「前に進む」ということ
マスターオブデュエル、一体何ラル様なんだ……!?
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- 未来を見据える彼に声は届かず……
紫との激闘を終えたものの、ロストという異分子に主人公たちが振り回された今回のデュエマLOST。彼からクリスタルカードと「聖戦」なるものの関係を聞かされ、世界を元に戻そうとするウィンの姿にそこはかとない不安を覚えました。フレンドリーに近づいてきたロストの怪しさもあって、利用されているように見えて仕方なかったです。とはいえここまで巻き込まれてばかりだったLOSTウィンが、積極的にクリスタルカードを集めようとするのは悪くないとも言えるせいで余計複雑な気分にさせてきますね。
何よりロストの身の上を聞かされたことで、ウィンが彼への信頼を寄せつつある描写に息を呑みました。彼もまた母親を失った過去(血塗れな遺体が描かれている点が漫画よりもエグい……)を持ち、家族を取り戻すためにクリスタルカードを集めている背景を持つ者。前章でパパリン(斬札ガッツ)のことを思い出したウィンがシンパシーを感じるのも無理はないでしょう。前回あれほど得体の知れなかったロストが“失ったものを取り戻したい”共通点から、ウィンにとって通じ合えるかもしれない友人にランクアップしたのが読み取れました。
(余談ですがロストの母親の声を担当しているのは伊藤静さん。ミヅハノメノカミと同じ声に据えたのは何かの意図がありそうですね……)
そんな状況でずっと怪訝な態度を見せていたのがニイカ。これまでと同じようにウィンを元気付けようとあの手この手で遊びに誘うものの、イマイチ上手くいっていないのでそろそろ不憫に思えてきます。そのうえで「2人でどこか遠いところにいっちゃおっか」という、いわゆる逃避行を提案してきたのでちょっと変な興奮を覚えましたね。ニイカの提案に乗って現実逃避に走るif二次を誰か書いてくれないかなぁ~この期に及んでウィンの目的を否定するのはいただけない反面、これ以上彼に傷付いてほしくないニイカの心情も理解出来るのが絶妙だったと思います。
“過去”の記憶に縋るウィンと“今”を大切にしたいニイカの対比はこれまでもやった通り。しかし今回のウィンは「これからも大切にしたい」と口にしたことで、さらにニイカの不安を煽る結果になったように見えましたね。彼が「前に進む」と目的を見つけて前向きになれているのは恐らく良い傾向。ただ自分の知るウィンがいなくなってしまう恐怖が付きまとっている、彼女の心証を考えると素直に喜べないところもあります。2人の見ている場所がまるで異なることを再確認しつつ、ロストの介入によってウィンとニイカの間に溝が広がっていることを味わった次第です。
総じて本作のニイカが「日常の象徴」であることがわかるだけに、その想いを無下にし続けているウィンへの憤りも湧いてくるのが何とも言えねぇ~~~!
- 聖戦と“決闘の支配者”の秘密
そしてジャシン帝が聖戦についていくつか情報が明かしたのが見どころ。クリスタルカードが聖戦の参加資格なのは確定したとして、世界を元に戻せるかどうかについて話してくれないのでもどかしかったですね。それどころか聖戦の勝者は1人のみ、他人との馴れ合いは不要とばかりに警告する場面にジャシン帝の悪い部分が出ていると感じました。実際ロストが何かを企んでいるので警戒するのはわかるのですが、ウィンからすればジャシンへの不信感を募らせる要因にしかならないのでため息が出てしまいます。
またもう1つ、ジャシン帝の口から「マスターオブデュエル」が飛び出してきたのも見逃せません。この狂った世界を作った張本人である人物について、そのようやく名前が明かされました。錯乱状態のメグル店長がその名を聞いただけで取り乱したことからも、アニメにおいてもマスターオブデュエルの存在は重要であることが窺い知れます。ウィンから話を聞いた九十九矢さんが色々調べてくれるとのことなので、今後の展開次第でマスターオブデュエルの新情報が明かされると思うとちょっとワクワクしてきますね。
さてせっかくなので漫画未読の方にマスターオブデュエルについての補足を少しだけしようと思います。実はこのワードの出典のは原作デュエマLOSTではなく、現在週刊コロコロコミックにて連載中の『デュエル・マスターズ RX(リバースクロス)』が初出。同じくウィンが主人公を務めるRXでも重要な存在として語られていました。「全ての運命と記憶を思うがままに支配する存在」という仰々しい説明もありますが、詳しいことはデュエマRXの方も読んでくれたら……とここぞばかりに宣伝するとします。
↑マスターオブデュエルの単語が出てくるデュエマRX第4話と、当ブログで書いた感想はそれぞれ上を参照。
今回は他にも終盤に登場した新キャラ「森口ヒヨ(もりぐち・ヒヨ)」について触れておきたいところ。那須高原の近くの山に住む少女であり、ロストとはメールでやり取りしてきた友人として突然姿を見せてきました。《土神 クサビラガミ》*1たちをはじめとしたツチガミの不気味さに反して、ヒヨ本人は優し気な雰囲気なのもあってどこか対照的です。最初こそ抱いていたウィンたちの警戒心を、そのほんわかとした態度で解いていくのが印象に残りましたね。
そしてツチガミたちなのですが、アニメ登場前に発売されたカードと今回のCGで若干異なるイメージを抱くこととなりました。《クサビエノキノヌシ》たち小型のツチガミが異様なビジュアルをしているも(もっと言えば昭和特撮に登場する怪人に見える)のの、いざ動くと愛らしさも感じられるのでちょっとニヤリときましたね。カードイラストだけだと得体の知れない怪物が、アニメの動きを得ることでマスコットにも見えてくる……まさにヌルヌル動くデュエマのクリーチャーCGならではの見どころになっていると言えるでしょう。
ではまた、次の機会に。
*1:ちなみにクサビラガミの名前の由来は滋賀県の民間伝承に登場するキノコの神様「クサビラ神(がみ)」だと思われる。
