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2024年夏アニメ簡易感想 その7

 

 

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 週刊少年マガジンにて連載中の漫画『生徒会にも穴はある!』。ぶっ飛んだ“癖”をこれでもかと見せつけてくるラブコメ(?)で、「次にくるマンガ大賞 2023」にて第1位を受賞した人気作です。当ブログでも1度本作の感想を書いたことがあるのですが……本誌の掲載エピソードの時点でかなり際どい描写が多いのに、単行本の特典映像などはそれ以上にヤバい内容が多くて当時は愕然としましたね他にもかつて作者がSNSで際どいR-18イラストばっかり投稿したせいかアカウント凍結されたのも今は昔……

 

metared19.hatenablog.com

↑漫画第1巻の簡単な感想に関しては上の記事を参照。

 

 さてそんな「生穴る」(公式の略称も大概酷い)ですが、何と先日アニメPVが公開され、そのクオリティに多くのファンが驚愕しました。主人公・梅たち生徒会メンバーを中心に、凄まじいヌルヌル動く作画で元気に動き回る様子が繰り広げられています。わずか10秒ちょっとしかないアニメーションですが、その密度の濃さには確かな満足感を覚えて感服してしまいますね。これほどまでに気合の入ったPVが作られるほど、本作が人気を獲得していることを実感する機会でもありました。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF

第16話「祭りの夜と狂った歯車」

 悪女ホロの演技にまんまと魅了されたアマーティがまさかの宣戦布告。彼女が背負っている借金(という設定)を真に受け返済を宣言したうえで、結婚を申し込もうとする行動力に初っ端から驚かされました。独力で成り上がってきたからこその自信と力強さを感じる反面、ロレンスとホロの信頼関係がそこそこ盤石なのもあって若干道化のように見えてきますね。主人公2人が共に祭りを堪能をしている光景は微笑ましかったものの、ホロの借金返済に奔走しているであろうアマーティのことを思うと複雑な気持ちを抱きそうになりました。

 こうして借金の件や祭りの様子など、いつも通りのやり取りを繰り広げるロレンス&ホロのコンビにまたしても亀裂が。故郷が滅んでしまったという言い伝えを知ってしまい、かつてないほど取り乱すホロの姿には胸が痛みました。ロレンスに思ってもいない言葉をぶつけるシーンからは、彼女が本当にショックを受けているのが読み取れますね。(中でも孤独に耐えられずに「抱いてくりゃれ」とまで言い出す瞬間はわかっていてもギョッとしてしまいます)今回の問題はホロは文字が読めないとタカをくくっていたロレンスの失態の他、旅の同行者以上の関係に踏み込めなかった両者の微妙な距離感も裏目に出てしまったと言えるでしょう。

 

 

 

かつて魔法少女と悪は敵対していた。

第2話「魔法少女(を倒す使命、それ)は(他でもない)私のものだ」

 2話目にしてだいぶ周囲にバレかけていますよ参謀殿!といった感想が早速浮かんできてしまった件。例によって対立という名のお茶会を楽しむミラと白夜のやり取りに笑いつつ、彼の隠しきれていない魔法少女への好意の数々に苦笑いせずにはいられなかったです。(上のサブタイからしてかなりはしょって本音が漏れ出てますし)特に今回はミラ直属の戦闘員たちの反応が愉快で、周囲のミラに抱く冷酷無比なイメージが崩れかけているのがおかしかったです。アップリケのことで圧をかけてくるパワハラシーン辺りは個人的にもかなりツボに入ってしまいました。

 しかしこの回ではスライム軍団にグヘヘな目に遭う白夜のシーン(作画もやたらなまめかしかったな……)にて、ミラの白夜に対する保護者のような優しさが発揮されていたのが注目ポイント。相変わらず悪の参謀に徹しきれていないものの、白夜が辱められることを許さない姿勢には好感が持てました。変身シーンを動画に収めたりはするものの、彼女が本当に傷付くようなことはしないしさせない……こうしたスタンスのおかげでこの2人の関係を安心して見られるのだとつくづく思いますね。それはそれとして「人がゴミのy(ry」とか言っちゃうしメラゾーマもまんま使っちゃうのがフリーダムすぎる……

 

 

【推しの子】(2期)

第14話「リライティング」

 2.5次元を体感するアクアから始まった今回は、知らないものへと歩み寄る過程が描かれました。最初こそ演劇に対する偏見があったものの、舞台の創意工夫で魅力を知った姿に早速ニヤリときますね。「餅は餅屋」という言葉があるように、異なる分野のプロフェッショナルの適材適所が存在することを大いに実感させられる場面になっていたとも感じます。そしてアビ子先生の説得のために、彼女の師匠にして今日あまの作者「吉祥寺頼子(きちじょうじ・よりこ)」先生に間接的にお願いする展開も見事。伝言ゲームの不備から始まったいざこざを、正しい伝言ゲームで収めようとする構図に何とも不思議な爽快感を覚えます。

 そして最大の見どころが吉祥寺先生VSアビ子先生のトーク。2人で締め切り間近の原稿を必死にやりながら、ケンカ腰で本音をぶつけ合う様子には笑いが止まらなかったです。「私の方が面白い漫画描けてるから!」とか「先生は任せすぎ!」とか、そこまで言っちゃうの!?と引くほどぶっちゃけているのでかなり愉快でした。何よりそれぞれが抱え込んでいたストレスや、互いの作品へのリスペクトが感じられる2人にウルっとくるものありますね。今日あまに対する悔しさをアビ子先生が誰よりも抱いているのがここすきポイント)時には厳しい言葉をぶつけてでも、相手の方に踏み込もうとする姿勢がこれまたスカッとする回でもありました。

 

 

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん

第3話「そして二人は出会った」

 明かされた政近とアーリャの出会い、そして彼女が主人公に好意を抱く理由に見入ることとなった3話。アーリャの不器用な性格も興味深かったのですが、それ以上に政近の有能っぷりで驚きと納得を得られました。不真面目な昼行燈に見せかけて、クラスメイトを動かして文化祭を成功させる手腕には舌を巻くばかり。向上心のある努力家故に他人と合わせられず、誰かに期待することを止めていたアーリャに輝く舞台を用意してみせたことにも感嘆の声を漏らしてしまいます。何よりアーリャの心情を理解したうえでの行動がどれも絶妙すぎて、彼女が政近に惚れるのも当然とすら思えてきますね。

 後半ではそんな政近がアーリャの姉「マリヤ・ミハイロヴナ・九条(マリヤ・ミハイロヴナ・くじょう)」(マーシャ)と行動を共にする様子が描かれましたが、気になる描写の数々で大いに揺さぶられました。政近の家族が離れ離れになった過去の断片だけでも不穏なのに、マーシャの何かを察した態度にこちらも色々と勘ぐってしまいます。特に前半でマーシャが語っていた「さーくん」なる人物ってもしや……?ということは1話の謎の少女の正体は……と色々な線が繋がりつつある状況にドキドキとワクワクが止まりません。おっとりマイペースと見せかけて思慮深い一面を見せるマーシャも相まって、予想していたモノよりも複雑な物語になりつつあると実感してきました。

 

 

ちびゴジラの逆襲

第29話「ビオ姉さんの新メニュー

 2期になってからようやく再登場したビオ姉さんことちびビオランテの回は、スナックの客足が遠のいている問題(「インフレ」というワードを容赦なくぶち込むの面白いな……)の解決を中心に描かれることに。相変わらずビオ姉さんの乾きものに対するこだわりが強くて変な笑いが出てしまいました。ドリンクを頑なに置かないならまだしも、「お客が乾いているところが見たい」とまで言ってのける辺りに軽い狂気を感じずにはいられません。

 そんなビオ姉さんの周囲も大分カオス(ちびチタノは相変わらずイイ奴)でしたが、個人的にはちびミニラのツッコミが印象に残りました。中でも新メニュー「きなこビスケット最中」を真っ先に貰う客について「最初の犠牲者ですね」とボソッと呟くシーンは地味に破壊力があったと思います。ちびメカゴジラがテンション高めにツッコむのに対して、ちびミニラはこうした毒を静かに吐くスタイルでツッコミしていくのだと認識することが出来ましたね。

 

 

 上の生穴るですが、単行本特典である作者のおまけ漫画が個人的な楽しみだったりします。作者のむちまろ氏が担当編集と一緒にとんでもないエロ会話を繰り広げたりして、ぶっ飛んだ内容へと発展していく様子は本編に負けず劣らず刺激的です。中でも印象深いのが2巻のやり取りで……(※念のため閲覧注意!!

 

 

 

 

 

 

メインキャラへのお仕置き「パンツに一味唐辛子を仕込む」ネタを話す

→担当編集のひたつかさんが実際に唐辛子パンツを履いてみて電話越しにレポートしてくる(曰く「まさに股間のホイル焼き!」とのこと)

→作者が担当に内心ドン引きしつつ彼のアドレス名を「スコヴィルパンツ」に書き換える

 

 といったくだりは最初読んだ時は困惑しつつも爆笑してしまいましたねハイ。実際にこんなことがあったかは定かではないものの、こうしたネタを臆さず漫画に出来るむちまろ氏にはある意味で尊敬の念を抱いたり抱かなかったりします。

 

 

 ではまた、次の機会に。