“答え”を探し
“未来”を掴め
相変わらずよくわからないけどとりあえずスカッとしたゼェェェェェ!!という感じだ
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- 卑劣な神を闇/絶望に堕とす時
事件の黒幕であるイミッシュ・イツァヤナとの戦いから始まった第2章最終回。前回の続きとしてジャシンを連れたウィンと、イミッシュに操られたメグル店長との命がけのデュエルが繰り広げられました。肝心のデュエマ描写に関しては前章と同じく、カードゲームのイメージとは程遠いクリーチャー同士のぶつかり合いがメイン。やはりか……という気持ちもありますが、前章の時点である程度予想は付いていたのでこれがこの作品の特色であると受け入れる心構えが出来てきますね。クリーチャーのCG自体は安定のクオリティなので、バトルの絵面そのものは割と楽しめました。
中でもウィンが戦っている最中、イミッシュの中から脱出を目指す黒城の視点も同時に描かれていたのが今回の特徴。イミッシュの精神攻撃を受け黒城が追い詰められていく様子と連動して、彼の漆黒のマナを取り込んだイミッシュの反撃でウィンもピンチ、という構図にハラハラさせれましたね。特に黒城への仕打ちはイミッシュの陰湿さがこれでもかと発揮されており、敵としての厄介さや腹立たしさが湧いてくるのも絶妙でした。また店長がそんなイミッシュによって、病んだ目つきと口調になっていく過程も何とも怖かったです。(店長に関しては他にも「やっぱや~めた!」のシーンがここすきポイント)
それだけに黒城が再起してからの反撃の流れは痛快でした。外からウィンが、中から黒城が同時にイミッシュを攻撃・撃破するという、2人の主人公の力を合わせた構図は胸熱の一言。お互いのマナを合わせる描写も、さながらライバルの呉越同舟を見ているかのようで興奮しましたね。他にも後述のニイカ然り、店長に体当たり&ビンタして目を醒ませようとする九十九矢さん然り、メインキャラが総出で行動しつつ成果を挙げていたのも見逃せません。常に他者を利用してきたであろうイミッシュに対しては、この共闘こそが見事に効いたのもわかる逆転劇だったと思います。
- 死にたがりな死神に“未来”を
といったように活躍を果たした黒城の波乱万丈な様子も今回の大きな見どころ。上述にもある通り終盤はカッコよさげだったものの、イミッシュの中ではむしろメンタルの弱さが目に付きました。闇の長が仲間を手にかけていく幻影を見せられたり、過去の記憶をフラッシュバックしたりと、前回の描写同様過去に囚われているのが伝わってきましたね。その一方で前回とは打って変わって、原作の特別編準拠の回想シーンがあってこれまた困惑させられましたが……結局キメラはどういう経緯で死んだんですか!?*1
そして黒城の後ろ向きな姿勢がかつてないほど描かれていたのも印象的。バロメアがラマト・カーンの大群に襲われたことで、途端に諦めかけた瞬間には目を剥きましたね。ただ生かされたことについて問いかける回想からして、黒城がずっと死にたがっていたのが読み取れたのは興味深いところです。キメラに助けられて自分だけ生き残ったものの、生きる意味を見出せずにいるのが本作の黒城凶死郎なのでしょう。(「俺には死ぬ義務がある」といいやたら自罰的なのも見ていて辛いこと)それ故ニイカの叱咤激励を受け、自分が生きている“答え”を知るために“未来”を掴もうとする姿勢を取り戻してホッとしました。
そのように黒城に喝を入れたニイカの活躍も見逃せません。黒城の事情を知らないままでも、彼の腑抜けた態度を諫めるシーンは個人的にもかなりスカッとしました。ウィンが過去を求めながらも未来を生きようとしていることを知っているからこそ、死にたがりな黒城にもそのことを教えようとする点もどこか感動しましたね。今回に限らず黒城に立ちはだかったり九十九矢さんを救うためにタックルしたりと、アニメのアグレッシブなニイカには毎回舌を巻きますね。無鉄砲なところにはハラハラするものの、そのひた向きさは間違いなく本作の明るいヒロインに相応しいものだと言えるでしょう。
というわけで2章最終回の感想でした。一挙配信で全4話をまとめて視聴した結果、疲れながらも非常に楽しい時間を過ごせましたね。アニメ化としては漫画では1話1話がどこか間延びしていた展開を、テンポよく圧縮して魅せてくれていた印象で悪くなかったです。*2
そして例によって謎のほとんどが明かされずわからないことだらけでしたが、かなりスッキリ出来るラストにはなっていたのが良かったですね。これはイミッシュというわかりやすいボスキャラを、登場人物全員が一丸となって立ち向かい倒す、という展開がストレートに描かれたのが大きいからでしょう。(やはり作品にはある程度のカタルシスは必要だとつくづく感じます)第1章がクリスタの退場などで喪失感が大きかった分、主人公に得られるものがしっかり描かれていたのも評価したいところです。
何より黒城凶死郎の存在が十二分に味わえたのが最大の魅力でしょうか。最初こそテンション低めの様子に僕の知る黒城が感じられなかったものの、妙なところで優しかったりツンデレなところで一気にテンションが上がりました。そうそう黒城ってこういうところあるよな~!となりつつ、古参勢として昔ながらの黒城のキャラクターを味わえた気分です。あとはバロメアとキメラの関係性など、気付くとニヤリとさせられる要素も多めで楽しかったですね。
クリーチャー同士のバトルについても、前章以上にのめり込むことが出来ました。ウィンが積極的にデュエルに臨んでいたこともあり、これまた主人公を応援しやすい状況にあったおかげでしょう。だってよジャシンクス……腕が!ジャシン帝も前々回から右腕がない状況から十分な実力を発揮し、最後にはウィンたちのマナで腕が戻りイミッシュを打ち取る快挙を果たしたのも見事でした。(《謀遠 テレスコ=テレス》や《エツナブ・ナワル》など、ここでアニメ初出演のクリーチャーたちが見られたのも良き)
今回のCパートにて、ウィンが何かしら大事な記憶を思い出したシーンが挿入されたのが最大の衝撃ポイント。どこかに去っていく人物や大量のタコさんウインナーを作ってくれる男性、そして幼い頃の自分の姿と……明らかに『デュエル・マスターズWIN』由来のシーンだったので度肝を抜かれました。特にパパリン(斬札ガッツ)と思われる人物が映ったこと、ウィンがシラハマの灯台と思われる写真を手に取る瞬間にはついに来たか!!とテンションが上がりましたね。恐らく次章は記憶の手掛かりを求めてシラハマに行くことになりそうですし、WIN本編との繋がりが明かされそうな予感がしてきます。
そして物語は第3章『忘却の太陽』へ。これまた意味深なタイトルで、中でもここでいう「太陽」とは何を指すのかが気になってきます。真っ先に思いつくのがウィンの物語における太陽ことプリンス・カイザ&ボルシャックですが、原作本編にて死亡した彼がLOSTにて復活するのでしょうか。しかしデュエマで太陽が当てはまるキャラは非常に多く、場合によっては切札勝舞やザキラも当てはまりそうですし……まだまだ断言は出来ないので、漫画の連載及びアニメ化の際にどうなるのかを見届けていきたいと思います。まだまだ続くデュエマLOSTが、如何にしてWINに繋がっていくのか非常に楽しみです。
ではまた、次の機会に。
