現在カドコミにて連載中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女 青春フロンティア』。2022~2023年に話題を呼んだ『水星の魔女』の公式学パロ漫画であり、本編では悲惨な目に遭ったスレッタやミオリネたちが平和な学園生活を送っていく様子に早くも人気を獲得しています。バーベキューの主役なのに率先して肉焼く係をやるグエルや、イメージ通りのチュチュパイセンなど本編を見ている人ほどクスッときながら納得のいく描写にも唸らされますね。
↑第1話時点での感想は上の記事を参照。
そして先日配信された最新話(最上部のリンク先で読めます)にて、ついに本作のエアリアルが登場。1話ラストで姉・エリクトがスレッタのためにアラスカから送ってきたことが示唆されていましたが、長いこと出てこずじまいだったので非常に気になっていました。連載が始まってから気になっていたこの世界におけるエアリアル、その正体とは……
◆◆#青春フロンティア◆◆
— 機動戦士ガンダム 水星の魔女 (@G_Witch_M) 2025年9月28日
《エアリアル》の設定を初解禁!
第1話から最新第4-1話まで、現在カドコミにて無料公開中です!#水星の魔女 #G_Witch https://t.co/M3qIbFZEiB pic.twitter.com/Pjl2pAEKec
まさかのバイク。乗り物であることは示唆されていたので薄々考えてはいましたが、思っていた以上に直球のオートバイクが出てきました。それでいてパーネットらしきモールドがあったりと、知る人が見ればエアリアルの要素を持っていることがしっかりとわかる塩梅となっています。*1そして昔からエリクトが使っているバイクでスレッタにとっては家族のような存在、という役割をMS(モビルスーツ)ではないバイクが担っているのが何とも面白いところ。このバイクが果たしてただのバイクなのか、それともまだ何か秘密があるのかにも注目していきたいと思います。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
※今週の『ポケットモンスター エピソードメガシンカ』はお休みのため感想はありません。
Dr.STONE(4期)
第24話「WHOLE NEW WORLD」
スイカの頑張りによって千空が復活したということで、他の仲間たちの復活もトントン拍子で進むことに。コハクが成長したスイカを抱きしめるところで胸が熱くなったり、氷月のどこか間の抜けた態度にクスっときたり、彼らの元気な姿に思わず情緒がかき乱されました。アニメで見ると2、3週ぶりの登場でしかないものの、多くが一度死亡しただけに生きている事実が何とも喜ばしく感じます。
その一方で石化装置の最大の特徴である「死の否定」が決定的になったのが最大の注目ポイント。司の確認もあって、完全に絶命した後でも石化すれば生き返る事実は衝撃的と言えるでしょう。仲間の復活は嬉しい反面、この力は人間には過ぎたものであることがわかりやすく説明されているのもグッド。(氷月が生きて復活した光景に、司が複雑そうな表情を浮かべていたのがここすきポイント)カセキが生きられると喜んでいるクロムとの温度差もあって、石化の力は何かしら封印などの対処が必要であると印象付けられました。
そしてホワイマンのいる月に向かうため、ゼノと本当の意味で協力関係を結ぶくだりも見逃せません。スタンリーの情状酌量を交渉材料として提示し、その条件をゼノが呑むまでの流れは実にスマートでした。スタンリーとの友情はもちろんのこと、千空と共に科学を嗜み月の元凶を討てることに興奮しているのが目に見えて伝わってきましたね。独裁の考えは捨ててはいなさそうですが、科学においては間違いなく信頼出来るので心強い限り。ここから最終決戦までの流れが非常に楽しみです。
(3クール目は「2026年放送」と告知されていましたが、クオリティ保持のために半年以上はかかるかもしれませんね)
ブスに花束を。
第13話(最終話)「どこにでもある恋の話」
自分たちの恋心を自覚し始めてきた2人を描いた最終回。陽介と花、それぞれの意識がドンドン相手の方に向かっていき、やがて結ばれる流れはわかりきっていたものの興奮しましたね。相変わらず双方の自己評価が低いせいですれ違いが起こる展開にはヤキモキしましたが、最後の最後にお互いの気持ちを伝えられてホッとしました。好意を伝え合う瞬間こそアッサリ気味だったものの、ここまでの過程からのゴールインは達成感が半端なかったです。
そんな主役2人を支えてくれた影の立役者たちの活躍も見どころ多め。吹っ切れてからのすみれは陽介にキチンと女子の気持ちをレクチャーしたり、花の自虐しがちなところを心配したりと視聴者が思っていたことを全部ツッコんでくれて非常に気持ちが良かったです。また新橋と彩華の描写はかなり意外でしたね。お互いにフラットな態度を取っているので想像もつかなかったのですが、だからこその気兼ねなさが何とも興味深いところ。ここにきてこんな恋愛フラグを見られるとは思ってもみなかったのでちょっとグッときました。
そしてずっと気になっていた赤羽ですが、案の定花に「ブス」というトラウマを植え付けてしまった張本人だと判明。しかしその発言に悪意はなく、むしろ彼女を庇おうとしていた事実も明かされたのでちょっとホッとしました。キチンと花に謝罪したい気持ちも抱えているので、こちらはこちらで素直に応援したくなってきます。結局謝れずじまいでしたが、好感が持てるキャラクターでもあるので赤羽には報われてほしいですね。
総評
ヤングエースで連載していた恋愛漫画のアニメ化ですが、予想以上にほっこりさせられる内容が刺さりました。ルックスが特別良いわけではない女子が、憧れの男子と距離を縮めていく内容に何とも共感を覚えましたね。2人が互いに惹かれる経緯も自然に描かれており、結ばれるまでの流れが結構納得のいくものに仕上がっていたと思います。さしずめ恋は必ずしも見た目で決まるものではない、好きという気持ちの複雑さと単純さが入り混じったような作品だと言えるでしょう。
コミカルなシーンも多く、勘違いが勘違いを呼ぶアンジャッシュ系コントの連続は見ていて非常におかしかったです。基本的に花をはじめとして自分を卑下しがちなのですが、そこから「自分がこんなに好かれるはずがない!」と考え始める卑屈さが何とも言えないシュールさを生み出していました。何度もやれると辟易としそうなものの、報われる場面もあるので何だかんだ最後まで見れましたね。
同時に登場人物がそれぞれ問題を抱えながらも、同時に思いやりや葛藤と共に生きているのでメインキャラみんなに好感が持てました。お気に入りのキャラはやはり鶯谷すみれ。非の打ち所のない美女に見せかけたハラグロ女子、しかし自分の恋に関しては上手くいかないところが見ていて非常に楽しかったです。悪役になりそうでそうでもない、絶妙なバランスで描かれていたので序盤から一気に惹かれました。個人的にはすみれも影の主役として推していきたいと思っています。
ちなみに上の青春フロンティアですが、最新話では届いたエアリアルに乗ってスレッタとミオリネのツーリングが見られるのが最大の注目ポイントとなっています。片や姉の後ろを追いかけ、片や父親の威光に悩む。そんな2人が自分の「やりたいこと」にまず手を付けてみて、一歩を踏み出す光景にどこかほっこりさせられます。
またバイクでツーリングということで『ガンダムSEED FREEDOM』を思い出しました。映画前半の短い場面ですが、キラとラクスがバイクでピクニックに向かうシーンが挿入されており、殺伐とした戦いとは無縁の穏やかさから記憶に残っています。その近しい描写の繋がり故近年のガンダム作品ではバイクに乗ってデートする……なんていうのが今後流行るかもしれない?ともつい妄想してしまいますね。
マチュ「シュウジとバイクデートしたいから免許取ってくる!」
ニャアン「私たちお尋ね者だけど取れるのかな……?」
ではまた、次の機会に。
*1:余談だがこのバイクのエアリアルをデザインしたのは、本編のガンダム・エアリアルをはじめとしたメカデザインを担当したJNTHED氏である。
