10月に入ってから1週間が経過しましたが、皆様は秋アニメを見始めた頃でしょうか。毎年この時期は面白そうなアニメ作品が多くて、どれを見るか迷っている人も少なくないかと思います。かくいう僕も作品の多さに目を回さずにはいられなかったです。
というわけで今回から2024年秋アニメの感想を書いていきたいと思います。前季の作品や通年の作品も交えつつ、いつも通り個人的に気になった作品をチョイスしているのでお目通しいただければ幸いです。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
- 夜桜さんちの大作戦
- 【推しの子】(2期)
- ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅡ
- アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season
- ブルーロック VS. U-20 JAPAN
- チ。-地球の運動について-
- 遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!
※今週の『ポケットモンスター レックウザライジング』はお休みのため感想はありません。
夜桜さんちの大作戦
第27話(最終話)「作戦終了/披露宴」
最終回は暴走皮下との最終決戦にて、大切な家族を奪い返す展開まで繰り広げられることに。前回ラストで凶一郎が提案した太陽を軸に作戦展開した理由が、地下にある夜桜家の母「夜桜零(よざくら・れい)」の遺体奪還に繋がる流れには膝を打ちました。その後の凶悪ワイヤーを太陽が引き千切る場面も、第1話での彼を彷彿とさせる勢いで興奮が止まらなかったです。(何より凶一郎がこれらを全て太陽に任せている事実にニヤリときますね)長年に渡る因縁に終止符を打ち、家族の絆を取り戻す戦いの終わりとしてはこれ以上ない決着になっていたと思います。
そしてタンポポを壊滅させた後、太陽と六美の結婚披露宴は一転してコミカル全開。出席した著名人まで裏家業の人間だと判明する、そんな突拍子のない要素が何度も出てきてフフッときてしまいます。ただ本作は本来こういったノリだったことを思い出せましたし、ここ最近までずっとシリアス気味だったので良い反動にもなっていましたね。それでいて零母さんが未来の子どもたちに向けたメッセージを残す感動シーンもあるなど、笑いあり涙ありの大団円に繋がったのがたまりません。
総評
事前に調べたスパイコメディの要素からバトル展開の変貌に大きく驚かされた本作。序盤はぶっ飛んだ設定のオンパレードで笑い、中盤から徐々に判明していくシリアス要素に驚きつつも楽しむことが出来ました。これは元の世界観が十二分に説明されてからタンポポといった闇の存在が明かされたので、すんなりと受け入れることが出来たものだと感じています。それでいて日常パートのノリはそのままと、作品の温度差がシームレスで切り替わるのが面白かったです。
主要キャラである夜桜家の面々もとんでもないキャラクター造形をしているほか、全員が終盤に至るまで強かったのが印象的。タンポポとの決戦で多少追い詰められたものの奥の手の開花を出すことで逆転していましたし、苦戦らしい苦戦はほとんどありませんでした。そのため最強のスパイ一家という肩書にも納得しましたし、主人公の太陽が猛スピードで彼らに追いついていく過程も見どころの1つになっていたと思います。
何より狂った部分はあれど、家族仲を一貫して良好に描いていたのが素敵でしたね。太陽と六美の夫婦は話を重ねるごとにお似合いになっていくほか、兄弟たちの家族想いな一面に繋がっていく点も見事。この家族の絆を父との対決でどう描いていくのか、アニメ2期も楽しみです。
【推しの子】(2期)
第24話(最終話)「願い」
愛した者を奪われたルビーが復讐の黒に染まる衝撃の最終回。ゴローせんせの遺体の発見をきっかけに事件の全容に迫ったことで、ルビーのアイドル活動が犯人を殺すという目的に切り替わっていく過程に鳥肌が立ちました。彼女にとって夢であったアイドルの道が、かつてのアクア同様復讐の道具に成り果ててしまったのが哀しく思えてきます。また謎の少女「ツクヨミ」から多くを教えられたものの、アクアが調べていたことまで当てる直感にも慄くばかりです。
何よりアクアが瞳から消し去った黒い復讐の光が宿る演出が圧巻の一言。B小町の新曲MVでも黒い瞳が目立っており、彼女の様子に目が離せなくなっていく演出に息を飲まずにはいられません。(表向きはセンターであるかなが視聴者の眼中になくなるのが上手いですね)また個人的にはアイの模倣のように捉えられていたルビーが、黒い光を宿したことで結果的に注目されるようになったことに痛烈な皮肉を感じます。
そしてアクアはあかねという理解者を経ていくらか幸せになっており、ルビーとはどこまでも対照的になっているのが特徴でした。アクア自身は彼女への罪悪感から関係を続けるつもりなのでしょうが、あかねは危なっかしいアクアを引き留める存在として必要な可能性が見られたのが興味深いです。その結果脳破壊されたヒロインが1人いるけど歪ではあるものの、この関係性自体は悪くはないと思いますね。
総評
アニメ1期の頃から高い人気を獲得した推しの子2期は、ある意味で期待通りの盛り上がりを見せてくれました。2.5次元舞台編からのアクアの憎しみの終着点からルビーの復讐劇の始まりと、双子の運命の立場がそっくり入れ替わる内容を一気に見ることが出来て満足度が高かったです。彼らだけでなく舞台の出演者やスタッフそれぞれの見せ場もしっかり用意されており、原作の時点でそこそこ壮大だった群像劇を余すことなく楽しめました。(サブキャラの中で特にお気に入りなのはやはり鳴嶋メルトですかね。彼の成長劇は本当に好きなのでアニメで見れて何よりです)
そして舞台編の最大の魅力となっていたのが舞台演出。観客席の視点で劇の内容が進行する構成には2期の始まりから何度も驚かされました。さながら実際に舞台を鑑賞しているかのような感覚が味わえるかのようで、リアルタイム的な手の入り込みようには息を飲みましたね。そしてアクアたち出演者の存在感を示してくれる、見事なアニオリ要素に仕上がっていたと思います。アニメ3期では果たしてどのようなアレンジが待っているのか、その辺りも楽しみにしながら情報を待ちたいです。
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅡ
第1話「二度あることは三度ある」
SAOこと『ソードアート・オンライン』の外伝のアニメ2期がまさかの到来。実に約6年ぶりだったので本当に驚きましたし、またレン(香蓮)たちの活躍が見られることに心が躍りましたよえぇ。ストーリーに関しても3度目のスクワッド・ジャム優勝のため、ピトフーイ(エルザ)とチームを組むことになる展開ということもあってテンションを上げずにはいられなかったです。そのうえエムやフカ次郎も加わっているので、アニメ1期の頃から見てみたかったドリームチームを早くも堪能出来て喜ばしい限り。親友兼強敵を仲間に迎え入れた、ある意味で本作最強チーム結成から既にワクワクが止まりません。
また前回までのスクワッド・ジャム参加チームにもスポットが当たったのが今回の注目ポイント。お馴染み学生チーム・SHINCはもちろんのこと、これまでモブ同然に退場していった面々までハッキリと描写されたことには驚きましたね。そして彼らがそれぞれどんな無念や後悔を抱いていたのか、そのうえで新たな戦いにどんな覚悟で臨むのかが伝わってきたのが好印象。おかげで他チームも単なるやられやくではないことがわかりましたし、向こうの活躍にも期待するほどの高揚感を覚えた次第です。(前回漁夫の利で優勝したT-Sの扱いには苦笑いしましたが)
アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season
第1話「飛んでく先を決めるのは」
春アニメでもあったアイマスアニメの2期、というか後半戦も今季からスタート。前回の283プロファーストライブ成功を噛みしめつつ、各アイドルたちが新たな一歩に向かおうとしている様子がまず目に飛び込んできました。特にメインの真乃が「芹沢あさひ(せりざわ・あさひ)」との出会いを経て、「どんなアイドルになりたいのか」を考え始めたのが大きな見どころでもありましたね。前期の真乃はみんなと一緒に頑張ることに注力していましたが、一体何を頑張るのかという具体性を求められたのはなるほど必要な問いかけだったと感じます。作品そのものの空気にもある、漠然とした部分をハッキリ言葉にしてくれるかもしれないという期待が持てそうです。
そんな真乃の背中を図らずも押したあさひ率いるグループ「Straylight(ストレイライト)」の存在も色んな意味で驚きを与えてきました。最初に映るシーンから一貫してレッスンに没頭しており、本番の時もどこかピリピリしている空気を放っていたのが印象的。しかしそれが悪いというわけではなく、むしろ本気でてっぺんを目指そうとする気概すら感じられたので好感が持てますね。良くも悪くもグループを越えた仲の良さが目に留まる283プロのアイドルたちとは異なる、このストイックさはかなり新鮮に思えました。
ブルーロック VS. U-20 JAPAN
第1話「適性試験(トライアウト)」
最強のストライカーを決めるためのエゴをぶつけ合うデスゲーム風味のサッカー漫画のテレビアニメ2期がいよいよスタート。ブルーロック存続をかけた一戦に向けた、最強チーム結成のためのトライアウト開始に早速興奮を覚えました。現状のトップ6(と蜂楽を加えた7人)が判明し、潔の立場がまだまだ挑戦者側であることに納得なような悔しいような気分に陥ります。そのうえでどの最強と組むのかについても、潔の悩みっぷりも相まって少々微笑ましかったです。結局後述の面々との会話を経て凜を選びましたが、ある意味で潔らしいエゴに満ちた選択なので不思議と安心しますね。
潔以外の生き残ったストライカーたちの描写も見逃せません。チームZは半数が落ちたのは残念ですが、逆にこれだけ残っていたのは結構快挙なことではないかとも感じましたね。でもイガグリが生き残っているのは何か違和感あるな……他にもいつも通りのツンデレキング馬狼や変なところで恥ずかしがる二子くんと、キャラの個性を見せながら自分のサッカーの個性を活かせる・活かす道を既に見定めている辺りが印象に残ります。個人的には相変わらず凪のことでウジウジしている玲王が気になって仕方ありませんが、ここは全員に注目していきたいところです。
チ。-地球の運動について-
第1話「『地動説』、とでも呼ぼうか」
第2話「今から、地球を動かす」
15世紀のヨーロッパをモチーフにした世界観で繰り広げられる物語がアニメ化。以前から原作漫画についてを耳にしていましたが、いざアニメとして視聴した時の内容には興奮を覚えましたね。天動説が一般的な世界で禁忌の地動説を証明しようとすることがどれだけ命がけなのか、背景を理解するほどその行いの壮絶さが伝わってきます。いきなり痛そうな拷問シーンから始まりますし、静かな進み方に反して緊張感はかなりのモノでしたね。
主人公の「ラファウ」が「フベルト」との出会いでものの見方を変えていく流れも見事でしたね。神が造りたもうた世界の構造を理解しようとする過程で、“直感”と“美しさ”を重視する姿勢は見ていて爽快感を覚えます。同時にフベルトが地動説の研究を続ける理由として「神を信じているからこそ」と口にしたのがまた興味深いところ。地上は汚れていて天国こそ美しい、そんな世界が神の造ったものであるはずがない!とばかりに自然から読み解こうとする姿勢に不思議と感動を覚えました。
あとは異端審問官「ノヴァク」の存在が強烈な印象を残していきました。気だるげな態度で淡々と異端者を罰する容赦のなさには、視聴中何度も絶句してしまいましたね。(助けた子どもの父親を拷問にかける辺りが本当に怖いです)何の感慨も抱いていなさそうなこの男もまた、本作における重要人物になりそうで目が離せません。
遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!
第128話「労働を切り開いて突き進め」
実質的な総集編が繰り広げられた今回は、革命に失敗したマナブたちの飽くなき反抗に注目することに。謎の労働を強いられている構図は如何にも反逆者の末路といったところですが、仲間たちの明るいキャラクターのおかげで本作らしい愉快な部分は失われておらず安心しました。それどころか諦めず脱出を目指す様子まで描かれたので見ている最中は彼らへの応援をせずにはいられなかったです。特にマナブがみんなを引っ張るリーダーのようになっているのが素敵でしたね。黒歴史をいじられながらも、信頼を寄せられるようになった彼の姿に少々感動してしまいます。
振り返りの内容としては遊我が残したものが中心となって触れられていました。彼がこの時代にラッシュデュエルを作り出したことで様々な影響を呼んだこと、こうして整理してみると彼の行いは功罪共に非常に大きいと感じざるを得ません。同時に遊我を想っていたユウナについての見解も語られており、彼女が敵対する理由が重く切ないものだと改めて感じます。(そんなユウナを我が子の如く自慢するロヴィアンが今回のここすきポイント)そしてユウナはまだ何かを企んでいるようですが、ラストのカードは一体何なのか?次な何を狙っているのか?が気になってきました。
さてメタレドが選んだ今季視聴アニメですがいわゆる続き物が多いです。次の簡易感想に書く予定の作品も含め、2期や3期が大半を占めていることに僕自身驚いてしまいます。新作と合わせてチェックするのは大変ですが、それだけ以前見ていた作品が人気である証拠だとも捉えられるので何だかんだ嬉しくなりますね。あのアニメの続きが!という喜びをかみしめながら、今季もまたアニメを楽しんでいきたいと思います。
ではまた、次の機会に。
