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2024年夏アニメ簡易感想 その9

 

 

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 2024年夏アニメの中でもひと際存在感を放っている『しかのこのこのここしたんたん』の新たな動画として、本編3話で流れたこしたん(虎視虎子)の自作オリジナルソング「それゆけ元ヤンこしたん」が突如として動画で投稿されました。原作ではちょろっと歌詞が出ただけの曲に、新たな歌詞とノリノリで歌うこしたんが追加された気合の入った内容に少々驚かされます。しかしそれ以上に、この映像がアニメ放送前に投稿されたOP1時間耐久動画の元ネタだったのが衝撃的でしたね。

 

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↑謎の耐久動画が投稿された時の所感に関しては上の記事を参照。

 

 いざアニメが始まって公開されたOPでは全く使われていなかったループ映像について、以前からアレは結局何だったのか……?と思っていたのもあって今回の答え合わせには本当にびっくりしました。まさかこしたんが黒歴史を曝け出すシーンをアニオリで増加させたのは中々に興味深いです。

 そして上の動画に関しても、ちょっと外した声で歌い踊るこしたんに対して共感性周知を覚えたり覚えなかったり。シカの方も無言で見つめるだけと非常にシュールで、こしたんの哀しき1人相撲を大いに強調していますね。またこしたんのダンスですが、『スパイダーマン3』で主役が躍っていた謎ダンスのパロディもあってこれまたおかしかったです。(この踊りは海外ではミームになっているようですね)ともかくこのシーンをループ仕様にして耐久動画の映像として使う……という采配を下したこのアニメの制作スタッフには舌を巻くばかりです。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

キン肉マン 完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編

第2話「恐怖の完裂地獄!!」

 仲間を傷付けた連中に錨を燃やすテリーマンと、完璧・無量大数軍の全面対抗戦が勃発。物語としては各所属の超人の戦争なのですが、絵面はプロレスの試合そのものなので緊迫感と高揚感が程よいバランスとして描かれていたと思います。実況によるテリーマン紹介なども試合開始前のパフォーマンスも豊富で、まるで実際のプロレスリングの興行を間近にしているような気分に浸れましたね

 しかし繰り広げられた試合は強烈の一言。テリーの相手である“完裂(かんれつ)”「マックス・ラジアル」の巨大タイヤを活かしたパワフルな攻めのスタイルには終始見惚れました。(仰向けのままタイヤで体を動かして立ち上がる動作などが特にスムーズでカッコよかったです)対するテリーは猛烈な攻めとテクニカルな技を駆使するものの、ラジアルの体の構造故に通用しないのが歯がゆかったですね。それどころかタイヤ痕の痛々しさに少々声を失ってしまいます。

 またその試合を眺める悪魔超人たち、そしてキン肉マンの様子も印象的。片や無量大数軍にいる“厄介な奴”を見定め、片やテリーを信じて腹ごしらえ中、と各々が次の戦いに備えていることが伝わる幕間として繰り広げられていたと言えます。(個人的にはキン肉マンの「試合が始まったらもう止められない」という、テリーの性格を理解しているような発言がここすきポイント)

 

 

しかのこのこのここしたんたん

第3話「ばしゃめ入学」

 あのCGのシカって認識出来るものだったの!?となった前半パート。シカ部の部室に居座る謎のシカの絵面もシュールですが、こしたんがここにきてようやくシカについて言及したことに衝撃が走りました。それどころかこのシカがのこたんの変装(?)みたいなものだと勘違いし出すので、彼女の頭がおかしくなってしまったのかと疑ってしまいましたよえぇ。上述の黒歴史自作ソングを歌って自爆する流れまで含め、本作のとち狂った空気に呑まれてはっちゃけだしてしまったこしたんに少々冷たい視線を送ってしまいそうになりますね。(余談ですがこのシカが脱走した日野動物園というのは、言うまでもなく日野市の多摩動物公園がモデルですね)

 そして3年生に進級してからはシカを目指す少女・ばしゃめこと「馬車芽めめ(ばしゃめ・めめ)」が登場。助けてくれたのこたんに惚れるのはまだわかるとして、彼女のようなシカになりたいとか言い出す珍妙さに変な笑いが出てしまいました。そのくせ田んぼを耕すことにこだわったりと、シカの固定概念を崩しかねない後輩であると感じます。元からシカの概念がめちゃくちゃになっているけど……個人的にはこしたんの目的には的確に毒を吐きつつ、自身はシカとしての謎の向上心を燃やすばしゃめのキャラクターは結構お気に入りですね。あんこも加えてシカ部のメインメンバーが揃った回としてはかなり賑やかな印象を受けました。

 

 

夜桜さんちの大作戦

第16話「庭掃除」

 前回のOPから一転、過酷な戦いを予感させる一昔前の深夜アニメテイストの新OPに変化した今回。本編の方では六美の血を輸血してもらうことでついに太陽が覚醒する展開にテンションが爆上がりしました。夜桜の血の話が出てきた時点で薄々こういうことになるのではないかと予想はしていたのですが、大ピンチという局面だったのもあっていざ描かれた時の興奮が止まりません。覚醒後の太陽が一瞬で勝負を付けたこと、そして六美を見事守り切ってみせたことにも惚れ惚れするものがありますね。夜桜の血でパワーアップを果たし、ようやく主人公としての存在感を発揮してくれそうです。

 しかしこの一連の戦いが例の男によって仕組まれたモノだという情報は衝撃的。さらにその男が六美たちの父「夜桜百(よざくら・もも)」であるとわかった時は少々度肝を抜かれましたね。タンポポ側に付いているものの太陽に力を付けさせたり兄妹の結束を強めるように努めている辺り、実際は家族のために行動しているのでしょうか。ともあれ凶一郎(何だかんだ太陽と六美の夫婦を認めているかのようなセリフがエモい……)とのやり取りで得体の知れない存在であるかのように描かれているのが何とも不気味です。敵のようでいて味方にも見えるけどそうでもない……現状では真意の読めない父親については気になることばかりです。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第117話「モチ☆トモ」

 あまりにもフリーダムすぎる男、クァイドゥール・ベルギャー!といった感じに前に出まくるクァイドゥールに印象の大部分を持っていかれたような気がする件。ユウディアスの体を早速借りただけでなく、悩める彼らをよそにノリノリでラッシュデュエルしてくるやりたい放題には笑うしかなかったです。(しかもCV木村昴で「貴様のモノはこれがしのモノ」とか言っちゃうし)ただ後述の精神世界の描写を見るに、クァイドゥールはユウディアスたちに話し合う機会を設けたように……思えなくもないです。

 そんな六畳一間の謎精神世界ではユウディアスとフカムラの問答が繰り広げられましたが、フカムラが抱えるムカムカが何とも胸に突き刺さりました。信頼していたダークマイスター(遊歩)が自分に隠していたことがあったことへのショックは、人間臭い面があって何ともいじらしかったです。負の感情を糧にするダークメンでもどうしようもないことから、フカムラは人間に近づきつつあるのかもしれません。何だかんだ理性的なのもあって、仲間に加わったのも納得と言えます。

 あとデュエルパートではやはりクァイドゥールが使う色違いのトランザム・ライナックが驚きのポイントでした。パンドラのブラマジみたいなデザインの違いですが、こちらはクァイドゥールの大仰な語り口もあって意外と新鮮かつカッコよく見えたのが少々不思議なところです。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第42話「てき?みかた?スタースクリーム」

 ドゥエラーから逃げ回る羽目になったマルト一家&スタスク軍団。高圧的で勝手なスタースクリームを誰もが見捨てかけていた中、ハッシュタグだけが彼のことを気に掛ける展開に驚きつつも感動しました。誰かに傷付けられた経験から虚勢を張っていることを見抜き、そんなスタースクリームに寄り添う姿勢は素晴らしかったです。中でも彼の態度に関しても「かつてメガトロンに同じことをされたから」と察した時には膝を打ちましたね。(虐待された子どもが親になって同じことしてしまうみたいな……)

 対するスタースクリームも、徐々にハッシュタグに対しては心を開いていったのが素敵でした。この心境の変化に関してはメガトロンや部下たちに裏切られたり裏切ったりを繰り返していったからこそ、打算なしに自分を助けてくれたハッシュタグに胸打たれたのでしょう。ドゥエラーから彼女を助け出し、去り際には「自分を大切にしろよ」と言い残す新たなスタスク像には魅了されっぱなしですハイそれはそれとして「マジで!」「マジか!?」というアドリブが多すぎて吹きました。

 といった感じにスタスク周りはハッピーだったものの、肝心のロビーのサイバースリーブは直らないまま。それどころかラストシーンや予告映像でスリーブの力がロビーの体に侵食しているような描写もあってかなりギョッとしましたね。彼の体を蝕む呪いの装備みたいになりつつあるので、クインタスプライムに大丈夫なのかと問い詰めたくなります。

 

 

 上のしかのこの続きですが、こしたんは割と本編の裏でこうした踊りや歌をノリノリでやっていそうで個人的には納得ではあるんですよね。今回晒した黒歴史ポエムノートも、彼女のこうした妄想癖などが暴走した故の産物と言えます。のこたんたちの狂気に押されがちですが、何だかんだ虎視虎子という少女も割とイカれた部分があることを実感させられる一幕が今回の黒歴史ソングだったのかもしれません。

 

 

 ではまた、次の機会に。