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デスノート(テレビドラマ版) 第1話 感想

そのノートに名前を書かれた人間は、死ぬ
初めてのドラマ感想です
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 あの『デスノート』がテレビドラマになると聞いて、先日第1話を見ました。原作に忠実だった実写映画版をやったあとでなぜか今になってテレビでやるにあたって、かなりかなり原作とは異なるキャラ付け、展開になることは事前に知っていたのですごく不安になりながらそれでも視聴しました。
 ネット上では案の定叩かれまくっていますが、僕自身の率直な感想を言わせてもらいますと…………
 
 
 
 正直悪くなかったです。むしろ好きかもしれません。
 
 
 
 というのも例の改変が意外にも面白いことになっているからです。原作では天才である月がデスノートの力に魅せられ狂っていく様子を描いた作品なら、今回のドラマ版は平凡な青年である月がデスノートに翻弄されながらも密かに溜め込んでいた感情が爆発させていく様子を描いている、という感じにうまく住み分け出来ているところが面白いと感じました。
 僕はアニメや映画で散々映像化されている作品を今さらドラマにする以上、中途半端に原作を再現するよりもうまく原作を利用して異なる作品を作り上げるほうがはるかにマシ、と考えているのでこのドラマ版は結構好印象です。まぁ突っ込みどころがないわけではありませんが、それでも魅力的な点もかなりあると僕は考えます。
 というわけで、ここからは主要人物ごとに気になる感想を書いていきます。
 
※この先原作に対して批判的な発言がいくつかあると思いますが、決して原作の『デスノート』を批判しているわけではありません。(むしろ原作が大好きです)しかし原作が好きな人には不快に感じる場合もありますのでご了承ください。
 
夜神月<やがみ・ライト>
 今回の月は居酒屋で働いており、アイドル好きの平凡な大学生だったが、デスノートを拾ったことにより「キラ」として密かに凶悪犯を裁いていく、という設定。
 僕はこの月に対してこの時点ではさほど好印象はも持っていませんでしたが、デスノートに高校時代のいじめっ子の名前を書いたあと、時間が迫るにつれて焦って消しゴムで消そうとしたり(デスノートに書いた文字って消えないんだね)塗りつぶそうとする姿や、そのいじめっ子が死んだことを知って動揺したり吐き気を催したりしている姿を見て、「あぁ、この月は普通の人間なんだなぁ」と思いました。
 そもそも「名前を書くだけで人を殺せるノート」なんて普通の人が手にしたら使うことに拒絶反応を示しそうなものなのに、原作ではそういった人物が全然いなかったんですよね。原作の月も初めて使ったときはかなり動揺していましたが、すぐさま立ち直ってノートの力を確かめようとしました。
 その点ドラマ版の月は1度ノートを使ったきり捨てようとしたり、それでも父親を救うためにもう1度ノートに名前を書き込んでしまい、罪悪感から自殺しようとするなど「デスノートを一般人が使ったらどうなるのか」をわかりやすく描いていると思います。そのあと凶悪犯をノートで殺していって「キラ」と祭り上げられるようになってもどこかモヤモヤとしている姿、つまり「無理して人を殺していく様子」にもどこか愛着が湧きます。
 「みんなが安心して暮らせる世界を作る」と口では言っていますが、内心人を殺してしまったことへの正当な理由が欲しくて犯行に及んでいるように思え、L(偽物)の挑発に「そうなっていないからキラが生まれたんだろうが!!」と感情を爆発させる場面も演じている窪田正孝さんの演技力も相まって彼の葛藤を感じます。
 天才ではないけれど、善良な青年であるこの月にはとても惹かれるところがあると僕は思います。
 
L<エル>
 一方Lのほうですがこっちの改変にも驚きましたね。宝塚のようなきれいなメイクでいわゆるビジュアル系(?)のような姿のLですがこっちも悪くないです。
 原作のまさに異常性を感じる不気味天才ではなく、生意気そうだけど理知的な雰囲気の天才となっており、月とはまた違ってうまく住み分け出来ているのではないでしょうか。ひたすら甘いお菓子を食べるのではなくゼリーを口にする点も現代的だと思います。
 ただ問題はLは天才のままなのに対し、月は普通の青年だということ。1話ではさっそくLに正体を見破られていますが、月がこの先どう立ち向かっていくのか気になりますね。
 
 月とLの改変はなかなか良いと思いましたが、逆に悪いと感じたのはリュークですね。
 見た目自体は特に変わっていませんが、今回のリュークはなんだかウザいです。発言がいちいち挑発的で「ここにサイン書いてー」と駄々をこねる姿とか見ていてイライラしました。見た目に反して仕草が可愛らしいキャラにしようとしたのでしょうけど、個人的にこれは失敗だと思います。原作のリュークは不気味な存在の上で可愛いと感じるキャラでしたのでこれは変えないで欲しかったですね。
 けど粧裕が月の部屋に入ってきたところで(見えないから)彼女に向けて片足を上げて手を振る様子は可愛かったと思います。
 
ニア
 最後に1話のラストに登場したニアですが、今までで1番「誰だこいつ!?」って思いました。というのもなんだかすごく女の子らしくて(女性が演じているのだから当然なんだけれど)原作の不気味な子供らしさ全く感じられなかったからです。が、登場してまだ1分も経っていないのでどうなるか判断はつけられませんね。
 っていうかネロはどこいったでしょうか。まさかニアが持っている人形がそうだとは言いませんよね?
 
 
 とここまでドラマ版に関して好意的に書きましたが、まだ1話ですのでどうなるのかわかりません。もしかしたらこの先つまらない作品になるかもしれませんし、逆に別作品として評価されるかもしれません。僕自身の評価もこの後の展開でひっくり返る可能性もあります。
 個人的にはこのまま原作とは別の作品として突き抜けていってほしいんですが、不安が拭い去れないのも事実です。まぁ、そういったドキドキも含めて見逃せない作品になっていると思います。
 このドラマ版デスノートはこの先も視聴していくつもりですが、2話以降の感想を書く予定はまだありませんのであしからず。
 
 ではまた、次の機会に。