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仮面ライダーガヴ 第13話「約束の手作りケーキ」感想

帰るべき場所があるから

崖落ちは生存フラグだから大丈夫だな、ヨシ!!(ニチアサ脳)

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  • 約束のために奮い立つ

 今回のガヴはクリスマス前の準備として、ショウマがケーキ作りに挑戦するのが前半のメインとなっていました。幸果が作ったブッシュドノエルに感動して自分も作ろうとするきっかけ、加えて幸果に教わったり注意されたりしながら作っていく様子が非常に微笑ましかったです。またこれまでは食べるだけだったショウマでしたが、ここにきてお菓子を作ることも学んでいく展開は彼の成長の過程としても納得のいくものになっていましたね。同時にこのケーキを幸果に食べて喜んでほしい……そんな想いが込められている点に胸が熱くなってきます。

 この「ケーキ作り」のイベントが今回のショウマの戦いの動機に繋がっていたのも面白いポイント。最早やけっぱちで襲い掛かってきたシータ&ジープ相手に苦戦しながらも、完成させたケーキを食べるために「絶対に帰んなきゃ!」と口に出した自分を鼓舞するシーンが目に焼き付きました。戻るべき場所があるからこそ、生き残ろうとする姿勢はかつてのショウマを見てきた分、自分を大事にしつつあるので思わず感動してしまいます。(帰る場所があるからこそ奮起するショウマVS帰る場所が無くなったため捨て鉢になっている双子とこれまた残酷な対比になっているのもここすきポイント)この辺りは前回同様、自分を省みない絆斗にはない強さが感じられますね。

 そんなガヴ(ショウマ)と双子の戦闘シーンは、かつてないほど激しく苛烈に描かれていたのが印象的。とうとう怪人体を披露した双子の猛攻に、ガヴもこれまでのフォームを総動員して立ち向かうバトルの絵面は大迫力の一言でした。個人的には双子が非常に強かったのが意外で、抜群のコンビネーションでガヴを追い詰める様は一応幹部に相応しいものだと思いましたね。(装甲を引き剥がしてから攻撃、というエグい手も中々で、何も失うものがない2人の必死さが伝わってきます)そんな双子相手にショウマが吹っ飛ばされるラストとなりましたが、如何にして反撃に移るのか逆に期待が高鳴っていますそれに東映特撮で崖落ちは生存フラグですから心配する必要はないですね!

 

 

  • パワフル&ふわふわ!巨影を切り裂く大戦斧

 

ケーキ!

 

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

EATケーキ!

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

EATケーキ!

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

 

\ヒャアァァ~!/

 

ブシュエル!!

ふわふわ~!

 

 幸果お手製のブッシュドノエルを堪能したショウマが生み出した「ブシュエルゴチゾウ」を赤ガヴに装填、ガヴガヴ食べることで変身する「ブシュエルフォーム」。クリスマスシーズンということで登場を果たした珍しい派生フォームです。「クリスマスの木(丸太)」を意味するお菓子がモチーフということもあり、全身に突き刺さったロールケーキはまるで丸太のように仕上がっています。でも白いせいか長ネギとかナルトにも見えてしまうんだよなぁ……手足にも装甲があるため重武装であり、専用武器である大型の斧「クリスマックス」のサイズと合わせて中々に迫力がありますね。

 戦闘ではそのイメージ通り、クリスマックスによる重い一撃を当てることを念頭に置いている模様。しかし見た目に反して俊敏に動くのが特徴的で、大きくジャンプしてからクリスマックスを振り下ろすダイナミックな絵面を披露していました。さらに必殺技では無数の丸太を出現させて、相手を拘束してから切り裂くというド派手で圧倒的なものだったのが見事。戦闘時間が短い&双子相手に押し負けるといった不遇なところもありますが、それでも十分強力なフォームであることは印象付けられたと思います。

 

 

  • 新たな試みに振り回される

 ショウマとは別口で行動していた絆斗のパートでは、次なるバイトグラニュートとの戦いが少しだけ描かれることに。何と言っても今回登場したスティンガー可児(かに)こと「ロジョー」との愉快なじゃれ合いに困惑しつつも爆笑してしまいましたね。水辺で大のライダーと怪人が水かけ合いっこをしながらキャッキャうふふとはしゃいでいる光景は、キラキラエフェクトと爽やかなBGMと相まってとんでもなくシュールなものに仕上がっていました*1あまりにも唐突なギャグでしたが、後半はずっと殺伐としていたので良い具合に息抜きになったのではないでしょうか。

 といったギャグはともかく、このロジョーが明かした「昔は人間をそのまま攫っていた」という情報には思わず二度見しました。ヒトプレスの技術が確立されたのが最近なのは以前語られていたものの、それ以前にも人間をスパイスの材料にしていたことが確定したのは大きかったです。それにロジョーが古くから活動している古参バイトで、今のやり方に不満を持っているために出た愚痴というのも絶妙でしたね。敵のコミカルな一面とは裏腹に、母の事件の真相を追う絆斗のパートが緊迫感を増していくのが伝わってきました。

 またストマック家に連行されたラーゲ9の処遇についても気になるところ。短い出番でしたが、ニエルブのところに連れてこられて改造させられそうな場面に思わず冷や汗をかいてしまいました。バイトになるための改造を去れるのはわかるとして、これまでにない新しい試みの実験体にさせられている辺りが否めません。*2今回は総じて新たなことに次々と挑戦するストマック家に対し、ついてこられずにいるバイトたちの悲哀のようなものが感じられましたね。

 

 

 今回は他にも久々に登場したデンデおじさんとショウマの冒頭のやり取りでいくつか気になるセリフが見られました。まず絆斗をヴァレンに改造したことについて「改造したのは間違いなくグラニュート」というおじさんの言葉に考えさせられました。ここにきて酢賀がグラニュートである可能性が出てきていますが、個人的にはそうでもないかもと思っています。というか酢賀は人間のままでいてくれた方がヤバさが際立つので、人間のマッドサイエンティストというポジションを貫いてほしいところ。(あくまで「酢賀とニエルブは裏で繋がっている説」を推しますよ僕は!)

 そしてショウマの記憶が欠落している話にもやはり……!という納得感を覚えました。デンデの改造の影響かはわかりませんが、ショウマにはまだまだ彼自身知らない情報で溢れているように思えます。そのせいで絆斗の母を襲ったグラニュート=暴走したショウマの可能性が強まってきていますが、彼の隠されている記憶が明かされる瞬間は楽しみでもあります。謎が多い序盤だからこそ、こうした伏線や布石は見逃せないですね。

 

 

 さて次回は双子との決着の時。ショウマだけでなく人々を襲い続ける奴らを止めるため、今度こそ倒すと決意したショウマの勇姿が見られそうです。同時に彼を心配する幸果の様子も予告で映っており、ショウマがもっと自分を大事にすることを覚えそうな予感にニヤリときますね。年末お馴染みである最初の強化フォームのお披露目と合わせて、序盤の山場として盛り上がってくれることを期待したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:余談だがこのシーンで流れている曲「愛して」は、可児役の岸洋佑さんが今回のために書き下ろした新曲である。(岸さんは俳優以外にも歌手として活動している)こちらは現在各種サイトで配信中とのこと。

*2:ちなみに改造されたグラニュートとそうでないグラニュートの見分け方は「お腹の口の下に金具が嵌められているかどうか」だとか。詳しくは「仮面ライダーWEB」(https://www.kamen-rider-official.com/gavv/14/)を参照。