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2025年秋アニメ&特撮簡易感想 その13

 

 

 

 現在放送中の『ウルトラマンオメガ』が後半戦に突入してからしばらく経ちました。物語の核心に迫る敵キャラが登場し、ソラトたちも怪特隊メンバーとしてより積極的に活動出来るようになるなど、先月は大きな変化に期待が高鳴るストーリーとなりましたね。そして11月に入ってからの放送エピソードの詳細についても公開され、バロッサ星人が『ウルトラマントリガー』以来の登場を果たすなど気になるポイントも非常に多くなっています。(他にも上のポストにあるように、今年10周年となる『ウルトラマンX』で活躍していた百川晴香さんの出演も見逃せません)

 しかし個人的に最も注目しているのは各話を担当する監督陣。上述の18話と19話を『ウルトラマンブレーザー』の田口清隆氏が、その後の20話を『ウルトラマンアーク』の辻本貴則氏が手掛けるとのことです。直近のウルトラマンのメイン監督をそれぞれ務めていた両氏によって、オメガが普段と異なるテイストになることは間違いないでしょう。せっかくなので田口監督と辻本監督には、自分たちの特色を出し切ってほしいと思いますね。監督によって独自の味を出していくのもウルトラマンの魅力だと考える身としては、これら後半のエピソードを早く見たいものです

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター ライジングアゲイン

第115話「テラ☆キラ!ブルーベリー学園」

 ロイとウルトの過去編も描かれ、物語が本格的に再開。次なる新章は海上のブルーベリー学園が舞台となり、「テラスタルデビュー」の時のように学園での活動で腕を磨いていくストーリーが展開されるようです。とはいえ授業というよりも、バトルメインの修行をガッツリやっていくらしいなのでまた違った印象を受けました。(そもそもブライア先生との情報交換が主な目的ですし)

 ブルーベリー学園の責任者である「シアノ」校長や四天王の「タロ」に「カキツバタ」と、原作ゲームでも登場しているキャラも登場しニヤリとくるポイントも多め。特にタロは序盤から出ずっぱりで、冒頭のプラスルマイナンによるバトルや丁寧なキャラクターに癒された次第です。他にもネモやボタンもメインになるようですが、個人的にはやはりアンの再登場が何よりも嬉しいですね

 そして今回のバトルはロイVSネモの久々のダブルバトルがメインに。以前のバトルとは打って変わって、ネモがコンビネーションで圧倒している姿が印象に残りました。全体的にジュナイパーの搦め手により、終始ロイを翻弄していた辺りはネモの進歩が感じ取れます。101話のリベンジを果たしたという意味でも強烈でしたし、ロイにとっては敗北したものの向上心を刺激する良いバトルだったことでしょう

 

 

私を喰べたい、ひとでなし

第5話「親愛の獣」

 頑張れ美胡ちゃん、お前がナンバーワンだ……!!

 といった感じに健気な美胡を応援したくなった今回。比名子のことを大切に想っている節は前回の時点で感じ取っていましたが、まさか彼女どころかこの土地そのものを守る土地神だった事実に驚きました。比名子の家族を守れなかったことを悔やみ、彼女だけでもと側に居続けたことに感動せずにはいられません。妖怪としての捕食本能から必死に抗っている様子もまた、美胡に対する好感度が上がる要因となっていましたね

 そして比名子がこれほどまでに尽くしていた美胡を、忘れかけていた“未練”であると思い出すラストに胸打たれました。ずっと死にたがっていた比名子ですが、そんな彼女にも太陽と呼べる存在がいたことをしっかり気付く過程が非常に美しかったです。自分はどん底にいると思っていた主人公を、その暗闇から抜け出させようとした親友との友情がこれほどまでに暖かくなるとは侮れないと感じた次第です。それだけにいちいち遮って喋る汐莉に対してはすいません今大事な話してるんで黙ってくれませんか!?とイラついてしまったり……

(そして前回同様おまけパートがありましたが、汐莉の見た目の変化よりも映されなかった変形シーンが気になって仕方なかったです。あとこの人魚言動と思考が全く同じな辺り本当にヤバい人外だなぁって……

 

 

SANDA(サンダ)

第5話「スノードームの中の台風」

 (エッチな意味で)ヤベーぞこの回!!となった件。前半後半それぞれエロティックな描写が挟まりお茶の間で見られない話が展開され、中でも小野の予想の斜め上を行く再登場&失踪の理由に度肝を抜かれることとなりました。前回から冬村に対する並々ならぬ感情があることを仄めかしていましたが、彼女との情事を夢見るほどに惹かれていたのは想像以上でしたね。夢の内容にいたたまれなくなった一方で、子どもの抑圧された感情が見え隠れしていたように感じます。上の美胡ちゃんといい妙に重い百合が多いな今季……

 さらに一晩で急成長してしまった事実は、この国の子どもの第二次成長期が抑えられていた情報を加味すると結構納得がいきますね。大人に対する憧れを抱いていたものの、処罰されることを恐れて逃げ出した小野の心情も理解出来ます。性への目覚めや想い人への鬱屈した感情を爆発させた結果、大人に近づいた自分への危機感や嫌悪感が襲い掛かってきたということでしょう。元々不安定である思春期が、本作の異常な環境でより脆くも崩れやすくなってしまったのが小野失踪の真相であることが読み取れました。

 思春期の描写に関しては三田が婚約者の「風尾二胡(かざお・にこ)」との危ない青春を繰り広げていたのも見逃せません。台風が吹き荒れる外で抱きしめ合うシチュエーションは、三田の中の女子への恋慕が湧いてくるのも当然と言えます。二胡の基本下品だけど積極的に近づいてくるムーブがこれまた絶妙で、なるほどドギマギするのも仕方ないですね。三田がサンタクロースに変身出来なくなったのも、そうしたヤングアダルトな少年の比率が高くなってきている影響であることも間接的に伝わってくる一幕でした。

 

 

華衛士(センティカ)F8ABA6ジサリス 2

第9話「ただよう命」

 うわぁぁぁぁぁぁぁラドキーパーがぁぁぁぁぁぁ!!!

 順調だったVSヴァニタスが横やりによって台無しになってしまっただけもショッキングですが、ラドキーパーの死という展開まで待っていたのは流石に予想外でした。今回もジサリスを的確にサポートしてくれて頼もしく、ヴァニタスの娘を守るために散ったので余計に絶句してしまいます。ジサリスとのコンビも何だかんだで気に入っていたので、彼の腕に抱かれながら「俺はお前のラドキーパーでよかった」というセリフが胸に沁みましたね。(余談ですがラドキーパーの最期が『仮面ライダー龍騎』のオマージュっぽい点がまた切ない……)

 ヴァニタスとの決着に関しても、ゼーゲンが水を差してしまったおかげでこれまたやりきれないものに。リボルトレコードなるもので無理やりリボルト形態にさせられ、暴走してしまう姿は何とも恐ろしかったです。そんな師を望まない形で討つ羽目になったわけですから、ジサリスの心中も察するに余りあります。総じて親友と呼べる存在も内心では慕っていた師匠も、何もかも失ってしまった彼の叫びが耳に残るラストでした。

(それにしても今回のヴァニタスを見る限り、リボルトはあの暴走している姿が本来の形なのかもしれませんね。アユカのおかげとはいえ自力でリボルトを制御しているジサリスの特異性が密かに際立った回でもありました)

 

 

ウルトラマンオメガ

特別総集編②「アカジナリアキの非日常」

 オメガ2度目の特別総集編。1回目同様上の階のアカジ・ナリアキ社長が登場し、彼の視点でこれまでの話が整理されました。例によってオメガや怪獣の情報に一喜一憂し、その場でメテオカイジュウのモノマネをしたりと愉快なアカジ社長にクスっときましたね。アユムへの想いも相変わらずで、彼女に会えるとわかるや否や身だしなみを整えるラストにも思わず吹き出してしまいます。本編は激動の連続でしたが、この人は変わらずにいてくれることに安心感を覚えました

 その一方でアカジ社長がコウセイたちの秘密の話を聞いていた事実には面食らうことに。13話でアユムに真実を話そうとしていたあの場に、ピグモンとは別にこっそり紛れていたのは意外や意外でした。コウセイがレキネスたちを操っていたことを知ってしまい、地味に核心に近づいている点は何とも面白いですね。一方で気のせいと思いながらも動揺を隠しきれていない社長の様子には、見ていてハラハラさせられました。

 しかし最終的にはコウセイたちを信じる姿勢を貫いたので胸を撫で下ろすことに。社長からの信頼を勝ち取るコウセイの人の良さを実感しつつ、コウセイもソラトも何も変わらない!という結論を出す社長の意気込みに惚れ惚れしました。初登場の時もその善良さに胸打たれましたし、アカジ社長もまたソラトが守りたい「素敵な人間」であることがわかる素敵なエピソードだったと思います。

 

 

 上の話の続きですが、田口清隆氏といえば前季放送されていたアニメ『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』で初のアニメ監督を務めていたことも記憶に新しいです。こちらの作品は当ブログでも感想を上げており、そのストーリーとアニメーションには大いに楽しませてもらいました。そんなアニメを手掛けた田口監督が再びウルトラマンに戻ってくるのですから、ファンの1人としてはたまりません。

 しかしスケジュールは違うのでしょうが、クレバテスを担当しながらオメガにも参加していたであろう田口監督の働きぶりには思わず感嘆しますね。クレバテス2期の制作も控えていることから、まだまだ忙しいことも察せられます。楽しい作品を作ってくれることを感謝しつつ、田口監督の休息も願うばかりです。

 

 

 ではまた、次の機会に。