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機動戦士Gundam GQuuuuuuX 第7話「マチュのリベリオン」感想

わたしらの数時間戦争

いやどうなってもよくないだろ(星街すいせい書き文字)

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  • 争いの激流の中に光る思惑

 何だこれは……何だこれは!?と仰天せずにはいられなかったジークアクス7話。前回の予告の時点では街中でのサイコ・ガンダム大暴れによって凄惨な戦いが……とばかり予想してのですが、実際はそれどころではないほどの事態に発展していて困惑が止まらなかったです。逃げ出そうとするマチュとニャアンの横で進行するキシリア暗殺計画に加え、肝心のシュウジがゼクノヴァを起こして“向こう側”に消えてしまうなど情報量が多すぎて咀嚼しきれなかったです。視聴中はひたすら目が点になってしまいましたね。

 シュウジがいなくなったことでドゥーも暴走するなどとにかく現場は大混乱でしたが、その分キシリアを守るために戦ったジオン軍人たちの安定感が印象に残りました。ソドンクルーはサイコ・ガンダム相手にかなり無茶をやったものの生き残りましたし、シャリアの獅子奮迅ぶりで敵を殲滅する瞬間は素直にスカッとしましたね。他の登場人物が何も出来ずただただ状況に振り回されていただけに、有事の際に的確な行動に移せる彼らのしたたかさというものが際立っていたと思います。(中でもエグザベがまさかの「ギャン」に乗ってキシリアを守りに来た時のシーンがカッコよすぎてここすきポイント)

 そんなこんなでシャリアの実力に惚れ惚れしていたのも束の間、ラストに彼が「ギレンとキシリアを同時に排除する」ことを企てているシーンに面食らいました。シャアの腹心だったことを考えると不思議ではないのですが、ジオンの二大巨頭をまとめて葬るつもりなのがあまりにもシャアを彷彿とさせる大胆さでニヤリときますね。何よりこれまで視聴者にもシャリアの真意が見えてこなかった分、ようやくその一端を窺い知ることが出来たのも大きかったです。そのためにマチュをどう利用するつもりなのか、2人を抹殺した後のジオンの今後など気になることは多いものの、混乱の中でメインキャラの目的がわかり一歩前進した気分に浸れました。

 

 

  • 少女の世界は容易く崩れ去る

 そして今回は何と言っても、マチュたち主人公3人が離れ離れになる展開がショッキングでしたね。シュウジと赤いガンダムが消失してしまったうえ、マチュとニャアンがそれぞれジオンの各陣営に拿捕されるラストに言葉を失ってしまいました。子どもたちだけで決死の反抗をしていたものの、大人たちの策謀と大きな事象の流れに為すすべなく失敗に終わったのが何とも言えない後味を残します。マチュに至っては公開手配され元の生活に戻れないという、深刻な末路を迎えているのが痛々しいですね。これまで好き勝手やってきたツケが回ってきたとしても、中々にヘビーな展開かもしれません。とりあえずマチュのお母さんの今後を考えると気の毒すぎて……

 またマチュとニャアンの間に明らかな亀裂が入ったのもちょっとした見どころでした。ニャアンがマチュを捨ててでもシュウジと逃げようとしていたのは驚きですが、マチュの自分に向けた感情がわからなくなってきているからこその行動のようにも見えてきます。同時にマチュもプライドをかなぐり捨ててニャアンに頼み込んでいたものの、結局のところシュウジを優先してしまっているのがわかりますね。自分にキラキラという魅力的な景色を見せてくれるシュウジを求めた結果、どちらも彼を失って意気消沈するラストは辛くて見ていられなかったです。

 非日常を求めるあまり非行に走った結果、2人ともギクシャクしたままアイデンティティを喪失したと見るべきこの状況。片やシャリア、片やキシリアの元に落ち着いたものの、結局大人たちの庇護下にいなければ何も出来ない子どもだと思い知らされたかのようです。自分たちの小さな世界を守ろうとしても大人たちや世界丸ごとには到底敵わない……スケールの違いを以て、少女たちが身の程をわからされる回だったとも取れましたね

 

 

  • 光と鉄塊で蹂躙する、戦慄の破壊兵器

 空調機と偽ってコロニー内に運び出し、ドゥー・ムラサメの搭乗によって運用されたムラサメ研究所製造のMA(モビルアーマー)“MRX-010”「サイコ・ガンダム」。かつて『機動戦士Zガンダム』にて視聴者に特大のトラウマを与えたサイコガンダムが、前回の予告通り登場を果たしました。箱のような形状で空を飛ぶMA形態から、頭頂50mにも及ぶ超巨大な人型形態に変形する機構は原典と同じ。それでいて作品デザインのテイストに漏れず手足が長いほか、カラーリングといったビジュアルイメージはサイコガンダムMk-Ⅱに近しいものとなっています*1

 さらに複数のカメラアイが埋め込まれた顔面に、三葉虫を思わせるシャッターを被せているのも特徴的。本作の連邦のガンダムらしく目がいくつもありますが、ここまでくると妖怪の百々目鬼にも見えてきますね。そのうえ後述の装甲を外した状態では、内部フレーム(これはもしやムーバフルフレームか?)が肉感的でさながら剥き出しの筋肉を見せつけているかのようです。ビジュアル面で異質な連邦関連の機体の中でも、ひと際異形のテイストが強く表れていると言えるでしょう。

  武装については原典と比べて控えめながら、やはりド派手なビーム兵器がわんさか積まれています。5本の指それぞれからはもちろんのこと、胴体の各部が開いてビーム砲を一斉放射する光景は圧巻の一言。加えて重厚な装甲はパージすることでサイコミュ兵器として運用することも可能で、サイコ・ガンダムの周囲をふわふわと独立して浮遊する特異なビジュアルまで披露していました。装甲にビームなどは搭載されていないものの巨大な鉄の塊なので、まとめてぶつけるだけで相手機体を押し潰せます。そのうえ装甲の各部からIフィールドを発生させることで、敵のビームを跳ね返したり本体のビームの方向を曲げる戦術も驚異的です。

 このように相手の陣地を破壊するには持ってこいの制圧力を誇っていますが、劇中ではコロニー内の街に甚大な被害をもたらしただけでそこまで活躍していなかったのが残念なところモブの大量死くらいではショボいと思ってしまうオタクの悪いところが出ている。マヴのゲーツが乗っていた「ハンブラビ」もそうですが、いざシャリアのキケロガを相手にした戦闘になるとあっという間に撃墜されてしまったので肩透かしを喰らった気分です。パイロットのドゥー共々よくわからないまま退場したので、もっと掘り下げてほしかったですね

 

 

  • “灰色の幽霊”が駆る、戦地より蘇りし閃光

 かつてシャリア・ブルが一年戦争にて運用し、今回の戦闘で再び操ってみせた専用MA“MAN-03”「キケロガ」。『機動戦士ガンダム』を視聴した人なら察しているかと思いますが、あちらにおけるブラウ・ブロとほぼ同じ機体です。上下左右にアンテナのようなものが伸びている宇宙船的ビジュアルからして、原典におけるブラウ・ブロそのものと見ていいでしょう。(4話のゲルググが実質ジムだったのと同じようなものですね)ニュータイプ専用機として開発され、ジオンで初のサイコミュが搭載された兵器として『-Beginning-』パートでも活躍していたのが印象的です。

 そんな歴戦の機体である本機及び操縦するシャリアは、戦闘においても伝説に相応しい実力を発揮。アンテナ部から発射される有線ケーブル付きのメガ粒子砲を操り、変幻自在に相手を翻弄するオールレンジ攻撃がウリとなっています。機体の大きさに反して機動力も目を見張るものがあり、サイコ・ガンダムの宙に舞う装甲をかいくぐって2機を相手取ったシーンは驚愕せずにはいられませんでした。劇中のエグザベのセリフのように、メガ粒子砲をそれぞれ陽動&本命に分けて操作することでマヴ戦術をたった1人でこなしていたのが凄まじかったです。5年以上前の機体とは思えない戦闘力は、まさしくシャリアが赤い彗星のマヴだったことを実感させてきます。

 さらに今回のびっくり機能としてMS(モビルスーツ)形態に変形することも判明。しれっとコックピットとアンテナ部分が変形して、細長い人型になった時は度肝を抜かれましたね。ただ純粋な人型ではなくフレームが今にも折れそうなほど細いうえ、背面には変形後の機体推進部が丸々くっ付いている異質なビジュアルをしています。一年戦争後の改修によって変形機構が追加されたとのことですが、この形態でどんな戦闘が行えるのか非常に気になってきました

 

 

 というわけで7話の感想でした。マチュ母の死亡など最悪の予想は外れたものの、それに負けないくらいインパクト強めの急展開の連続だったと思います。様々な陣営が暗躍していくことで、マチュたちの計画が脆くも崩れ去っていく構図があまりにも鮮烈すぎて、思春期の少女たちの贖罪としても重いながら秀逸に感じましたね。ようはちょいワル程度の子どもたちの考えでは、戦争といった大きな世界には勝てないことを大いに読み取りました。アンキーなど悪い大人にまんまと騙されているのも、彼女らの浅はかさが伝わってきます。???嘘つき、卑怯者……そういう悪い子どもこそ、本当に悪い大人の格好の餌食になるからさっ!!

 そしてこれまではクランバトルしているだけだった状況が、急展開で一気に様変わりしたのも注目ポイント。本当の戦争が始まりかけている薄皮一枚の緊迫感に、少年少女が否応なく巻き込まれる形が実にガンダムらしいと思います。自暴自棄になりそうなマチュたちが今後どうなっていくのか、これからが本番といえるでしょう。それだけに今回かなりベストタイミングで流れるEDの衝撃も高く、「どうなってもいいや」じゃないだろ!と内心ツッコまずにはいられなかったですねハイ。(実際EDを歌っている星街すいせいさんも「いやどうなってもよくないだろ」とツッコんでいますし*2

 

 

 それ故次回以降が気になってくるのですが、何と8話はシャアがメインのパートになる模様。再び時間を巻き戻して一年戦争時代の話に流すことから、映画のBeginningパートの残りを放送する気満々なのがわかりますね。正直マチュたちがどうなるのか早く見たいのに、なんでまた変な仮面のおじさんを眺める羽目になるんだ!!とちょっと思ってしまいます。

 とはいえテレビ放送では描写しきれなかった「シャアが如何にして消失したのか」をハッキリと描いてくれるのは嬉しい限り。今回のシュウジの消失もあって、ゼクノヴァとは一体何なのかが深堀りされそうな予感がします。どうせなら映画にはなかった追加カットとかも存分に用意して盛り上げていってほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:型式番号も同じ“MRX-010”であることから、本機は正史におけるMk-Ⅱのポジションに当たるのかもしれない

*2:本人のXのポスト(https://x.com/suisei_hosimati/status/1924856184798118280)を参照。