7月に放送予定のアニメ『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』。LINEマンガにて連載されていた漫画のアニメ化であり、2025年の夏アニメの1作となる予定の作品です。僕自身この作品については明るくないのですが、監督があの田口清隆氏ということで密かに期待していたりします。『ウルトラマンX』から『ウルトラマンブレーザー』と近年のウルトラマンシリーズ、ひいては多くの特撮作品を手掛けてきた今をときめく特撮監督の初アニメ監督作品に注目が止まりません。*1
そんな中先日、クレバテスの特撮映像制作のメイキング動画が公開されました。アニメなのに特撮とはどういうことだ?と思いながら視聴してみたところ、原作序盤のワンシーンの参考として模型を制作し破壊されるシーンを再現したとのことです。短い破壊描写を精密に描くために、わざわざここまでするのかと驚きを隠せません。何より特撮パートの制作陣がブレーザーで見た覚えのあるスタッフばかり、かつて見たことのあるウルトラマンの特撮メイキングの現場そのままな光景にファンとしては胸躍らせてしまいます。
初めてアニメ作品を手掛けるということで田口監督の特色がどう出てくるのか気になってはいましたが、まさかこんな形で自分の得意分野を活かしてくるとは思ってもみなかったですね。かなり手間とコストがかかる手法ですが、鍛え上げられた特撮技術をアニメの映像に反映させるというのは非常に興味深い話です。このように新しい試みが取り入れられたクレバテスのアニメ、夏アニメの1作として楽しみになってきました。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
LAZARUS ラザロ
第2話「LIFE IN THE FAST LANE」
作品タイトルでもある「ラザロ」がスキナー博士を捕まえるために結成されたチームだということが判明したところで、彼らに課せられたスキナー捜索が開始。アクセルたちの洒脱でスタイリッシュなアクションを堪能出来たのはいいものの、全く関係のない男とそいつを追う取り立て屋諸々と戦闘になる展開に笑ってしまいました。スキナーの目撃情報かと思ったら違った!という取り越し苦労のうえ、オチがコミカルで何とも肩の力が抜ける緩さがありましたね。何より今回の騒動の中心にいた「コバヤシ」の人騒がせなキャラとポジティブシンキングがおかしくてたまらなかったです。
そしてラザロに所属しているメンバーが「ハーシュ」を除いて全員前科者、というのが彼らの会話にて判明したのが注目ポイント。それぞれ大したことをしていないような口ぶりでしたが、あくまで当人の視点なので正直怪しいところです。(個人的には「リーランド」の軽い窃盗が実際は……と睨んでいます)中でもアクセルの懲役888年が趣味の脱獄を繰り返した結果、という話には耳を疑いましたね。加えて銃撃戦の中テンション上げながらツッコみ相手をボコボコにしていくなど、現状は彼がぶっちぎりでヤバい人物であること認識するのに時間はかからなかったです。
(また「ハプナを使用したことがある奴はいるか?」のシーンで、アクセルだけ遅れて手を上げたのが気になりますね。EDの映像で1人だけ立っている様子といい、実際は彼だけハプナを使ったことがない可能性があるかもしれません)
ボールパークでつかまえて!
第3話「野球の女神?」「無敵のマスコット」「えいえいおー♡」
いつものように球場で働く人たちを描く中、劇中で応援されているプロ野球団「千葉モーターサンズ」側の描写が挟まりました。といっても今回のエピソードは助っ人外国人である「デニス・ヤング」の色ボケっぷりに、やや呆れてしまうことに……最初は日本の野球に馴染めないわがまま選手という印象でしたが、ルリコに一目惚れし始めてから一気におかしくなっていきましたね。見惚れてしまって起こしたミスが結果的にチームの貢献に繋がるのはまだいいとして、彼女を見たいがために残留を決めたラストでお前それでいいのか!?と内心ツッコまずにはいられなかったです。
他にもルリコとお兄さんのイチャイチャが平常運転でしたが、それ以上に鮮烈だったのがモーターサンズのマスコット「サン四郎(サンしろう)」ですね。ただの着ぐるみかと思いきや、プロの選手に的確なアドバイスを施したり他に人へのフォローも完璧。極めつけに観客席に飛んできたファールボールを一瞥することなく素手でキャッチした時は度肝を抜かれました。それでいて中の人について最後まで明かされないまま終わったので、ミステリアスな雰囲気と共にやたら印象に残りましたね。とはいえ筆談によるやり取りから親しみやすさや面倒見の良さが伝わってくるので、サン四郎自体の好感度は爆上がりしましたが。
ある魔女が死ぬまで
第3話「東より、英知の来訪」
ファウスト師匠と同格のキャラがまさかの足クサギャルで腹筋崩壊。留守番中のメグの元にやってきた「英知の魔女」こと「祈(いのり)」が登場しましたが、上述の要素とメグとのコント染みたやり取りが早速面白かったです。如何にも魔女っぽいビジュアルに対して性格がカラッとしているのもあって、メグとの相性抜群であることが初っ端から伝わってきました。互いに容赦のない一言を投げ合いながらも、将来のことなど身になる会話で今後の展望を語り合う光景にどこかほっこりしてきます。(また今回もまたいくつか世界観が明かされたのが見逃せないポイント。意外と現代社会に魔法が浸透していそうでいない世界なんですね……)
そんな祈によってメグが自分の今後を“諦めてかけていた”ことに気付くストーリーも印象的でした。明るく図太く振る舞っていても、内心では呪いに対する不安に押し潰されそうになっていたのがわかってきましたね。自称ポジティブモンスターのメグにとっても、将来の話は1年後の死を想起させるために考えたくないことだったのが読み取れて胸が締め付けられます。それだけにメグの未来を代わりに信じて、彼女により「わがままに願ってもいい」旨を教えてくれる祈の存在が眩しかったと言えるでしょう。メグからすれば、こうした激励が最も欲しかったのも読み取れるので見ている側としても感動がひとしおでした。
ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ
第12話「ウルトラマンゼロ THE MOVIE ~戦う鳥~」
2010年に公開された映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』の分割放送が今回からスタート。クロニクル系では『ウルトラマンサーガ』と並んで取り上げられることが多い作品なので、正直またかぁ……という感想が真っ先に出てしまいましたね。とは久々にテレビで放送されたのもあって、見応えのある映像とアクションに何だかんだで見入った次第です。
15年前の作品なので色々と懐かしい気持ちに浸れるのもちょっとしたポイント。ゼロの声が若々しく、この時点では「期待のルーキーウルトラマン」のポジションだったことを思い出せましたね。また若い頃の小柳友さんや子役時代の濱田龍臣さん、まだ女子高生だった土屋太鳳さんといった出演者が印象的。前者2人が後々ニュージェネ作品でメインを張ったことを思うと、感慨深い気持ちが溢れてきます。(あとウルトラマンベリアルの声が小野友樹さんに差し替えられていたのが地味にびっくり*2)
また今回はゼット&エディオムではなく、遠くから見守っていたゼロ視点で話が語られる特殊な構成になっていました。ブレーザーの宇宙に行くかと思ったベリアロクに絡まれて、嫌々愚痴りながらも話してあげるゼロがどこか可愛らしかったです。それでいてベリアロクの顔を見てベリアルの因縁を思い出すなど、彼にとってあの宿敵がどれだけ印象深いのかが読み取れるのが面白いところでした。
田口監督の話で思い出しましたが、今年の夏に始まるであろう新作ウルトラマンの情報も気になっています。前作『ウルトラマンアーク』の劇場版がTUBURAYAIMAGINATIONにて配信されると同時に、突如謎の動画が公開されました。
謎の新ウルトラマンのシルエット、そして「目覚めの刻(とき)」という意味深なワードなど、とにかく新ヒーローへの期待が高まる動画。しかし公開されてからもうすぐ1か月以上経つというのに、未だに詳細が発表されていないのでヤキモキしてしまいますね。いつになった目覚めるんだよ~!寝ぼけてんのか~!公式も色々考えているのでしょうが、こちらとしては早く新ウルトラマンの勇姿を拝みたいところです。
ではまた、次の機会に。
