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『ドラゴン娘になりたくないっ!』クライマックス編を見る

 

 

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 2024年12月にて、ドラ娘のストーリー編第2章がついに完結。5月ごろから始まり月イチで描かれていた一繋ぎの物語が見事大団円を迎え、ファンの1人としてとてもほっこりさせられました。ドーラの黒幕が抱えている問題に向き合って、平和なラストへと持っていく手腕はドラ娘ならでは。今回はそんな去年最後のドラ娘のエピソードの感想を書いていきたいと思います。

 

 

  • 闇をも照らす友情

 というわけで前回アーシュ編のラストでドーラが勝負を挑んできたところで終わっていましたが、前半はそんな彼女に正面からぶつかるアーシュの優しさが印象に残りました。猛攻を仕掛けるドーラに防戦に徹していたこと、そして言葉を以て対話を試みる光景は実にアーシュらしい戦い方です。何よりドーラの気持ちに寄り添ったうえで「私と友達になってください」と語りかける姿に感動を覚えましたね。空回りして失敗しても諦めない姿勢・ありのままでいようとする想いをはっきり口にすることから、前回同様逞しくなったアーシュが感慨深くなってくる名シーンになっていたと思います。

 そのうえ黒幕のモルナルクに対しても手を差し伸べてきたのですから驚きです。一時一体化していたドーラがモルナルクの“寂しさ”を感じ取ったというのもありますが、大勢を巻き込んだ相手にここまで出来るのは流石としか言いようがありません。友達と一緒のキラキラJKライフを目指していたアーシュの成長の結果と考えると、この決着の付け方は中々に美しいと感じました。いつの間にか誰とも友達になろうとするまでに至った物語の帰結として、胸に込み上げてくるものありますね。

 ドーラに関してもある程度解決して一安心。勝利と強さにこだわっていた少女が、アーシュの言葉を受けてわだかまりを解いていく場面には思わずホッとしました。以前の回想で出てきた師範代の言葉の続きも判明し、本当の強さは「1人ではなく仲間と共に」得るものだと思い出すくだりもベタながら素敵です。1人で悩んでいるキャラが多い本作だからこそ、この友達を作っていく解決法に向かっていくのも納得といえるでしょう。

 

 

  • みんなと一緒に成功させる時

 また今回は新入生交流会を成功させるために、これまでのキャラが総動員してきたのも見逃せません。アーシュたちがモルナルクを追う中で、アオハル組を筆頭にした面々が新入生交流会の準備を進める展開には思わず唸らされました。それだけでなく仲間たちの存在がアーシュたちを奮い立たせる要因になるのも見事と言ったところです。

 アオハル組だけでなく他の部活のメンバーや先生、アカリといったこれまでのゲストキャラがまとめて出てきたのが個人的なここすきポイント。最終回にみんなが駆けつけるという定番展開大好きな身としては、興奮せずにはいられません。(関係者以外も堂々と立ち入っている気がしますが、ここまでくるとどうでもよくなってきますね)そしてこれらの協力を得られたのも、生徒会が積み上げてきた信頼の賜物だと考えるとより胸が暖かくなってくる次第です。

 惜しむらくは真っ先に駆けつけてくれたアオハル組の出番が少なかったことでしょうか。ドーラとむむ以外はストーリーに積極的に関わっておらず、ショート動画でも出番が全くなかったのでどこかポッと出感が出てしまいますどちらかというとシゲちゃんやドンパチさんが助けに来てくれた時が嬉しく感じましたね……こういったシーンはこれまでの積み重ねがモノを言うと考えているので、事前にアオハル組にスポットを当ててほしかったところです。ひとまずこの辺りは今後のストーリーに期待するとします。

 

 

 そしてここからは恒例のクリーチャーの元ネタに触れていくコーナー。やや少なめながら、それぞれへの関して色々と気になったことを触れていきたいと思います。

 

  • 黒龍神モルナルク

 ドーラたちアオハル組にドラゴンの力を与えた黒幕にして、以前の古文書にも出てきた5体の龍神の1体でもある闇のドラゴンです。また以前から仄めかされていた「赤い宝石」がモルナルク復活のための布石だということも判明し、2章全体で裏で動いていたことが伺えます。(第2章で事件を起こしていたクリーチャーが全て闇文明なのも、モルナルクが由来なのでしょう)ドーラを取り込み完全復活を遂げ、全てを闇に封じ込めようとする壮大さも大ボスに相応しいものでした。

 それでいて寂しさを抱えた存在として描かれていたのが興味深いポイント。詳細は不明ですが、過去の争いによって裏切られた怒りと悲しみが動機になっている点にモルナルクなりの悲哀を感じます。そこを見抜かれた結果弱体化され、校長(《天龍神アークゼオス》)に封印されましたが、ここから少しでも友情の大切さを思い出していくことでしょう。(何気に他媒体では不遇な扱いの五龍神がここまでメインを張ったうえ、ある程度の救いがもたらされるのは珍しいですね)

 それにしてもモルナルクの言う「世界が分断された争い」というのが少々気になりますね。元ネタの背景ストーリーから神歌の歌姫 アマテラス・キリコ》らオリジンの仕業を想像してしまいますが、今のところは何とも言えません。これらの過去は今後のストーリー展開次第で明らかになるのでしょうか。

 

 

  • 新入生交流会

 第2章で着々と準備を進めていた新入生交流会もラストに少しだけ描かれ、どこかお祭りのような様子にほっこりさせられましたてか交流会というよりもはやただの文化祭だコレ!個人的にはあれほど張りつめていたドーラが普通に楽しんでいたり、彼女に諫められたいじめっ子といじめられっ子が仲良くしているシーンにウルっときましたね

 クリーチャーなどに関する小ネタに関しては意外と少なく、確認出来たのは《キューティー・ハート》くらいでしょうか。(あとはマロンが着けていたお面にも元ネタがありそうなのですがイマイチわからない……)これだけなのは残念ですが、そのネタが重要ではないのであまり気にしないで行こうと思います。

 

 

 クライマックス編第3話(最終話)のサブタイトル。一見すると普通のサブタイですが、恐らく元ネタのカードは同名のDMフィールド(フィールドカード)と思われます。『デュエル・マスターズSX』最終回の扉絵または『デュエル・マスターズVSRF』最終話のアイキャッチをそのままイラストに採用しているカードで、物語の終わりに相応しいチョイスといえるでしょう。

 何より友達との想いを描いてきた本作だからこそというのもありますね。ここまでピッタリなサブタイを持ってきたことには思わず舌を巻いてしまいます。まさにドラ娘のラストに相応しい、「友情」を謳う最後の元ネタでした。

 

 

 というわけでドラ娘の第2章もこれにて完結。本当に2024年内に終わらせられたこと。そしてアーシュたちの物語を綺麗に畳めたことに感心するばかりです。ここまで応援してきた者としては、ここまで平穏に終わらせてみせた本作に拍手を贈りたいですね。(余談ですがアーシュの「ドラゴン娘になりたくな~いっ!」の叫びでタイトル回収するオチがここすきポイント)

 またドラ娘そのものはこれから先も続いていくのが楽しみですね。いつも通りの短編動画はもちろんのこと、今回のようなストーリー編の続きにも期待せずにはいられません。第3章といったさらなる展開を妄想しつつ、今回はここで筆を置きたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。