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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第8話「聖沌!可憐なるシノビ」感想

ただ 好きなら好きだって叫べばいい

おおゴウランガ!見るがいい!これが忍びカレンの“可愛い”である!

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  • 依頼や命令ではない、頭領の願い

 デュエマさいこークラブを本気で潰そうと企むファルゴに対しウィンが宣戦布告をするところで終わった前回のデュエマWIN。今回はその続きとしてファルゴたちとの戦いが勃発するかと思いきや、意外にも何も仕掛けてこないまま時間だけが過ぎていく様子が描かれていました。劇中でウガタが「待っている方が精神的に疲労する」と説明していたように、ウィンたちが痺れを切らすのを待っているのでしょうか。いずれにしてもここにきて何もしてこないファルゴに、不気味なものを感じずにはいられなかったです。

 

 それはそれとして今回はカレンが主役の内容であり、長いこと明かされじまいだった「忍び」としての彼女の側面が描かれていたのがポイントでした。前作でウィンを調べていた件はカイザの命令によるものだったのは予想していた通りでしたが、カレンの語り口からしてあくまで依頼をこなしていただけといった態度は意外でしたね。前作の「主のために命を懸ける」といった言葉から大切な人のために戦っているとばかり思っていましたが、どちらかというと「任務は絶対」という忍びの信念を守っていたに過ぎなかったようです。予想が大外れしてしまってちょっと恥ずかしい……

 またカレンが所属している忍びの里、そして里の頭領について明らかになったのも見逃せません。(「デュエマ忍法」って何だろう……?)カレンがマイハマ学園に通うようになったのも、その頭領がカレンの希望を叶えてくれたらしいことがわかって微笑ましいものを覚えました。カレンの回想シーンで出てきた頭領からは、カレンに任務ではなく普通の少女として楽しむことを望んでいる優しさが感じられますね。ウィンとの出会いから変わり始めているカレンと、それを想う頭領の関係が素敵な冒頭でした。

 

 

  • 自分を出して楽しもう!

 というわけで頭領に「学園生活を楽しむ」よう言われたカレン。OP明けでは彼女がクラスの女子生徒たちと一緒に過ごす光景が描かれましたが、話を合わせたりするのに必死な姿が何とも痛々しかったです。忍びとして生きてきた故に普通の女の子の感性との違いに苦しむ……周りと違うことに悩むカレンの様子に胸が痛みました。「みんなとは違う」ことが負い目になっている辺りが妙に生々しくて、学校でのコミュニケーションこそが世界の全てである子どもらしさもあったかと思います。(カレンがさいこークラブのメンバー以外にも仲がいい友達がいるのは喜ばしいことなのですがね)

 しかしそんなカレンの悩みをウィンたちデュエマさいこークラブの仲間たちが解決してくれたのが素晴らしかったです。忍びとしてのカレンを見ても引かず、むしろカッコいい!とばかりに受け入れてくれる様子には心が暖かくなりました。そしてウィンの「色々違ったっていいんじゃない」「デュエマが好きなら1番大事なのは一緒」といった言葉に救われるシーンが最高でしたね。違いは間違いじゃない、“好き”という気持ちが同じであればわかり合えるとばかりにさり気なく励ましてくれるウィンに思わずトキめいてしまいます。

 

 そうしたみんな言葉を受けて吹っ切れ、自分の個性と“好き”を曝け出すようになってからのカレンがまた素敵でした。ウィンとのデュエマでは《聖なる混沌 クノイチマントラ》をはじめとするシノビたちを「可愛い」と言ってのけた時には唖然としつつも思わずほっこりしてしまいましたね。「エンちゃん」「センピッピ」「マンちゃん」といったあだ名が、これまた彼女のクリーチャーへの愛を感じさせてくれます。(ウィンとすぐに意気投合する辺りもここすきポイント)

 他にもウィンとどちらのクリーチャーが可愛いか張り合ったり(ハンマ=ダンマも何で張り合ってんねん)、デュエマに負けても悔しがりつつもまた対戦したりと、負けず嫌いな一面を見せてきたのも魅力的。以前の若干控えめなところと比べても自分を出していることがわかって微笑ましく思えてきますね。これまでも十分に楽しんでいたと思われるカレンですが、今回を経て本当の意味で「自分の意志で楽しむ」ことを知ることが出来たのだと感じます。ヒロインとしてのカレンを推している身としても、本当に楽しそうな姿に心躍ってしまいます。そういった意味で、個人的にはかなりの神回だったと言えますね。良かったねカレンちゃん!!

 

 

  • 忍び転身、主の危機に馳せ参ず閃光の聖沌

聖(せい)なる混沌(こんとん) クノイチマントラ 光 (5)
クリーチャー:メカ・デル・ステラ/シノビ
パワー7000
▪️ニンジャ・チェンジ3(相手のクリーチャーが攻撃またはブロックした時、この攻撃中に自分が「ニンジャ」能力を使っていなければ、手札にあるこのクリーチャーと、自分のコスト3以上でメカまたはシノビのクリーチャー1体を入れ替えてもよい)
▪️ブロッカー
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、自分の他のクリーチャーすべてのパワーを+3000する。

 自分を隠さなくなったカレンが繰り出した1枚。忍びである彼女の真の切り札であろうシノビ・クリーチャーです。その通りシノビとメカ種族の1つ「メカ・デル・ステラ」を携えており、久々にフィーチャーされたシノビとしてもメカ種族としても注目度の高い1枚です。何と言っても目を引くのがその見た目で、手裏剣にそのまま顔と胴体が生えたようなビジュアルはインパクト抜群。しかも能面のように無表情な顔が何とも不気味な印象を受けます。ただしカレン的にはこれが可愛いとのことですが……

 カードとしてはコスト5のパワー7000、ブロッカーにW・ブレイカーと基礎スペックは及第点。そのままコストを払って出すには物足りないものがありますが、このカードは新能力「ニンジャ・チェンジ」によってメカorシノビと入れ替えて出すことが可能となっています。従来のシノビが持っていたニンジャ・ストライクとは異なりあらかじめ場にクリーチャーを用意しておかなければならないものの、ターン終了時にデッキボトムに戻るといったデメリットも存在しないので早出し手段としても有用。事前に出した《光牙忍ライデン》などのシノビと入れ替えることで、ニンジャ・ストライクを使い回すといった使い方も考えられます。ただし同じ攻撃とブロックのタイミングでニンジャ・ストライクの後にニンジャ・チェンジを行うことは出来ない(逆は可能*1)ので、使いどころには十分注意したいところです。(他には元ネタの1つであろう革命チェンジと同じ召喚扱いではないので、踏み倒しメタに引っ掛かる危険性も孕んでいます)

 そしてニンジャ・チェンジで出せることを考慮すれば、コスト3以上のメカとシノビからこのサイズのブロッカーを早期に出現させるという意味でかなり強力。《光牙忍ハヤブサマル》ほど利便性はないものの、次のターンに2打点持ちとして殴り返せるので威圧感は十分と言えるでしょう。加えて登場時にこのカード以外の自軍クリーチャーのパワーを+3000するcipも地味ながら面白いポイントです。後続のブロッカーやタップされた味方のパワーを上げて攻撃されにくくするほか、相手にブロックされた味方をパンプアップして返り討ちにするといったシチュエーションでの活躍が見込めます。

 他のシノビとの組み合わせでも面白いことが出来そうですね。単純にこのカードが2枚存在し、場と手札にそれぞれ配置した状態にしておけば無限ブロックが見込めるなど、わかりやすく厄介なムーブも可能となっています。(《光牙忍ソニックマル》をグルグル回して何度もアンタップさせるのも面白そう……)何より手札にこのカードを確保して相手にチラつかせるだけで、ブラフによるプレッシャーをかける心理戦を仕掛けられる点で十分に魅力的です。過去のシノビと同じように奇襲性に優れたトリッキーな切り札として、是非使ってみたいところです。

 

 

  • 御洒落な蝙蝠傘が敵に辛酸の雨をなめさせる

深淵(しんえん)の襲傘(しゅうさん) アンブレラ=イザベラ 闇文明 (8)
クリーチャー:アビスロイヤル
パワー9000
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時または攻撃する時、次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶相手のエレメントを1つ選び、破壊する。その後、そのエレメントのコストと同じ枚数のカードを自分の山札の上から墓地に置いてもよい。
▶自分の墓地にあるカードを13枚、シャッフルして山札の下に置いてもよい。そうしたら、相手は手札とバトルゾーンから自身のカードを13枚選び、シャッフルして山札の下に置く。

 ウィンが《スパトー:ド:スパトゥー》のアビス・メクレイドによって山札から呼び寄せた新アビスロイヤル。《深淵の》という冠詞からも察せられる通り、アビスの中でも上位の立場にいる存在と思われます。また《ディッシュ=ウィッシュ》以来となる女性のアビスであり、洋傘をモチーフにした細いボディが特徴的。フリルが多くさながらゴスロリ衣装のようにも見えるデザインで、幼さを妖艶さの双方を兼ね備えた魅力を内包していると個人的には感じます。

 基礎スペックはコスト8のパワー9000と、《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》に次ぐ重量級アビスであることがまず特徴的。《アビスベル=ジャシン帝》によって墓地からアビスラッシュしようにもコスト6と中々に重いので、基本はアビス・メクレイド8で出すことになるでしょう。このように出しにくさが気になるものの、その分登場時と攻撃時に発動する選択式(モード)はいずれも強力です。

 まずは相手エレメントを破壊した後、そのエレメントのコスト分墓地を肥やせる能力。コスト指定などがないエレメント除去ということで単純に使いやすいです。墓地肥しに関しては《スーパー・デーモン・ハンド》とほぼ同じですが、あちらとは異なり任意で行えるため利便性は圧倒的にこちらが上と言えます。ライブラリアウトしてしまう危険もなく安心して除去と墓地肥しを同時に出来るシンプルさ故、基本はこちらを選択することになるでしょう。

 そしてもう1つの選択肢が特徴的。自分の墓地のカード13枚をコストに、相手の手札と場のカードを合計13枚山札に送るという豪快な能力になっています。13枚除去は実質全体破壊と捉えてもいい規模であり、相手に選ばせるためアンタッチャブルの除去も可能。相手の盤面をまっさらにしてしまうリセット効果として、これほどダイナミックなものもそうはないでしょう。自分の墓地リセットに関しては他カードとの併用次第で再び肥やせることが出来るため、如何にして13枚分の墓地を用意しておくかが課題になってきますね。

 このようにどれをとっても派手な1枚であり、いざという時の除去札としてはかなり鮮烈なカードと言えます。とはいえ破壊や墓地肥しそれぞれに優れたアビスは他にもいるほか、ラゼル=ズバイラルなど普通に使うならばライバルの方が使いやすい場合の方が多いです。要はタイミングが肝心なので、このカードを使う場合はこのカードだからこそ出来る状況に備えておくことをおすすめします。

 

 

 さて次回はいよいよデュエマさいこークラブを潰そうとするファルゴ……ではなくボウイの暗躍が始まるという意外な展開に。何故ウィンの味方をしてきたボウイがそのようなことを企むのかと最初は困惑しましたが、もしかしたらウィンを守るために敢えてクラブを終わらせようとしているのかもしれません。ファルゴがいつ過激な手段に出てウィンたちを傷つけるかわからない中、クラブだけでも潰すことで穏便に事を済ませようとしている可能性は十分に考えられます。

 だとするとウィンたちのために悪役を演じようとしているわけですが、予告を見る限りではDJをやったりプロレスをしたり、はたまた買収を図るといった結構トンチキな光景が広がっていたのが何ともシュールでした。ボウイ本人は真面目にやっているのでしょうが、彼は致命的に悪役に向いていないなぁ、と思わずにはいられません。とはいえ仮にもD4の一角として牙を剥いてきたボウイが、ウィンとの対立でどうなってしまうのか心配ではありますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:ニンジャ・ストライクは他の「ニンジャ・ストライク」を使っていない場合に発動出来るが、ニンジャ・チェンジは他の「ニンジャ」能力を使っていない場合にしか発動不可なため。