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仮面ライダーガッチャード 第49話「メタルウォリアー!白銀のヴァルバラド」感想

俺たちの心は燃え上がる

何か1人で勝手に満足して逝ったギギストにじわる件

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  • 全てを己として受け入れる時

 前回のりんねに続き、今回のガッチャードはスパナが主役。鏡花さんや宝太郎に頼らず自分だけの力を模索しているストイックさと、ラケシスとの気心知れた会話に少々微笑ましいものを覚えました。前々回まで宝太郎たち相手に張りつめていた分、こうして穏やかに過ごす時間があるだけで視聴者としては安心させられますね。その一方で自分に宿る黒い炎への忌むべき感情や、自己犠牲の精神が露になったのは少々切なかったです。自分の力が邪悪であるなら、せめて自分と敵を討ち滅ぼすために使おうとするスパナが本当に悲しく映りました。

 そのためスパナが宝太郎のガッチャから自分の本質を捉えなおすシーンにグッときました。光で影が濃くなるなら逆もまた然り……とばかりに、自分の力を清濁併せ吞む姿勢を見せてくれたことにちょっとした感動を覚えます。何より色々抱え込んで自分1人で解決しようとしていたスパナが、多くの人たちとの触れ合いを糧にしているのが素敵ですね。孤高でありながら仲間との関係も決して蔑ろにしない、黒鋼スパナの在り方としては実に納得のいく形に落ち着いたと思います。(余談ですがスパナに自分の名前を呼ばれて「え、俺も?」といった感じにびっくりしている宝太郎がここすきポイント)

 また何かと付きまとってきたギギストとの戦いに終止符を打ったのも印象的。しかもただ倒すだけでは終わらず、ギギストがスパナを「後継者」として見据えて倒れていったのが意外でした。当初は勝手に満足しているギギストに困惑したものの、自分の力を発展させたスパナに喜ぶのはまぁわからなくもないです。これまで何度も理解者面をしていた男が、自分の理解を超えるものを賞賛する辺りにもスパナの成長が描かれていたのだと考えます。

 

 

  • 人形ではなく、“恋”を求めた人間として……

 スパナのエピソードで外せないのがラケシスの存在。ほぼ自力で彼の居場所を突き止め、ずっと寄り添う様子に頬が緩みっぱなしになりました。ここら辺はスパナに対して自然な態度が多くて、ラケシスの可愛さが強調されていたように思えますね。特にスパナの「人間になったらやりたいこと」についての質問を笑顔ではぐらかすシーンなどは見ていてこそばゆくなってきましたよえぇ。またこの辺りでラケシスの願いが「恋」であることは、薄々感じ取れた次第です。

 それだけにグリオンにトドメを刺され、倒れる最期にはショックを受けました。前回のアトロポスに続き覚悟はしていたものの、ギギスト戦後で油断していたのもあって本当に衝撃を受けましたね。あまりにも呆気ないだけに、スパナの腕の中で事切れる瞬間には放心しかけたほどです。恋する彼女がスパナと共に待ち合わせするイメージでは内心涙が溢れてしまいました。そして姉妹を全員失ったクロトーも気の毒。彼女は果たして次回死ねるのかそれとも生き残ってしまうのか……

 ただ恋の相手であったスパナに「人間」として認められたのはラケシスにとって救いだったのではないでしょうか。死んでしまったことへの悲しさも含め、ラケシスは人形から人間になれたのだということを実感させてくれるシーンに仕上がっていたと思います。(制作側も「キラキラ光って消滅したアトロポスに対し、敢えて亡骸を残すことでラケシスが人間であることの証拠にした」とのこと*1悲劇的ではあるものの、わずかな幸せを手にしたラケシスとスパナの関係に心が震えましたね。

 

 

  • 気高き銀炎で心を燃やす、疾走と閻魔の爆裂錬成

 

マッハウィール

MACHWHEEL! 

ガキン!

 

ダイオーニ

DAIOHNI!

ゴキン!

 

ガッチャンコ!

バースト!

 

オーバートップギア!

黒     鋼 

KUROGANE!!

 

 黒い炎を白銀へと変え制御したスパナが生み出した「ヴァルバラドライバー黒鋼」に、彼と呼応するかのようにメタルケミーへと変化したマッハウィール&ダイオーニを装填し錬成(ガッチャンコ)することで変身した姿「仮面ライダーヴァルバラド黒鋼(クロガネ)」。マジェードに続いて登場したヴァルバラドの最強形態です。21話でのスパナの覚醒と酷似したシチュエーションが多かったので、ここにきて仲間との絆で新たな力を手にした構図に胸が熱くなります。

 そんな黒鋼は非ライダーのヴァルバラドから続く系譜の中ではかなりスッキリとしたビジュアルに変化しているのが特徴的。盛り上がった装甲やローブが取っ払われた分、より洗練されたシンプルかつスタイリッシュな印象を抱きますね。様々なものが歪に継ぎ接ぎされていた通常のヴァルバラドから、1つの金属(メタル)として精錬され直したというイメージがピッタリの見た目と言えるでしょう。また右目の複眼に、スコープの意匠が追加されているのも見逃せません。

 戦闘では驚異的な硬さとパワーでギギストを圧倒。スコープ状の複眼で相手を分析し、向こうの攻撃をものともせず向かっていく姿が印象深いです。背中に差している2本のヴァルバラッシャー(うち1本はラケシスが持っていたものですね)に白銀の炎を纏わせ、凄まじい破壊力を発揮していることからもスパナがその力を完全に自分のモノにしていることが伝わってきます。他にも手のひらから光弾を発射する小技まで獲得しており、遠近共に隙の無い戦闘形態になったと言えます。独自の強さを求めてきたスパナの美学の終着点として、中々に鮮烈な最強フォームですね。

 

 

  • 進む若さと求める老い

 スパナ関連を除くとまず町中を襲うマルガム(調べたところ32話冒頭に出てきた悪人とのこと)とガッチャードの戦闘が印象に残ります。この辺りは戦闘後に民衆から非難されるシーンに胸が苦しくなってきますね。宝太郎たちが助けてあげたのにこの仕打ちはあんまりだと憤ってしまうものの、マルガムを生み出すケミーや錬金術師を怖がる感情も理解出来るので何とも言えない苦々しさを覚えます。

 その分加治木をはじめとした庇ってくれる人たちの登場が救いでしたね。14話&15話の間辺親子や30話&31話の静奈など、これまでのゲストキャラがケミーや宝太郎たちの善性を信じてあげる構図に胸が熱くなります。前々回の旭さんもそうでしたが、本作の過去のキャラの再登場を丁寧に描いてくれるのは視聴者としても非常に喜ばしいことです。たっちゃんに遮られてしまったものの(大多数が有名人の言葉の方を鵜呑みにする辺りが何とも生々しい)、宝太郎たちが紡いできたものは決して無駄ではなかったことを改めて感じ取ることが出来ました。

 

 そして個人的に衝撃だったのが宝太郎とグリオンの問答。グリオンがキッチンいちのせに訪れて、いきなり持論を展開していく様子はあまりにも異質で息を飲みました。以前宝太郎に自分の野望を否定されたからなのか、「永遠こそ美しい」と主張し続けるので恐怖とシュールさが同時に湧き上がってきましたね。そのくせ珠美母さんが帰ってきたらさっさと退散する(やたら外面がいい)ので、何しに来たんだこいつ……?単なる嫌がらせ……?とも思ってしまいました。

 ただ“変化”し成長し続ける宝太郎に対し、“永遠”というワードでグリオンの存在を対比させていたのだと捉えると納得のいくやり取りではあります。若さ故に信じて突き進み、時に失うものがあっても進化し続ける宝太郎。それに対しグリオンは、何も変わらない・何も失わないことを是として永遠を求める……痛みを伴っても希望を掴み取ってきた宝太郎のアンチテーゼ、対極に位置する存在がグリオンなのだということを克明に描いたシーンだったのですね。どこまでも純粋な若さと極論に走った老い、2つが対立する構図に終盤の盛り上がりを感じました。

 

 

 

  • 歪んだ永遠を求める禍々しき黄金の悪魔

 

エルドラドライバー!

 

エルドラゴン

ELDRAGON.

 

ジェネシス!

 

イース・トン・エオーナ!

エル・ドラード……!!

 

 グリオンが3体の冥黒王の賢者の石を回収し完成させた「エルドラドライバー」に、ニジゴンのレプリケミー「エルドラゴン」を装填させて変身した「仮面ライダーエルド」。ラスボスとなったグリオンの最強の姿です。自身の魂からニジゴンそっくりの力を生み出したことや変身シークエンスなど、レインボーガッチャードの黄金版とも言える存在に仕上がっています。同時に現在公開中の夏映画にてグリオンが変身する仮面ライダードラドに酷似しているのも興味深いです。

 そんなエルドのビジュアルはグリオンの思想をそのまま反映させているかのように黄金一色。キンキラキンながらその色合いは素直に綺麗と呼べるものではなく、どこか歪に感じる辺りにグリオンのキャラクターが表れていると言えますね。そして仰々しい鎧やローブに加え、最も印象に残るのが頭部。曲がりくねった巨大なツノを携えながら、額の宝石も相まって「三つ目の怪物」にも見えてきます。

 これらの特徴とシルエット故、劇中のおとぎ話に登場する“悪魔(冥黒王)”に成り果てたとも捉えられるでしょう。実力に関しては現状ミナト先生を黄金に固めているだけ真っ先に先生を襲う辺りがマジグリオンなのでまだ何もわかりませんが、最後の敵に相応しい凶悪な力を発揮してくれることを期待したいです。

 

 

 そして次回は、いよいよ仮面ライダーガッチャード最終回!!世界を黄金という永遠に染めようとするグリオンに対し、宝太郎たちの最後の戦いが幕を開けます。果たしてグリオンを倒して世界を救えるのか?人間とケミーの共存を実現させられるのか?残り1話で全ての問題を片づけられるのか不安も湧いてきますが、同時本作なら完全無欠のハッピーエンドをもたらしてくれるだろうという信頼も湧いてきます。

 絶望を味わいながらも、諦めず戦い成長してきた若き錬金術師たちの物語。最後まで見届けていく所存です。というわけで最終回もつかめ、最高のガッチャ!!

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:「仮面ライダーWEB」(https://www.kamen-rider-official.com/gotchard/50/)を参照。