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ポケットモンスター レックウザライジング 第89話「冒険の先に」感想

何回も泣いたって

君ならそう、大丈夫

大丈夫なら何回か泣かせる展開やってもいいよね!加減しろ莫迦!!

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  • 衝撃の最終章

 まさか冒険の先に見えた景色がこれとは……と驚かずにはいられなかった今回のアニポケ。スピネルがラクアを占拠したことによって六英雄は暴走、フリードは生死不明の最期を遂げる瞬間は、事前情報からある程度予想していたもののショッキングでした。そのうえライジングボルテッカーズが汚名を被せられるのはさらに衝撃的で、アニポケでここまでハードな展開が待っているとは思ってもみなかったです。

 何と言ってもギベオンが去った後のスピネルの行動に仰天しましたね。隠し持っていたラクリウムスフィアで戦況を一変させて、ラクアを自分たちのモノにしてしまう手際は敵ながら用意周到の一言。そのうえで「ライジングボルテッカーズこそラクアの事件を起こした元凶、エクスプローラーズはそれを止めた英雄」という情報操作によって一躍民衆の支持を得た光景にも絶句してしまいました。何もかもを手に入れてまさに漁夫の利という、アニポケでも珍しい悪役の勝利はある意味で斬新です。ここまでくると、スピネルが最終的にどんな末路を迎えるか興味が湧いてくるまであります。(しかし劇中でフリードが言及したように、ラクリウムがないラクアを手に入れる理由はどこにあるのでしょうか。ラクアにはまだ何か秘密があるとか?)

 一方でリコたちは上述の通りフリードだけでなく、冒険の手記などかなり多くを失う始末*1その後いきなり1年後まで時間が飛び、リコたちの消息について断片的に見せられるだけで終わったことにも動揺を覚えました。リコはセキエイ学園に戻っているのは、ライジングボルテッカーズの悪名のせいで仲間たちとバラバラにならざるをえなかったのか?といった考えが浮かんできますね。相棒のフリードを失ったキャップがロイと行動を共にしているのも、そうした背景があるからなのかもと想像が止まりません。少なくともリコが学園生活を送れていることには安心しましたが、他のメンバーが現在どこで何をしているのか非常に気になってきますね

 といった感じで主人公チームの実質的な敗北エンド、そこから1年という時間経過と、アニポケとしては異質の要素がてんこ盛りでした。従来のアニポケの牧歌的な空気感から一転して、どこかポケスペに次ぐレベルで過酷になってきているのはショックも大きいものの新鮮で面白いと感じますね。何よりこれまでの冒険で大事な何かを「見つける」ことはほぼ終わったからこそ、今度はその奪われ失った何かを「取り戻す」物語へと移行していく布石に思えてきました。ここから如何にしてリコたちが逆転していくのか、新章からの展開がより楽しみになってきます

 

 

  • 次代に“継承”されていく物語

 それはそれとして前半はギベオンとルシアスの退場が描かれたのも大きな見どころ。相棒の白いジガルデが去って失意に落ちたギベオンを、ルシアスやアメジオが寄り添うくだりは短いながらも胸にきました。ギベオンのことを想ってくれる相手はいるのに、当人はそれに気付かず手を振り払ってばかりだったからこそ、ようやく周囲を見ることが出来た様子に感動させられます。ジガルデの真意を知って後悔する姿は物悲しかったものの、その後のギベオンの憑き物が落ちたような表情も印象的です。この穏やかな態度こそ本来のギベオンであることが読み取れましたね。

 そんなルシアスとギベオンが次の世代のために消えていったのも素敵なポイント。2人の冒険は既に終わったからこそ、今を生きているリコやアメジオたちに後を託していく構図は中々に美しかったです。これこそ自分のラクリウムを使って急速な発展を目指してきた、エクスプローラーズの野望に対する「人とポケモンが足並みを揃えて成長していく」過程に必要な“継承”であることも察することが出来ました。中でもギベオンがアメジオに「自分の信じた道を行け」と言葉を残すシーンからは、彼らの冒険がこれで終わったことを実感させてくれるものがあったと思います。でもルシアスの「俺たちの冒険はまだ終わっていない」発言からして再登場の可能性はありそう……?

 何はともあれこれで100年に渡るルシアスたちの因縁も決着。現代まで生き残ってしまった2人がどうやって去っていくのか地味に気になっていたので、こうして綺麗に終われたことにスッキリしたものを覚えました2人揃ってスーッと消えていく様子が予想外すぎてややシュールに見えてしまったのは内緒。ルシアスとギベオンがリスタルの元に行けたことに安心しつつ、これで物語序盤から続く謎も大方解決したのは大きかったですね。おかげで過去の物語は終わり、ここから先は正真正銘リコたち「現代(いま)を生きる者たちの物語」になっていくことを理解した次第です。

 

 

 他に印象的なシーンといえばやはりブレイブアサギ号の変形シーンでしょうか。修理されてから仄めかされていた謎のボタンによってインフィニットライジング」なる超高度飛行形態に変形する瞬間は地味ながら胸熱でした。外観だけでなくコックピットも大きく変形するなど、こうしたメカメカしい描写が大好きな身としてはたまらなかったですよえぇ。(変形の描写はどれも魅力的ですが、中でも普段折りたたまれているバトルフィールドが巨大な翼に変形するところが個人的なここすきポイント)

 そんなブレイブアサギ号の新形態がお披露目されたのが素晴らしかっただけに、次回以降この形態に出番があるのか少々不安になってきますね。それどころか上述のライジングボルテッカーズの現状からして、ブレイブアサギ号自体がまともに使われるのかすら怪しく思えます。キービジュアルに小さく映っていることから出てくることは出てくるのでしょうが、果たして再び日の目を見ることがあるのか……その辺りにも期待したいです。

 

 

 そして次回からは新章「メガボルテージ」に突入!!1年の月日を経て新たな仲間と力を得たロイが、リコたちの元に帰ってくるところから物語は始まるようです。予告映像からして、ロイが物語を引っ張るメインになる点に胸躍りましたね。リコに関してはこれまでの物語で十分に成長したからこそ、ここにきてロイにスポットが当たることにテンションが上がってきます。

 逞しくなったロイが何を探しているのか、そして少年少女たちは新たな冒険からライジングボルテッカーズの冒険を「取り戻す」ことが出来るのか。次なる冒険の行方が待ちきれません。約3週間くらい待たされるので結構もどかしいですが、その分1時間スペシャルになっているので始まった際には全力で楽しんでいく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:しかし後者に関しては、後述のルシアスの冒険が終わったことを考慮すると役目を終えて無くなったとも取れる。