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2025年冬アニメ簡易感想 その26

 

 

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 言わずと知れた日曜アニメ『ちびまる子ちゃん』。『サザエさん』と合わせて毎週日曜に放送される本作を視聴して、休日の終わりを感じる経験を多くの人たちがしてきたと思います。

 そんなちびまる子ちゃんの有名エピソードである「永沢君の家、火事になる」の巻がまさかの期間限定配信がされていました。*1タイトルの通りクラスメイトの1人である永沢君の家が火事に遭い、彼にとって忘れがたいトラウマとなる内容。それをよりにもよって空気が乾燥していた火事になりやすいこの時期に配信してくる、アニメタイムズの采配に苦笑いせずには入れられません。(火事が起きやすいからこそ警鐘を鳴らしているのかもしれないですが……)

 僕自身このお話は原作漫画で何度も読んでいますが、いざアニメで見てみるのは初めてだったりします。その結果アニメでより悲惨になった絵面を味わう羽目になりました。燃え広がる家を消火していく消防隊員の横で、泣き喚く永沢君の姿は声優さんの迫真の演技もあって胸が締め付けられましたね。「僕の大切な本が!おばあちゃんの手紙が!」といったセリフだけで顔を覆ってしまいそうになります。そしてその現場をまる子含めた野次馬が淡々と眺める構図の残酷さにも、思わず絶句してしまいましたよえぇ。

 その後もクラスメイト総出で永沢君を励ます会がこれまたキツいことキツいこと。はたから見ると彼の地雷を踏みに行っているようにしか見えず、とにかく気まずい空気が充満していく過程に息苦しさを感じずにはいられませんでした。永沢君に「みんなはいいよな、火事にならなかったんだから」と返される瞬間も背筋が凍りましたが、それでいてはたから見ているとどこかおかしいのが絶妙の一言。不謹慎なネタも面白おかしく描いてみせる、故・さくらももこ氏のブラックジョークのセンスをここにきて感じ取りました。そんなさくらももこ節が炸裂しているこの回、ある意味でおすすめなので4月1日までの期間までに視聴してみるのはいかがでしょうか

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

薬屋のひとりごと(第2期)

第32話「皇太后」

 先帝の妃たる皇太后「安氏(アンシ)」がついに登場。現帝の母というにはあまりにも若々しい見た目に驚かされましたが、猫猫の独白で語られた先帝の逸話で納得しつつドン引きしました。まさに嫌われ者の暗君に振り回された1人なのですが、そんな安氏自身はそれなりに聡明な人物として描かれていたのが印象的です。子翠が説明していたように、ある種弱い立場への味方になろうとしていたのかもしれません。(それでも奴隷制度の完全な廃止は成し遂げられていないというのが世知辛いと言いますか……

 そんな皇太后が猫猫に「私は先帝を呪ってしまったのかしら?」と尋ねるシーンには鳥肌が立ちましたね。さらに終盤語られた腐敗していなかった先帝の遺体など、奇妙かつ不気味な事件からなるほど呪いを疑いたくなるのも仕方がないでしょう。しかし遺体が綺麗なままだというのは果たして呪いなのか?先帝に恨み骨髄であろう安氏がそんな呪いを良しとしているのか?といった疑問が湧いてきます。無論腐敗しない理由も気になるところですが、やはり猫猫に相談してきた安氏の真意の方が興味があります

 他にも猫猫が相変わらずすぎて呆れかえったのも束の間、侍女頭の「紅娘(ホンニャン)」の壁ドンにビビることに。あまりにも鬼気迫る様子だったので面食らいましたが、重要な席で非常識な行動を取ってほしくない向こうの気持ちも考えれば当然かもしれません。ここ最近の中でも苦労人極まっている人なので、彼女には多少報われてほしいと思いますね。

 

 

キン肉マン 完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編

第19話「鋼鉄の不沈艦!!」

 正義超人のリーダーとしてのプライドを語るロビンマスクに感動した今回。途中過去のロビンを振り返るパートに突入しましたが、栄光の時代から転落してまた立ち上がる波乱万丈な人生はある意味で圧巻の一言です。自尊心の塊だった頃にキン肉マンに負け、リベンジするたびに敗れた苦難の道には何とも言えない切なさがありましたね。当時のウォーズマンへの仕打ちとか色々問題があった気がしましたがまぁ忘れましょう

 しかし敗北を認めてから対戦相手へのリスペクトに目覚め、正義超人全体のプライドを守るために戦うように成長した今のロビンは最高にカッコよかったです。「ゴキブリ上等!」からの泥臭い殴り合いに発展する流れは、キン肉マンたちが感涙するのも納得の勇ましさに溢れていたと思います。何よりネメシスに憤る自分が「かつての自分を見ているかのよう」だからというのも熱いですね。過去の過ちを認めたロビンだからこそ、友情と愛の素晴らしさを説くのに必死になるのがこれでもかと伝わってくる熱い一面でした。

 何より今回はそんなロビンの活躍を魅せるための構成になっていたのが注目ポイント。上述の過去回想シーンが終わるまで、間のCMが入らなかったので本当に驚きました。これにはロビンが如何にして今の義に厚い人物になったのかを、視聴者に絶対に伝えてみせようという意志すら感じますね。製作スタッフのロビンへのリスペクトに、思わず敬礼したくなった次第です。

 

 

戦隊レッド 異世界で冒険者になる

第8話「戦隊レッドとバンソウキラー」

 今回はキズナレッドこと浅垣灯悟がキズナファイブとして活躍していた過去が明かされましたが……

  • 今回の脚本担当である井上敏樹氏本人が一瞬だけ登場(ドンモモタロウのセンス付き)
  • 戦隊シリーズで見た覚えのあるビジュアルのモブたち
  • 仮面ライダーシリーズで見た覚えのあるビジュアルのモブたち
  • 何なら小物も戦隊もしくはライダーのモノばかり
  • まさかの『創聖のアクエリオン』

 と箇条書きにするだけでもどういうことなの……!?となるネタ満載でした。引き取ってくれたおじさんを筆頭に声優さんが戦隊出身者ばかりなのも強烈で、特に『電磁戦隊メガレンジャー』のメインキャスト5人が当時とほぼ同じビジュアルで声を当てていたと知った時の衝撃ったらなかったです。何と言いますか、これは脚本が我らの敏樹氏が書いていることを名目に、スタッフがやりたい放題した結果なのだろうなぁと勘ぐらずにはいられなかったですね。(そしてアクエリオンに関しては、制作会社が同じだからこそ出来たコラボとしてむしろ戦隊ネタよりも真っ当なのがこれまた面白い)

 それでいて灯悟の過去回想で描かれた「進藤清弘(しんどう・きよひろ)」との友情も普通に見応えがありました。要所要所で挟まる清弘の仄暗い様子、そして突如現れた強敵・バンソウキラーのバレバレな正体はテンプレだからこその高揚感がありましたね。家族も友人もみんな灯悟のことばかり見ている……という嫉妬は、あまりにもニチアサで見た覚えのある展開でした。それでいて思春期の複雑な心情や、それでも友達でいられるかに着目している辺り、ストーリーはかなり真面目だったので没入感も十分といったところ。醜い心に自己嫌悪する清弘に、それでも手を差し伸べる灯悟が非常に良かっただけに、この後13回もバンソウキラー化して襲い掛かってきた事実には吹き出しましたが。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第147話「天と蘭」

 2つの七星の軋轢を、強烈なダンスで圧倒していった狂気のギャグ回。ランランとテンテンがタッグデュエルで翁丁臼と戦う展開だけでも意外性抜群なのに、突如披露した謎の秘奥義「天刀乱舞(てんとうらんぶ)」に目が点になりました。それでいて謎のサンバで無理やり笑わせて、相手の本音を聞き出す効果は非常に恐ろしかったです。翁丁臼の計画を聞き出すことに成功するなど活躍していたものの、絵面が絵面なのでどう反応していいのか少々迷ってしまいましたね。

 とはいえこの秘奥義でランランとテンテンがお互いの本音を引きずり出していく過程は結構素敵でした。長いこと分かれていた表と裏で諍いはあるものの、個人としては互いに認め合っていることが明かされて少々胸が熱くなりましたね。ガクテングが巡り巡ってこのわだかまりを解いた事実にも舌を巻きながら、2人のエースが合体した花牙天蘭フルール・ド・バズの華やかさにも惚れ惚れします。

 一方まさかの社長ドローン「ドール」の協力で脱獄していた翁丁臼の目的も判明。自分の望む未来に帰ろうとしているのはわかりますが、その先がユウディアスがいる未来というのが謎ですね。ユウディアスの存在を丸ごと消すつもりなのか、といった考えも浮かんできますが、真意が未だに読めないのでどこか不気味に感じます。そのうえここにきて前作同様、ラスボスがオーティスになるかもしれない事実にも驚かされるばかりです

 

 

 そういえばちびまる子ちゃんの第1期シリーズを視聴するにあたって、当時のOPとEDの雰囲気の違いも目に留まりました。本作の主題歌といえば「おどるポンポコリン」が有名ですが、調べたところこちらは元はED曲だったことがわかり余計に驚きましたね。それ故ちびまる子ちゃんのOPのイメージが強い曲の原点、そして初期の少女漫画らしいファンシーな曲は、個人的にはかえって新鮮に見えました

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:他にも「まるちゃん お化け屋敷に行く」の巻といったエピソードなども配信されている模様。