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映画 ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード 感想

全人類よ、戦隊になれ。

願いを、想いを、強さも弱さも力に変えて

いざ掴め!ナンバーワーーーーーン!!!!!

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 スーパー戦隊シリーズ50周年記念作品『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』。歴代戦隊の要素を出しつつ指輪争奪戦&ナンバーワンバトルを推し出す、記念作品としてもかなり異色の内容が話題を呼んでいる戦隊です。毎回始まりこそトンチキに見えるものの、最後にはキッチリ締める不思議とまとまった展開の数々に舌を巻いています。個人的には主人公を含めたメインキャラが同盟を結んでいるだけの敵対関係、を気取っているだけでだいぶ仲の良さが強調されているのが好みですね。

 そんなゴジュウジャーの夏映画も『仮面ライダーガヴ』と共に同時上映されましたが、その圧倒的な密度と満足感に衝撃を受けました。予告の時点である程度のカオスと胸熱が押し寄せてくるのは予想していたものの、その威力たるやとんでもなかったです。テレビシリーズ本編におけるゴジュウジャーの特徴を全て詰め込み、上のキャッチコピーに偽りのない内容を見せてくれた本作は戦隊版『仮面ライダージオウ  Over Quartzer』と言っても過言ではありません。今回はそんなゴジュウジャー夏映画の感想を書いていきたいと思います。

 

metared19.hatenablog.com

↑同時上映のガヴの感想は上の記事を参照。

 

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

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  • 見よ!これがゴジュウジャーだ!!

 さてまずは本作のテイストについてですが、概ねはテレビシリーズのゴジュウジャーの延長線上にあるイメージ。謎のナンバーワンバトルから始まりトンチキな絵面で笑わせつつ、中盤からシリアス要素を出しながらもそのエピソードのテーマをハッキリ提示する……2月の放送開始から変わらないゴジュウジャーの味をそのまま楽しむことが出来ました。特に今回はゴジュウジャー5人が揃って協力するシチュエーションが描かれており、その様子にどこかエモいものを覚えた次第です。

 ストーリーの流れひいては決め台詞から決着までも本編とほぼ同じなので似た感覚で鑑賞出来るうえ、それらが映画館の大スクリーンで展開される感動は凄まじかったですね。中でもゴジュウジャーでお馴染み「いざ掴め!ナンバーワーン!!」で始まる応援団のシーンが映画の大音響でより迫力のある仕上がりになっていたのは感動の一言。まさにゴジュウジャーと言えばコレ!というファンのイメージを外すことなく、魅せるべき部分でキチンと魅せる姿勢のおかげで安心感と興奮を同時に味わえました。

 

 さらに「テガソードを救い出す」という展開を軸にしつつ、吠たちの“戦隊観”を描いていったのも大きな特徴。敵が統率された軍隊として個を廃した考えを押し付ける中で、メンバーそれぞれの個性と我の強さを肯定したまま自由に戦う構図にゴジュウジャーの戦隊としてのスタンスを見ました。それを端的に表したのがゴジュウジャーストームでしょう。最初ゴレンジャーストームで珍しくチームワークを発揮したものの通じなかったことで、5人が好き勝手にお見舞いする辺りは実に彼ららしかったですね

 そのバラバラな5人がバラバラのまま力を合わせることを、ポジティブに描き切ったのはかなり好印象です。最終決戦も協力しないと言い張りつつ力を合わせてくるので、吠たちの素直でない点にニヤリときましたね。同じ道を進んでいるから自然と息が合っていく様は、画一化を是とする敵に対して見事に突き刺さるもので視聴者としては感無量。総じて5人それぞれ違う目的・思想を持ちながら共に戦える……ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーとはどういう戦隊なのかを本作は見事にわかりやすく出力してくれたと言えるでしょう。

 

 

  • 願いと共に誰もが戦隊になれる

 本作ももう1つの特徴として、「願い」をテーマにその多様性を認める作風が挙げられます。映画のキャッチコピーである「全人類よ、戦隊になれ。」にもある通り、クライマックスで一般人や敵幹部がまとめてユニバース戦士(歴代戦隊レッド)に変身して戦う光景が広がりました。そんなレッドに変身する人たちと、主人公たち含めたそれぞれの願いに対する好意的な描写はこれまたゴジュウジャーのポジティブな要素になっていましたね。

 前者の願いに関する肯定は、キーパーソンであるテガソードの考えから反映されていました。多種多様な人間の願い全てに貴賤はない受け止め、それを叶えるために戦うことの力強さはこれまた本編の指輪争奪戦を彷彿とさせるものがあります。テガソードがそんな人間たちの醜さや浅ましさまで全てを愛することで、些細な願いであってもその人にとっては何よりも大切なものであるいうことが伝わってきましたね。またバトルロワイヤルでありながら競走感が全くない本編のノリも、こうした願いの純粋さをより強調していたと思います。

 そして一般人までもがまとめてユニバース戦士に変身するシチュエーションですが、これはある意味で願いから延長して「どんな人でも戦隊ヒーローになれる」という前向きなテーマが見えました。原典のレッドとは似ても似つかない人物ばかりが出てきますが、その多様さこそまさしくユニバース戦士の味として魅せていたのが流石の一言。オリジナルみたいでなくても憧れのレッドになれる様子は、まさしくごっこ遊びの究極の形と表現出来るかもしれません。誰もが願いを持っていいし、誰もが戦隊になれることをテガソードの愛と共に描き切った本作には大いに感動を覚えましたよえぇ

 

 

 では以下、各キャラクターについての所感です。

 

 

遠野吠/ゴジュウウルフ

 主人公である「はぐれアルバイター」。例によってバイトのシーンから始まるなど苦労人染みている一方で、テガソード体内で繰り広げられたバトルを思いのほか楽しんでいたのが目に付きました。本編冒頭では自暴自棄な面も見えて不安だった分、人生をエンジョイ出来ているようでどこか保護者のような安心感を覚えます

 そしてテガソードを助ける一連の流れが印象的。かつて自分に「生きろ」と諭してくれた相手を叱咤激励し、彼を救い出す構図には大いに震えました。ゴジュウジャーがノーワン怪人の中にいる人に手を伸ばすシチュエーションを、何度も助けてくれたテガソードにやってくれる点が何とも最高ですね。総じて情緒が幼かった彼の成長を味わえて個人的にも感激ものです

 

 

テガソード

 スーパー戦隊最後のロボにして「伝説の巨神」。本作では初っ端から死亡してゴジュウジャーに助けてもらうという、まさかのヒロイン枠を担っていました。しかし復活してからの人間への愛を叫ぶ瞬間など、善良で健気な神様としての印象を強めてくれていたと感じています。ここまで善神すぎると好感度が爆上がりしますねハイ

 そしてユニバース大戦でも見られた「テガソードオリジン」のお披露目には最高にテンションが上がりました。久々となる劇場版限定ロボポジションにして、本作における重要な形態を出してくる演出を外さず魅せてくるので特撮ファンとしては感無量です。この調子で本編にもいずれオリジンを登場させてほしいですね。

 

 

百夜陸王/ゴジュウレオン

 「元スーパーアイドル」。最近本編でねっとりした恩人に絡まれたりして不安定でしたが、映画ではいつも通りの安定感を見せていた印象です。中でもバレーボールでバラバラに行動していた吠たちを結束させようと、最初に声をかける辺りが陸王らしかったですね。こういったまとめ役としてはやはり彼が適任なのでしょう

 

 

爆神竜儀/ゴジュウティラノ

 「テガソード信奉者」。テガソードが死んだことに卒倒くらいしそうと思っていましたが、思いのほか元気で何より。むしろ願いを口にする場面で「テガソードに踏まれたい!」とか言い出したので若干引いてしまいました。まぁこれくらい前向きにいてくれた方が見ている方も楽しいので、良かったとも言えますが。

 

 

猛原禽次郎/ゴジュウイーグル

 「おじいちゃん高校生」。いつものパリピノリを出しつつ、テガソード内の探索を「胎内めぐり」と例えるセンスはある意味年の功といった感じでしたね。それ以外では目立った活躍はなかったのですが、陸王に続いて協調性はあるキャラクターだったので見ていて安定感のある人物の1人になっていのではないでしょうか

 

 

一河角乃/ゴジュウユニコーン

 「ハイクラス名探偵」。男性陣に負けず劣らずの自己主張をかましつつ、存在感を示し続けた強者。妹の緒乙の件で願いに関しては誰よりも重かったものの、他のメンバーとの優劣を見せなかったのも印象に残りました。そして個人的には大縄跳びで他メンバーよりも若干必死気味に跳んでいたのがここすきポイント。

 

 

熊手真白/ゴジュウポーラー

 「ゴッドネス熊手」。夏映画ではたまに出番が削られがちな追加戦士ですが、その例に漏れず本筋にはあまり絡まなかったのがちょっと残念。その分現実世界で世直し相談をやっていたりと、初期のキャラを思い出させてくれたのは良かったですね。(初登場時と似た雰囲気だったのは撮影時期の影響からでしょうか)それに最後の決戦にもしっかり活躍してくれたので、不遇だとは思いませんでした

 

 

飯島佐織/タイムレッド

飯島碧/ルパンレッド

熱海常夏/ドンモモタロウ

 全人類戦隊その1。テレビシリーズでもサブキャラとして登場している飯島親子と、初期の名キャラクター・熱海常夏の再登場という意外性で攻めてきました。特に常夏は個人的にもお気に入りのキャラなので、再びドンモモタロウに変身してくれたのは嬉しかったですね。(あとしれっと総理に戻っているのも良きかな)

 飯島親子の変身についてはやはり佐織さんのタイムレッドが印象的。演じているのが中越典子さんということもあって、旦那が変身したレッドになったのも納得といったところです。碧くんのルパンレッドは演者の子役の好きなレッド、とかあるかもしれませんね。

 

 

純太/ゴセイレッド

おばあちゃん3人組/ニンジャレッド&ハリケンレッド&アカニンジャー

 全人類戦隊その2。何と言っても純太を演じる本島純政さんの登場には意表を突かれました。『仮面ライダーガッチャード』の主演として後輩の映画に登場するのはわかるとして、ガヴではなくゴジュウジャーに出たというのが面白すぎましたね。さらにベアックマをバッタと見間違えたり、変身時にガッチャと叫んだりするなど小ネタも満載で見ていて飽きなかったです。

 

 

中川翔子/デンジレッド

サンシャイン池崎/ドンモモタロウ

ゴー☆ジャス/ゴーカイレッド

てつや(東海オンエア)/デカレッド

 全人類戦隊その3。本作は例年よりもゲストがやたら多いと思っていましたが、それらが全てこのユニバース戦士のためだとわかった時は膝を打ちました。それぞれ本人の推し戦隊もしくは芸風に合ったレッドが選出されており、理由を知っておくとニヤリと出来ますね。個人的にはゴーカイレッドになって例のネタを出すかと思いきや……のゴー☆ジャスさんがここすきポイント。

 

 

ファイヤキャンドルシンケンレッド

ブーケマジレッド

クオン/リングハンター・ガリュード

Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケーク

テガジューン

 テレビシリーズの敵組織にして全戦隊戦隊その4。ファイヤキャンドルが本編同様シンケンレッドになっただけでなく、ブーケもマジレッドに変身した時は仰天しましたね。前者は暴走ではなく真っ当にカッコよくて燃えましたし、後者はいずれ本編でも関わってきそうなので楽しみになってきました。

 あと余談ですが、出番の少なかったクオンが真っ当にクールなライバルキャラに見えたのがちょっとじわじわきましたね。本編のねっとりとした気持ち悪さは吠に対しての態度だったので、弟がいないとここまで普通にカッコよくなれるのかと感心したり。(そしてゴジュウジャー本編未視聴の方が映画のクオンに惚れる声を見て思わず苦笑いしたのは別の話

 

 

疫病のペスティス

 ペペロンチーノあるいはペスカトーレ本作の敵ボス。長いこと存在が示唆されたまま謎だった“厄災”こと「クラディス」の幹部としてようやく登場を果たしました。個性や欲望を否定し画一化された集団こそを美とする、まさに現代社会における闇を体現したような敵キャラの造形をしていましたね。それでいてバレーボールやクイズにも真剣に取り組むなど、真面目なところには好感が持てます

 そしてペスティス以外にも存在するであろうグラディスの幹部、そして彼の言う「あの方」についても気になるところ。この厄災こそがゴジュウジャーの真の敵であることは序盤から匂わせていたので、その本隊が出てくるのも近いでしょう。ペスティスのモチーフは恐らく「黙示録の四騎士」の1人・青い騎士(ペイルライダー)と思われるので、残りの白・赤・黒の騎士が出てくるかも?と楽しみにしておきます。

 

 

 というわけで映画ゴジュウジャーの感想でした。約30分とは思えないほど濃い内容で、されどこの短い上映時間に詰め込んだからこそここまでの作品になれたと感じられる出来でしたね。ゴジュウジャーとはどのような戦隊なのか?を端的にまとめており、知らなくても楽しめるであろう塩梅に仕上がっていたのも見事。歴代戦隊の小ネタ(カシオペアとかカシワモチとか)などにも笑いつつ、子どもたちの楽しむ声も相まって実に面白かったです。その次に流れたガヴの重さにやられたものの、ゴジュウジャーの明るく前向きなところに大いに救われた次第です。

(あと私事ですが、鑑賞中近くの席の子が「あの敵(アノーニ)ドンブラザーズに出ていたよ」とヒソヒソ声でお父さんに話しかけていたのは良い思い出です)

 

 

 ではまた、次の機会に。