ノーベル賞で『はたらく細胞』再注目 制御性T細胞が登場で高い認知度!アニメでは声を早見沙織が担当(写真 全2枚)https://t.co/GCiY33285q
— オリコンニュース【アニメ】 (@oricon_anime_) 2025年10月7日
#はたらく細胞 #ノーベル賞
各分野において人類に多大な貢献をした人々に贈られるノーベル賞。先日今年の受賞者が発表され、その中に日本人の坂口志文氏がノーベル生理学・医学賞を受賞したことが話題となりました。大阪大所属の坂口氏が評価された業績は「免疫が制御される仕組みの発見」で、免疫反応の暴走を止める「制御性T細胞」を発見したとのことです。
この制御性T細胞は免疫細胞の正常な働きを守るブレーキ役を務めるほか、がん細胞を攻撃する免疫細胞にもブレーキをかけてしまう危険性も孕んでいる存在。それ故がん治療の際は制御性T細胞を一時的に弱めるといった治療法も進んでいるとのことです。そんな重要な細胞を1980年代にマウス実験で発見し、95年に論文を発表した坂口氏の功績は非常に大きいことが伝わってきます。
さてここからが本題。これらの話は一見すると専門知識故に一般人にはあまりなじみがない話題になるはずが、かの『はたらく細胞』のおかげで制御性T細胞についてピンときた人が多く出てきました。漫画やアニメで他のT細胞を宥めたり、時には暴力で締め上げるパワフルな女性として擬人化された制御性T細胞。がん細胞を守ってしまう行動に出るエピソードもあるので、これらの話を即座に理解出来る声があるのも納得と言えるでしょう。そして坂口氏の研究がどれだけ重要なのかを、細胞の働きと共に学ぶ入り口となったはたらく細胞には改めて舌を巻くばかりです。(下に続く)
というわけで以下、今週の簡易感想です。
3年Z組銀八先生
第1話「100点とらなくていい70点でいいって塾の先生言うよね」
かの大江戸人情ギャグ漫画『銀魂』のスピンオフ作品がまさかのアニメ化。いわゆる学パロ作品であり、銀魂のキャラクターが先生または学生として過ごしている様子は懐かしさと新鮮さが同時に襲い掛かってきます。何より原作漫画やアニメでちょこっとだけ描かれていたおまけ要素が、こうして1本の作品として成立しているのもどこか不思議な感覚を覚えますね。
1話のストーリーに関しては、ハタ校長の出されたテストの条件をクリアするためクラス一丸になって四苦八苦するという実に学園モノらしいテイスト。そのくせ先生主導でカンニングを画策するなど、およそ真面目な連中ではないことがハッキリ描かれていて腹筋を破壊してきましたね。ワードセンスなど原作・空知英秋氏のものとは異なるため違和感を覚える要素もありましたが、これはこれで独自のギャグ作品として楽しめるだろうと感じています。
それはそれとして、冒頭で繰り広げられた「主人公交代の儀」なるものが個人的にも最も面白かったです。プロデューサーの迂闊な発言によって始まったアニメ化の経緯を筆頭に、赤裸々な事情を暴露しつつ某鳥山先生までおちょくり始めたので笑いが止まらなかったです。こういった大人の事情をネタするギャグまでぶち込む要素含めて、アニメ銀魂が帰ってきたという実感を得られましたね。
忍者と極道
第1話「忍者(しのは)と極道(きわみ)」
裏社会の悪を処刑する忍者と、忍者打倒を目指す極道。2つの勢力の死闘を描いた本作のアニメもついにスタート。初っ端から忍者とは思えない服装の忍者が極道の生首を飛ばすわ、生首がそのまま喋るわグロテスクながらシュールな光景を映像で打ち出してきました。劇中キャラの独特な言い回しといい、本作のノリというものを早くも視聴者に叩きつけてきた感覚です。
ストーリーに関しても忍者側の「多仲忍者(たなか・しのは)」と極道側の「輝村極道(きむら・きわみ)」が、互いの正体を隠したまま親睦を深めていく導入をしっかり描いてみせたのが特徴的。笑えない忍者と感情を理解出来ない極道、それぞれの人となりをしっかり魅せてきたのも好印象です。作画の動きこそそこまででもないのですが、会話のテンポ感の調整やノリの再現など作品の世界観を工夫と情熱でカバーしているアニメ化として早くも好感を持てましたね。
ちなみにAmazonPrimeVideoでの独占配信なのですが、アマプラだと原作のルビを字幕で完全再現しているのが注目ポイントとなっています。個人的にもこれがあってこその忍極だと考えているので、配信版だけでもこうした原作再現には心が躍りますね。もしかしてこの字幕に付き合ってくれたのがアマプラだけだったのでは?などと邪推しつつ、実質完全版な配信を中心に見ていきたいと思います。
ワンダンス
第1話「湾田さんのダンス」
ダンスを扱った作品(といってもモダンダンスとかではなくストリートダンスですが)として密かに楽しみにしていた作品。吃音症で自分の意志を表現するのが苦手な少年が、ダンスという手段で自己表現に挑む過程が描かれていました。刺激のない日々を送る主人公に、ダンスを嗜む同級生の存在が大きな変革を与えていく様子に早速惹かれましたね。
何と言っても主人公のカボこと「小谷花木(こたに・かぼく)」周りの描写が絶妙でした。吃って上手く話せないこと以上に、周囲の空気に合わせて自分の意志を隠す姿が視聴中ずっと突き刺さってきます。そのうえぎこちないダンスをしてしまったことで、他者の視線が苦痛になってしまった過去にも共感を覚えますね。(また周囲が悪辣すぎず、良くも悪くも普通の子どもばかりというのが、かえってカボの居心地の悪さを助長しているように感じました)それだけに「湾田光莉(わんだ・ひかり)」との交流と彼女のダンスを目の当たりにして、心を伝える覚悟を決める瞬間が鮮烈に見えたと言えます。
そして肝心のダンスシーンですが、CGを上手いこと使って滑らかな動きを生み出していたのが印象的。モーションキャプチャーとVFXの組み合わせで、ストリートの表現力を出し切っていたと言えるでしょう。まだまだ違和感がありますが、ダンスの上手い下手がわからない視聴者にも「湾田さんの心が伝わってくる」という感覚を与えることに注力していた点を大いに評価したいです。(あと余談ですが、吃音の歌手としてスキャットマン・ジョンを実写MV付きで紹介していたのがここすきポイント)
ちびゴジラの逆襲
第80話「ちび JJ の取り調べ」
自称・正義の警察官のちびJJによる取り調べごっこに巻き込まれたちびラドン。ちびJJのことだから大した理由はないとタカをくくっていた通り、ほぼほぼ言いがかりな罪状ばかりで苦笑いせずにはいられなかったです。中でも「カッコよくないのにカッコつけてるから偽証罪!」とか無理やりすぎて、ちびJJのとりあえず警察らしいことしたい欲望が先行しているのがわかりやすく伝わってきましたね。
そんなちびJJですが、料理家事が得意という意外な特徴を披露してきたのが見逃せないポイント。恐らく取り調べあるあるのカツ丼の差し入れを再現したいがために習得したのでしょうが、妙なところでキッチリしている点にどこかギャップ萌えを覚えます。そしてちびJJの料理を食べたいがために、敢えて取り調べを受けるちびゴジラのいじらしさがやたら印象に残りました。(最近ツッコミ役が多かったので、これくらい意地汚いちびゴジラに安心感を覚えたり)
さてノーベル賞のニュースでオタクの間で一躍時の人(?)となった制御性T細胞ですが、ここではたらく細胞の作者・清水茜氏が坂口志文氏へのお祝いイラストを描き下ろした話にも触れておきたいところ。そのイラストがこちら。
『#はたらく細胞』原作・清水茜(@yellow_flame_)先生より、坂口志文先生のノーベル生理学・医学賞受賞のお祝いイラストをいただきました。坂口先生、本当におめでとうございます! pic.twitter.com/jkdwdOadbO
— 『はたらく細胞』公式 (@hataraku_saibou) 2025年10月7日
見事なアームロックだ……!とイラストを見た時に思わず内心で声を漏らしてしまいました。キラーT細胞のやりすぎを抑制している絵面なのですが、涼しい顔でエグイ技を繰り出している制御性T細胞にじわじわきます。(後ろのボロボロな一般細胞からしてキラーTが敵と勘違いして彼を攻撃したことを咎めているのでしょうかね)
しかし彼女は原作でもこれくらいするキャラクターですし、細胞の働きをわかりやすく視覚化している点ではこの上なく的確なイラストと言えるでしょう。すかさずネタに反応する清水氏の行動力にも驚きつつ、このイラストに感心した次第です。
ではまた、次の機会に。
