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2025年冬アニメ簡易感想 その3

 

 

 

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 高橋一生さん主演のドラマ『岸辺露伴は動かない』シリーズの新作岸辺露伴は動かない 懺悔室の情報が先日発表されました。何と一昨年の『岸辺露伴 ルーブルへ行く』と同じく劇場映画として公開するとのことで、また映画化されたという事実にまず驚かされます。イタリア・ヴェネツィアロケを敢行していたようですし、気合の入りようが伺えます。(もしや映画として出した方が予算が出て海外ロケしやすいからこうなっているのか……?などと邪推してしまったり)

 それはともかく、今回取り上げるエピソードが念願の『懺悔室』というのは見逃せませんね。ジャンプ作家たちが読み切りを描き上げる企画にて作られ、岸辺露伴を主役としたシリーズの原点となった作品こそこの懺悔室。それがようやく実写で見られるというのは、シリーズを密かに追っているファンの1人として非常に嬉しいです。

 原作の内容は露伴がタイトル通り本当に動かない&そもそも読み切りなので非常に短いなど2時間近くある映画には向いていなさそうですが、そこは本作のシリーズのスタッフが素敵な改変を施してくれるでしょう。露伴が劇中に出てくるポップコーンのゲームをやらされる羽目になりそうですし、他にもイタリアが舞台ということでジョジョ5部のエピソードを引用するのもあり得そうですね。金髪のコロネ頭に荷物をパクられる露伴とか超見てぇ……これまでの作品同様の、原作の持ち味を活かした独自の実写化に期待していく所存です。(下に続く

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

全修。

第1話「始線。」

 『SHIROBAKO』のような始まりから異世界転生(?)のノリを引っ提げてきたMAPPA制作のオリジナルアニメ。若手の売れっ子アニメ監督がかつて好きだったアニメ映画の世界にやってきて、数々の鬱展開を回避していくというストーリーのようです。主人公が絵コンテを描き上げることで手描きの何かを召喚する能力を持っているのは、アニメーターらしさに詰まっていて斬新ですね。(出来上がったのがどう見ても巨神兵なのがまた面白い)戦場のど真ん中で机展開してコンテを描くシーンは、中々にシュールながらこの作品ならではの“味”と言えるでしょう。

 主人公の監督「広瀬ナツ子(ひろせ・ナツこ)」に関してはまず貞子のようなビジュアルに面食らいますね。そして良くも悪くもアニメへの情熱を抱えているのがわかる反面、やや強引で独善的な一面も抱えているのでそれらの問題との向き合い方が早速気になってきます。アニメ世界の主人公である「ルーク・ブレイブハート」との関係も現状最悪ですが、ここからどのように信用を得るのかも楽しみになってきている次第です。(ルークもルークでちょっと性格悪いし)何よりこの世界の筋書きを変えてもいいものなのか、どこか不安も覚えてくる始まりでもありました。

 

 

天久鷹央の推理カルテ

第3話「閃光の中へ」

 次なる事件は「呪いの動画」を見てしまった双子の話。流行っている動画を見た女子高生が本人の意志に関係なく自殺未遂を図る、字面だけでも奇怪な事件にどこか惹かれました。その呪いの動画はグロテスクなサブリミナルを挿入しているだけといいつつも、双子がそれぞれ死にかけたということもあり不気味な印象を与えてきます。事件に巻き込まれた少女たちの困惑した様子もある意味で不安を煽っていましたね

 とはいえ真相は割と単純なもので、てんかん発作による自動歩行症という診断にはちょっと膝を打ちました。(ようはポリゴンショックテレビを見る時は部屋を明るくして離れて見てね!」ですね)呪いの動画の点滅の多さが原因というのも、現実で発生した事件などを知っているだけに実感が湧いてきます。前回と比べて早いテンポで終わりましたが、特に引きずりすぎる解決してみせた点は1話完結ならではの爽快感に繋がっていたと思います。

 それはそれとして天久先生の問題児っぷりが早くも明かされたのも大きな見どころ。精神科医の「墨田淳子(すみだ・じゅんこ)」に嫌われている理由が、誤審を指摘&勝手に患者を処方すると納得のいくものばかりで笑いつつも頭を抱えてしまいました。これは優秀でも敬遠されるのも当然とばかりに、現状の天久先生の立ち位置がよくわかる回でもあったと言えます。それだけにどんなに無下に扱われても付き合ってくれる小鳥先生の優しさが胸に沁みますね……

 

 

グリザイア:ファントムトリガー

第2話「マザーズクレイドル#2」

 クリスこと鯨瀬・クリスティナ・桜子について多くが知れた今回。まず彼女の幼少期の回想から始まりましたが、爆破テロに巻き込まれたという過去から今では爆弾の専門家になっている皮肉めいた話に苦笑してしまいます。しかしそれ以上に母親から手を離されるシーンがショッキングでしたね。父親との関係からして、クリスは母からは本当に愛されていなかったのだろうといった考えも浮かんできました。(両親の遺体が自分そっちのけで抱き合っているのがまたエゲつない……)クリスの演じている母親キャラも、そんな母に対しての複雑な心境が絡んでいるのかもしれません。

 話は戻って現代。カルト武装集団の病院ジャックに巻き込まれたタイガ様を救うため、命令違反で単身乗り込むクリスの勇ましさに少々興奮を覚えました。タナトスをエリンギ呼ばわりしつつ協力させるなど、普段からは考えられないほど強引な一面を覗かせていたのが面白いところです。銃の腕もそこまでないのに突っ込む無謀さと合わせ、彼女が意外と感情的な人間である認識出来ました。何よりそこまで焦るのはタイガを想ってのが伝わってくるので個人的には好感度が一気に上がりましたね。

 クリス以外のA組の面々が従順なフリをしながら無茶な作戦に打って出ようとしている展開がこれまた素敵。自分たちが政府の道具であると言いながらも、仲間のために動ける辺りに彼らの情の熱さが伺えます。ケンカしながらも仲間のためなら一致団結出来るマキグミコンビや、仙石家への嫌がらせも兼ねて作戦を許可してくれる学園長と、ここまで描かれてきたキャラクターがしっかりを活かされているのがわかって準備段階でも十分にワクワクさせられました……ところで有坂先生は何で突然竹槍持って特攻かまそうとしてたの?

 

 

ちびゴジラの逆襲

第54話「デートはドキドキ

 まさかまさかのラブコメ回。ちびモスラがちびメカゴジラを誘って2匹きりでのお出かけに花を咲かせるかと思いきや、例によって周囲の騒がしさにかき消されていくのがおかしかったです。特にビオ姉さんの入れ知恵のせいで、何が何でも決闘させたがるちびゴジラがやかましくて変な笑いが出てきましたね。(あとは客がどんなにクレームを言っても微動だにしなかったちびガバラの謎メンタルにビビったり)

 それでいて最後には体育座りする2匹の微笑ましさにキュンときました。自分の正体を知ってから落ち込んでいたちびメカゴジラを元気付けようとしていた、ちびモスラの健気さには思わずときめいてしまいます。横のちびゴジラの文句が耳に入らないほど、2匹だけの世界に没入していたのも驚きですね。本作では珍しいロマンチックなオチだったと思います。

 

 

 上の懺悔室の発表と同時に制作陣のコメントも公式アカウントにて公開された話にもちょっと触れておきたいところ。監督の渡辺一貴氏や脚本の小林靖子氏、泉鏡花役の飯豊まりえさんといった面々の作品に対する意気込みなどが伺える文章に思わずニヤリとさせられました。(特に小林氏の「幸運という名の災難」という言い回しが露伴らしさを表わしていて最高の一言。流石靖子にゃんだぜ……!)その中でも異彩を放っていたのが露伴役の高橋一生さんのコメントなのですが……

 

 

 何かびっしり書かれている……他の方のコメントがせいぜい10行前後なのに対して、この文章量の多さには少々たじろいでしまいます。内容に関してもルーヴルでの時に感じたモノや本作に抱いている“熱”などをこれでもかと語っており、高橋さんの勢いに圧倒されましたね。それほどまでに露伴に全力を注いでくれているのがわかるので、何だかんだでとてもほっこりしてくるコメントであったと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。