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仮面ライダーガヴ 第31話「辛苦マリアージュ」感想

噛み合う?噛み合わない!

充瑠「俺も柿崎さんと離れられなくなった時は抜群のコンビネーションで……え、そっちは何事もなく離れるの!?」

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  • ぶっ飛びコミカル祭り

 ガヴ始まって以来の濃厚なギャグが連続で炸裂した今回。敵グラニュート「リッパー」によって絆斗とラキアの腕がくっ付いてしまうという、どちらかというとスーパー戦隊でよく見られる展開でこちらの腹筋を破壊してきました。まずシチュエーションの時点で面白いうえに、結果絆斗とラキアの息の合わなさが怒涛のギャグで染まっていったのが見事の一言。以前から描かれていた2人の仲の悪さがコミカルに、かつ的確に強調されていたのもあって笑いが止まらなかったですよえぇ

 他にも幸果がその拘束を外すためにチェーンソーやらダイナマイトやら持ち込んだり、ゴチゾウがいつになく感情豊かに喋ったりと、普段の本作では見られないギャグが多かったのも見どころでした。特に前者は幸果がそこまでする!?という今までのイメージからちょっとかけ離れた、異常な光景だったのでギョッとせずにはいられなかったです。まぁこれくらいの軽いギャグは過去のエピソードでそれとなくやってましたし、キャラ崩壊とまではいかなかったとは思いますね。いつもとは異なるものの、何だかんだで違和感なく見れる塩梅に仕上がっていました。

 そうして笑っているところに挿入されたところにラキアの弟・コメルの仇の話に発展するラストは仰天もの。リッパーの斬撃の切り口がコメルの傷とそっくりだと判明する瞬間は、いきなりシリアスへと落とされた気分になります。しばらく触れてこなかったコメルの件を、こうして回収してくるのも意外性抜群でしたね。(またリッパー自体「日常に潜む恐怖」としての存在感がそこそこあったのが面白いところ)リッパーが本当にコメルを手にかけた張本人なのかはまだわかりませんが、ギャグ満載から本編のシリアスに突入する流れの自然さには舌を巻いた次第です。

 

 

  • 噛み合わないぶつかり合い

 そして今回は上述の通り、絆斗とラキアの険悪さがこれでもかと描かれていたのが最大の注目ポイント。前回の時点でだいぶコミカルだった2人のいがみ合いが、より愉快になって笑いを誘う仕上がりだったのが最高でした。お互いに気に入らないところをぶつけ合ったり、噛み合わなさから変なアドリブも入る流れは非常におかしかったです。(個人的には絆斗の「私のおでこ伸びちゃうでしょう!」がここすきポイント)何より本作は良くも悪くも相手を慮って本音を避けるきらいのある場面が多いので、こうした“隠さない”シチュエーションがかえって新鮮に見えたのも大きかったと言えます。

 中でもラキアの絆斗への容赦のなさは印象的。あまり絆斗を信用していないのがわかっていましたが、彼がショウマのことを殴ったり酢賀に騙されていたことを槍玉にあげるシーンには面食らいました。視聴者としても気になっていたところではあるものの、当人も負い目に感じていそうなことをズケズケ言えるラキアのメンタルには驚かされるばかりです。一方で何故絆斗のことをそこまで嫌うのか?という疑問も湧いてきますが、まぁ単純にここまでで好きになる過程がなかったということなのでしょう。個人的にもラキアは特別絆斗を嫌っているよりは、親しい相手以外にはこれくらい辛辣な人物なのかもと思いますね。もしそうだとすると、速攻でラキアの心を開かせたショウマと幸果のすごさが際立つかも?

 また今回は2人が最後まで仲の悪いままで終わったのも意外でした。この手の2人が拘束されるシチュエーションは「最終的に抜群のコンビネーションを発揮して仲を深める」オチに収束していくのが定番ですが、それを外してきたので驚きましたね。最後までラキアは力任せに絆斗を引きずり回していましたし、絆斗は振り回されっぱなし……と両者の力の違いが如実に表れているのも面白いポイント。恐らく2人の関係修復は次回に回されるのでしょうが、ここまで噛み合わない彼らがどうやって息を合わせていくのか。来週が余計に気になってきます

 

 

  • 真面目な長男とわがまま令嬢、時々執事

 絆斗とラキアがドタバタ劇を繰り広げている裏側で、各陣営に少しだけ動きについても見逃せません。まずリゼルとジープに会社を乗っ取られたランゴですが、思いのほか冷静に仕入れの仕事に取り組んでいる様子だったので少々びっくりしました。もう少し落ち込んでいるものとばかり予想していたので、取り乱すことなく会社の利益を優先していく姿勢にかえって感心させられます。内心どう思っているかは不明ですが、彼の生真面目なところは相変わらずで評価に値すると言えるでしょう。それだけにここぞばかりに威張り散らかすジープが余計滑稽に見える……

 一方ストマック社社長となったリゼルは人間界でさらなる傍若無人を発揮していたのが衝撃的でした。買い物をする場面でお金を持っているのか怪しんでいたら、案の定という対応をしてきたのでドン引きせずにはいられなかったです。ここまでである程度読み取れていたものの、自分のわがままは通って当然、ばかりの態度が恐ろしい限り30分後のファイヤキャンドル様は働いて返したぞ見習え!加えて父・ボッカの眷属である「バトラー」の強さも描かれており、後述のショウマ相手に拮抗するほどの実力を発揮してきたのも実に厄介でした。自分勝手な令嬢自体強いうえにその側近も強敵と、敵側のヤバさと脅威が同時に味わえましたね

 

 

 あとはショウマが前回登場したお菓子屋店主と仲良く過ごしているシーンは、今回の数少ないほんわか要素として印象に残りました。ここまで登場人物同士のギスギスとした空気をギャグシリアス双方で見てきたのもあって、ショウマの楽しそうな様子を見ているだけでほっこりしてきます。(キャラメル初体験で「キャラメルメルゴチゾウ」を生み出しましたが、この子の活躍もいずれ見られるのでしょうか)それだけにやたら重要人物かのようにショウマの絡みが描かれる店主が気になって仕方ないのですが……やはりこの人こそショウマの母親の関係者なのでしょうかね。

 

 

 さて次回は絆斗とラキアのコンビ回後編。絆斗が怒りと復讐心に呑まれたラキアを説得するものの、中々上手くいかないであろうことが目に見えて読み取れます。しかし彼らは大事な人を失った憤りと喪失感を抱えている点ではある意味で似た者同士。ここで打ち解けて、一致団結していってほしいものです。

 他にもショウマとリゼル、デンテおじさんとニエルブがそれぞれ対面する模様。前者はリゼルが怖すぎますし、後者はおじさんが粛清されそうで気が気でなりません。様々な角度からハラハラさせてくる展開になるのは確実なので、次回は身構えて視聴していきたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。