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ポケットモンスター リコとロイの旅立ち 第9話「パルデア到着!」感想

わたしが“したい”こと

見ていてハラハラさせられるものの、しっかりと学んで前に進む主人公を見守るのはやはりいいものだ……!

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  • 「いってきます」を声に出来たなら

 序盤のターニングポイントとも言える内容だった今回のアニポケライジンボルテッカーズが受けていた依頼が達成されようとする中で、リコ自身が今後の自分の道を選んでいく過程に心揺さぶられました。当初はリコを故郷に送り届けるのが目的で始まった旅でしたが、「旅を続けたい」というリコ自身の気持ちをはっきりさせたことで、リコの旅は始まったのだと感じましたね。

 何と言ってもリコの複雑な心境が丁寧に描かれていたのが印象的。パルデア地方に戻ってきたことで自分の旅が終わってしまうことに言いようのない不安を抱き、モヤモヤを募らせていく過程がよく伝わってきました。以前からモノローグ演出が多い主人公でしたが、それが彼女の不安を視聴者に見せてくれる説得力を産んでいましたね。「何をしたいのか自分でもよくわからない」という、自分の気持ちを言葉に出来ない様子は見ている側もどこかザワザワさせられます。

 リコが父の「アレックス」とフリードの会話を聞き、子どもを心配する親の気持ちを理解する流れも興味深かったです。アレックスは今回初登場ながら、そそっかしくも娘を想う素敵な父親らしくてほっこり。リコもそれを理解したからこそ、迷いに迷っていたことがわかります。(気まぐれなニャオハに愛想を尽かす様子も、自分自身の迷いからくる「はっきりしないもの」に苛立っていたのではないかと思われます)

 そうして自分のやりたいことは何か、を向き合っていくまでを描いた後半も素晴らしかったです。仲間たちから背中を押してもらい、ニャオハともバトルで通じ合ってから父にお願いをする一連のシーン全てにジーンときてしまいます。ここまでモノローグで心の内を語ることが多いリコだからこそ、自分の口で伝えられたということがどれだけ大きな進歩なのかは一目瞭然グルトンとのバトルで泥だらけになるのも構わなくなった彼女の成長に、自分の子どもを見ているかのような感動を覚えてしまいましたよえぇ。新シリーズが始まって以来、個人的にリコのことが最も好きになった回になりましたね。

 

 

  • 心強い仲間と共に

 上述の通り今回はリコの成長がメインでしたが、彼女を支えてくれた仲間たちのフォローも大きな見どころ。まずフリードをはじめとしたライジンボルテッカーズは、仕事を果たしつつもリコの気持ちを汲んでくれているであろう様子が素敵でした。しかしリコが自分で言い出さない限りは何もせず、彼女が「旅を続けたい」と口にしてからは快く受け入れてくれたことにグッときます。リコが一度ブレイブアサギ号に戻ってきた際にもいつも通り接してくれていたようですし、一貫して子どもを見守る大人のポジションでいてくれることに安心感を覚えます。

 さらにロイやドットという同年代の仲間がリコのリラックス要因となっているのも印象深かったです。この回のリコは序盤から上述の不安を抱えていましたが、ロイにパルデアを案内している間はそれを忘れて楽しんでいた辺りに彼女の心の拠り所が伺えます。やはり気兼ねなく接し合える仲間は大切であることがよくわかりますね。そんなロイが後述のニャオハの気持ちをリコに教えたり、ドットがイラストを送るなど友達として彼女を背中を押してくれたのも素晴らしかったです。

 最後は相棒のニャオハですが、リコの家についてから露骨に不機嫌そうだったのでちょっと笑ってしまいました。パピモッチがリコやホゲータたちと仲良くしている光景に嫉妬しているのが丸わかりで微笑ましかったです。一方でリコのピンチを察してすぐに駆け付けるなど、何だかんだでパートナーをよく見ていることが伝わる描写に胸が暖かくなりました。(グルトンとのバトルではリコ共々「相手の動きをしっかりと見る」という、7話で学んだことをしっかりと活かしていたのがここすきポイントニャオハもまた、自分の煮え切らない気持ちと向き合っていたのかと思うとちょっとニヤリときます。周囲に支えられながら一歩一歩を着実に進む、リコとニャオハを応援したくなりましたね。

 

 

 というわけでアニポケ9話の感想でした。上でも書きましたが、リコという少女が本当の意味で旅に出る内容として見事な回でした。個人的にかなり感激した回だったので思わず個別感想にしてしまいましたが、その分思っていたことをかなり書けて楽しかったです。リコは悩んだり考え込んだりすることが多い女の子で、だからこそ答えを出した時の行動力には驚かされます。これまでのアニポケにはなかった要素満載の主人公としてその魅力をより味わうことが出来た気分です。

 あとはやはりフリードの保護者っぷりが良かったですね。以前からリコとロイを見守る良き大人をしてくれていましたが、今回は輪にかけてそれが見られました。ロイがモトトカゲに轢かれそうになった際は相手側にキチンと謝罪していましたし、アレックスに対しての礼儀正しさにも目を見張るものがあります。(ソファの座り方はもうちょっと何とかしろと思いますが)一見ガサツなようでいて、その実キチンとしているフリードのギャップにどんどんハマってしまいそうです。今後もリコやロイ、そしてフリードたちに目が離せません。

 

 

 さて次回は黒いレックウザの情報を追ってボウルタウンに向かうことに。そこでトレーナーのネモとジムリーダーのコルサが登場する模様で、いよいよ『スカーレット・バイオレット』のキャラが本格登場することにテンションが上がります。原作ゲームのキャラとの絡みで今後物語がどうなっていくのか、非常に楽しみですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。