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仮面ライダーガヴ 第44話「まぶしくて戻らない瞬間」感想

懐かしむ“あの日”はもう来ない

唐突に出てきた美人グラニュートお姉さんが僕を異形頭フェチへと狂わせていく

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  • その再会は切なくも嬉しくて

 いつもの前回のあらすじではなく、第1話の序盤映像から始まった今回のガヴ。内容としては予想通り総集編でしたが、単純な振り返りではないストーリー性に思わず唸らされました。何と言っても冒頭から1話でショウマを拾った少年・廣井始が成長した姿で登場し、ショウマと再会する展開に感動を覚えましたね。「僕が拾ったのは仮面ライダーだった」という独白から、彼の視点で始まる物語に不思議と高揚感を覚えた次第です。

 まず始くんの成長ぶりが印象的で、1話時点の時から背が伸びて声も低くなっているので初見は少々驚きました。子どもの成長は早いことは理解している反面、この変わりようには色々と感慨深いものを感じます。声変わりした始くんの姿から、あれから随分経ったことも理解出来るので彼の成長は思った以上に物語に深みを持たせていたと思いますね。それでいて久々に会ったショウマへの態度など、どこか冷静で理知的なところは1話の時と同じ始くんだと伝わってくるのでどれだけ素敵で微笑ましかったことか

 ショウマにとっても最初の理解者である始くんが、どれだけ大切な友達だったのかを実感させてくれる様子だったのがグッド。振り返りを兼ねたおかげもあって、ショウマもまた成長していることがわかりましたね。1話の時点では始くんに保護されている形だったのが、今ではバイクに乗せてあげられるほど大人びていると思うと感動ものです。視聴者としても非常に心優しい人物として印象に残っていた始くんを再び見れたのもあり、非常にほっこりするやり取りとなっていました

 

 

  • それぞれの記憶と失ったモノ

 始くんとの会話に花を咲かせるショウマのパートとは別の視点も多く登場し、それぞれが作品の総集編を兼ねていた今回。中でも人間界に連れてこられたバイトのグラニュートがグラニュートハンター(仮面ライダー)の情報を振り返り、ラキアと絆斗の会話でボッカ大統領やグラニュート社会を補完。そしてストマック兄妹それぞれの末路と今後を抱かせる要素など、群像劇めいた話として進んでいくので中々に見応えがありました。振り返りの最後にその要素に因んだ場面転換を計っていたので、自然に話にのめり込めるのも大きかったですね。それはそれとして表向きのストマック社説明映像に映っていた美人グラニュートお姉さんは誰!?すごく気になるんですけど!?

 またただの復習だけでは終わらず、いくつか新情報が出てきたのも見逃せないポイント。まずグラニュート界と人間界を繋ぐ謎の空間が、そもそもはストマック家の祖父世代が偶然見つけたものだという事実に驚きました。使っている当人たちですらそのメカニズムを把握しておらず、それどころか別の世界に繋がっている可能性を示唆しているので余計にびっくりです。後述の映画に繋げるための設定だとはわかっていますが、他にも別のライダー作品の世界に行けるかも?といった妄想が止まりません。(『ガッチャード』夏映画の先行登場したショウマも、この空間と士/ディケイドの協力で来たのかもしれませんね

 あとはランゴ視点で明かされるストマック家の異常。ある意味で元凶であるブーシュを始末したのがランゴ自身だというのは予想通りでしたが、毒殺という意外な形もあってわかっていても衝撃を受ける絵面だったと思います。「忌々しいイカレ親父」「経営の才能もない」という散々な口ぶりから、ランゴの父への恨みつらみが伝わってきます。(まぁ前者はともかく後者はランゴ視点で本当に才能がなかったのかは怪しいところ)何よりそんなランゴの会社を取り戻そうとする野心を見ていると、彼にとってストマック社取り戻さなければならない居場所だったのが何となく読み取れましたね。

 

 総じてそれぞれの失くしたもの、取り戻せないものが大きく取り上げられた回だったと言えます。白い空間で眠るシータ&グロッタなど、後悔しても最早手遅れだったことを痛感させる演出が非常に多かった印象です。それだけに今回のサブタイにして主題歌の歌詞である「まぶしくて戻らない瞬間」の意味が強く響いてきますね。最も僕個人としては本作最大のテーマはそこではなく、歌詞にも書かれた“あの言葉”だと考えているので、終盤で底をしっかり描いてくれる展開に期待していますが

 

 

  • 異世界の戦いの幕が開く……

 そして今回はもうすぐ公開の夏映画『お菓子の家の侵略者』とのリンクも兼ねた回でした。上述の謎空間に繋がっている異世界として、映画の舞台となる「闇菓子が存在しない世界」が唐突に描かれたので面食らいましたね。予告でわかっていたとはいえ、普段と様子が異なる各キャラにどこか違和感を覚えてしまいます。しかし、だからこそこの違和感から「ここは我々の知るガヴの世界ではなく、別の世界なのだろう」という感覚に繋がっていたのは見事。あの世界での彼らはどんなキャラクターなのか、想像するだけでワクワクが止まりません。

 そして映画限定キャラである「タオリン」と「カリエス」もチラ見せされたのがちょっと嬉しいポイント。それぞれ短い出番ながら、どういう人物なのかがそれとなくわかるので期待感を煽ってくれます。タオリンはいきなりはぴぱれで働いていたのでこれまた唐突感が凄まじい一方、カリエスの大ボス感は中々のモノ。ガヴ本編では珍しい直球の悪役ムーブをかましてくれそう、といった楽しみが出てきました。おかげで公開予定の映画を早く観たい!!と思えましたし、宣伝としては悪くなかったかもしれません。

 

 

 今回は総集編というだけあって戦闘シーンは控えめかと思いきや、ヴァレンVSニエルブの一騎打ちは十分にド派手なモノに仕上がっていました。狭い路地で立ち回る本作特有のアクションシーンであり、ニエルブの意外な実力を感じ取れたのは最高の一言。武器の弓を折られたことで、すかさず双剣として扱う構図に僕の中の男の子心が大いに刺激されましたよえぇ。またもや絆斗がボコボコにされたのは残念なもののガヴ制作陣は困った時はハンティに強敵をぶつけてボコボコにさせればいいと思ってない?、基本はいつものガヴらしいアクションを堪能出来て大満足です。

 

 

 さて次回ははぴぱれにニエルブ襲来。しかしショウマにある取引を持ち掛けるらしく、ショウマは大きな決断を迫られるとのことです。具体的な内容はまだ不明ですが、予告の会話を見る限りショウマをストマック社の代表に仕立て上げる可能性が高そうですね。グラニュート世界での地位を得れば闇菓子なども作らせずに済む可能性がありますし、ショウマにとって有益なものの幸果たちとの別れにも繋がるので難しそうです。

 しかし状況は待ってくれず、リゼルが騒動を起こすわラキアの本来の姿が幸果に知られるわとトラブルが続く模様。最早迷う時間もなさそうで、悲しい別れが待っていることに胸がザワザワしてきます。終盤になってショウマにこんなつらい展開が待っているかと思うと、ワクワクドキドキせずにはいられません

 

 

 ではまた、次の機会に。