悪!烈!
ウイングマン!!
この愛はどんな次元(せかい)も羽ばたける
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- 熱さと絆がもたらす最終決戦!!
リメルの策略によって追い詰められながらも、敢然と立ち向かう健太たちの勇姿が見られたウイングマン最終回。そんな最終回は、これまで以上にヒーローもののお約束が詰め込まれた展開に魅了されることとなりました。通常とは異なり静かな掛け声でウイングマンに変身して(歩きながら変身するのも最終回っぽくてここすきポイント)から戦闘開始し、大ピンチからの巨大化による大逆転という熱い内容がこれでもかと見られて興奮が止まらなかったです。加えてここぞという場面で主題歌の「chang[e]」が流れるタイミングも絶妙で、特撮ファンが見たいと思うモノを外さない辺りがニクいですね。
何と言っても仲間たちや人々の声援を受けるシーンが印象的。まず前半の内に家族やアクション演劇部のみんなに別れの挨拶を済ませ(中でも罪悪感を覚えている布沢さんへのフォローが素敵)、それを受けた彼女たちが健太の戦いを映しながら応援する流れはベタながら胸にくるものがあります。この辺りは健太の真っ直ぐな性根と彼との日々が、美紅たちをここまで成長させてくれたとも取れますね。アクション演劇部での活動で培った関係がこの結果に繋がったこと、学生たちの青春要素に大きな意味を与えたことに感動を覚えました。
そうして誕生した「巨大ウイングマン」に関しては細かいことはいいんだよ!!レベルの勢いで視聴者を殴ってくるのでかえって清々しかったです。ドリムノートなしで新たな力を得たことに詳しい説明はなかったものの、「人の願いと正義の力は無限だ!」というセリフで不思議と納得させられるパワーが作中で発揮されていたと思います。あるいは健太の想像力が生み出した奇跡というべきモノ、というのもあり得そうだと解釈出来るくらいには、本作が積み上げてきた描写が功を為したかもしれませんね。ともかく巨大ウイングマンのボディカラーが健太の手作りスーツと同じ赤ということもあり、どこか健太の夢が形になったとも感じられる展開になっていました。
- あなたを想い、幸せを願うラスト
とまぁウイングマンの大逆転にテンションが上がりに上がりまくったものの、直後に倒れたアオイと彼女に関してのラストは一転して困惑の嵐でした。リメルの攻撃でアオイが死にかけ、健太が彼女を助けるためにドリムノートを使おうとしたら彼女の記憶が存在しない世界になっていた……というくだりで理解が追い付かなかったです。アオイが無事に生き返ったのも同様に謎が多く、最後に最後に予想外の展開をお見舞いされた気分になってきます。(あとで調べたところ、原作漫画も終わり方に関してはほぼ同じである模様)
まず健太のアオイへの想いの強さが印象に残りましたね。ドリムノートのウイングマンのページを塗りつぶす勢いで「アオイさんを助けて」と書き綴る必死さには胸を締め付けられました。それだけ彼がアオイを大切に想っているのがわかるだけに、書き換わった世界でその感情を忘れてしまったことに何とも言えない苦々しいものを覚えます。ヒーロー作品では割とある離別エンドではあるものの、ここまで彼らの友情や恋愛を描いてきた先がこれではどうしても受け止めきれないものがあります。
それ以上にアオイが健太への好意を伝えられないまま去っていくラストがあまりにも悲しかったです。息絶える瞬間に「好き」の一言をつぐみ、世界が書き換わった後も健太に少し話しかけるだけなので切ないったらなかったですね。彼に平和な世界を謳歌してもらうために敢えて未練を断ち切ったというアオイの心情も読み取れるので、余計になるせない気持ちが湧いてきました。アオイのいじらしさと健気なところが光る名演出にもなっていたので、胸が締め付けられっぱなしとなった次第です。
というわけで最終回の感想でした。ヒーローの王道ど真ん中を行く胸熱展開の後に、ヒロインとの哀しい別れの緩急が激しくて、あまりにも情緒が安定しないラストとなりましたね。同時にこれほどまでに自分が健太やアオイたちに感情移入が出来るほど、彼らのキャラクターと物語に見入っていたことを実感して嬉しくなる回でもありました。またDMMTVの特別バージョンではさらに原作漫画のカットとアニメ『夢戦士ウイングマン』のEDテーマ「WING LOVE」が流れたのも見逃せません。原作とアニメはきちんとチェックしていない身でも、どこか震える演出に仕上がっていた辺りに僕自身本作を大いに気に入っていたことがわかりましたね。
とはいえあの終わり方は切ないといえば切ないので、何かしら救いは欲しいところ。幸いラストに謎の人物のセリフ(声を担当したのはまさかのGACKTさん!)で続きを匂わせていましたし、機会があれば2期をやりたい!という制作陣の気概が感じられます。もしドラマ2期が放送される場合は、健太とアオイの関係にある程度の決着を付けることを願いたいですね。またもし実現するのではあれば、全力で応援する所存です。
そして最終回の感想からそのまま簡単な総評をば。桂正和氏が原作の漫画作品の実写ドラマ化ということでしたが、ドラマというよりも特撮としての質の高さで攻めてくる凄まじい内容でした。監督の坂本浩一氏を筆頭に特撮を手掛けてきたスタッフが揃っており、その面子が携わっているからこその濃密なアクション青春ドラマに仕上がっていたと思います。(また原作者がウイングマンのスーツデザイン兼総合監修に回っていたのも強かったですね)
何と言っても東映が制作しているからこそ出来る小ネタの数々に圧倒されましたね。主人公の健太の部屋が仮面ライダーやスーパー戦隊、他の東映特撮作品のグッズで溢れかえっている光景の時点でインパクトは十分でした。他にも登場人物のセリフから作品名が直接出てくるなど、版権を気にせず原作同様にネタに出来る点に感心させられるばかり。正体をバラしながらヒーローとしてやっていく例として『仮面ライダードライブ』の名前を出すなど、実際にそれらを視聴していた人たちならニヤリとくる扱い方もグッド。特撮ファンの主人公を据えているのに相応しい、特撮作品たちへのリスペクトが感じられました。
ストーリーに関しては学生が主人公だからこその青春と、強敵とのバトルの塩梅が絶妙の一言。日常に潜むリメルの手先がチラつきながらも、基本は学校や部活を謳歌しているので肩の力を抜いて楽しめるところがありましたね。そして健太を取り巻くヒロインとの恋模様が最大の見どころに繋がっていたのも見逃せません。美紅のグイグイくるキャラも、アオイのイマイチ不憫な扱いも戦いとは別に濃密に描かれていました。(同時に健太の女心の察しの悪さにヤキモキせずにはいられなかったり……)それが終盤のどこか切ないラストに繋がったと思うと、彼らの恋の物語も本作の大きな主軸だったのだと実感します。
アクションに関しては文句なし。坂本監督特有のダイナミックなアクションは例によって発揮されており、爆発の激しさ&生身アクションの多さも含めて大迫力の絵面を堪能出来ました。また個人的にはウイングマンの名前の通り、翼を意識した演出の数々が印象的でしたね。機械のような翼や空を飛ぶ様をCGで惜しみなく描いており、少しキレイだと感じられるシチュエーションが多く見られました。デルタエンドのシーンなどカメラが引きすぎて遠く感じしまうといった不満点はあるものの、概ね期待していた通りのバトルを見ることが出来て大満足です。
では以下、各キャラクターについての所感です。
広野健太/ウイングマン
本作の主人公。1話の時点では「イタい特撮オタク」というイメージで見ていてキツいものがありましたが、回を重ねるごとに本来の素直さと実直さが判明していくので最終的には好感が持てる若者に落ち着きました。ウイングマンの活動も最初はヒーローごっこの延長線上だったのが、自然と本気でみんなのために戦う覚悟を固めていくので非常にカッコよかったですね。決戦前の落ち着き様といい、ヒーローとしての貫禄がいつの間にか備わっていたと思います。(そして健太を演じた藤岡真威人さんの演技とアクションも最高でしたね)
その一方で恋愛に関しては割と疎い、鈍感な男子学生だったのがまた面白かったです。美紅への好意に舞い上がるくだりが微笑ましかった反面、アオイのことをいつの間にか蔑ろにしてしまう甲斐性の無さもある意味で浮かれた学生らしかったと言えます。それ故7話でジェットマンの恋愛要素について語るシーンではどの口が!?と思ってしまったり……その分終盤でアオイとの約束を語るなど、義理堅い一面で応えてくれたのでそこまで不快にはなら買ったですね。良くも悪くも落ち着きのない男の子として、平均的な魅力が備わっていました。
アオイ(夢あおい)
ヒロインその1。健太を巻き込んでしまった異世界人として登場し、徐々に不憫な扱いが板についてくるキャラクターが目に留まりました。最初こそ健太の家に押しかける図々しさがあったものの、回を重ねるごとに彼への配慮も感じられる場面も増えてきた印象です。そのため一歩引いたところでイマイチ馴染めずにいるのが可哀想でしたが、終盤健太と想いが通じ合ったのは何より。結局彼の元を去ってしまうものの、アオイの好きな人への献身的な姿勢を考えると納得するラストでもありました。
小川美紅
ヒロインその2。彼女に関してはどちらかというとグイグイくるぶりっ子という印象を抱きましたね。現実世界のクラスメイトとして健太への好意を抱き、序盤から彼に寄ってくるバイタリティには思わず圧倒させられます。それでいてウイングマンについて知ってもなお引かず、彼のために力になろうとする芯の強さを見せていたので感服せずにはいられなかったです。(好きな人の趣味への理解を深めようとする点も素敵)終盤はアオイの影に隠れがちでしたが、その分健太から「大切な人」として扱われていたので不遇というほどでもなかったです。
北倉先生/キータクラー
ライバルポジション(?)の敵キャラ。序盤から先生として学校に潜り込み、健太を監視する不敵な存在として活躍していましたが、いつの間にか変態キャラとしてのキャラが立っていたことに吹き出さずにはいられませんでした。9話で健太個人に対しての執着を露にするシーンは、演じている宮野真守さんのねっとりとした声色も相まって本当に気持ち悪かったです(誉めてます)。そして最終回ではリメルから健太を庇って倒れるなど、ヒロイン顔負けの活躍と告白をしてきたので本当にびっくりしました。ある意味で本作を盛り上げてくれたネタキャラとして、彼のことは忘れたくても忘れないでしょう。
というわけでウイングマンでしたが、10話という身近さながら非常に濃い作品を見られて本当に面白かったです。また原作漫画やネタとして出てくる特撮への愛が感じられるので、特撮ファンでも安心して見られるのは大きかったように感じますね。上でも書きましたが、せっかくなのでドラマ2期が制作されることにも期待したいです。
ではまた、次の機会に。
↓以下、過去の感想が書かれた記事一覧です。
