力になりたい!1人じゃない!
ハンティが不安なだけに酢賀の邪悪の笑みがムカつく~~
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- 孤独な彼には仲間がいる
今回のガヴは3人のライダーそれぞれの視点が平行して描かれましたが、まず気になったのはショウマについて。ビターガヴとのバイクでの大立ち回りを演じつつも、体調不良のせいで苦戦する様子が見て取れました。それでいて多くの人たちのために戦おうとするので、その姿に胸を痛めずにはいられなかったです。前回の絆斗との件を引きずっているというのに、「失くしたくない大事な世界」を守ろうとしているところは何ともいじらしいですね。とはいえ無理をしているのは明らかなので、以前絆斗に言ったようにもっと自分を大事にしてほしいと思わずにはいられません。
そのため今回は幸果の献身ぶりがいつも以上に深く突き刺さりました。倒れたショウマの看病だけに留まらず、戦おうとしたり後述のアイスを持ってくるなど必死に彼を支えようとしてくれているので感動せずにはいられなかったです。ノコギリを持って突撃するシーンは無茶にもほどがあるので吹き出しましたが、彼女なりの戦い方を模索している感じには好感が持てますね。その結果「体調が悪い時にはアイスを食べるといい」というファインプレーに繋がりましたし、ショウマの力になってくれる存在として一層心強くなったように思いました。(また劇中は冬場なのにどうやってアイスを食べるのか?という疑問にも納得のいく描写を用意してみせた展開がここすきポイント*1)
幸果以外にもラキアが今まで以上に頼もしく映っていたのも大きな見どころ。前半はデンデおじさんを排除しようとしていましたが、彼の話を聞いて思い留まるなど冷静さは健在。そして目先の復讐に囚われないショウマに感心し、助けになろうとしてくれる姿には思わず惚れ惚れさせられます。和解してからお兄ちゃんキャラとしての魅力をドンドン増してくるラキアが、幸果と同様にショウマの大切な味方になっている過程も微笑ましかったですね。1人で背負いがちだったショウマが、こうして掛け値なしに助けてくれる仲間を得たことを実感する回として大いに感動しました。
- シャリーン&ヒエヒエ!凍てつき轟く氷結騎士
アイス!
チュポン……チュポン……
EATアイス!
チュポン……チュポン……
EATアイス!
チュポン……チュポン……
\ヤアアァァ~!/
ブリザードソルベ!!
ヒエヒエ!
幸果が購入してきてくれたひんやり冷たいアイスクリームを味わい、少しだけ体調が良くなったことで生み出せた「ブリザードソルベエゴチゾウ」を赤ガヴに装填、ガヴガヴ食べて変身した姿「ブリザードソルベフォーム」。ケーキングフォームに続くガヴの強化形態です。全身が青を素体としたボディに変化しており、その色合いも白がマーブル状に混ざっているという独特なモノとなっています。さらにアイスのコーンの意匠を外装の如く纏っているのが特徴的。鎧兜のように守られている額部分はもちろんのこと、下半身が丸ごとコーンのローブで覆われているのが面白いところです。金色の色合いが非常に映えており、ケーキングとは別ベクトルで高貴なイメージを抱きますね。
戦闘においてはイメージ通り、氷を駆使したバトルを披露。口から発した冷気はそのまま冷凍光線として巨大な氷解を作り出せるほか、手の甲などにかけておくことで触れた部分を凍らせるパンチやキックに強化出来るなど使い方の幅がかなり広いです。いちいちゴチゾウのブレード部分を回転させなければいけないのが手間ですが、冷気による強化の汎用性の高さは目を見張るものがあります。(ただし凍ったモノは時間経過や激しい攻撃で溶けてしまうことがあるため、その都度冷気を使う必要がある模様)またツララ状のアイスを出現させて、咆哮で一斉に敵にぶつける必殺技も面白いところ。気品のあるビジュアルとは対照的に、どこか野性味を感じさせるバトルスタイルといえるでしょう。
さらにブレードを回転させるとたまに「アタリ」が出る謎の機能も搭載。アタリが出た瞬間、ゴチゾウを乗せたゴチスピーダーが複数個召喚されるボーナスが発生するようです。それによりゴチスピーダーの一斉突撃で相手を翻弄するなど、サポートという面ではかなり有用でしょう。当たりという割にはそこまで劇的な変化は起きていないのが残念ですが、アイスの当たり棒のイメージに沿うと「当たるとちょっと嬉しい」くらいでちょうどいいのかもしれませんね。
ちなみにブリザードソルベエゴチゾウの使うとなくなる仕様は通常のゴチゾウたちとほぼ同じ様子。(ただし他のゴチゾウが昇天するのに対して、こちらはアイスの如く溶けるように消滅するのが面白いです)強化フォームながらケーキングのように使っても残り続けるわけではなかったのは意外ですね。ただアイスはいつでも食べられる利点がありますし、ケーキングの特別性を尊重しているとも取れる設定なので悪くはないでしょう。さらにこのゴチゾウには他にも独自の特徴を持っているそうですし、フォーム共々今後により期待が持ててきます。
- 孤独な彼は1人になっていく……
幸果たちの頼もしさに胸打たれた一方で、絆斗サイドは非常に不穏だったのが印象的。何と言っても前回一緒に焼き肉を食べたカタローに売られる展開がショッキングでしたね。当人は軽いいたずらのつもりで焼肉屋の主人に協力したのかもしれませんが、たった数万で友人を罠に嵌める神経にはややドン引きさせられます。それだけに友達から裏切られた絆斗が本当に気の毒で仕方なかったです。前回知った母の真実が未だに重くのしかかっているであろうに、ここでさらに信頼出来る仲間を失うのは泣きっ面に蜂といったところでしょうか。
また絆斗を潰そうと掛かる役肉屋の主人ことグラニュート「スミール」も、カタローを利用し終わるやいなや速攻でヒトプレスするなど中々に非道。しかし6話で絆斗が倒したオタケとは友人だったらしく、友の敵討ちのために行動していたのは興味深かったですね。人間側は容易く友情が崩壊していたのに対して、グラニュート側はバイト仲間同士で意外と義理堅いのは何という皮肉でしょうか。ここまでくると絆斗への念入りなメンタル攻撃に見えてきますね。
とりあえずこちらはヴァレンの新フォームで何とか事なきを得たものの、その新フォームが怪しすぎて安心出来なかったです。そのくせ絆斗は「ショウマに頼らなくてもグラニュートを倒せる」と息巻いているので、見ていて顔を覆ってしまいましたね。ショウマと距離を取って1人で背負ってしまったことで、ここまで孤立した状況に陥っているのがあまりにも恐ろしいです。今回邪悪な笑みを見せた酢賀の目論見にまんまと嵌っているのがわかるせいで、絆斗の今後がさらに心配になってきました。
- 鉄拳と弾丸!激苦い連撃で魔を潰す
CHOCO!
SET CHOCO!
SET CHOCO!
\ワァーオ!ワァオワァオ!/
チョコルド!!
PAKIPAKI!
酢賀が独自に開発していた新型のゴチゾウ「チョコルドゴチゾウ」を装填し変身した姿「チョコルドフォーム」。ようやく登場したヴァレンの強化形態です。シルエットは基本フォームであるチョコドンフォームと全く変わっていないものの、ホワイトチョコの部分に黒い模様が刻まれています。さながらホワイトチョコに苦いビターチョコが混入してしまったような意匠ですが、同時にノイズが走っているようにも見えるのが意味深ですね。変身時に赤い稲妻のエフェクトが入る演出といい、全体的に禍々しい印象を受けました。
強化フォームというだけあって戦闘能力も増大しているのですが、驚くべきはその上がり幅。ヴァレンバスターの銃弾1発でスミールの触手を破壊し、普段のプロレススタイルでも圧倒するほどのパワーを発揮していました。必殺技の規模も広がっているため、今までにないダイナミックなパワーアップに感じます。これまでの押されがちな戦いぶりを知っているだけに、終始優勢だっただけでかなり強くなったことが読み取れますね。そこに絆斗らしい捨て身な戦闘スタイルも相まって、一撃一撃が非常に重い攻撃的なフォームになったと捉えるべきでしょう。(ちなみに公式サイトのカタログスペックを見てみると、ヴァレンのフォームでは初めてパンチ力とキック力が共に1tを超える快挙を成し遂げています。これでようやくヴラムと同格のスペックなのですがね……)
ここにきてついにヴァレン単独でも勝てるほどの力を付けたのはめでたいものの、明らかに裏がありそうな様子なのでどうしても不安が湧き上がってしまいます。ここまで急激な強化ということもあり、何かしらのデメリットが発生しても不思議ではありません。(実際予告で絆斗の様子がおかしくなっているのが確認出来ますし)チョコルドゴチゾウ自体は健気で可愛らしかったくらいで、あとは暴走フォームを見ているような気分で見る羽目になりましたね。
というわけで24話の感想でした。強化フォームを2つも出す豪華な内容ながら、そのパワーアップの描写がまるで真逆だったのが怖くなってくる回でしたね。片や仲間の助けを得て調子を取り戻し、片や1人で全てを抱え込んで危険な道を進んでいく……あまりにも対照的すぎて思わず舌を巻いてしまいます。ショウマが順調な反面、ドンドン闇落ちフラグを立てていく絆斗は見ていてハラハラさせられっぱなしでした。
また他に印象的なシーンといえばやはりデンデおじさんでしょうか。ラキアに倒されそうになって取り乱すかと思いきや、意外と潔かったので驚きました。それどころかこれまでの自分の行いを反省し、ショウマを応援している胸の内まで明かすなどおじさんなりに色々思うところがあったのがわかって興味深かったです。ただまぁ全部が全部本音なのかかなり怪しいですし、演技の可能性もあるので油断は出来ないのですが。それに姪っ子(シータ)が倒されたことについて何とも思っていなさそうな口ぶりがやっぱり怖いよこのおじさん!
さて次回は何とラキアが主役。はぴぱれで働くことになり幸果を手伝うものの、人間界のルールで色々苦戦するようです。とはいえラキアが人間側に歩み寄りつつあるのが伝わってくるので、見ていて微笑ましい内容になりそうですね。
他にも絆斗が新たな力に高揚したり、バーチャル配信者として活動するグラニュートも出てくる模様。特にグラニュートがVTuberもどきをやっている事実はかなり面白いです。近年の流行りを取り入れる展開として、どれくらい本物に近いのかちょっとチェックしたくなってきます。
ではまた、次の機会に。
*1:余談だが本作は放映時から約半年前くらいのスパンで撮影しているらしいので、このシーンはむしろ夏の撮影でアイスがちょうど美味しかったかもしれない。
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