1999年の『デジモンアドベンチャー』から始まったデジモンアニメシリーズも、昨年2024年に25周年を迎えました。それを記念して先日ファンイベントが開催され、多くのデジモンファンがイベントを堪能したとのことです。同時にデジモン関連の新情報も数多く発表され、会場を大いに湧かせました。『デジモンストーリー』の新作やデジカこと「デジモンカードゲーム」のアプリゲーム、そして完全新作アニメ『DIGIMON BEATBREAK(デジモン ビートブレイク)』など、ワクワクさせられる情報満載で個人的にも興奮が止まらなかったです。
中でも最も注目したのが25周年記念PV『デジモンアドベンチャー BEYOND』。無印アドベンチャーと02の選ばれし子どもたちの成長した姿が映っており、短いながらもインパクト抜群の映像となっていました。故・宮崎歩さんの歌う挿入歌「brave heart」をバックにアグモン&ガブモンが進化し、仲間たちが活躍する様子を見られるだけでもテンションが上がりますね。他にも気になる要素がいくつかあるので箇条書きにすると……
- ユーリ&クワガーモンとはまたマニアックな奴が一瞬だけ再登場
- 望月芽心やメノア・ベルッチ、大和田ルイらしき人物も確認
- 光子郎はんがまた危なそうなことをしている……
- ヒカリの周りを漂う黒いモヤは何か?
- メタルグレイモンが壁をぶち破るシーンが「Butter-fly」のグレイモン登場シーンのオマージュで胸熱
- 賢ちゃんがビジュアル系バンドみたいな見た目になっとる!?
- まさかまさかのプッチーモン(ワームモンもついにアーマー進化したのかぁ)
- 歴代デジモンアニメの主役のゴーグルが映る演出が最高の一言!
- 何気に平田広明さんが「大人タケル」の名義で出演したのはこれが初めてかも?
といったところ。『THE BEGINNING』までの物語との繋がりも示唆されており、全体的にこれまでのデジアド作品の総まとめといった印象です。しかし一方で彼らが一体何と戦っているのか、どのような危機に立ち向かっているのか全く分からないのでまだ何とも言えませんね。何よりタケルがこれまでの冒険を書くきっかけになった話とは何か?現状は明かされていませんが、小説など何かしらの形でこの映像で起きている事件の全容についてを語ってほしいところです。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
全修。
第11話「絶望。」
念入りに念入りにルークが曇らされていくぅ……ナツ子とユニオの死が受け入れられず、しばらくの間放心し続けていたルークの姿はもう見ていられなかったです。それだけでも辛いのに、残されたナツ子のタップまでも消滅する瞬間のルークの絶望の顔と言ったらもう……下手をしたらこの展開の方が絶望感マシマシですが、大筋としては『滅びゆく物語』が本来のストーリーに修正されているのが目に見えてわかりましたね。
さらにナツ子が謎の精神世界(?)にて新作アニメ爆死で責められる幻覚を見せられるシーンもやや衝撃的。ところどころシュールな絵面が挟まっているので笑っていいのか悩みましたが、話そのものは彼女がこれまで背負っていた重責についてが触れられていて興味深かったです。天才アニメ監督としての周囲からの期待に応えられず、終わることにホッとしている様子に切ないものを覚えました。ナツ子もナツ子で目の前の現実から逃避していたということなのでしょう。
それ故ユニオの言葉や幼い自分(タップの正体は彼女でいいのだろうか?)の激励を経て、再び立ち上がる展開は中々に胸熱でした。嫌になりかけていた「絵を描く」という行為の原点が滅びゆく物語、何よりルークへの熱い想いに溢れている回想は、ナツ子の心の底からの“好き”が感じ取れましたね。そんな好きなもののために再び描くことを決意する瞬間は、まさに彼女が本来持っていた「トゥンク」を見つけるためのくだりだったのだと思います。
天久鷹央の推理カルテ
第10話「密室で溺れる男 前編」
ついに突入したアニメ最終章は、小鳥先生が元居た大学病院に戻るかもしれない(天久先生にとっての)大ピンチからスタート。彼のことを相当気に入っているのか、いつになく子どもじみた癇癪を起こす天久先生に思わず苦笑いせずにはいられなかったです。しまいには小鳥先生の辞令の原因である事件を解決して全て丸くおさめようとする、とんでもないパワープレイに挑むので笑いが止まりませんでしたよえぇ。まぁ車の運転の際の扱い方といい、小鳥先生ほど天久先生をコントロール出来る人物はいないので仕方ないかもしれません。当人には気の毒ですが……
そして今回の事件である密室殺人ですが、話を聞くだけできな臭い要素のオンパレードでしたね。複数の女性と子どもを作った父とその事実から家の金を食いつぶすチンピラになってしまった長男、このドロドロの親子関係だけでも辟易としてしまいます。さらには死んだ長男の遺体をさっさと火葬してしまい、証拠をほとんど残さなかった点にも何か裏がありそうです。また部屋の個室で倒れていた長男から出てきた大量の水が何を意味するのかも気になりますし、いつになく正統派のミステリー染みた事件で少々ワクワクしてきました。
グリザイア:ファントムトリガー
第12話「運命の答え」
敵も味方もボロボロすぎて最早焼け野原といった印象の今回。例のオーバーキルとの決着を付けたマキも、クロエに追い詰められたレナも死に体。そのうえ敵サイドも漆原を逃がすために側近が頑張りつつも負傷していくので、最早どちらを見ていればいいのか困惑せずにはいられなかったです。そのうえハルトは個人的な恨みから単身敵地に乗り込むという、危なっかしさが炸裂しているせいで本当にハラハラしましたね。部下の安全を第一に考えつつも、師匠の復讐に動かずにはいられない彼の衝動が垣間見えた気分です。(それはそれとして髪を結んだハルトが中々にイケメンで良き)
また両陣営の「戦う理由」について描かれていたのが印象に残りました。何と言ってもレナがハルトに選ばれた際の回想で、彼に「殺すよりも生かす才能」を見込まれていた事実にはグッときましたね。殺す技術しか与えられてこなかったレナにとって、その期待がどれだけ嬉しかったかが伝わってきます。だからこそ自分の身を犠牲にしてでも、ハルトの仇を引きずり出そうとする献身ぶりに涙が出てきました。同時にクロエや佐々木さんも、漆原を慕っているからこそ戦っている辺りに確かな“絆”を感じます。ここまで泥沼化していく戦いだからこそ、彼女らの仲間への想いが響く回でもありました。
(あとは余談ですが、前回タイガを助けた敵兵やタナトスといった忘れていた意外な連中の活躍がここすきポイント)
ちびゴジラの逆襲
第64話「真の姿」
今回はいくつかの謎がちょっとだけ判明し、ややシリアスな空気を纏った異色のエピソードとなりました。何と言ってもちびメカゴジラの真の姿なる人格が出てきて、少しの間だけ敵に回りそうだったので少々ハラハラしましたね。一方極度の潔癖症になったくらいの変化で、どちらかというと元のちびメカゴジラもそれっぽいので違和感はあまりなかったです。むしろ「スマホは雑菌の温床」という言葉にグサっときたり……
そしてそれ以上に「人類は既に滅んでいる」という情報は衝撃的でした。1期の時点でヘドさんが「人類が存在して“いた”」という旨の発言をしていましたが、まさか全滅していたとまでは予想していなかったです。(『ざわざわ森のがんこちゃん』みたいな背景だな……)まぁそんな驚くべきハードな世界観に対して、あんまり重く受け止めていないちびゴジラが何ともおかしかったのですが。「僕たち怪獣だから」という理由で人間がどうなろうが気にしていないのはある意味で彼ららしいと言えるでしょう。
ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ
第8話「幻界魔剣」
前回に続いて、ベリアロクについて掘り下げられた今回。『Z』本編や『トリガー』での客演で強力な武器としてだけでなく、空間を引き裂き別次元の移動も可能にする便利アイテムっぷりが地味ながら強調されていました。それでいてバロッサ星人やジャグラスジャグラー、果ては平行同位体のウルトラマンベリアル(アーリーベリアル)の側に付いたりと、気まぐれで敵の武器にもなる厄介さが改めて伝わってきましたね。
それでいて最終的にはハルキやゼットの元に戻ってくるのがベリアロクのいじらしいところ。特にハルキに対しては以前投げかけた疑問に正直に答えてもらったからか、彼のことをかなり気に入っているのが読み取れます。武器として都合のいい扱いをしてくる連中とは違い、1人の個人・仲間として向き合ってくれたからこそベリアロクにとってのハルキが特別な存在になっているのでしょう。
あとは『ウルトラギャラクシーファイト』における新情報がさり気なく公開されたのも見逃せません。まずギャラファイで見せたゼットの新最強形態・デスシウムライズクローですが「闇の力で負担がかかるからハルキと一緒の時は使えない」という事情と愚痴をこぼすゼットに微笑ましいものを覚えました。そしてザ・キングダムとの戦いは今のところ休戦状態とのことですが、アブソリューティアンとはいつ決着を付けるのか気になるところです。円谷公式さんはギャラファイの続きについて情報公開してもいいのよ?
デジモン関連の新情報の中で個人的に目に留まったのがもう1つ、昨年70周年を迎えた怪獣王『ゴジラ』とのコラボ商品の情報ですね。こちらは以前ゴジラ70周年のイベントで事前に公開されており、どのようなコラボになるのか密かに気になっていました。特にゴジラのテイストが加わったデジモンは如何なるデザインになるのか、まさかと思い調べてみたところ……
やっぱりG細胞案件じゃねーか!!案の定ゴジラの細胞に体が侵食されたデジモンが公開されて、安心感と不憫な気持ちが同時に湧いてきました。上の動画でも紹介されているグレイモン系列がG細胞によって、体の半分がゴジラになりつつあるビジュアルはカッコいいものの痛々しく見えてきますね。とはいえ惹かれるデザインなのは事実ですし、これはこれでアリだとも思います。(この多少グロテスクなところもデジモンの魅力)他にも三式機龍テイストのムゲンドラモンなどは真っ当にカッコいいですし、怪獣とデジモンの意外な親和性の高さを見れてちょっと感動しました。
ではまた、次の機会に。
