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2025年春&夏アニメ簡易感想 その1

 

 

 うだるような暑い日々が続く中、とうとうアニメも夏アニメに突入してきました。今季は個人的にも注目している作品が多く、どれを先に視聴するかで早速迷いまくっている真っ最中です。とはいえ以前から視聴を決定していたアニメもあるので、今回からそちらを加えた2025年夏アニメの感想を始めるようと思います。前季の感想も含まれていますが、そちらも合わせて読んでいただけると幸いです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

LAZARUS ラザロ

第13話(最終話)「THE WORLD IS YOURS」

 ハプナのタイムリミットが迫る中、それぞれの決戦の火蓋が切って落とされた最終回。バビロニアタワーで激戦を繰り広げるアクセルVS双竜を筆頭に、凄まじい勢いで各陣営の戦いが描かれました。あっさり拘束される陸軍など決着そのものはアッサリ気味ですが、ここまでの道のりが道のりなので無事終わったという安堵の方が勝りますね。双竜に関しても、アイデンティティーを求めながらアクセルとの間に何かしらのシンパシーを感じていたのが意味深で興味深かったです。(ただ本筋とは全く関係なかったので、双竜の存在自体がお邪魔キャラくらいの範疇に収まってしまったのが残念

 そしてスキナー博士ですが、予想通り3話のホームレスとして登場。居場所自体には驚きはなかったものの、ハプナ事件の真相と彼の思惑については見入る要素が満載でした。陸軍の細菌兵器開発に利用され、その壮大なリークとして行われた本作の騒動からしてスキナーの性格が良く表れていたと言えます。そのうえ空港での事件の回想は印象的で、自分のプロトタイプのせいで少年が息絶える瞬間のシーンでスキナーが何に絶望しているのかが伝わってきましたね。神か悪魔かと言われていたスキナー博士の実態は、心を痛め苦悩し続けた普通の人間だったということでしょう。

 それだけにアクセルが「この世界も捨てたもんじゃない」とスキナーに答えたのが素敵でした。空港の事件でプロトタイプハプナを摂取し一度死んでから生き返った5人(まさにヨハネ福音書に記された「ラザロの復活」ですね)が、ハプナに依存した世界に対する前向きな解答だったと言えます。5人ともこの捜索の日々で多くのことを見て学んできたからこそ説得力がありますし、最後に穏やかなエンディングの入りで全てが一件落着したことを実感しましたね

 

総評

 圧倒的な映像美と劇伴で見るものを魅了させてきたオリジナルアニメ。主人公のパルクールを筆頭に美麗な作画のパワーで攻めていく洋画のようなテイストで、見て聞いて楽しむ作品に仕上がっていました。毎回様々な国の情勢や世界観の奥行きを示しながら、セリフ以上に絵で語るジャンルだったと言えます。(中でも7話など、セリフがないまま劇伴のみで進行していくのが見事でしたね)ストーリーを読み解く以上に視覚的な娯楽としてのアニメーションを優先させている印象なので、小難しいことを考えずに楽しむのが本作においては肝要だと感じ取った次第です。

 そのため緻密な物語を期待している場合は肩透かしを喰らってしまうのが悩みどころ。良くも悪くもストーリーがベタなうえ、序盤と終盤だけで成立するのでその辺りが気になってしまう場合もありました。また双竜など本筋とは関係のない要素が多く、オムニバスめいた作風に繋がりを求めるとチグハグに見えてしまうのも大きな難点だと思います。(せめて双竜とアクセルの関係性は繋げてほしかったです)とはいえ数話見ている内に本作の方向性というものが見えてくるので、個人的には早々にそれらの軽い要素を気にしないことにして楽しむことが出来ましたね

 

 

まったく最近の探偵ときたら

第1話「元名探偵 名雲桂一郎」 「真白の害虫退治」

 しょっぱなから激しいテンポ感で抱腹絶倒を味わわせてくれた第1話。かつて名探偵と呼ばれた中年のところに謎の美少女がやってくるラノベ的シチュエーションに反し、実態はハイテンションギャグの応酬で全てを持っていくので破壊力が凄まじかったです。特に後半はヒロインの「真白(ましろ)」がアンジャッシュしたままヤクザを壊滅させるため、古臭さもあるもののパワー溢れる絵面に圧倒される内容に仕上がっていたと思います。思えば序盤はまだヒロインっぽかったな~、と思っていたものの、古畑のモノマネ辺りから大分怪しくなってきた(主に顔芸方面で)のも腹筋に悪かったですね

 そして主人公の「名雲桂一郎(なぐも・けいいちろう)」ですが、こちらはオッサンになってしまった悲哀を背負っているのが特徴的。若い頃ブイブイ言わせて体を酷使してきた結果、30代で既にボロボロなのが笑いと哀愁を誘います。一方でスマホをはじめとしてイマドキのやり方に疎すぎたりと、アナログな探偵像に固執している問題を抱えているのが面白いところ。良くも悪くも現代っ子の真白のフォローが噛み合っており、相棒としては悪くない関係性なのでこの2人のやり取りを見ているだけで飽きないのが最大の魅力と言えるでしょう。

 

 

クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-

第1話「魔獣の王」

 すんなり入ってくる世界観を展開させてくれたダークファンタジーといった印象の本作。世界の開拓を目指す勇者たちの戦いを描くのかと思いきや、圧倒的な力を持った魔獣の暴虐に慄くこととなりました。主人公と思われる「アリシア」があっという間に殺され、以降は王国に攻め入った魔獣王「クレバテス」メインで進んでいくので意表を突かれましたね。人間もとい人属たちが何故魔獣に敵対するのか詳細が不明なので何とも言えませんが、各陣営の思惑が入り乱れたストーリーを今から予感してきます

 しかしクレバテスが人の赤子「ルナ」を引き取ってからは一変。強大な魔獣が子育てに挑戦する微笑ましい絵面にクスっときました。「クレア」という人間の姿を取ったものの、子育ての知識に疎すぎて天然を発揮するクレバテスが何とも愉快なので何度も癒されてきます。さらにアリシアも生ける屍として使いっぱしりにされるなど、小姑みたいなクレンと共にルナを育てる場面に不憫可愛いものを覚えました

 また本作は監督が田口清隆氏ということで、氏が手掛けたニュージェネウルトラマンを彷彿とさせる演出が数多く見られたのも大きな見どころ。クレバテスを迎え撃つ兵団はもちろんのこと、城が崩壊するシーンは実写特撮を駆使した映像表現として違和感なく仕上がっていたのが見事の一言。そのうえ田口氏が音響も担当しており、要所要所で聞いた覚えのあるSEのオンパレード(魔獣の鳴き声が明らかにレッドキングのソレだったり)で特撮オタクとしてはニヤリとしっぱなしでしたねハイ

 

 

ちびゴジラの逆襲

第66話「怪獣島ツアー」

 今年3月末の最終回から3ヶ月、異例のスピードでちびゴジラが復活!おはスタでの放送はそのままに、ところどころで豪華になっているのが伝わってきました。中でも作画方面はいつもと同じようで、ちびモスラの羽の動きが滑らかになっていたりとちょっと変化していますね。何より水曜日のカンパネラさんによる主題歌が追加されるなどこれまでと異なる点から、着実に人気を獲得している状況を実感します

 肝心の内容は今さらながらちびメカゴジラに怪獣島を案内するというもの。以前から名前だけ出ていた「スーパーだいなし」がついにお披露目されたり、「廃病院」という名前の普通に開いている病院が紹介されたりと相変わらずのボケとツッコミに溢れていました。また何故かあるコロッセオでお父さんゴジラが寝ている絵面には度肝を抜かれましたね。言うまでもなく昨年公開された『ゴジラ×コング 新たなる帝国』のワンシーンの再現ですが、最新作を即座にネタにするのは流石ちびゴジラと感心させられるばかりです

 

 

 アニメではないですが、今月からウルトラマンシリーズの最新作である『ウルトラマンオメガ』が始まるのも楽しみですね。上述のクレバテスを手掛けている田口清隆氏も監督の1人として参加しており、他の監督・脚本家含めてニュージェネウルトラマンのスタッフがほぼ集結している情報にも以前から期待しています。(同じニュージェネ関係者の坂本浩一監督の名前がないのが不思議ですが、他に何かの撮影で忙しいのでしょうか?『ウイングマン』の2期とかだったりしたら嬉しいなぁ……新たなウルトラマンの誕生を、当日この目に焼き付けていく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。