パルフェ<完璧>な
未来を諦めない!!
楽しみにしていた要素、期待していたガヴを存分に見られて大満足!!
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今年8月に放送終了した『仮面ライダーガヴ』。そのハードながらも胸を打つ物語やキャラクターなどから高い人気を博し、長いライダーの歴史の中でもひと際話題性の強い作品となりました。僕自身本作のストーリーには中々考えさせられる一面が多くあり、その分当ブログの感想などでも毎回書き応えがあった記憶があります。
そんなガヴのVシネ映画が先日公開。本編の後日談が描かれるのは毎作の定番ですが、今回は年内の11月末という異例の早さで公開されこれまだ話題になりました。(これはガヴが例年よりも早い段階で撮影開始したことによる恩恵でしょう)というわけで早くも本作が見られるという事実に胸を躍らせつつ映画館に足を運びましたが、こちらの期待通りのエピソードでスッキリさせてくれました。本編終了後の気になっていた要素の多くを回収しつつ、ガヴらしい“救い”をテーマとしたストーリーが物語に深く突き刺さりましたね。今回はそんなVシネガヴの感想を書いていきたいと思います。
※ここから先は作品の内容に触れているのでネタバレ注意!!
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- 気になっていた・見たかったアレやソレを
本作においてまず注目したいのが数々の布石回収ポイント。テレビシリーズ本編では描き切れなかったモノにこれでもかと触れており、かつそれらをさり気なく見せてくれるので約60分の映画とは思えないほどの情報量を味わえました。例えば「扉」が破壊された後のバイトグラニュートたちですが、ショウマの思惑通り光菓子を報酬として人間社会に馴染めていたのが印象に残っています。難民とも言える彼らが闇菓子から卒業出来ただけでも驚きなうえ、ショウマの頑張りが早速結果を伴っているのが地味に嬉しかったですね。
また主役を務める絆斗の体の問題についてもようやく言及され、彼の今後の安否をキチンと示唆してくれたことにも膝を打ちました。酢賀亡き今誰が絆斗の治療をしてくれるのかと思っていましたが、「狩藤綾巳(かとう・あやみ)」先生という真っ当な医者で補っていったのが見事。他にも後述のリゼルの問題はもちろんのこと、ラキアとの再会などファンが見たい要素をこれでもかと用意してくれているので鑑賞中何度も唸らされましたね。(ラキアの登場とかはノルマ消費みたいな唐突さがありましたが)作品の密度も相まって、Vシネ映画でここまで詰め込まれていて飽きない仕様は非常に珍しいと感じます。
あとは濃い新キャラと合わせて、人間とグラニュートの関係などに多様な形が出てきたのも大きな見どころ。自力で闇菓子を手に入れようとするグラニュートが、グラニュートを食べたい人間と手を組むとんでもないコンビが結成されていた時は度肝を抜かれましたね。さらにボッカ大統領に父親を殺されたグラニュートが乱入してきたりと、ストマック家も大統領も関係ない勢力が入り乱れていたので見応え抜群でした。本編における個人的な不満点だった「世界観の狭さ」を、こうした新キャラで以て補っていた点も大いに評価出来ます。何より本編でやれなかった・消化不良だった部分にメスを入れて話の厚みが増していることを実感した次第です。
- 罪(ギルティ)を背負い、彼らを導く大人(ヒーロー)
そして本作で最も特徴的な要素として、グラニュートたちを導くストーリー展開が挙げられます。上述の通り難民グラニュートやリゼルなど、人間界に取り残されたグラニュートを更生させていくのが今のショウマたちの目標。本編最終回で語られたこの一点が劇中では一貫して描かれていました。これまでは闇菓子やストマック社の存在の大きさから倒すしかなかったものの、今ではバイトたちもやり直す意志があれば力になってあげられるようになれた様子には密かに感銘を受けます。
何よりリゼルのシーンを見れば伝わってきますが、本作の彼女は非行少女としての側面が強く出ています。同じように住む場所のない子どもがグループを組んで行動し、彼らを騙す悪い大人たちが出てくる展開にアングラな雰囲気マシマシ。だからこそ間違いを犯した者や一歩手前の危うい若者を、これ以上間違った道に進ませてはいけない!というメッセージが伝わってきました。塩谷師匠のようになろうとする絆斗然り、彼らを受け入れるショウマや狩藤先生然り、そうした「更生させるべき人たちを守る大人」こそが本作のヒーロー像であることは間違いないでしょう。
転じてショウマと絆斗が、本編でグラニュートを倒してきた“罪”を背負っていく光景も目に留まりました。出来ることなら倒したくなかったでしょうし、リゼルのような迷える存在を生み出してしまったことに責任感を覚えている様子は、苦しいながらも心から感心させられましたね。敵とはいえ命を奪った事実をなぁなぁにせず、しっかり自分たちの犯した罪過として認識する主人公に好感を抱いたところです。そのうえ復讐に取りつかれたグラニュートも登場するので、憎悪の連鎖を断ち切っていく意味にも繋がっていたのがグッド。
総じてかつて戦った敵だろうとも救おうとする、ショウマたちの戦いこそが本作のキモであると考えます。これは本編の結論である「みんなと共有していく幸せの形」からさらに広がっているのが個人的には大いに胸打たれるポイント。みんなの中にリゼルや難民グラニュートも入れていき、これ以上誰も悲しまない本当の幸せを模索していく……本編が敵に対してひたすらシビアな面が目立っていただけに、本作の幸せな未来を目指す姿勢がこちらの心に突き刺さりましたね。
では以下、各キャラクターについての所感です。
辛木田絆斗/仮面ライダーヴァレン
本作の主人公。以前から気がかりだった改造された体の問題について触れつつ、自身が目指す「子どもを守る大人」としての絆斗に胸打たれることとなりました。まず前者に関しては案の定、ボロボロの体を押してでもなお力を捨てず戦おうとするので終始ハラハラさせられましたね。彼がそういう人物であることは重々承知していたものの、背負いがちな性格は変わっていないのもあって不安が拭えなかったです。
その分何故絆斗はここまで自分で戦うことに拘るのか?という点をキッチリ描いてくれたのが目に留まりました。リゼルのような難民グラニュートを生み出したことの罪を受け止めて、彼らを導く立派な大人になろうとする姿勢には大いに胸打たれた次第です。塩谷師匠の存在の大きさを噛みしめつつ、あの人の背中を追うことで生きた証を残そうとしているのも伝わってきてどこかウルっときてしまいます。
バトルにおいては新フォーム「パルフェモード」での活躍はもちろんのこと、それより前からいつもの絆斗らしい泥臭い戦いを繰り広げていたのが印象的。戦闘に慣れきっているショウマやラキアと比べてもガムシャラ感が強く、それが根性で戦う彼のスタイルだと一貫して描かれていましたね。(イジークを倒したキメの一撃が頭突きなのも最高にハンティしてて最高)顔だけ残して変身やマスク割れなど、ライダーオタクならグッとくる演出にもテンションMAXです。
井上ショウマ/仮面ライダーガヴ
甘根幸果
ラキア・アマルガ/仮面ライダーヴラム
絆斗と共に戦ってきた主人公たち。本作では絆斗が様々なことで悩めるシーンが多かった分、彼らの制止天気な面での安定性が際立っていました。中でもショウマは残されたグラニュートを導き、最高の未来を掴み取ろうと邁進しているので実に頼もしかったですね。本編で自分の過去や因縁に決着を付けてきた分、さながら前作主人公としてのメンタルの完成度に達していたと思います。
我らが幸果さんは例によって本編の清涼剤を務めつつ、リゼルとの交流を重ねていく存在としてこれまた輝いていました。リゼルの横暴な面を知らなかったというのもあるのでしょうが、彼女を1人の女の子として接してくれたのはその心を解すには十分だったと言えます。このコミュ力の高さは流石といったところです。そして後述のラキアンを呼ぶためにグラニュート界を躊躇なく走り回るのが強すぎる……
そしてラキアに関しては、終盤急に出てきたので困惑の方が大きかったですね。あくまで助っ人的な登場を果たしており、どちらかというとショウマたちと再会させてファンを安心させるために出てきた印象でした。とはいえ何だかんだラキアを見られて嬉しかったですね。
リゼル・ジャルダック
本作を語るうえで欠かせないキーパーソン。グラニュートはパーソン(人)でいいのか?という疑問にはチャージミー!チャージミー!ボッカもジープも失ってどのように暮らしているのかと思っていたら、家出少女たちのグループに入っていて地味に仰天しましたね。そのうえ彼女らと普通に仲が良いくらいには馴染んでおり、チヤホヤされていたとはいえ適応力の高さに少々舌を巻いてしまいます。(あとリゼルが彼女たちのことを大事に想っていたのがここすきポイント)
何よりわがまま悪役令嬢としてのイメージが強かったリゼルが、本作においては家出少女たちと同じく「危うい子どもたち」として描かれていたのが最大の注目ポイントでした。家を持たない不良一歩手前故に、やり直せるかひねくれてしまうかどちらもあり得る状況だったと言えます。だからこそ悪い大人たちから引き離し、更生の道を示していく必要のある“守るべき”存在となっていましたね。
幸果との交流や絆斗たちに感謝するラストなど、根は素直であることが伺えたのもグッド。ボッカ大統領の娘という肩書きから解放されたことで、ようやくリゼルという個人を見ることが出来たと感じています。酷い目に遭いながらもそれを乗り越え、少しだけ成長したリゼルを個人的にも好きになることが出来て良かったです。
狩藤綾巳
初見怪しいと思ったけど別にそんなことはなかったぜ!なお医者さん。それどころか不良娘や曰くつき患者はおろか、死にかけのグラニュートですら救おうとする医師の鑑として観ているこちらの心を射止めてきました。見た目や言動の厳つさに反して面倒見がいいので、幸果とは別に心温まる善良さのギャップに悶えてしまいましたよえぇ。
何より絆斗に関して、視聴者が思っていたことをズバズバ言ってくれるのが気持ち良かったですね。厳しい言葉ながら本気で絆斗のことを想ってくれているので、余計に好感度が上がります。本作は酢賀を筆頭にマッドなサイエンティストが多かった分、余計に狩藤先生の真っ当な姿勢と絆斗の相性の良さが際立っていたと思います。
(そして絆斗に念願のかかりつけ医が出来たのが最高に安心したポイント。薬の量はメチャクチャ多いけどこれで病院の心配はなくなったよやったねハンティ!)
ググナ
沙和村超太郎
イジーク・プルト
本作の敵キャラ枠。ストマック社が壊滅したため敵としては非常にこじんまりとしていましたが、身近な悪意に満ちている点では本編を上回っていた印象です。まずググナに関しては絵に描いたような闇菓子中毒者として、物語を終始引っ掻き回してくれました。何より少女たちや他のグラニュートをたぶらかそうとする、子どもを食い物にする悪い大人としてこれ以上ないくらいの悪辣さが出ていたと言えます。
さらに狩藤先生の所の看護師である沙和村は、ヤバい奴としてのインパクトは絶大。グラニュートを食べたいという、ありそうでなかったゲテモノ食いの狂人としてこちらの度肝を抜いてきました。本編でも人間でここまでの猟奇要素は出てこなかっただけに、この男の食べ跡であろう厨房の悍ましさは計り知れなかったです。このような地上波には出せないキャラを存分に観られるのも、ある意味でVシネの醍醐味かもしれません。
最後のイジークは上の2人と比べると、父の仇を討とうとする切ない過去を持ったグラニュートとして描かれていました。しかし父を殺したボッカ大統領が死んだとわかるやリゼルを狙ったり、そのために周囲の被害を構わず出す横暴はいただけなかったです。復讐との向き合い方を見せてきたガヴにおいて、イジークはまさに復讐に呑まれた哀れなグラニュートだったのでしょうね。
というわけでVシネガヴの感想でした。予告の時点でリゼルをどう救うのか楽しみにしていた中、しっかりと彼女の問題にケジメを付けてくれて本当にホッとしましたね。ストマック兄弟たちにひたすら救いがなかった点、健二さんのような更生したものの理不尽な最期を遂げたグラニュートがいた点など、これらが全て今回の結末に繋がっていたのかもしれないとも感じられます。本編ではその辺りについて地味に引っ掛かっていた分、理想的な物語を魅せてくれて感無量といったところです。
そしてガヴの物語はこれにて完結。冬映画が終了した今、映像作品における展開は一旦終わりだと思うと少々寂しくなってきます。(一応TTFCにてifルートの外伝をやるそうですがあちらはバッドエンド確定っぽいですし……)独立した世界観故他のライダーとの客演もあまりなさそうですし、これ以上はお祭り作品などで現在シーズン2がYouTubeにて配信中のジサリス……ではなくディケイド辺りに連れてこられるとかでもないとショウマたちの活躍が見られそうにありません。
とはいえここまでのガヴ人気を考えるとこれで終わらせるのはもったいないので、もしかしたら意外な形でまたガヴの展開が見られるかもしれません。先日小説版の発売が決定したリバイスのように、何かしらの供給が来た時は全力でガヴを楽しんでいきたいですね。
ではまた、次の機会に。
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