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ウルトラマンオメガ 第8話「霧降山の伝説」感想

ソコに足を踏み入れることなかれ

夢とロマンを求めてさぁ君も\ユピアイエー!!/\ユピアイオー!!/

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  • 不気味な次元と残された謎

 どこか不思議な隠れ里に迷い込み、恐ろしい目に遭った男女2人組。今回のオメガはそんなホラーな導入から始まりましたが、予想よりもコミカルな回となっていました。というのも怪奇現象が発生した「霧降山(きりふりやま)」を調査しに来た謎のオカルト集団によって、だいぶ愉快な絵面が展開されたからですね。そちらに関しては後述で触れるとして、異次元にいたモンスアーガーを次元の穴から出さないように止めるバトルなどドタバタ劇が繰り広げられていて非常におかしかったです

 それ故大筋としてはギャグ回なのですが、霧降山にて確認された謎の異次元については最後まで不気味だったのが注目ポイント。異次元には数々の廃屋や車に船といったものの残骸、果ては古びた観覧車など異質な光景が広がっていました。それがいったい何だったのか?そこに現れた謎の少年は何者なのか?それらが一切判明しないまま話の幕が閉じてしまったのでモヤモヤとした恐怖が残ります。個人的には「再開発大反対!」という立て看板から、ここが元々どんな場所だったのか何となく想像出来るだけにゾッとさせられるものがありました。

 何よりソラトたちの帰り際、少年がオメガの名前を口にしたシーンが見逃せません。少年はオメガを知っているかもしれない事実に加え、太平風土記に記録されている「赤いダイダラボッチ」の伝説からしてオメガは1000年前にここに来ていた可能性が浮上してきた時は内心飛び上がりました。果たしてこの謎はいつか解けるのか。ホラー回として最後まで明かされないままでも納得がいきますが、少年の正体含めて知りたいとは思いますね

 

 

  • “大好き”に一直線な人たち

 さて今回のコミカル要素を一身に背負っていたのが超常現象現象研究サークル「ゴーストライダーズ」。世の中の摩訶不思議な現象を調べようとするオカルト学生集団なのですが、とにかく強引ではた迷惑だったのが印象に残りました。やることなすこと心もとないのに、割と人任せな部分もあるので余計にメンドクサイ!という感情が湧いてきますね。ただ監視しに来たアユム相手に張り切ったり、彼女が行方不明になった時は救出しようとするなど悪い人たちではないのも読み取れましたが

 何より純粋に謎とロマンを追い求めている姿勢には劇中のコウセイ同様、好感が持てました。前回のオオカミくんと比べても、目立ちたいからではなくオカルトが好きなのが伝わってくるので不快感もそこまでではなかったです。(またやりたいことを探しているコウセイにとって、1つのことに熱中している人物が輝いて見えるという話も納得がいきます)アユムには呆れられ注意を受けながらも、負けじと自分たちの信じる道を突き進むゴーストライダーズを何だかんだ好きになってきた次第です。「ユピアイエー!」「ユピアイオー!」という掛け声がソラトにハマるくだりといい、憎めないゲストキャラとして悪くなかったと思います。余談ですがメイン登場人物で意見が異なる様子をしっかり描いてくれる作風も個人的にはかなり好みです。

 あと大学のいちサークルのはずなのにとんでもない技術力を誇っていたのも面白かったですね。「ジェニファー」という会話が可能なサポートAIを持っているだけでも驚きなのに、人工的にブリガドーン現象(時空に穴を開ける現象)を再現する空中波動固定装置なるものまで用意するシーンは衝撃的。システム不備なども多かったのですが、そこはアマチュア故の整備の甘さ・予算の少なさが原因でしょう。その技術でいつの日か大きなことを成し遂げてもおかしくない、ウルトラマン世界特有の特異な連中として記憶していきたいところです。

 

 

  • 濃霧に囚われし赤き天魔の悲哀

  霧降山に存在する異次元に潜んでいた巨大な影の正体「破壊獣 モンスーアーガー」。元は『ウルトラマンダイナ』で、メラニー遊星にて製造された生物兵器として登場した怪獣です。赤い体表に細くも刺々しいボディとスタイリッシュなビジュアルをしているほか、怪力を駆使したパワープレイで相手を圧倒する姿からダイナ怪獣の中でも人気はかなりのもの。『ウルトラマンデッカー』以来の復活ですが、その雄々しさは以前健在といったところでしょう

 上述の怪力は本作でも遺憾なく発揮されており、オメガを手こずらせ光線を跳ね返す力強さを見せていました。力押しのほか口から火炎放射を吐くなど攻撃的な戦闘スタイルを披露しています。さらに弱点である頭部の皿は攻撃が入る瞬間バリアが展開され、弾き返すモンスアーガーⅡ同様の機能が存在。全身の硬さも相まって、攻防隙が無い強豪と化していました。(ただ悲しいかな、厳重に守っているからこそ頭部が弱点だと即座に見抜かれてしまったのですが

 興味深いのはこのモンスアーガーがダイダラボッチに封印されたとされる魔獣「悪牙(あが)」として伝承に残っている点。何かしらの理由で地球に漂着し、霧降山の異次元に囚われてしまったと見るべきでしょう。本来宇宙怪獣であるものの、古来から存在することで伝説の怪獣として扱われているのは中々に面白い話です。(頭部の皿もあって妖怪の「河童」を意識しているとも取れますね)一方で訳も分からないままこの空間に閉じ込められただけだったと考えると、少々可哀想にも見えてきますね

 

 

  • 唸れ!疾風纏いし虎の鋼爪

 トライガロンがレキネス同様、変形・分裂してオメガの力になった姿「トライガロンアーマー」。オメガ2つ目の強化形態であり、頭部のオメガスラッガーが黄色いツノに変化しています。また装甲は右手首から右胸、左足首に装着されており、さながらタスキのように斜めに広がっているのが特徴的。レキネスアーマー以上に左右非対称なため、より変則的なビジュアルに変化しているように見受けられました。そしてトライガロンの特性を引き継いだ機動力を手に入れており、戦闘ではそのスピードでモンスアーガーを翻弄していたのが印象に残ります。

 武器はトライガロンのツメを模した「トライガロンクロー」。巨大な鉤ヅメが3つ付いており、それをグローブのように手にはめて使用するようです。(なお劇中を見る限り着脱は容易な模様)接近して斬りつけるのはもちろんのこと、何と斬撃をエネルギー波が如く飛ばして攻撃する技も披露していました。オメガスラッガーと同じようにブーメランとして操作することも可能なようで、純粋に飛び道具として強力と言えます。持ち前の敏捷性と合わせて、攻めに特化したアーマーとして鮮烈なデビューを飾りました。

 

 

 余談ですが、今回のオメガで久々に「太平風土記(たいへいふどき)」が出てきたことにも触れておきたいところ。『ウルトラマンX』以降ニュージェネウルトラマンの怪獣にまつわる伝承が大体載っている書物なのですが、本作の世界でも存在しているのは何とも興味をそそられる話です。怪獣が現代では未確認なだけで存在しているらしい地球において、太平風土記はどのような扱いを受けているのか。それも知りたくなってきたので今後も扱ってほしいですね。

 

 

 そして次回は特別総集編。近年のウルトラマンでは最早定番となっていますが、今回は8話からと非常に遅めのタイミングで入る模様です。例年では4話~6話くらいで総集編が入るだけに、なるべく話の流れを途切れさせずここまで本編を流した点に制作陣の努力が垣間見えますね。

 そんな総集編ではコウセイたちが働いているビルの上階にある「とある会社」の社長がメインに描かれるというのが気になります。昨年の中村さんのように、愉快な人物が盛り上げてくれそうで結構楽しみですね。一般人視点でオメガはどのように映っているのかも含めて、特別総集編も堪能する所存です。(感想の方は個別感想をお休みして、簡易感想の方にまとめる予定です。ご了承ください

 

 

 ではまた、次の機会に。