太郎同様見ていて困惑するものの、少しでも救いを求めるアナスイの健気さにはどこか感極まってしまいますね。殺人者である以上自分が徐倫と結ばれることはないことをわかっているだけに、言葉だけでもいいから自分の心の解放を望んでいる様子は何ともいじらしいです。まぁでも「イカれてるのか?」と言われても仕方ない行動ではあるのですが……そうした赦しを得たうえで戦おうとする、アナスイの覚悟の強さに惚れ惚れさせられる回でもありました。

 

 

ブルーロック

第24話「時は来たり」

 前回のラストに世界選抜チームとの練習試合が始まったものの、開始数分で敗北するという結果に唖然。潔と凛の化学反応は決して弱くはなかったことが感じられたので、それすらもを上回る相手の実力の高さがより伝わってきました。特にあの凛が手も足も出なかった神童「ジュリアン・ロキ」のさり気ない攻めはインパクト抜群の一言。ここまでしのぎを削り合ってきた彼らも、結局はまだまだ高校生の域を出ていないことを痛感させられた気分です。
 そんな選抜チームとの試合後は残りの二次セレクション突破者の登場が印象に残りましたが、意外な人物の生き残りや脱落に驚愕を隠せませんでした。中でも國神が落ちた事実は中々にショッキングです。(何で國神が落ちてイガグリは生き残っているんだろう……?)上述に続いて、どんな実力者であろうと場合によって容赦なく落とされるブルーロックの無情さを再確認させられましたね。

 しかしラストはブルーロック存続をかけて日本代表と戦うことになった際の「世界をひっくり返す時は来た」という言葉に全てのイメージを壊されました。ここまで何度も参加者たちを上げては落とす発言をしてきた絵心が彼らの実力を「通用する」と言い切ったのはかなり意外です。ここにきて落として上げてきた展開に、潔たちがどう活躍するのかという期待が湧いてくる最終回だったと思います。

 

総評

 かなり攻めに攻めた作風が特徴的なサッカーアニメ。デスゲーム的要素が加わることで、他のサッカーを扱う作品にはない脱落者が出てくる緊張感を生み出していました。それ故登場人物の誰もが必死にサッカーをやっており、試合の様子が死に物狂いの様相を呈していたおかげで毎回見応え抜群の戦いを見ることが出来たと言えます。試合中の描写もぶっとんでいる(それにみんな口も悪いし煽りが多い!)ため最初こそギョッとするものの、慣れてくると主人公たちから出ているオーラやエフェクトへの違和感がなくなったのも、ある種本作の異質ぶりを表していたのかもしれません。

 また選手の“エゴ”を肯定する作風も特徴的。チーム一丸となって戦うのではなく、個人プレーが何よりも強いという考えを全面に出していたのは興味深かったです。ある種真理ではあるものの耳障りは良くない要素をはっきりと描きながらも、さほど露悪的に見えなかった辺り描写のバランス感覚が良く出来ていたように感じます。絵心の勝利の方程式などの話も不思議と納得させられるものがいくつかあり(運の話は特に感心させられましたね)、会話劇が多いものの思わず耳を傾けてしまうことが何度かありました。総じてこれまでのサッカー作品にはない新鮮さが面白かったですね。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第51話「カルトゥマータ」

 ズウィージョウとの決着が描かれた今回は何と言ってもベルギャー星人に隠された秘密、彼らが戦いのために造られた駒であるという衝撃の真実があまりにもショッキングでした。(彼らを生み出した創造主にとって、ベルギャー星人はデュエルのカードのような扱いだったというわけですね……)おかげでその残酷な運命を変えようとするズウィージョウの意志に思わず同情を寄せてしまいましたね。地球人を犠牲にする手段は許されざることであるものの、どんなことをしてでも本当の命を得ようとする想いには理解する他ありません。

 だからこそズウィージョウの悲壮な決意に対し、「大切なのは“どう生きるか”」を説くユウディアスに感動させられました。ここまでの出会いや経験をもとに、命の形関係なく互いにわかり合えることを知った彼の揺るがぬ姿勢は最高にカッコよかったです。遊飛&遊歩と共に召喚した3体フュージョンエターナル・ギャラクティカオブリビオンの活躍も、OPが流れる演出なども相まってエモいの一言。多くの人たちとラッシュデュエルでわかりあってきたユウディアスならではの、見事な決着でした。

 そして“ユウ”ディアスとズウィー“ジョウ”の“友情(ユウジョウ)”も解決したのも束の間、ユウディアスと一旦分かれるラストは寂しかったです。ただ必ず戻ってくる約束をしてくるなど希望を残してくれたので悲壮感はあまりなかったですね。そういう意味も含めて見事な最終回……ではなくもうちょっとだけ続くんじゃよ!でした。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第9話「時空を超えた戦い〜イージス光る時〜」

 ゼロと何度か共闘したことのあるウルトラマンエックスが登場。何気に久々となる中村悠一さんのエックスが出てきたことに思わず歓喜してしまいましたね。近年は彼と一体化している大地役の高橋健介さんの声がメインの場合が多かったので、エックス自身の人格が感じられる中村ボイスが聞けて嬉しかったです。

 そして今回は『X』本編からゼロ客演回が放送されました。ナックル星人バンデロに連れ去られたルイを助けるため、グルマン博士が開発したウルトラマンゼロアーマーでエックスが時空を超える展開には当時びっくりしましたね。ゼロのウルティメイトアーマーを再現してみせるグルマン博士の技術力たるや恐るべしです。(大地の正体を察してみんなを退散させてくれる気遣いがまた素敵)

 何よりこの回のエックスとゼロのやり取りが魅力的。現在と比べるとチンピラっぽさが残っていたゼロに対し、あしらわれながらも気にせずグイグイくるエックスのキャラに微笑ましさを覚えました。「それ俺のー……」や「2万年も待っていられないんでね」といったセリフ回しもオシャレで面白かったです。その後のゼロの底知れない力と精神を評価するエックスのシーンも印象に残りましたね。

 

 

 新しいウルトラマンといえば、以前から噂されていた『ウルトラマンガイア』のニュージェネ版についても気になるところ。『トリガー』『デッカー』と、平成3部作を意識した作品が続いてきたことから今年はニュージェネガイアが来るのではないか?と考えるのは当然と言えます。

 しかし上述のウルトラマンからはガイアらしさが感じられません。リアル寄りの作風はある意味でガイアっぽいものの、まるで別物のようです。強いてそれっぽいものを挙げるとすれば動画序盤に表示される「宇宙を貫ク丹碧の螺旋」の丹碧(たんぺき)、赤と青を意味する言葉からガイアとアグルを連想させるくらいでしょうか。果たしてこのウルトラマンがガイアの系譜を持つものなのか、それとも全く別の存在なのかも早く知りたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。