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ポケットモンスター テラスタルデビュー 第54話「永遠(とわ)のめぐみ」感想

その秘密、解き明かせるか?

公式さん、アンちゃん出番をもっとよこしやがれください

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  • 頼れる男の戦いの一幕

 今回のアニポケはフリードとキャップ(キャプテンピカチュウ)が主役。リコたちがテラスタル研修に邁進しているのと同時期、テラパゴスやラクアの謎を探る様子が描かれました。つい最近ハッコウシティでリコたちを迎えていましたが、彼らライジングボルテッカーズのみの描写というのはかなり久しぶりだったので早くもワクワクさせられました。冒頭のオリオとの会話など、仲間同士の気兼ねないやり取りも子どもたちはまた違った魅力を感じます。(オリオが計画している「ブレイブアサギ号のパワーアップ案」にも惹かれるものがありますね)

 そしてここ最近の冒険の模様とは打って変わって、陰謀渦巻く戦いにフリードたちが果敢に立ち向かう姿が描かれていたのが特徴的。このパートに関してはやはりフリードとキャップの如何にも荒事に慣れている雰囲気が素晴らしかったですね。エクシード社の地下保管庫でのバトルでも、警備員を振り切る手際の良さが印象に残ります。わずかばかりですがハラハラさせられる場面もあって、普段の穏やかさから大きく離れた非日常感を味わうことが出来ました。ポケモンの知識もバトルの腕も十二分なフリードメインだからこその、若干ヒリついたアウトローっぷりがたまりません。

 他にもフリードの経歴についてほんの少しだけ触れられたのが興味深かったです。劇中の有名企業らしいエクシード社にて働いていた事実が語られた時は中々に驚きました。(そしてさっさと辞めたらしい話にもびっくり。でもフリードらしいというか……)社長の「クレイブ」や後輩研究員「ヤンガ」との会話シーンなどから、フリードの新たな一面が生まれていたと感じます。何より上述の対応力や様々な人物から好かれる人たらしなところと、ここまでフリードを見てきた側だからこそ納得のいく掘り下げには舌を巻くばかり。彼の頼れる大人兼前作主人公のような雰囲気が好みな身としては、大満足の内容でしたね。

 

 

  • めぐみを狙う探検者たち

 そんなフリードが調べていた謎の物質「永遠(とわ)のめぐみ」ですが、こちらに関しても色々と気になる要素が多く見られました。テラスタルの結晶そっくりな形状や六英雄の記憶に関わる「ピンク色のモヤ」との関連性、そして「ラクリウム」という別名と……実にそそられる情報の数々に思わず目を輝かせてしまいます。ラクリウムは明らかにラクアに関係がある、というかラクアに存在する物質なのでしょうか。そういった予想や妄想が止まらなくなってきます。例によって具体的な詳細は明らかにならなかったものの、ワクワクさせてくれるには十分な描写が見られたと思いますね。

 その永遠のめぐみを奪取したスピネルや彼を警戒するアメジオなど、エクスプローラーズについて久々に描かれた点も見逃せません。こちらに関しては何と言ってもエクスプローラーズのボス「ギベオン」のビジュアルとアメジオの血縁関係が最大の衝撃ポイントとなっていました。アメジオにお爺様と呼ばれながら、ぱっと見は青年染みているギベオン。彼の見た目が若々しい謎など、色々考察してくなってきますね。永遠のめぐみ(ラクリウム)が不老の力を宿しているとか?)ともあれコミカルな潜入捜査を繰り広げているサンゴとオニキスに対して、彼らが前章までのシリアスな雰囲気を保っているのは流石と言えます。

 といった感じに物語全体の秘密に触れていく縦軸の進行が久々に見られたのが良かったですね。現在のジム巡りや野生のポケモンとの触れ合いも好きですが、やはり本作ならではの謎が謎を呼ぶ展開も好みなのでこうした形で用意してくれるのはファンとして喜ばしい限り。リコたちがしっかりと成長していくパートと別に進行していくのもちょうどいいと思うので、今後もフリードやアメジオにはシリアス部分を担っていってほしいと思いました。

 

 

  • 少女の不安もポケモンと一緒に

 大人たちの策謀渦巻く戦いの最中、リコとロイ、ドットの様子もしっかり映されておりまた別の見どころとなっていました。しかもオレンジアカデミーに帰る途中、アンに合流した時はテンションが爆上がりしましたね。リコの背中を押してあげる元気いっぱいな友人キャラ、としてのアンがお気に入りだったので46話から間を空けずに登場してくれて非常に嬉しいです。(新章はアンの直接の出番が多い点が個人的に気に入っています)

 そんなアンとポケモンたちとの交流の中で、彼女が慣れない別地方での不安を吐露する場面が印象的。アンは同じように新生活に不安を覚えていたリコの支えになってくれたイメージが強いですが、そのアン自身もこうした感情を抱えている事実に味わい深いものを覚えます。リコとその気持ちを共有するシーン含め、同じように悩みを抱えていることを知ることが出来て一層彼女への好感を抱くことが出来ましただからもっとアンちゃんの出番をよこせぇぇぇぇぇぇぇ!

 そのうえで相棒のフタチマルやサンドなど、ポケモンたちのおかげで前に進めたという答えもリコと同様で微笑ましかったです。それどころかアンの言葉がリコのテラパゴスへの想い、“連れていくのではなく一緒に歩む”姿勢に繋がってるシーンに感嘆を覚えました。この辺りの独白からもトレーナーとポケモンの対等な関係をしっかり表しているのがまた素敵ですね。1話から度々描かれている「新しい世界への1歩を踏み出す怖さ・そこを乗り越えた時のワクワク」を改めて描いたシーンとして、非常に心に残る内容となっていました。

 

 

 さて次回は何とパルデア四天王とのバトルが開催。どうやらクラベル校長のアイデアらしいのですが、オレンジアカデミーに返ってきたばかりのリコにいきなりトップクラスの実力者の相手をさせるとは……しかしジムリーダーとのタッグを組むことで四天王と戦うとのことなので、それならいけそうな気がしてきます。主人公のトレーナーとジムリーダーが組んで四天王に挑む、というシチュエーションの新鮮さには何だかんだで期待出来そうです。

 

 

ではまた、次の機会に。