希望に溢れた想い
(今回のザ・レディを見て)これが月9女優の実力か……!!
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- 繋がりが悪夢を打ち破る
前回ラストでオブリビオンゴアナイトメアを消滅させるため、自ら消えることを選んだねむ。しかし莫はその事実を認めず、彼女の復活に挑むところからゼッツ49話が始まりました。ここまで彼女を助けようとしていた莫だからこそ、この結末に納得いかないのは当然のこと。だからこそ必死になるのも理解出来ますし、白い空間でひたすらカプセムを回すだけの虚しさに胸が痛みますね。どこまでも愚直で心配になることもありますが、このイマイチクールになり切れないところこそ万津莫だという納得感も大きかったです。
そしてねむ復活のカギになったのが美浪と怪事課たちの参戦だったのは意外な見どころでした。美浪はともかく、富士見さんたちも明晰夢の力で関わってきたのは予想していなかったです。しかしねむを蘇らせるのに必要だったのが彼女との記憶であり、他人と繋がることで夢を形作る理屈にはグッときますね。何より人気タレントとして多くの人に夢を与えてきた彼女の功績が、彼女自身を救っていく構図は中々に上手いと思いました。存在そのものが泡沫のようにフワフワしているねむを、彼女を知る人間の記憶が1人の人間として確定させてくれたのでしょう。
それ故か同時に復活したオブリビオンの力が弱まっている、あるいはゼッツが強くなっているような描写は興味深かったですね。消滅させても即座に復活するのは不可解に見えますが、ねむが「忘れない」と宣言したくだりで納得。オブリビオン自身もねむの深層心理に抱えている不安=自身の力の増大に触れており、裏を返せば彼女が不安を抱かなければオブリビオンは弱体化するということ。心の奥底で消えたがっていた少女がみんなに支えられることで、しっかりと生きていく決意を固めるのが対抗策になって膝を打った次第です。
まとめるとわかり辛いところもありますが、やはり自分の夢を自分1人で片付けない方向性に持っていったのが個人的には好印象。時に他者を必要として、彼らと繋がることで自己を確立していくことこそ肝要……と、ある種の教育的なテーマに繋がっていたと考えます。怖いことも悲しいこともたくさんある夢の中で、みんながいれば怖くない!といったところ。色々な夢の形が描かれてきたゼッツですが、最後の最後にかなり前向きになるテーマを出してきて正直嬉しかったですね。
- その人を想いながら……
他者との繋がりが現状を打破する展開に関しては、ねむ周り以外でもちょろっと出ていました。何といってもノクス(小鷹)が怪事課に戻ってきて、本格的に3人で行動しようとしていたシーンに見入りました。そのうえで妙に感傷に浸ることなく、早々に事件解決に動くスムーズさがまた富士見さんたちらしいと言いますか。ともあれ孤独に走っていたノクスが、こうして人の輪に戻ってくれたのが何よりも嬉しいかもしれません。(ところで「小鷹怪事課復帰は上も承諾済み」とのことですが、夏映画を踏まえると“アイツ”が一枚噛んでいそうな予感がしますね……)
また莫の方は上述の通り、1人ではなく仲間と共にねむを救い出すことで問題解決したのが大きかったです。こちらもこちらで1人で抱え込みがちだったので、美浪が一言頼るよう説教してくれたことに大変同意しました。ただその一方で、莫が戻ってこれないことをハッキリ口にしてしまったのが不穏なポイント。ここまで積み上げてきた莫の人間ではなくなるフラグが、ほぼ確定した瞬間として鳥肌が立ちました。仲間に頼ることを覚えた矢先、こうして1人になってしまいかねないのは何と皮肉な話でしょうか。
そのため美浪の涙があまりにも切なくて、視聴中胸が痛まずにはいられなかったですよえぇ。莫の前では気丈に振る舞っていたのに、彼が潜入してから「いなくなっちゃヤダ」と本音を漏らす姿は見ていられなかったです。これだけでも莫に説教したくなるほど美浪が可哀想なので、どうにかして彼女へのフォローを用意してほしいですね。
大佐「でもいなくなる前に一言言ってくれる辺り莫くんは誠実だと思うよ」
アギ「怜慈くんは本当にしれっと消息を絶ちましたからね……」
- 眠らない女が叶えたモノ
そして今回最も度肝を抜かれたのがザ・レディの活躍でしょう。ねむを失って自暴自棄になっていたかと思いきや、単身でファントムゴアナイトメアを倒すという大金星を挙げてみせました。倒し方もファントムごと自分の目を潰して、そのままファントムを消滅させるというとんでもない絵面。ファントムを切り捨てるためとはいえここまでするか……!と慄かずにはいられません。目的のためなら自分でさえ傷付けられる、レディの本気というモノを垣間見た気分です。(ファントムの「このクソ女ー!!」というセリフもニチアサのギリギリを攻めていてここすきポイント)
そんなレディの大胆な行動に関しては、やはり莫とのやり取りが大きく関わっていたのが大きかったですね。ねむのことを決して諦めず、自分の娘として認めてくれた莫に感化されたのは想像に難くありません。だからこそ現実逃避の幻影と決別するために、上述の決着を付けたのでしょう。結果復活したねむに母親として肯定してもらい、ある意味で夢を叶えたことに不思議と胸が熱くなってきます。散々やりたい放題していたものの、娘・ねむを守るためという目的が一貫していたザ・レディ。彼女の死に様としてはこれ以上ないほど上々な仕上がりでした。
そしてレディを演じる美村里江さんの怪演についても触れておきたいところ。目を潰して笑うシーンをはじめとして、狂気に満ちながらも鬼気迫る姿はあまりにも鮮烈でした。一方で息絶える直前、ねむに見せる笑顔の儚げなギャップも見事の一言。元々我の強いレディのキャラクターを、美村さんの演技で押し上げていたのは間違いないでしょう。これほどの名演技で本作を盛り上げてくれて、本当に感心させられるばかりです。
今回の戦闘シーンはクライマックスの数分、オブリビオン相手にゼッツ フィジカムインパクトでのバトルが短くも印象的に描かれていました。何といっても主題歌の「PLAY BACK」をBGMとして、少しずつ盛り上がりのボルテージを上げてきたのが良かったですね。そのうえでノクスとジークが合流し、3大ライダー同時変身を匂わせるラストがたまらなかったです。シンプルにカッコいい曲とわかりやすいシチュエーション、これらの併せ技でキチンと興奮させてくれたことに好感を覚えました。
さて次回は仮面ライダーゼッツ最終回!!トリプルライダーでオブリビオンに立ち向かっていくという、全編バトル回になることが予想されます。激しいアクションにも期待出来ますし、今回の終盤で莫が手に入れた新たなカプセムの使いどころも気になりますね。そして莫が最終的にどうなってしまうのか……そちらの方もかなり重要。何だかんだで楽しんできたゼッツを、最後まで全力で見届けていく所存です。
というわけで最終回も、I'm on it.(さぁ、やろうか)
ではまた、次の機会に。
