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気まぐれ漫画簡易感想 その21(『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』)

 

 

 私事ですが、最近ある作品を読みたいがために「ヤングアニマルWeb」を登録して漫画を読んでいます。“ようこそ混沌”白泉社*1の漫画が読めるサイトだけあって、作品のジャンルがバラバラの闇鍋状態なのが個人的にもかなり気に入っています。『ベルセルク』や『3月のライオン』といった有名作品から最近話題の『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』にその他多くの漫画を読んでいる真っ最中です。

 そんな中昨年ドラマ化もされていた『しょせん他人事ですから』にハマりました。ネットトラブルという今でこそ必要な話題でもあり、感想ブログを書いている身としても一度は読んでおいた方がいいと考え、手に取った結果思いのほか面白かったですね。本作に関する色々な感想も湧いてきたので、今回は変則的にこの1作品の感想をパパっと書いていこうと思います

 

 

 というわけで以下、漫画の簡易感想です。

 

 

 

 

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

 

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~・第1話 | ヤングアニマルWeb

 

 というわけで今回のメインである『しょせん他人事ですから』。ネットやSNSで発生したトラブルに関する依頼を、主人公の弁護士たちが解決に導いていく作品となっています。現代に生きていくにあたって外せないネットに関する騒動は、現実でこそ身近に感じるものが多い内容かと思われます。それだけに劇中で起きたネットトラブルはいずれもどこかセンシティブで、読んでいるだけでその身に迫ってきそうな危機感を抱かせてきました。また実際の弁護士が監修していることもあり、情報開示請求から和解にまで繋がる流れといったものがわかりやすく学べるのも面白いポイントですね。

 そして本作の特徴である徹底した「他人事」のスタンスが非常に興味深かったです。主人公の「保田理(やすだ・おさむ)」は非常にドライで歯に着せぬ言動を繰り返す人物でどんなことも「他人事ですから」と流す性格。それだけに人間の本質を捉えたような話もしてくれるので、各章ラストの彼にはいつも注目しています。(何より真剣な依頼人には真摯に向き合ってくれるので個人的な好感度は何だかんだ高いです)そんな保田が語る「しょせん人のことなんてわからない」といった人間論は、ある種現代で生きていくにあたって重要に感じますね。あと定期的に身内に咎められるコミカル描写のおかげで結構愛着が湧くキャラクターをしているのがここすきポイント。

 劇中の人物に関しても誹謗中傷するような当人はどれだけ相手を傷付けているのか考えない、自分は加害者になると想像すら出来ていない。(ある中学生が主役の回はまさにそれで、反省に関しても被害者ではなく謝罪に付き合ってくれた父親に関してでしたし)そういったエピソードばかりなのでスッキリしない場合も多いのですが、そうした連中を相手にするだけ無駄だと割り切るオチは実際堅実ですし楽であることも理解出来ます。その人にはその人の考えや物語はある以上、合わないならスッパリ切り捨てることも大事なのかもしれません。そういった点もまさしく本作の「他人事」に繋がっているのだと思います

 

 また最近読み終わった「プロ野球編」は非常に強烈な内容で、終盤まで読む手が止まらなかったですね。戦績が振るわない選手への誹謗中傷を続ける連中を球団が情報開示請求をしてきましたが、された側の中に「我こそは真のファンなり」といった態度の人物が出てきたので衝撃を受けました。ネット上で常日頃選手への暴言を吐きながら正義を主張し、悪いのは球団や開示請求してきた弁護士だ!選手たちのためにも俺は戦うぞ!といった態度を終始取り続けていたのでドン引きせずにはいられなかったです

 何より「自分は○○を愛している。だからこの意見は正当なものだ」とでも言わんばかりのスタンスは、現実のネット上でもたまに見かけるので余計に身近な恐怖を感じました。特定のコンテンツに関して熱量は間違いなく本物ですが、その愛が的外れな批評やあることないこと言い出す暴走に繋がっているような例は何となく覚えがあります。流石に上の人物ほど過激なモノは見たことないものの、こういったリアルさには思わず身が引き締まるばかりです。(だからこそ弁護士や法律が双方の考えを定義化したり行動を縛る必要があることも理解出来ましたね)

 

 

 というわけでしょせん他人事ですからの感想でした。特定の作品の感想を集中的に、軽く書くのは珍しいですが中々に楽しかったです。また本作は特設サイトも用意されているということで、こちらも同時に読み進めてきました。監修している弁護士のコラムも参考になることが多かったですね。

 

www.hakusensha.co.jp

 

 そしてこの作品を読んで「誹謗中傷や根拠のない決めつけをしてはいけない」といったことを改めて学びました。当たり前ですが、個人や団体への名誉棄損に繋がる言動は例えネット上でも絶対にダメ。そしてその意味を理解しているはずなのに、自分は大丈夫・自分は正しいと思ってやってしまう人もいることも理解出来ます。

 何よりこんなことを書いている僕自身、知らないところで加害者になりうる可能性だって十分にあることも伝わってきました。なるべく言動には気を付けているつもりですが、あるとき思いもよらない場面で訴えられるかもしれません。誰かの批判に同調することも同罪ですし、そう考えるとSNSなどをやるのが少し怖くなってきます。(だからこそ訴えられないようにするための最も効果的な手段は「SNSをやらない・何も発言しない」になるんですよね)

 それだけに上述の教訓を受け、何かを書く時は一旦時間を置くなど気を付けていきたいですね。名誉棄損に関する知識も漫画だけでなく様々な資料で獲得しつつ、今後も多くの作品についてリスペクトと柔らかい言葉遣いを忘れずに感想を書いていく所存です。(あと余談ですが、昨年放送されたという本作のドラマも少し気になっています。アマプラで配信しているようですしいずれチェックしてみたいですね)

 

 

  ではまた、次の機会に。

*1:本田氏の漫画『ガイコツ書店員 本田さん』よりセリフを一部改変して引用