4月に入って数日が経ち、春アニメもいくつかスタートしました。例によって様々な作品が揃っており、選ぶだけでも一苦労です。特に以前視聴した作品の2期などを除けば、どれも魅力的で何を見るかで結構迷ってしまいますね。(下でも触れているガンダムとガメラは視聴確定ですが)
そんなわけで今回から2025年春アニメの感想を始めていきます。残っている冬アニメと毎年恒例のウルトラマンも入った簡易感想ですが、そちらも合わせて読んでいただければ幸いです。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
天久鷹央の推理カルテ
第12話(最終話)「密室で溺れる男 後編」
最終回にてついにこの密室事件の全貌が判明。前回ラストの人影の正体が院長なのはある意味で予想通りでしたが、長男が死んだ原因そのものではないどんでん返しからの展開に目が離せなかったです。結局のところ長男の死因はくも膜下出血からの肺水腫、と殺しではなかったのも意外でしたね。例によって別の犯人たちの思惑が関わっていたことで、殺人事件だと思い込んでしまったというオチだったわけでしょうか。終わってみればあくどい大人たちが自爆したような印象を受ける事件だったと思います。
そしてこの事件の解決によって小鳥先生の辞令も取り下げ決定。最初こそ天久先生のわがままで始まったような話でしたが、気付けば小鳥先生も統括診断部への未練を隠さなくなっていたのが印象深かったです。何だかんだで小鳥先生もこの居場所を大切に想っていた、と考えると中々にいじらしいですね。天久先生との短くも濃い日々を思い返し、両者とも少なからず絆を感じていたことがこちらにも伝わってくるラストでした。
総評
天才医師が謎を解き明かすミステリー小説原作のアニメとして、エキセントリックな内容が光る作品でした。医師要素が加わっていることで一般人には気付けないような謎が多く、謎解きパートでは視聴者が医療知識の知見を深める機会にもなっていたのが面白かったです。他にも直接の犯人とは別の人物の思惑が絡み合い、事件が複雑化している話も特徴的。おかげで数話に渡って咀嚼するのに苦労しましたが、解き明かしてみるとなるほどと膝を打つ真相がチラホラありましたね。
天久先生のキャラクターに関してはわかりやすく天才問題児、といった印象。序盤から尊大だったりノンデリな言動も多かったものの、ある程度は受け入れられました。1話の時点からサヴァンであることが把握出来ましたし、こういう人間だとわかってしまえばどうってことなかったですね。むしろ小鳥先生が振り回される様子を楽しむべきと読み取ったので、以降は結構クスっと笑いながら見ることが出来た次第です。
展開が度々突飛な方向に飛んだり作画が怪しかったり(終盤は何かと小物や背景をドアップで映して誤魔化すところが多かったですね)と難点もありましたが、どちらかと言えばそこまで気になるものではなかったです。良くも悪くもぶっ飛んだ天久先生に翻弄される作品としては、終始一貫していたと思います。
ボールパークでつかまえて!
第1話「ビール売り子のルリコさん」「常連さん、いらっしゃい♡」「アメと涙」
春アニメ1発目として視聴した作品。ボールパーク(球場)を舞台にそこで働く人たちを描いたお仕事アニメとして見ましたが、初っ端からギャル感半端ないビール売り子「ルリコ」さんに面食らうこととなりました。社畜の「村田コウタロウ(むらた・コウタロウ)」に初対面からグイグイ絡んでくる、パワー溢れるキャラクターは何とも強烈ですね。それでいて意外と初心な一面を見せたり、怒ったり感動したりと素直に良い子なのがわかるので好感が持てます。(後述のエピソードで「この子が球場嫌いになったらどうすんだ!」と怒るシーンがここすきポイント)
ルリコ以外にも後半の警備員のエピソードにてストレートな人情噺を足掻いていった点も印象的。若手警備員が先輩であるおじいさんとの仕事にて、この人が子どもの頃に助けてくれたあの人だと気付く展開は素直に感動させられます。加えてイガさんこと「五十嵐龍一(いがらし・りゅういち)」さんの、寡黙ながら実直な面がこれでもかと突き刺さりましたね。一見地味な警備員の仕事にも、大切な役割とちょっとしたドラマが存在しているテイストは見ているだけで何とも心が温かくなってきました。
ある魔女が死ぬまで
第1話「余命一年の魔女」
ラノベ原作のファンタジー作品である本作は、いきなり師匠に余命宣告される少女と驚愕がリンクするところから始まりました。主人公「メグ・ラズベリー」が余命1年の呪いをかけられていること、それを解くために人々の嬉し涙を集める必要があることなど、トントン拍子で説明されていくので困惑が大きかったです。そのうえメグのやたら軽い態度に加え、師匠「ファウスト」の話もやけにあっさりしているのがおかしかったですね。主人公の重大な危機の割には、当人たちに緊張感がないので変な笑いが出てきます。
そんな絶妙にウザ可愛いメグに面白さを感じていた矢先、少女のお願いを聞くことになってからは一気に胸打たれることに。母の死を何となく察している娘と、そんな妻との思い出に囚われている父親という2人の心に救いをもたらす展開が実に心温まるモノに仕上がっていました。亡き彼女が心奪われたピンクの雪=ソメイヨシノをメグが再現することで、お父さんがようやく娘と共に前に進めたことにウルっときますね。何よりもうすぐ死ぬかもしれない主人公が、大切な人を失った人たちに「生きる意味」を与える構図が美しいです。前半の軽いノリに反して、わかりやすく感動的なエピソードに大いに惹かれましたね。
ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ
第10話「新たな絆 光と闇、ふたたび」
前回に続いて『デッカー』のトリガー客演エピソードが再放送。スフィアメガロゾーアだけでなく、ルルイエと酷似した植物ギジェランの脅威まで発生するなど強烈な展開の連続だと改めて感じました。一方でまだ「戦う目的」を見出せていなかったカナタが、ケンゴという理想を前に何をするべきか模索するきっかけを得た回としても印象深かったです。この時点からカナタのガムシャラながら一生懸命な一面が良く表れていますね。
そしてカルミラを救出してからの3大巨人、軌跡の共闘という、意外な展開はいつ見ても興奮させられます。デッカーとトリガーの主題歌を連続して流してくる演出も相まって、再び手に汗握りましたね。カルミラの救済やルルイエの意味という点でも、前作のやり残したことを見事に解消してくれたと言えるでしょう。ところでカルミラさん、ダーゴンはともかくヒュドラムまで復活させるのは止めませんか?
そんな彼らの戦いを見たゼットの反応も興味深かったです。闇の力との共闘に関してはベリアロクという前例があるからあっさり受け入れられましたし、闇に対する先入観の無さは彼らしい柔軟な姿勢といったところ。そしてエディオムの「大切なのは心を知ること」という助言を得て、新たな知見を深めたであろう様子に微笑ましいものを感じました。(そしてニュージェネケープのブローチが一瞬光ったのは一体……?)
今季に関しては他にも『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ガンダム ジークアクス)』や『GAMERA -Rebirth-(ガメラリバース)』など、古参のアニメ&特撮オタクにとっては見逃せない作品もあるのが嬉しいところ。個人的にもこの2作品は気合いを入れて視聴したいと思います。これらの作品の感想も2作それぞれ個別で書く予定なので、その時はよろしくお願いします。
ではまた、次の機会に。
