残酷な真実と柔和な優しさと
お菓子モチーフでここまでエグく見せられるとかえってスゲェとしか言えねぇ!
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- 奪われた家族の温もりを守る
何だかんだショウマが行き倒れて誰かに拾われる展開に慣れてきたところ(しれっと出された「その辺の草を食べていた」発言に思わず二度見しましたが)で、第4話は農家を営む老夫婦との交流が描かれました。今回ショウマを拾ってくれた「仲村(なかむら)」さん夫婦は息子さんを早くに亡くしているなど、悲劇的な背景があるもののそれらの描写は最低限で済んでいたのが印象的です。少々物足りなさもありますが、その分夫婦の人の良さが存分に伝わってきたので悪くなかったですね。息子と瓜二つの若者を気に入って助けてあげる、というシチュエーションもベタですがこのおじいさんたちの共感を抱きやすい要因になっていたと思います。
まぁそんなほっこり展開も中盤のシータ&ジープの介入で一気にエグいことになったのですが……とうとうショウマの過去が一部明らかになったものの、母を目の前で闇菓子の材料にされる回想シーンはあまりにもショッキングでした。ヒトプレス状態のみちる母さんが潰されるだけでもキツくて、直接的な表現を使わずここまでグロテスクに仕上げたことに感心するばかりです。何より母を失い逃げてきたショウマの過酷な境遇に絶句しつつ、打ちのめされながらも復讐以上に人々を守ることを選んだ彼のヒーロー性に改めて惚れ惚れした次第です。
そういった過去もあって仲村さんたちとの生活はショウマには貴重な暖かさだったのだと実感。それだけにあの人たちが襲われないようにまたもや立ち去る展開に胸が締め付けられました。(仲村さんたちに怪物呼ばわりされる展開が無かったのは幸か不幸か……)「そのほう(悲しんでいるほう)がスパイスとして価値がないから」という言葉にも切ない気持ちにさせられますね。主人公が家族の温もりを再び味わえた矢先に、家族を奪われた事実が視聴者に襲い掛かる構成は本当に胸にきましたね。
- クリーミー&ふわふわ!吸収し跳ね返す柔軟さ
マシュマロ!
ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!
EATマシュマロ!
ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!
EATマシュマロ!
ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!
\ヒャアァァ~!/
ふわマロ!!
ふわふわ~!
仲村夫婦から貰ったふわふわのマシュマロを食べて生み出した「ふわマロゴチゾウ」を赤ガヴに装填、ガヴガヴ食べさせることで変身した姿「ふわマロフォーム」。白くて丸いボディが特徴的な派生フォームです。マシュマロが張り付いたようなビジュアルはベイマックスやら『ゴーストバスターズ』のマシュマロマンやらを彷彿とさせ、ここまで登場してきたフォームの中でもどこか愛らしく見えてきますね。(フォーム名に「ふわ」と平仮名が使われているのもゆるキャラっぽくて良き)
そんなふわマロはマシュマロの装甲の弾力を活かした防御力が最大のウリ。ポッピングミ同様衝撃を吸収して体を守っていますが、こちらは自分や相手に跳ね返るほどのクッション的柔らかさを発揮している点で異なってます。そのため攻撃してきた敵を本人のパワーで弾き飛ばしダメージを与える、カウンター戦法を主軸にして戦うものかと思われます。他にも「フワ」という擬音に掴まって宙に浮くなど、見た目に反して機動性もそこそこなのが面白いところです。(また両手がミトンのような形状なので武器が持ちにくいという弱点もあるようですが、それがまた可愛いです)
さらに「まるマロゴチゾウ」を食べて「まるマロアシスト」へと追い菓子チェンジが可能。この形態になると上半身が肥大化し、パンチの威力や範囲がいくらか強化されているようです。そして必殺技では体をローラー上に変形させて、敵をまとめて引きずり転がす絵面が大きなインパクトを残していました。マシュマロが寄り集まったようなビジュアルは集合恐怖症の人にはキツそうですね……絵面のシュールさはともかく、見かけによらず攻撃的な部分もあるフォームかもしれません。
- 徐々にわかるグラニュートの秘密
ショウマ以外の登場人物も核心に迫ってきたのも今回の見どころ。まず絆斗が前回遭遇した謎の男・酸賀からグラニュートについてを教えられるくだりには思わず興奮しました。視聴者にとっては周知の事実であるものの、それをもう1人の主人公とも言える絆斗が知っていく過程には痛快なものを覚えますね。自分の母を攫った怪物の正体に驚きつつ、怒りに震える様子が痛々しくも応援したくなってきます。そのうえで話してくれた酢賀のことを一気に信用仕掛けるところも、犬のような人懐っこさがあってより絆斗への印象が可愛くなってきたり。
また酢賀の話でいくつかの新事実がサラッと出てきたのも興味深かったです。ヒトプレスが人間の技術でいうところの「圧縮冷凍」タイムレンジャーを呼ばなくちゃ……というのは、特に驚きつつ納得させられる理屈だと思います。他にも絆斗の母を襲った怪物の存在から、この技術が最近出来上がったものである可能性が出てきたのも面白いですね。このように視聴者にとっても有益な情報を出してくれた酢賀ですが、絆斗の師匠「塩谷壮士(しおや・そうじ)」の言う通り詳しすぎるのも気になるところ。これらの情報をどうやって調べ上げたのか不明な以上、手放しで信用してはいけない人物であることをしっかりと示してくれたのも良かったです。
あとは絆斗たちではないストマック家の描写でグラニュートの情報が出てきたのも見逃せません。中でもニエルブの口から出た「改造」のワードに惹かれました。劇中に登場するグラニュートたちは材料の調達のために改造された、いわば昭和における「改造人間」ポジションにあたる存在ことがわかったのは大きな収穫です。ならば改造されていない一般のグラニュートはどのような姿なのか、そういった疑問も湧いてくるので次なる情報開示が楽しみになってきました。
今回のエピソードでショウマのルーツがいくらか明かされましたが、人間とグラニュートのハーフ故どちらにも属せない「半端もの」として描かれていたのが特徴的でした。シータたちの蔑みの態度からしてショウマの扱いが読み取れますし、彼だけにある赤ガヴも兄弟にとっては蔑称に近いものなのかもしれません。人間たちから化け物と怖がられる一方で、グラニュートたちからも嫌悪されるショウマの在り方には余計に同情を覚えるばかりです。
それだけにショウマにとって「仮面ライダー」の名前が重要になっていく予感がしてきましたね。人間にもグラニュートにもなれないどっちつかずな彼が、人々を守る仮面ライダーとなることで自身のアイデンティティを獲得していく展開を今後描いていく可能性があります。そう考えると仮面ライダーの名前が出てきたのも納得がいきますし、ショウマの救いになりそうなので早くその展開を見たいところです。
そして次回予告では、その予想の通り仮面ライダーの名が重要になっていく模様。絆斗が人々から恐れられるショウマを庇い、「こいつは仮面ライダーだ!!」と言ってくれるシーンに思わず目頭が熱くなりました。幸果に続いてショウマの支えになってくれそうな彼の活躍に期待が増すばかりです。
さらに今回のラストでショウマを拾った謎の影は何と彼の大叔父にあたるグラニュート!?人間界でひっそりを暮らしていた大叔父が、ストマック家の事情を含めたある真実を明かすようです。ショウマたちを保護していたというストマック家の父親についてもいよいよ判明しそうで楽しみですね。
ではまた、次の機会に。
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