ビートを刻むぜ!!
激しく美しい旋律と共に宇宙を守れ、ビートランナーズ!!
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
- 重なる共闘、響かせろ残響
巨獣パンゴーラを倒すため立ち上がるビートランナーズ。彼らの激闘が描かれた最終回では、予想していた通りハンゾー&ウズメの助太刀から始まりました。助けてもらった借りを返すという形で助けに入る流れがあまりにもベタで、若干のツンデレに惚れ惚れしてしまいます。期待していた要素をここまでしっかり抑えてくれていると、オタクとしては興奮せずにはいられませんね。それだけでなく、パンゴーラを内側から破壊するエネルギーをクレットの細胞で補強する提案がまた絶妙。ここまでの登場人物全員で戦う流れは、最終決戦として実に堅実なものとなっていました。
準備パートからパンゴーラへの突撃、デモリションたちディエンダルとの戦いなど、最終回だけあってアクションシーンもひたすら豪華でしたね。何といってもハンゾーが味方に加わったことで銃撃戦に剣戟も加わり、絵面の激しさがより増していました。中でもプレストとハンゾーのコンビネーション技でデモリションを退けるシーンがここすきポイント。この2人は初対面時が大分剣呑としているからこそ、意外と息の合ったバトルを魅せてくれたことへの感慨深さも味わえたと言えるでしょう。
そのままプレストがアダージョに代わってパンゴーラにトドメを刺す瞬間など、盛り上がる要素をしっかりやってみせたのがグッド。(アダージョの見せ場があまりなかったのは若干残念に感じましたが……)2人の無言のアイコンタクトも素敵ですが、それ以上に主人公が決めるべき場面をやってのけたことに確かな安心感を覚えますね。良い意味で予定調和とも言える展開を、捻らずにやり遂げたバトルとして大いに楽しめた次第です。
- どこまで行けるか分からないけど燃やせコアを
今回の共闘という要素でもう1つ触れておきたいのがTear.Drop.4(TD4)とウズメのセッション。ビートメタルパックにチャージするエネルギーが足りないとなったところで、視聴者にもしや?と思わせてからウズメがカギになる流れに膝を打ちました。一緒に歌うことで音楽の力を高めていく、といった理屈は本作をここまで見ていれば自然と納得がいきますね。何より同じビートを奏でる形で共に戦う構図が、まさに音楽をテーマとした作品としてこれ以上な表現になっていたと思います。
そうしてTD4とウズメのコラボで披露されたのがプレスト謹製の新曲「CHANGE MY DESTINY (feat. ウズメ)」(当記事のサムネになっている曲です)。ここにきて新たな曲を作って歌うという展開に、これまた興奮を覚えました。そんな新曲に関してもシンプルに盛り上がる内容で、戦闘中はこの曲をBGMにテンションが上がりましたね。J-POPテイストの明るさを内包していながらも、バトルにしっかり合う辺りこの曲もヒーローソングとして見事だと評価したいです。
個人的には歌詞に「何度だって」や「共に行こう」といったワードが入っているのがお気に入り。行く先がどこに繋がっているのかもわからない中、共に歩いてくれる仲間がいればどんな困難だって乗り越えていけるだろう……記憶喪失ながら前を向いて戦い続ける、プレストらしい曲に仕上がっていて胸が熱くなってきます。最後の最後に「憂鬱なアイロニー」以上に好きになる曲に出会えて嬉しい限りです。
- “創造”と“破壊”の先に待つモノとは……?
プレストといえば上述の新曲を大自然のメロディから編み出す絶対音感を発揮したのも印象的。正直これを絶対音感と言っていいのかは疑問ですが。レントたちからも感心されるほどのアドリブ&想像力ということで、彼の特異性を感じさせる一幕となっていました。そしてデモリションとの記憶の断片も明らかになりましたが、去っていく彼を引き留めるような構図が目に留まりますね。まるで親しい間柄のようなやり取りであり、以前明かされたデモリションがバイオロイドという事実も踏まえると……といった妄想が止まりません。
などと考えていた中、Cパートでのソライヤの発言に全てを持っていかれることに。「創造と破壊、全てを掌握する日は近い……」なんて黒幕みたいなセリフに思わず面食らってしまいましたよえぇ。話の流れからして彼女の言う創造はプレスト、破壊はデモリションのことを指しているのは明らか。それだけにレントの懸念通りソライヤが怪しくなってきたことに脳天を撃ち抜かれた気分になります。嘘だよなソライヤ様!?と内心叫びつつ、ここから彼女の目論見が語られることに注目していきたいところです。
- 2人の“揺るがぬ熱きヒーロー像”を見る
本編も終わったところで最後は声優とスーツアクターの対談コーナーについても触れておきたいと思います。(メイキングパートなどは本編が17分に拡大したため無し)最終回は小野賢章(おの・けんしょう)さんと橋渡竜馬(はしど・りょうま)さんのプレストコンビ。1話の時点で最後はこの2人になるだろうとは予想していたので、待ちに待った対談に始まる前からソワソワしてしまいましたね。
まず小野賢章さんと言えば多くのアニメに出演している今をときめく売れっ子声優。しかし特撮作品の出演は本作が初めてらしく、それ故の苦労も多かったようです。激しいアクションの合間の喋り方など、表情が変わらないヒーローだからこそコツを掴みにくかったのでしょう。そのうえでプレストが「どんな厳しい場面でも戦いを楽しむ」良い意味での前向きさを出してみせたのは流石小野さんといったところです。
続く橋渡竜馬さんはドラマ・舞台俳優とスーツアクター両方をこなしている人物。(個人的には『ウイングマン』の主役・ウイングマンのスーツアクターを担当していたことや、『ウルトラマンオメガ』でカミヤ・ユウタ役としてゲスト出演したのが印象深いです)小野さんと比べると特撮に慣れ切っているので、対談でも落ち着いて向こうの話を聞いてあげていたのが頼もしかったです。中でも小野さんの演技に感謝する辺りは実に大人でしたね。
そんな両者が語ったヒーロー像も実に興味深かったです。小野さんは「誰かの正義が誰かにとっての悪」「ヒーロー像も人によって変わる」可能性を踏まえつつ、誰かのために戦えるポジティブなヒーローを。対する橋渡さんはリーダーのアダージョながらプレストが常に熱い想いで仲間を先導していたことから、揺るがない軸を持ち1歩前に出て何かを伝えられる人こそヒーローだと語っていました。このことからプレストはまさに双方のヒーロー像に合致した、主人公らしい存在であることが読み取れますね。そんなプレストを最後まで魅力的に演じてくれたお2人には感謝の念を送りたいところです。
というわけでビートランナーズ最終回の感想でした。そのまま作品全体の総評に移りますが、最後まで「生身の人間が登場しない仮面劇」「音楽をテーマに戦うヒーロー」という要素をきちんと魅せ切ったことを高く評価したいです。ビートランナーズのメンバーをはじめとした登場人物全員を変身後の姿ではなく、最初からその姿の個人として描いてみせました。音楽に関しても歌う側であるTD4を添え物で終わらせずに、彼らもヒーローの一員として主張してきた終盤に感心させられた次第です。
他にも訓練や談笑に花を咲かせる場面を入れることによって、彼らのキャラクターを掴みやすくなっていたのが素晴らしかったですね。それでいて戦闘シーンも各陣営ごとに違いを持たせたり、性格を反映させたバトルスタイルでよりわかりやすさを追求されていました。10分という短い本編時間だからこそ、世界観などを含めて視聴者に伝える取捨選択を取れていたと言えます。総じて限られた制限の中で何を魅せるべきか、本作はその点に力を注いでいたことが改めて感じられました。
そしてメイキングパートや対談パートは本作の裏側、ひいては特撮というジャンルの門戸を開くきっかけになるであろうものとして主張したいポイント。スーツアクターを全面に押し出した企画体制をはじめとして、特撮を作る過程にどれだけの裏方が関わっているかをこれまたシンプルに説明してくれていました。監督や撮影スタッフはもちろんのこと、スーツのデザイナーや制作スタッフ、音楽や映像編集担当など実に大勢の人たちのこだわりが詰まっていることがこれらのパートから改めて伝わってきました。
僕自身スーツの動きやすさチェックで思い切り切り落とす場面や爆発のエフェクトをキャラを透かす演出など、初めて見るものばかりで非常に勉強になりました。当たり前だと思っていた特撮に対する熱意がどれだけのものなのか、実際は想像以上だったとここにきて実感しましたね。そのうえで全く新しい特撮IPを生み出すことがどれだけの覚悟なのかも、遠回りながら肌で感じた次第です。こうしたプロフェッショナルの情熱が特撮を盛り上げていっているのでしょうし、今後の特撮を担うのはこうした作り手たちの“パッション”であることは間違いありません。
無論10分という短さ故の物足りなさや宙ぶらりんで終わった布石(レントのやや自信なさげな部分に後半から触れず解決されなかった点はだいぶ肩透かしでした)など不満点もあるにはあるのですが、それ以上に本作から感じた熱量や出来上がった映像の面白さが上回ってみせたのが正直な感想です。作品の出来がどうだったか以上に、ビートランナーズ大好き!!!これからも応援していきたい!!!という想いに溢れています。
それ故本作をもっと布教していきたいと思うのですが、TVerの期間限定配信故追いかけにくいのが難点ですね。放送後にYouTubeで一挙配信したり、他の配信サイトでまとめて見れるなどしてくれればおすすめしやすいのですが……
あとはシーズン2についても色々気になるところ。関智一さん曰く今は何も決まっていないそうですが、ここまでの伏線を残してそのまま終わるのはあまりにももったいないです。どうにかして第2期を見たいと思うので、こちらは全力で待つ所存。もし始まったあかつきには、これまでと同じく毎週視聴して当ブログに感想を書いていきたいですね。その時までひとまずはさらば、ビートランナーズ!!シーズン2でまた会える時を待っているよ!!
(※次回は対談やアイドルアクションPVがメインの特別編を放送する模様。こちらの感想も来週の簡易感想で書いておこうと思います)
ではまた、次の機会に。
↓以下、過去の感想が書かれた記事一覧です。
