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仮面ライダーガヴ 第43話「人間界はどんな味?」感想

悪意の舌先が迫る

変身する前にボコボコにすればいいんじゃないかね?(リアリスト的思考)

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  • 驕り高ぶる大統領

 主題歌の映像が特別仕様になり、今月末に公開予定の夏映画の映像がチラ見せされた今回のガヴ。本編の方は長いこと闇菓子関連をストマック社に一任していたボッカ大統領が、まさかの視察という形で人間界にやってくる展開となりました。あくまで人間界を手に入れた時の利用方法を考えるためのモノで、支配するのは決定事項とばかりの口ぶりから早速大統領の傲慢さが垣間見えます。また人間界に来ることを唐突に明かしたため、ニエルブが困惑していたのも目に付きましたね。リゼルと同じく思い付きで周囲を振り回すため、この父親にしてこの娘ありといったところでしょうか。

 

 そうしてイケメンの人間態を手に入れたボッカ大統領とリゼルのデートパパ活かな?では、大統領が人間界の建造物に興味を示していたのが印象的。そして石やアスファルトといった鉱物で造られたモノばかりということで、市民の食料にするという活用法を思いつくくだりに面食らいました。グラニュートの食性は最早語るまでもないですが、人間の建物すら食べる発想に至るのは地味に驚きですね。さながらグラニュートたちにとって人間のビルなどは食べられる住処、つまりは「お菓子の家」ということなのでしょう。

 そして生み出した眷属も含めて、大統領の力の一端が描かれたのが注目ポイント。眷属だけでもガヴ&ヴァレンのコンビネーションでやっとのこと倒せたのに、肝心の本体がビーム1発でショウマたちを追い詰めるのですから恐ろしい話です。グラニュートは地位の高い者ほど戦闘力も相当のモノだという認識の通り、期待に違わぬ実力だったと言えます。またラキアをボコボコにしたり、ショウマたちも真っ先に襲い掛かるなど変身前に相手をぶちのめす戦い方を臆せず使ってくる点も容赦がないという印象を抱かせてきますね

 このようにボッカ大統領の脅威が大いに伝わってくる回になりましたが、個人的には大統領視点でショウマたちが脅威ともみなされていない描写に危機感を覚えます。今回の戦闘も完全に遊びの範疇のようでしたし、その気になればいつでも始末出来るとばかりに放置しているのが読み取れました。今後闇菓子を止めるためには大元のストマック社及び大統領を倒す必要があるのですが、この様子だと大統領が再び人間界に現れるかすら怪しくなってきます。強敵である大統領を倒せるかの問題以前に、こちらを眼中に入れていない相手をどうやって直接対決の土俵に持っていくのか気になるところです。

 

 

  • 受け入れ難き真実を抱えながら……

 戦闘以外では前回明かされた優さんとショウマの問題が見逃せない展開として描かれました。優さんがショウマの伯父であることがわかった今、それを彼に話すべきか否かで悩む流れに見ているこちらもドキドキしっぱなしでしたね。優さんが全開の事件をきっかけにグラニュートの存在を知り、妹・みちるが怪物に喰われた可能性に絶望する流れだけでも辛くて仕方なかったです。彼女が食べられるよりもはるかに残酷な目に遭っていた事実を知っている側としては、余計にいたたまれない感情が湧いてきます

 そのうえ優さんがショウマに妹の面影を見るシーンでドキッとしました。お菓子が大好きでやんちゃだった妹(ショウマの母親以前のみちるさんの姿を見るだけで胸が締め付けられる……)と重ね合わせる様子に、バレるのは時間の問題であることが否が応でも伝わってきます。しかしただでさえ妹のことで取り乱している優さんを前に、真実を打ち明けられるのか。その問題を思うとショウマが口をつぐんでしまうのも仕方ないと思わずにはいられなかったです

 救いと言えば迷うショウマに絆斗が励ましの言葉をかけてくれたことでしょうか。母親の件などショッキングなことをしばらく受け入れられなかった絆斗の「真実を知れて良かったと思っている」は、彼の成長と優しさが感じられてジーンときますね。優さんが同じように受け入れられるかは断定出来ないものの、ショウマの重荷を軽くすることくらいは出来たのではないでしょうか。本作の性質上隠している真実が最悪の形で暴露される可能性もありますが、今はこの暖かなやり取りを噛みしめておきたいと思います。

 

 

  • (手を組むために)にじり寄る眼鏡

 他にもニエルブの動向は前回に引き続き気になるポイントとなっていました。ボッカ大統領の思い付きに面倒くさそうな表情を浮かべるシーンだけでも面白かったのですが、ジープとの特訓で赤ガヴ(ショウマ)への興味を抱き続けている様子にどこか不穏なモノを感じます。しかもラストに「手を組むべきは……」といった言葉を零していた辺り、ショウマ側に付く可能性まで出てきて仰天せずにはいられませんでした

 この期に及んで敵から寝返って味方になるかもしれないという、ニエルブのフリーダムっぷりには舌を巻くばかりです。正直ショウマたちから信用を得るのは難しそうですし、絶対にただの味方で終わらないのも予感出来ます。ただ色々頼もしくもあるので、一時的に協力する絵面は見てみたいとは思いますね

 そんなニエルブの傍らで、必死に特訓するジープが余計に哀れなことになっていたのも触れておきたいところ。赤ガヴを倒すために必死に特訓を重ねているのに、データ上ではショウマに遠く及ばずニエルブからも切り捨てられそうな勢い……ここまでくると流石に気の毒に思えてきます。リゼルからも最近構ってもらえていないようですし、ドンドン孤立していくジープの明日はどっちかこちらも目が離せませんね。

 

 

 今回の戦闘シーンはボッカ大統領の眷属・バトラー2体との混戦となっていたのが注目ポイント。ホイップ兵がすぐに倒されるほどの眷属の実力もさることながら、相手の攻撃をコンビネーションで何とか撃破するガヴとヴァレンの活躍に痺れました。個人的にはホイップ兵の槍を足場にして空中で戦うシーンは、どうやって撮っているのか非常に気になってきます。(何よりケーキングがまたもや活躍したのも素晴らしかったです。序盤の強化フォームが未だに存在感を放っているのはファンとしても嬉しいですね)

 

 

 さて次回は第1話に登場した始くんがまさかの再登場!ショウマが人間界に来て初めて知り合った人間として印象深い彼との再会を、ここにきて描くとは予想外かつ嬉しすぎる展開です。本編の方は始くんにこれまでの出来事を話す総集編になりそうですが、主題歌の歌詞を引用しているサブタイもあってどこか不穏な展開を身構えそうになりますね。

 それだけでなく異世界の謎の勢力も参戦するという、夏映画とのリンクも兼ねたエピソードになる模様。過去作同様映画の敵がちょっと出てくるだけに収まりそうですが、こうした繋がりを見せてくれるだけでもワクワクしてきます。本筋は大きく動かない分、様々なサプライズなどで楽しませてくれることでしょう

(あと余談ですが、次回の脚本を担当するのがあの「八手三郎」氏だったのでびっくりしました。東映プロデューサーの連名?合同ペンネームであることから、本作のプロデューサーである武部直美氏が書くのでしょうかね?

 

 

 ではまた、次の機会に。