お前も着せ替え人形にしてやろうか!?
バロッサ星人のコレクションという名目で歴代怪獣や宇宙人のネタが見られるの、すっごく楽しい!
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- ドタバタ劇&ド派手アクションをご覧あれ!
今回のオメガは普段とは異なる空気感、端的に言えばハイテンションなギャグ回みたいなノリとなっていました。バロッサ星人の襲撃に遭いメテオカイジュウも奪われソラトとコウセイが地味に大ピンチ……だったのですが、全体的にゆる~い雰囲気が流れており危機感といったものはあまり感じられなかったです。代わりにどこか抜けてて愛嬌のあるバロッサと、必死に抵抗するコウセイたちのワチャワチャ感がコミカルなモノとなっていました。とにかく全キャラ可愛らしくて、見ているだけでフフッとした笑いが込み上げてきます。
一方アクション方面に関してはかなり凝っていた印象を受けました。冒頭のオメガVSレキネスの特訓パートでは一瞬スローになる演出が入ったり、続くVSバロッサ星人のザーゴンとのバトルは長回しから始まるなど映像に気合が入っている点が伺えます。それでいてザーゴンの動きはいちいちひょうきんだったうえ、攻撃をオニオンの棍棒で野球の如く打って飛ばすといったおかしな描写も見逃せません。(しかもそこそこ強かったのが厄介でした)迫力のある特撮表現を多用しながらも、今回のギャグ漫画かのような明るいノリをしっかり意識しているのはたまらなかったです。
あとはやはりメテオカイジュウが全編通して目立っていたのが注目ポイント。そもそもザーゴンが狙いがメテオカイジュウであり、実質今回のキーアイテム兼ヒロインみたいな扱いとなっていました。そんなザーゴンの暴挙を止めるため、小型形態のままコウセイと共に戦うといった可愛らしくも勇ましい一面を見られて思わず興奮してしまいます。そのうえメテオカイジュウを切り替えて戦うという、ありそうでなかったバトルが見られたのも感無量の一言。*1今回のエピソードは言わずと知れた田口清隆氏が監督を務めたのですが、久々のウルトラマンの現場で個性を出しつつ、見たいものを見せてくれた田口監督には感謝したいですね。
- お騒がせ宇宙人一家、地球での珍道中
突如としてコウセイたちに襲い掛かってきた「海賊宇宙人 バロッサ星人」は『ウルトラマンZ』にて初登場した宇宙人。かつて3度に渡りウルトラマンゼットを苦しめ、さらには『ウルトラマントリガー』の世界でも出現した経歴を持っています。「宇宙海賊」とも呼ばれており、他の星の技術や貴重なアイテムを略奪することを生きがいとしている模様。見た目に関しては濁った金色の体表に加え、渦巻き状の模様とウサギのような大きな耳は不気味さと愛嬌を同時に抱かせてきますね。登場回数も含め、ニュージェネを代表する宇宙人と言っても申し分ありません。
そして今回登場したのは5代目こと「ザーゴン」と6代目こと「ギルダ」。劇中のセリフからして兄妹らしく、恐らくはゼットがかつて説明していた初代バロッサ星人の9999人の弟たちの1人なのでしょう。(妹もいるのはおかしくないとはいえちょっと驚きました)2人とも性格は子どもっぽく、奪ったメテオカイジュウやコウセイで遊んでいたのでどこか微笑ましいものを覚えます。一方2人の母親である「バロッサ星人(母)」は、子どもたちを叱ったり後々謝罪に来るなど分別のある大人の性格をしていましたね。まぁ後述の件もあってこの人たちとの価値観の違いが怖いのですが……本作初の本格的な宇宙人として、かなり強烈な印象を残してきたと言えます。
またザーゴンたちが使用したアイテムの数々にも注目したいところ。地球人との会話用のザラブ星人の翻訳機を筆頭にダダの縮小光線銃、ヒッポリトタールやモルフォ蝶の鱗粉、金魚鉢で飼育されている小型のゲードスにガヴァドンのぬいぐるみなど実に多くの怪獣、宇宙人たち由来のモノが揃っていました。他にもギルダはシャプレーメダル、バロッサ母もマンダリン草饅頭を用意したりと実にネタが細かいですね。過去作を知っている人ほどニヤリとくる小ネタばかりで、他の作品との繋がりが薄いオメガでは珍しい遊び心を味わえました。
- 難儀な宇宙人との“違い”を見つめて
また今回は宇宙人の認識・価値観の違いといったものが密かに描かれていたのがちょっとした見どころ。そもそも今回の騒動はザーゴンとギルダが自分のコレクション、もっと言えば玩具を増やそうとして仕掛けたもの。片やメテオカイジュウでブンドドし、片やコウセイを着せ替え人形にするなど可愛らしいもののコウセイたちにとってはいい迷惑でした。さらにはバロッサ母が子どもたちを諫める際、地球人を犬猫のように扱っていたのが鼻につきましたね。彼らにとって地球人はそういった下等生物に過ぎない、と思うと少々ゾッとするものがあります。
他にも宇宙人には地球人の見分けがつきにくい?という問題が出てきたのも興味深かったです。ザーゴンがコウセイが人形とすり替えられたことに気付かなかったり、バロッサ母がアユムとコウセイの性別を勘違いしたまま去っていった事実には思わず吹き出してしまいました。(しかもソラトですら人形とコウセイの見分けが付いていないのは地味にショック)とはいえ我々もバロッサ星人の見た目はほとんど付いていないですし、現実でも同じ種類の動物が全て同じに見えるのと同様の話なのでしょう。そういった意味では地球人も宇宙人もお互い様なのかもしれません。
というわけで全体的に普段のオメガとはまた違ったテイストの、愉快で楽しかった回でしたね。しかし劇中でバロッサ一家がさりげなく口にした「滅びゆく種族」というワードには思わず二度見してしまいました。ギルダ曰く「地球文明に危機が迫っています」「この星の人間は間もなく滅びるでしょう」とのことで、この言葉を信じるならば今後何か重大な事件が起こるのかもしれません。それはゾヴァラスを造り出したゲネスに関するモノか、はたまたそれらとは別の脅威が迫っているのか……単なる息抜きエピソードでは終わらない不穏な布石に、この先の展開を予感した次第です。
そして次回はとある少年が主人公の物語。トクサツ映像を撮るのに夢中な少年はよりリアルな映像のために街に出現した怪獣を追った際、謎の赤い結晶を手に入れるとのことです。その結晶は人間のネガティブな感情をエネルギーに変えてしまう代物らしく(あの赤い球のお仲間か……?)、これを拾ってしまった少年の運命や如何に。またこの回は引き続き田口監督が担当するので、今回とはまた違った魅力に期待大です。
ではまた、次の機会に。
*1:個人的な予想だが、メテオカイジュウ切り替えはコウセイが成長してきたからこそ今回ようやく披露出来た芸当かもしれない。
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