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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第11話 「ヒューマン・デブリ」 感想

少年たちの幸福
三日月って色んなところで恨み買いまくってるよな……






















・宇宙激戦、新緑の巨兵 ガンダム・グシオン
 前回謎のMSの襲撃に遭った昭弘たちを救いに颯爽と現れた三日月ですが、今回冒頭で長距離輸送ブースターのクタン参型に格納された状態から落下してきたことがわかりました。それにしてもさっさとバルバトスを切り離して行った三日月の代わりにクタンを操縦することになったおやっさんが可哀想だ……。

 満を持して登場したバルバトス第4形態ですが、これが厄祭戦時本来のバルバトスの姿らしく、その完成されたフォルムは見てて惚れ惚れしますね。(ガンプラも第4形態が一番見栄えがいいし)武装も太刀が追加されていて刀を持ったロボットが好きな身としては嬉しかったものの、三日月は「使いにくい」と評しているのが残念。多分メイスと同じ感覚で使ってるなこいつ。
 一方敵側のMSのマンロディグリモアをさらに丸っこくしたようなボディが特徴。異様に装甲が硬いのか飛び道具を弾き飛ばす程度には防御力があり、接近戦でないと中々厄介な印象です。しかも操縦しているのが子供でしかも三日月と同じ阿頼耶識使いという点も何だか戦いにくい相手な気がします。(それでも三日月は容赦ないだけどね)
 そしてマンロディに乗った少年たちを引きつれついに現れた第2のガンダム、グシオン。時々オネエっぽい口調になるクダル・カデルが搭乗する機体で一応バルバトスと同じ”ガンダム”らしいです。明らかにガンダムに見えないけど名前に「ガンダム」がついているならそれはガンダムなので気にしてはいけません。見るからにパワータイプの機体で主装備がハンマーなのも面白いです。
 クロスボーン「でも宇宙海賊のガンダムならせめてドクロは付けろよな」 ダークハウンド「マントっぽい装備も欲しいですね」


・悲劇の再開・タカキ危機一髪
 そんな戦闘の最中タカキを連れて離脱しようとする昭弘は追ってくるマンロディに苦戦を強いられ、なんとタカキの乗ったMWをぶっ飛ばされてコックピットを人質に取られてしまいます。昭弘は何とかタカキを救い出そうとコックピットを握っているマンロディに突撃しますが、そこでその機体に搭乗しているのが弟の昌弘であることに気づきます。昌弘の方も昭弘の存在に気づき、ラフタたちの応援が来たところで兄弟は一旦それぞれの場所に撤退するという予想していたものの悲しい再会を果たしてしまいました。
 さてタカキの方は昭弘が必死にコックピットを取り返してくれたおかげで帰ってこれたものの、攻撃を受けたことで傷を負ってしまい、手当ての出来る人間がいない鉄華団はみんなうろたえてばかり。しかしメリビットさんが的確な応急処置を施してくれたおかげで何とかなりました。しかしその後オルガはメリビットさんに「船医を乗せないで惑星間航行をするなんて団長失格」と窘められてしまいます。実際あの状況でまともに動けたのはメリビットさんだけでオルガ含めた他全員はただただ立ち尽くしてしまっていたのでここに来て鉄華団の至らない点を思い知ることになったでしょう。そう言った意味で子ども(オルガ)と大人(メリビットさん)の違いというものがここでもわかった気がします。オルガもまだまだ未熟ってことですね。


・宇宙海賊ブルワーズ
 今回鉄華団タービンズを襲撃してきた奴らの正体はブルワーズという宇宙海賊でした。武闘派のもののテイワズと真っ向から戦えるほどではないらしいのですが、かなり強気な上クーデリアお嬢様のことを知っていて彼女の身柄を要求してくる辺り、何かしらのデカい後ろ盾を得た模様。
 そんな海賊のメンバーは団長のや先程のカデル以外にもたくさんいるようですが、MSはヒューマンデブリである少年たちに操縦させているようで(前回昭弘が言っていた海賊って多分こいつらだな)その少年たちを「MSより価値のない奴ら」と痛めつけている辺り、CGSのように子どもを消耗品として扱っている質の悪い集団のようです。特に暴力を振るわれても抵抗できない少年たちの場面は見ていて辛いです。
 そんなヒューマンデブリの少年たちは互いにかばい合っていて仲間意識も強いようですが、それ故にメンバーの1人が三日月によって戦死した仲間の仇を討とうとしていました。……ギャラルホルン側のガエリオやアインといい、三日月は本人の知らないところで恨まれまくっている気がします。


・チョコレートの幼妻
 さて一方色々あって火星から地球に帰還したチョコレートの人と隣の人……もといマクギリスとガエリオはマクギリスの父にあいさつした後ガエリオの家に向かいますがそこでついに4話で話題に出ていたガエリオの妹にしてマクギリスの許婚、アルミリアが登場しました。9歳との話でしたが本当にまだまだ小さいお子様でそれでも自らを立派なレディーと言い放つ背伸びっぷり(どこのエレファントな駆逐艦かな)は実に可愛らしいです。しかもマクギリスのことを「マッキー」と呼び慕うのには驚きました。(そして許婚へのデレっぷりに対して実の兄へのそっけない態度がまた何とも……)
 そんな小さなレディーが紅茶を淹れてくれている間2人の会話からどうやらブルワーズの後ろ盾はマクギリスが雇った男であることがわかりました。大人しく地球に戻ったと思ったらこんなところまで根回ししている辺り強かですね。また2人はどうやらギャラルホルンの腐敗した現体制を変えようとしているらしくお嬢様をその切り札として見ているようです。2人は2人で鉄華団とはまた違った戦いを繰り広げているようで、両者の砕けた仲の良さも相まってちょっと応援したくなりますね。(シャアも復讐とか考えなければガルマとこんな感じにジオンの変革を考えていったのかな……なんて妄想もしてしまいます)
 そして2人の会話を遮りドヤ顔で紅茶を運んでくるアルミリアがまた可愛い。個人的にガエリオをとのやり取りがお気に入り。

 ガエリオ「俺の分は?」
 アルミリア「お兄様はいらないといいましたっ」
 ガエリオ「お前……」



・幸せと責任
 場面は鉄華団に戻り、謎の液体ベッドで療養中のタカキを見舞いに来た三日月とオルガは先に来ていた昭弘に敵の中に自分の弟がいたことを明かし、こんなことになったのは自分の責任だと言います。ヒューマンデブリの分際で人並みに幸せになっていたからだと自分を責める昭弘ですが、オルガはそれら含めて鉄華団全体の責任として受け止めることを伝え、ビスケットたちもタカキの見舞いついでに昭弘を慰めるなど鉄華団の絆の深さを改めて感じます。タカキも意識が戻ったようで良かった良かった!


 今回は宇宙海賊との最初の交戦の中で昭弘の弟との再会が描かれましたが、改めてヒューマンデブリの悲惨な扱いを知りました。今回の鉄華団とブルワーズの場面を見比べるとそれがよりわかると思います。昭弘たち兄弟はこの先悲劇が待っているとは思いますが、せめてもうちょっと話し合う場を設けるべきですね。
 そして次回はブルワーズとの再戦。昭弘の運命はいかに。


 ではまた、次の機会に。