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仮面ライダーゼッツ 第2話「爆ぜる」感想

ソレは悪夢か、望みか

司令官ゼロ、あなたの説明すごくわかりやすくて助かります

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  • 明かされるミッション、愉快な司令官

 夢だけど夢じゃなかった!とも言うべき前回ラスト、そこから再び夢の場面で仕切り直しとなったゼッツ2話。クローゼットの中から入れる「ゼッツルーム」が登場するなど、一気に世界観が判明していく内容が繰り広げられました。ここは何といっても普通の部屋の意外な場所から通じる秘密基地という、子ども心をくすぐってくる絵面がたまりませんね。そのうえこの部屋は夢だけでなく現実世界にも繋がっているのですが、夢の世界と同じような非現実感があるおかげで不思議な雰囲気が味わえたと言えます。

 それはともかく、莫を呼び出した司令官ゼロもとい「コードナンバー:ゼロ」によって、本作の基本的な設定がいくつか明かされたのが大きな見どころ。人の夢に救う怪物「ナイトメア」の存在はもちろんのこと、「夢主(ゆめぬし)」と呼ばれる夢を見ている人物の存在も興味深かったです。何よりナイトメアに侵食されていくと、悪夢が現実になってしまうという事実。ナイトメアは恐らく現実世界での顕現を狙っているのだろうといった目的も読み取れますし、それを止めなければならない莫の使命も大いに理解出来ました。(極秘機関「CODE」が本当に存在しているっぽいのも面白いところ)

 これらを劇中の莫及び視聴者にわかりやすく説明してくれた、司令官ゼロの存在もありがたかったですね。短い内容で端的に伝えてくれるので、本作の方向性などを改めて掴む際に役に立ちました。さらに現実の莫に合わせて日本語で話してくれたり、カプセムの入手方法・能力を見る手段なども丁寧にティーチングしてくれる姿がやたら印象に残ります*1さらにバイクに変形したジェスチャーをかます、ちょっとお茶目なところにもクスっとさせられます。ロボを遠隔操作しているため本体は姿を見せていないものの、割と親しみやすい人物としてすぐにゼロへの好感を抱けました

 

 

  • 繋がる夢は誰のモノ?

 上述の説明もあって夢主についてなど色々知ることが出来ましたが、その過程で怪事課の富士見鉄也警部補について色々と仄めかされていたのが注目ポイント。爆弾魔の悪夢の夢主であると判明するまでのやり取りはコミカルに描かれていたものの、同じ夢を見ているという奇妙な話に違和感を持たせてくる流れが上手かったですね。莫が他人の夢の中に潜入出来ることが判明すると同時に、あの夢が富士見さんの夢であると直感で理解出来る展開にも膝を打ちました。

 そしてただの悪夢だと思っていた爆弾魔の夢が、ラストに夢主の望みへとひっくり返った点にも唸らされました。「夢は深層心理の表れであり、夢主の望みからきている」というノクスの囁きから、富士見さんがこの悪夢を望んでいる可能性が出てきた時の衝撃は中々のモノです。振り返ってみるとトラックの中が仕事場という怪事課の現状、明らかに鼻つまみ者にされている富士見さんのポジションも、そうした彼の心情に繋がる布石だったのかもしれません。

 なすかにまともに相手にされず、莫と意気投合する辺りからしても、富士見さんがブラックケースの捜査を理解してもらえないことに不満を覚えているのは明白。それ故に自分を認めない警察に仄暗い怒りを抱き、警察署を爆破させる夢を見るようになった……といった感じに、彼の考えも何となく読めてきました。悪夢を解消するためには夢主の心の問題にも向き合う必要があるようですし、上述の設定開示と同様に物語の方向性を感じ取った次第です。

 あと夢に関してはねむちゃんがかなり怪しく見えましたね。冒頭の莫が追われる夢に現れた際、前回助けてもらったことを言及していた時は思わず耳を疑いました。しかもその夢が富士見さんのものだと明かされた今、夢を共有しているねむの存在は異質としか言えません。(「ねむは人気だからこそ誰の夢の中にも出てくるだろう」といったくだりをやったからこそ奇妙さが際立ちますね)恐らくはねむもまた莫と同じように、他人の夢に入り込める人物ということなのでしょうか。序盤からキーパーソンであることが仄めかされている、人気アイドルの彼女についても目が離せません。

 

 

 そして今回のアクションシーンですが、やはり夢の世界でのバイクアクションは最大の見せ場となっていたと感じています。爆弾付きトラックを乗り回す「ボムナイトメア」を、ゼッツが専用バイク「コードゼロイダー」で追いかけるカーチェイスは多くのアングルから繰り出される映像からして迫力満点でした。様々なモノにぶつかりボロボロになっていくトラック、それを華麗に追いかけるゼッツの絵面に思わず感動させられます。やっぱり仮面“ライダー”なんだから1話くらいはガッツリバイク乗らないとね!といった思いを抱きながら、今回も大いに楽しませてもらいましたね。(撮影した上堀内監督も終始ウッキウキだったようで、その話を聞いたこちらの顔も思わず綻んでしまいます)

 

 

 次回は悪夢を止めるため、富士見さんの深層心理を探っていく模様。彼が本当に爆破を望んでいるのか、その心の内に秘められた答えは何か……人々の夢を守るために戦うエージェントとして、富士見さんに寄りそえるかがカギになりそうです

 そして悪夢が侵食されていき、ついにナイトメアが現実世界に出現する事態に。そこで現実でも変身して戦うのでしょうが、夢でなければ冴えない莫にそれを果たせるのか少々不安ではありますね。それだけに万津莫という青年、さらには本作のテイスト、それらを合わせて次回が本当の正念場になりそうな予感がします。個人的にも盛り上がりそうで結構楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:余談だがカプセムが手に入るガチャガチャのような筐体の名前は「カプセムドロッパー」とのこと。詳しくは仮面ライダーWEB(https://www.kamen-rider-official.com/zeztz/case3/)を参照。