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GAMERA -Rebirth-(新編集版) 第2話「東京上空」感想

その名は「ガメラ」

スプラッタな怪獣プロレスに「くぅ~これこれ!この味が良いのよ!」となってるクレイジーなガメラファンが私です

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  • 壮絶なる大怪獣バトル勃発

 突如街中に出現して人々を襲い始めるギャオスの光景で終わった前回。そんな続きから始まったガメラリバース第2話は、満を持して登場したガメラに興奮することとなりました。ボコたちの前に現れた小型ギャオスの脅威をこれでもかと見せつけた後で、ガメラが現れ彼らを助ける展開はお約束だからこその“熱さ”がありましたね。劇中のボコの視点ではギャオスと同じ得体の知れない怪獣ですが、視聴者からすれば子どもたちを守ってくれるという安心感を得られる光景になっていたのも面白いところ。シリーズが積み重ねてきた「子どもたちの守護神」としてのガメラのイメージを、見事に活かした活躍だったと思います。

 そうしてガメラVSギャオスの戦闘シーンが始まりましたが、こちらもかなりスプラッタな表現が炸裂していたのが大きな見どころ。お互いに相手の攻撃を受け体が傷付くのはもちろんのこと、片足を燃やされ失うギャオスなど欠損描写もしっかりあって驚きました。ガメラの攻撃も小型を握り潰すだけでなく、超大型ギャオスの目を潰すなどダーティーで容赦がありません。互いの血がドバドバ出てきて目を背けそうになるほどの苛烈な戦いぶりに、シリーズならではの特色を感じますね。加えてダイナミックな肉弾戦や飛び道具による技もしっかり使われており、アニメならではの「怪獣プロレス」を拝むことが出来て大満足です。

 そんなガメラとギャオスの死闘を眺めていたボコたち少年たちの描写も例によって濃密でしたね。一触即発だったブロディグループと一緒にギャオスの暴れっぷりを眺めるシーンは妙に呑気に見えましたが、ギャオスが襲い掛かってきてからの緊張感溢れる逃亡劇に変わる展開は実に面白かったです。モンスターパニックの如き切り替わりに、彼らの日常が一気に崩壊したことを実感します。それでいてボコが逃げ遅れたブロディを助けるなど、いざという時の勇敢さを見せつけてくれるのが嬉しいポイント。おかげでこの子たちなら今後の過酷な展開もやっていけそう、という確信を得られましたね。失禁しつつ気絶したブロディはまぁ……今後に期待です

 

 

  • 人々のため、陸海空を超え現れる守護獣

 本作のタイトルにもある主役怪獣「ガメラ」。1965年に公開された『大怪獣ガメラ』でスクリーンに初登場して以来、様々なシリーズにて活躍してきたカメモチーフの怪獣です。本作では歴代でもかなり屈強なビジュアルをしており、大柄な胴体と筋骨隆々な手足からは凄まじい力強さを感じます。それでいて両腕をヒレ状にした飛行形態や後述の火焔弾発射時などに腹部が発光する特性など、過去作のガメラの要素を引き継いでいるのがまた面白いところです。*1

 鋭い目つき故凶暴そうな印象も受けますが、上述の行動もあって人間の味方であることは十分に伝わってきましたね。(ボコたちを見る瞬間黒目が広がり若干穏やかな目つきに変わるのがここすきポイント)同じ日本を代表する怪獣「ゴジラ」が破壊者・人類の脅威なのに対して、ガメラは人類の守護者にして子どもたちのヒーローであることを一貫している点に好感を抱きます。

 その巨体を活かした肉弾戦が基本の戦闘スタイルの模様。小型のギャオスなら握り潰したり踏み潰すだけで倒せますし、超大型相手でも軽々と投げ飛ばすほどの怪力を発揮していました。そして最大の武器であろう「火焔弾」は、超大型ギャオスを焼き尽くすほどの威力を誇っています。また小型ギャオスを撃ち落とすために小型の火球を数回放つといった、威力や連射の調整も可能と使い勝手の良さそうな必殺技と見受けられます。他にも体に電気のようなものを纏っていたりと気になるポイントも多いですが、これらは以降の描写で明かされることに期待したいところです。

 

 

  • 人を切り喰らう、禍々しき怪鳥獣

 前回から出現し、今回ガメラと戦った怪獣「ギャオス」。初出は1967年に公開された『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』ですが、どちらかというと1995年の『ガメラ 大怪獣空中決戦』の方が有名かと思われます。いわゆる平成ガメラ3部作以降、度々ガメラとセットで登場し死闘を繰り広げてきたことからも「ガメラのライバル怪獣」として確固たる地位を築いた存在と言えるでしょう。同時に人間を積極的に捕食する怪物としてのイメージも非常に強い、凶悪性も魅力的な怪獣です。

 本作のギャオスは過去作と同様、複数体で人々を襲う存在として登場。オレンジがかった赤色の体表をしているほか、細長い胴体はさながら翼の生えた蛇あるいはドラゴンのように見えてきます。(劇中でジュンイチが『聖戦士ダンバイン』北米先住民の伝説に出てくる怪鳥「サンダーバード」を引用していたのも印象的)また目が生気を感じさせない三白眼になっているため、歴代で最も顔が怖くて悍ましいギャオスに仕上がっていたかと思いましたね。ボコたちにじりじり迫ってくるところなどは、まさにモンスターのような恐怖を引き出していました。

 劇中では小型の個体からガメラと同サイズの超大型まで幅広く出ていました。しかし非常に小さくても人間を襲う残虐性は健在です。ギャオス定番の「超音波メス」で人体も建物も容易く切断してくる他、ジーダスのように舌を伸ばして対象を突き刺す技まで持っている模様。加えて飛行能力と数の多さで人類を圧倒していましたが、ガメラ相手にはあっという間に敗れてしまったのが意外でしたね。現状ライバル怪獣としては若干あっさり気味な出番でしたが、数の多さを活かしてまだまだ出番がありそうな予感はします

 

 

  • 大人たちそれぞれの動向

 怪獣と子どもたち以外の、各組織の大人たちの奮闘ぶりも見逃してはいけないポイント。基地の米軍戦闘機(F-15)が街中で滑空し、でギャオスと交戦する光景は中々に鮮烈でした。戦闘機が巨大な怪物に為すすべなく蹂躙されていく様は、本作の異常事態の始まりとしては申し分なかったです。まぁ身も蓋もないことを言うとギャオスのかませ犬という結果に終わってしまったものの、未知の怪獣が相手だったため仕方ない部分かもしれません。むしろ「レイモンド・オズボーン」司令官(彼がブロディの父親でしょうか)の悪態の付きようにはかえって同情すら湧いてきますね。

 一方日本の自衛隊は命令があるまで待機と全く出番がないまま終わったのが残念なところ。あのまま戦車で突撃してもギャオスに勝てたかどうかは怪しいですが、何しに出てきたのかわからないという印象は否めません。とはいえ「佐々木宗篤(ささき・むねあつ)」隊長のようなユニークなキャラクターが描かれたことには注目したいですね。部下にキャラメルを進めたり折り紙しているシーンもあって、早くもこの人の活躍が見てみたくなってきました

 そして度々出てくる「財団」なる組織が最も気になります。前回冒頭のフィリピン然り、裏で怪獣について研究している怪しい連中なのは明らか。一応財団の方針で人命を優先しているようですが、現時点ではどうしてもきな臭さが拭えません。(「特に子どもは率先して保護」というセリフも単なる正義感や良識からくるものではなさそう……)今回のラストでボコたちの前に現れた「タザキ」と「エミコ」の2人についても、正直身構えてしまいますね。この財団が信用に値するかどうかは、次回以降の展開で判断していきたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:腹部の発光は『小さき勇者たち〜ガメラ〜』のアヴァンガメラ(トト)から引き継いだ設定だと思われる。