新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

2024年夏アニメ簡易感想 その5

 

 

 

www.youtube.com

 

 松重豊さん主演の人気ドラマシリーズである『孤独のグルメ』がまさかの映画化決定劇映画 孤独のグルメと題して劇場スクリーンに主人公・井之頭五郎の食べっぷりを魅せてくるようです。情報自体は驚きですが、元々10年以上続いているシリーズなので映画になるのも当然と言えるでしょう。ひたすら飯を食うだけの飯テロ作品を映画で見るとどうなるのか、個人的にも結構気になってきます。

 しかしそれ以上に衝撃的なのが、主演の松重さんがこの映画の監督と脚本も務める点ですね。主演が映画の制作に積極的に関わるのは珍しいことではないのですが、松重さんといえば度々このドラマに対して毒を吐きまくっているイメージが強いのでなおさら驚かされます。インタビューによると当時のスタッフのほとんどが入れ替わって若いスタッフが育っていないからこそ自分が名乗りを挙げたとのこと*1ですが、それほどまでに本作への気合を抱いているということでしょうか。いずれにしても、何だかんだ作品を大切にしているであろう松重さんのツンデレにはニヤリときますね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター テラスタルデビュー

第58話「看板ポケモンはドドゲザン!?」

 売れない食堂を救おうと奔走するお助けエピソードである今回は、サブタイにもあるドドゲザンの不器用さに歯痒さといじらしさを覚えました。モキチ」と「ナンディ」夫妻の力になろうと一生懸命なのが伝わってくるだけに、大声と力技で上手くいかない様子に胸を痛めずにはいられません。(夫妻がドドゲザンを邪険に扱うどころか大切にしているから余計に切ないですね)力押ししか出来ないドドゲザンが活躍出来る場と食堂の経営、双方を両立させるのは一見難しそうに見えましたね。

 それだけにドットの手腕には舌を巻きました。動画投稿の経験を活かした目玉商品の一本化、そしてバトルを利用した宣伝などの細やかさには感心させられます。何よりドドゲザンが打ったうどんの美味しさが、何も出来ずに落ち込む当ポケモンの役割だと見抜く展開も見事。トラブルメーカー・カヌチャンの鉄の審美眼を逆に利用するシーン然り、どんなポケモンも適材適所だということを証明してくれたと言えます。

 そして本筋とは別に印象に残ったのがオニギリもといオニキスの珍ムーブ。ドドゲザンの土下座にビビるのはまだしも、宣戦布告と受け取ってバトルを挑んできた時は目が点になりました。バトルも宣伝に利用されて有耶無耶になった挙句、うどんを食べて帰ると最後までおかしくてたまらなかったです。初登場時の強敵オーラはどこ行ったとばかりのギャグですが、かえってオニキスへの愛着は湧いてきましたね。

 

 

異世界スーサイド・スクワッド

第2話「Episode 2」

 極悪ヴィランたちにかかればプリズン・ブレイクも超余裕!とばかりにこれまた大暴れした今回。いきなり監獄に囚われた時はどうなるかと思いましたが、例によってオーガや看守共々ボコボコにする展開に大笑いしました。監獄破壊パートは絵面と音楽と色彩の暴力に彩られていたのが印象的で、囚人のオーガたちといつの間にか意気投合するのがこれまたおかしかったです。未知数の魔法も奪って使ってみせるアドリブ力の高さといい、異世界での適応力と我の強さを併せ持った連中が揃っていることを改めて認識させられます。(特に「クレイフェイス」の大仰なキャラと滑稽さがお気に入り)

 そんなスーサイド・スクワッドにアーカムの兵士「リック・フラッグ」が加入しましたが、ラストのツッコミも相まって彼が常識人兼苦労人の枠であることはすぐに読み取れましたね。そうでなくとも何も知らないハーレイたちにとって貴重な情報源となるであろうこの男が、信用していいのか怪しいポジションとしても描かれることが予想出来ます。まぁ良くも悪くも今回みたいなツッコミばかりになりそうですが

 あとは物語の舞台である異世界の情勢が少しだけ描かれたのも注目ポイント。敵国の殲滅を優先する苛烈な女王によって、民が貧困にあえぐ状況に苦々しいものを覚えました。そんな国を憂う「フィオナ」姫の優しさに胸打たれただけに、こんな健気な姫君があんな野蛮なヴィランどもと接触してもいいのだろうか……などと考えてしまったり。

 

 

グレンダイザーU

第2話「星の伝説」

 闇に落ちろ、デューク・フリード!といった感じの大介(デューク)の過去が明かされ、予想よりもエゲつない事実に思わず絶句してしまいました。両親を殺された怒りに支配されていたとはいえ、国の国民や愛する人までも巻き込んで攻撃してしまったのは予想外すぎて何とも言えない後味の悪さを覚えます。(彼を嵌めた仇「カサド・ゼオラ・ホワイター」がのうのうと生きているのも胸糞要素を加速させてきますね)それだけに暴走して誰かを傷付けてしまうかもしれない……という大介の心情もわかりやすく伝わってきて、その苦悩に同情を禁じえません。

 その分甲児の叱咤激励が輝いて見えました。大介を庇うだけでなく、殺してでも止める約束までする思い切りの良さには仰天してしまいます。爆弾指輪を渡してからの「俺がコイツであんたを殺してやる」には正直ギョッとしましたが、自責の念に駆られている大介にはこれくらいがちょうどいいのかもしれません。デューク周りが鬱屈しているだけに、前作主人公のような甲児の安定したメンタルと気持ちいまでの正義漢っぷりには惚れ惚れしますね。ぶっちゃけ本作最大のヒロインって甲児だよねこれ見る限り。

 他には小笠原諸島のとある島で謎の遺跡を発見したり、そこを守る少女が意味深な発言を残したりと急展開も多め。しかし個人的には「アクアダイザー」や「ゼオラダイザー」といったベガ星軍の新ロボットが印象に残りましたね。グレンダイザーの派生機であろうデザインが中々に好みで、こちらのバトルにも期待が持てます。

 

 

逃げ上手の若君

第2話「やさしいおじさん」

 前回に続いて隠し切れぬエグさに満ちた南北朝の血生臭さに反し、明かされる時行の才能に驚愕せざるを得なかった回。兄・邦時の無残な処刑や裏切りの数々に心折れそうになっていた少年が、いざ始まった命がけの鬼ごっこで楽しそうに逃げ回る姿はなるほど「生存本能の怪物」に相応しいものでした。それどころか死ぬかもしれない状況をむしろ楽しんでいる辺り、乱世の時代に誰よりも適応していることが伝わってきますね。を紅潮させる時行きゅんを見て……下品なんですが、その……

 そんな時行が兄の仇であるクソ野郎「五大院宗繁(ごだいいん・むねしげ)」を討つまでのパートは痛快そのもので、頼重が主張していた“逃げることで英雄になる時行の戦い方”というものが理解出来る回だったと言えます。また宗繁視点で描かれる人生のすごろくが興味深い演出になっており、出世のために狩ろうとした獲物(時行)が自分のすごろくを脅かす死神のように映る瞬間には膝を打ちましたね。

 あとは時折挟まれるコミカルなシーンも面白かったです。未来が見える頼重がドッキリやら桃鉄染みたすごろくやら作るのはまだいいとして、M-1みたいな選出で鬼畜武将に選ばれる宗繁のシーンは何ともシュール。情緒がおかしくなりそうですが、まぁ殺伐とした世界観を緩和させるにはこれ大げさなくらいでいいのでしょう。

 

 

 孤独のグルメといえば元々久住昌之氏原作・谷口ジロー氏作画によって制作された漫画作品。全2巻という短い内容に反して、ドラマはいつの間にかシーズン10まで突入している事実には改めて感心させられます。原作とは異なる魅力を生み出し、ドラマ独自の作品として独立してみせたドラマ孤独のグルメ。この作品がどこまで続くのか、ちょくちょく見ているだけの身でも気になるばかりです。

 

 

 ではまた、次の機会に。