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2025年夏アニメ簡易感想 その9

 

 

 

 『仮面ライダー』で有名な石ノ森章太郎氏の代表作の1つ『サイボーグ009(ゼロゼロナイン)』。世界の裏で暗躍する組織によって改造された9人のサイボーグが、世界を守るために組織を裏切り戦いに身を投じる────仮面ライダーなどの「敵と同じ力の根源で戦うヒーロー」という石ノ森イズムを強く体現した作品として有名です。僕自身2001年に放送されたアニメ版から009の存在を知りましたが、悲哀に満ちた戦いを強いられながらもひたむきにあり続ける主人公たちに胸打たれた記憶があります

 そんな009の新作が、「サイボーグ009の日」と制定されている7月19日*1に制作発表されました。タイトルはサイボーグ009 ネメシス。「ネメシス」とはギリシャ神話に登場する義憤の女神の名前であり、その情報から神々の戦いなどを想起させてきます。元々神話をモチーフにしたエピソードが多い作品なので、ここにきて新しく神話要素を入れてきてもあまり違和感はありませんね。タイトル以上の情報がないので詳しいことはまだ不明ですが、ジョー/009たちの新しい戦いについて続報に注目したいところです

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと

第3話「セレンディア学園生徒会」

 王子もとい会長の頭上に植木鉢を落とした下手人探しは、思ったよりもあっさり解決。前回モニカに優しくしてくれた保健委員の少女が犯人だったのは意外でしたが、同時に着服事件を起こした婚約者への想いが原因とわかりちょっと納得いきました。発狂したような様子で自分こそが全ての元凶と語る姿に、想い人を庇おうとする必死さが伝わってきて何とも言えない後味の悪さを覚えます。それだけに2人とも自主退学で済ませる会長の配慮に感謝すべきと言うべきでしょうか

 それはともかく事件を解決したモニカがあれよあれよという間に生徒会会計に任命される流れに吹き出してしまいました。副会長の「シリル・アシュリー」の厳しい態度に縮こまるモニカの姿は可哀想可愛いでしたが、しっかりと評価してくれる相手を得られた幸運にニヤリときますね。劇中で説明されたように家の格式が重視される貴族社会において、生まれに関係なく正当な判断を下してくれるシリルの存在はモニカにとっても大きな収穫と言えます。個人的にも会長を崇拝しすぎながら、根は真面目なシリルに好感度が上がりっぱなしです。(それだけに彼が何らかの洗脳を受けたような描写が不穏すぎるのですが……

 

 

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない

第3話「アイドルソング」

 『迷えるシンガーの夢を見ない』ここに完結。ライブ中に卯月の声が出なくなるハプニングに面食らった矢先、さらに彼女が抱えている罪悪感に思わずドキッとさせられました。空気が読めるようになったことで武道館ライブへの夢が叶わぬものでありことを思い知り、その夢に邁進する仲間を心のどこかで嘲笑していた事実に打ちのめされる様子は妙なリアリティに溢れていましたね。どうせ報われないと努力する人間を冷笑してしまう点は、誰しも持っていると思うので余計に身近に感じます。

 そんな卯月が自分の嫌なところを自覚したうえで、咲太に押されて舞台に立つ様子はその分ドラマチックに描かれていました。ハプニングに見舞われながらも、決して諦めずに歌い続けるのどかたちに突き動かされる瞬間に思わず胸が高鳴ります。空気を呼んで客観的な視点を得た結果、本来の“自分らしさ”を取り戻した卯月に思わず涙ぐまずにはいられなかったです。(卯月の苦しみを目の当たりにして落ち込みつつも、めげずにいるのどかの逞しい姿もここすきポイント)

 そして番組タイトルにあるサンタクロースがようやくその姿を見せましたが、彼女こそが「霧島透子(きりしま・とうこ)」だと判明した時は度肝を抜かれましたね。前作から謎の存在とされていたネット投稿歌手を名乗るサンタ姿の女性の目的は何か、ラスト数分で一気に引き込まれた次第です。

 

 

SAND LAND: THE SERIES(サンドランド ザ・シリーズ)

第3話「伝説と呼ばれた男」

 国王軍に目を付けられたことをきっかけに判明していくラオ、もとい「シバ」将軍の過去。「ゼウ」大将軍に騙され部下も妻も失った壮絶な事実だけでなく、自分の過ちを悔いる姿に胸が痛みました。善良な「ピッチ人」を悪だと決めつけてしまったことも含めて、信じていたものが覆っていくショックがどれだけ大きかったかが読み取れる様子だったと言えます。それだけに以降のラオは公共放送を利用して周囲に勧告、ゼウに宣戦布告するなど覚悟が決まっていて惚れ惚れするほどカッコよかったですね

 また戦車を奪ったベルゼたちを反逆者のように報道する国王軍など、本作のテーマの1つであろう「嘘や噂に惑わされない姿勢」が大きく描かれた回でもありました。上述のラオ然り、正しいと思っていたものが歪められた情報だったという展開はこの先も大きく立ち塞がってきます。だからこそ今回のラオのように事実を受け止めて、自分の目で真実を追求することの大切さが伝わってくる内容に仕上がっていました

 他にも謎の集団「スイマーズ」の存在も見逃せません。砂漠なのに海パン一丁という見た目だけで鳥山作品特有の「トンチキな悪役」を醸し出しているうえ、全員魔物並みに凄まじい能力を持っているので一目見ただけで忘れられないインパクトを誇っています。個人的には原作の頃からベルゼブブとどんな因縁があるのかなど、憎めなさもあってかなりお気に入りのキャラたちです

 

 

ぷにるはかわいいスライム(2期)

第15話「RUNE RUNE DANCE」

 アリスのルンルーン関連のいざこざで生まれ、今ではぷにるの大切な友達となったホビー・ルンルに命が宿ることに。壊れたルンルを直そうと体のスライムを入れた結果意志を手に入れる展開は、原作でも驚きの要素だったのでついに来たか!と盛り上がりましたね。無機質だったルンルが普通に喋れるようになった結果、真面目でシャイという新しいキャラクター像を見せていったのも印象深いですでも生まれてすぐにきらら先輩の親子プレイに巻き込まれるのは気の毒すぎる……

 しかしかつてのルンルとの違いに落胆する周囲の反応、そして宝代の暴走でルンルが自分の存在に悩みだす様子は中々に切なかったです。ただでさえ生まれて間もないのに、周りが押し付けてくる在り方に惑わされるので可哀想で仕方ありません。それだけにアリスに「本当の自分」についての激励を貰うシーンにグッときました。かつてはルンルによって惑わされていたアリスが導いているのもあって、ホビーのアイデンティティに関わる素敵なエピソードに仕上がっていたと思います。

 

 

 さて上のサイボーグ009は、石ノ森章太郎氏の作品の中でも屈指の長編シリーズとしても有名。衝撃的なラストを重ねながら何度も新しいエピソードが作られ、実質石ノ森氏のライフワークとなっていたと聞きます。(ただ死んだと思われていた主人公を実は生きていたことで続編に繋げる展開に『シャーロックホームズ』よろしく大人の事情を感じて苦笑いしたり

 同時に氏が構想した完結編の存在など、本作が一言では言い表せないスケールの作品であることを感じ取りました。それだけに以降の作品は石ノ森スピリッツを如何にして受け継いだのか、後世の作家たちの熱意も存在していると理解出来ます。今回の新作はそんな009サーガの1つとしてどう組み込まれるのか、そちらも非常に気になってきた所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:この日は1964年7月19日に「週刊少年キング」にて初めて『サイボーグ009』が掲載されたことに因んでいる。